飛べない鳥の代表格の一つとして有名。
アフリカの中部や南部といった乾燥地帯に生息する鳥で、飛べない代わりに地上を走って移動する事に特化した種類・走鳥類の一種。現存する鳥類の中ではもっとも巨大である。古くから人間社会にもその存在が知られており、ヨーロッパの王家・貴族の紋章のデザインとしてダチョウの羽根がモチーフにされている(イギリスのプリンス・オブ・ウェールズの紋章など)。脳みそが片方の目玉よりも軽いという逸話でも有名。
家畜としても飼育されており、様々な観点からダチョウの優れた部分を、人間社会のあらゆる分野であれこれ有効活用しようと研究する動きもある。
体高:最大約230㎝・体重:最大約130㎏。タマゴも現存する鳥類では最大で、直径約15㎝・重量は1.5㎏にもなる。殻の厚さは2mmほどあり、80㎏の衝撃にも耐えられるほどの頑強さを誇り、確実に産まれてくる雛を守る。タマゴの卵黄は世界最大の細胞でもある。
ダチョウの先祖は地上に新天地を求め適応し、進化によって身体が大きくなるにつれて飛ぶことに適さない身体になり、飛行能力は失われていった。
羽自体は他の鳥類と同じ位置にあり翼もそれなりの大きさだが、飛ぶようには作られていない。ダチョウも含む走鳥類は竜骨突起という飛ぶための筋肉と接続・動かすための骨が消滅しており、その結果翼を動かす筋肉である胸筋が他の鳥類と比べて退化し貧弱になっている。そのため、空を飛ぶための馬力を作り出せない。
空を飛ばなくなり体を軽くする必要が無くなった結果、過酷なアフリカの地上で生き抜けるよう大型化していき、前述したように100㎏越えの巨大な鳥となった。見た目は立派そうなダチョウの翼だが重量級の体格を飛ばすにはあまりにも小さい(ダチョウが飛ぶにはセスナ機の翼並みの大きさが必要)。ダチョウの翼は疾走時のブレーキ・方向転換などの舵取りや求愛のダンスや外敵への威嚇の際に使用される。
ダチョウの羽根は浮力を得るための構造にはなっていない。その代わりその羽毛はかなりふわふわしており、体温を常に安定させることに利用される。つまり外からの熱を遮断し、夜の寒さにも強いという優れものである。また、静電気を帯びにくいという特性も持つ。
外敵が沢山いる地上で生き抜けるよう、ダチョウは強靭な脚力を獲得した。発達した筋肉で動かされる長い脚には2本の指と1つの爪しか存在せず、そのうち1本は小さいため、実質1本の脚の指で身体を支えている事になる。この構造は高速で走るための構造で馬の蹄と同じ原理。デカい歩幅(一歩で3~5m)と合わさり走るスピードは最高時速60㎞ほどにもなり、二足歩行する生物では最も速く動ける。また、最大速度を維持したまま1時間以上も移動可能という高いスタミナを誇る。これらスピードとスタミナを活かして外敵から逃れつつ(もちろん有事の際は戦う)、エサや飲み水を求めて素早く移動する。
あまりにも早いので、チーターすらも基本的にダチョウを襲うことは諦めているくらいである。必死に捕まえて食べてもダチョウは肉が少なく、結局消費エネルギーのほうが上回ってしまう。つまり獲物とするにはダチョウは効率が悪い。
敵対生物をいち早く見つけ対応するため、体は縦に長く首はとても長い。よって、高い位置から周囲を見渡すことが可能。自分の脳みそ(約40g)よりもデカい目玉(直径約6㎝・重さ約60g)は5㎞先まで見通せると言われるバツグンの視力を誇る。さらに「瞬膜」という砂埃などから目を守る膜を備えており、大切な目の保護もバッチリ。長いまつ毛も装備。
食性は草食(小さな頭と嘴は草食に適応した結果)だが、虫など草以外のものも結構食べる。鳥なため歯がないので、砂嚢と呼ばれる草などををすり潰す消化器官を持っている。これを活かすため、ダチョウはすり潰し用の石ころを飲み込む必要がある。
10羽ほどの群れを築き生活する。群れは1羽のオスがリーダーとして率い、オス・メス双方に序列が存在し、上位の個体ほど優先的に交尾・繁殖が許される。タマゴは全て一か所で産み落とされ、上位のメスが産んだタマゴの周囲に、ソレを守るように下位のメスが産んだタマゴが配置される。群れ同士は縄張りを巡り争い合う。
ダチョウは危機を感じると砂の中に頭を突っ込むという習性が知られているが、それは誤り。実際は体を伏せ首を地面近くまで下げて敵に発見されにくくしているだけ。
先述した通り脳みそが片方の目玉よりも小さいので記憶力がほぼ皆無という文字通りの鳥頭である。群れが出会うといつの間にかメンバーが入れ替わっていることもよくある。
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最終更新:2025/02/17(月) 00:00
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