『トランスフォーマー 超神マスターフォース』とは、1988年に放送されたアニメである。
概要
和製トランスフォーマー第二弾。前作までとのつながりはあるものの、かなり日本ロボットアニメに近づいた仕上がりになっている。
例としては「人間がデストロンに殺される」「人間がロボット(トランスフォーマー)に合体する」「キャラクターが必殺技を持っている」「主役がはっきりしている」など。
また、前作に比べて著しく登場TF数は減少しており、その代わりに(タートラー以外の)シーコンズやスパークダッシュといった人格の無い量産型TF(所謂雑魚)が登場。初代などにもなかったわけではないが、この点でも日本アニメに近づいているといえる。また、場面転換時の両軍エンブレムターンや各部隊の「~ボット」「~トロン」の呼称が廃止され、ナレーションも政宗一成から野田圭一にバトンタッチされている。
この作品の最大の特徴としては、真主人公であるジンライの登場が何と第10話という遅さだったことがあげられる。第9話までの主人公的ポジションは、どちらかと言えば秀太少年であった(CVのクレジットも、ジンライ登場後も含めて一番最初。次回予告も一貫して秀太が務めており、前作のクロームドームとダニエルを併せた立ち位置といえる)。
主役ロボであるジンライの合体機構も画期的であり、車両部分が変形してジンライ(コンボイに似ている)になった後、コンテナが変形したパーツと合体してスーパージンライとなる。ここまでは旧作のウルトラマグナスでもやっていたことであるが、さらに追加メカであるゴッドボンバーとのスーパー合体を実現してしまった(ゴッドジンライ)。
ちなみに、このスーパー合体に刺激を受けたバンダイは、『超獣戦隊ライブマン』の二号ロボであるライブボクサーの構造を工夫することで、全く予定になかったスーパー合体(スーパーライブロボ)を成し遂げている。
ストーリー
ヘッドマスター戦争が終わって数年後。クロームドーム達は地球を去り、宇宙で戦いを繰り広げていた。
そして、平和になった地球。
しかし、ある日、一隻の客船が怪物に襲われる事件が発生した。
サッカー少年「剛秀太」の家に身を寄せている青年「ホーク」は、それがかつて自分達が封印したデストロンであることを知る。
ホークは自分がセイバートロン星から来たトランスフォーマーの一種族・「プリテンダー」の戦士「メタルホーク」であることを秀太達に明かし、数千年の時を経て蘇った「ギルマー」達デストロンプリテンダーを倒す為、世界中に散らばった仲間のサイバトロンプリテンダーを呼ぶ。
かくして、小さな惑星・地球において、新たなトランスフォーマー達の戦争が始まる。
それに巻き込まれる秀太達少年少女、そして、未知の存在「ゴッドマスター」となった男「ジンライ」。
戦いの鍵は、超アイテム「マスターフォース」と、超エネルギー「超魂パワー」が握っている!
トランスフォーム! ゴッド・オン!
登場人物
この作品はほぼ、登場人物=トランスフォーマーと言って差し支えが無い。
サイバトロン
プリテンダー
「スーツオン!」のコールで人間の姿からメカニカルな強化スーツスタイルになった後、「プリテンダー!」のコールでトランスフォーマーに巨大変身する。
- 宇宙指揮官メタルホーク(ホーク)
- サイバトロンプリテンダーのリーダー。いかにも主人公然とした性格の持ち主の若き科学者。でも主人公じゃないよ!
唯一の日本完全オリジナル。終盤はサイバトロンプリテンダーは彼しか登場しなくなる。ジェット機に変形。必殺技は「シャイニングアロー」。
- 陸上探査戦士ランダー
- 人間の彼女を持った優男的外見の男。人間での職業は地質学に詳しい自動車設計技師。ヘッドマスターJr.のトランステクターを開発した。海をも走破する地雷原処理車に変形。必殺技は「フィールドハリケーン」。
- 惑星間連絡戦士フェニックス
- ジェット機に変形する。人間での職業は通信技師で、暗号解読もお手の物。ちょっとサリーのパパに似t(ry)。必殺技は「クラウドネイカー」。
- 海洋防衛戦士G1ダイバー
- 空飛ぶ潜水艇に変形。人間での職業は海洋学者で、劇中ではイルカの診断などを扱っていた。ジンライと最初に接触したプリテンダー。――見捨てて一人で変身はいかがなものでしょうか。必殺技は「スクリューアンカー」。
ヘッドマスターJr.
「マスターフォース!」のコールで、クロームドームから贈与された強化スーツ姿に変身。トランステクターの座席から射出され、補助パーツにくるまれるような形でヘッドモードになり、変形したトランステクターに「ヘッドオン」する。必殺技を持っているが、本編では未使用。
- レスキュー指揮官ゴーシューター(剛秀太)
- サイバトロンヘッドマスターJr.の隊長。明るく元気なサッカー少年で、ホークのことを実の兄のように慕っている。
父をデストロンに殺害され、自ら強くなりたいと願い、ヘッドマスターJr.となった。トランステクターはパトカーに変形。必殺技はサッカー技を活かした「サイキックバースト」。EDのキャストクレジットではホークやジンライを差し置いて彼がトップ。
- 災害防衛戦士キャブ
- 南太平洋にある島国「カリン王国」の王子。活動的な少年で、物怖じすることなく新しい文化を受け入れる広い心の持ち主。
デストロンが島を襲撃した際に秀太達と出会い、日本に留学することとなる。そして、秀太たちと共にヘッドマスターJr.となってサイバトロンと戦う。秀太とは良く気が合う。
ちなみに日本ではサイバトロン基地近くの森にログハウスを建てて暮らしている。トランステクターは消防車に変形。必殺技は「ライトニングファイヤー」。
- 救急看護戦士ミネルバ
- ヨーロッパから来た少女。デストロンに外交官の父親らと共に乗っていた旅客機を墜落させられ、その後やって来たホークや秀太と出会いサイバトロンに入隊する。
サイバトロンヘッドマスターJr.の中では最年長であり、お姉さんぶることもしばしば。優しい性格で、それが功を奏することもあれば、逆に災いをもたらすことも多々。拷問を受けられたキャンサーを助けた事から、敵味方を越えたかけがえのない存在になっていく。トランステクターはポルシェ型救急車(!?)に変形。主に看護を任務としている為に必殺技は無い。
ゴッドマスター
「マスターフォース!」のコールで強化スーツを装着後、コア部分と言うべきエンジン「アイアコーン」に変形。そしてロボットモードに変形したトランステクターに「ゴッドオン」する。
- 総司令官スーパージンライ(ジンライ)
- 地球サイバトロンの総司令官。元々はアメリカ在住の日本人で、運送業で働いていた青年。厄介ごとに巻き込まれるのは嫌いだが、正義感は強い男。
彼が故障したトレーラーの替わりに借りた、かのコンボイに酷似したトレーラー。
それに積まれていたマスターフォースを面白半分に腕に填めてしまい、ゴッドマスターとなってしまう(しかもその姿は、やはりコンボイそっくりであった!)。
当初は司令官になるのを拒んでいたが、戦いが進むにつれ、歴代屈指の指揮能力を発揮するようになっていった。
後にゴッドボンバーと「超神合体」し、最高総司令官ゴッドジンライとなる。
胸部には「ウルトラマトリクス」を持つ。トランステクターはコンボイ同様のフレートライナーCOEに変形。必殺技は「超魂アトミックファイヤーガッツ」、スーパー時に「超魂スペシャルファイヤーガッツ」、ゴッド時に「超魂ゴッドファイヤーガッツ」。
最終決戦ではヘッドマスターJr.三人と共に最強の必殺技「超魂ファイナルファイヤーガッツ」を使用した。
- 副官ライトフット
- イギリス出身、カナダ在住の御曹司。ブリティッシュ・モータースという世界的な車メーカーの社長の息子。
ジンライに継いで二番目にゴッドマスターとして覚醒した為か、彼の副官として奮闘することが多い。
優しい性格だが、時には非情な判断を下すことも。トランステクターはRX-7FC3Sに変形。
必殺技は「超魂スピンドリル」。他と比べて技の名前が地味。
- 地球防衛戦士レインジャー
- カナダの自然保護員をしている、所謂「山男」。おおらかな性格で、他人には分け隔てなく接する好漢。
しかし、自然や仲間を傷つける相手には激しい怒りを燃やす。トランステクターはオフロードバギーに変形。
必殺技は「超魂ヒートサンドアタック」。
- 連絡防衛戦士ロードキング
- F-1レースのトップレーサー。レースを観戦しに来ていたライトフットらにより発見された、サイバトロン最後のゴッドマスター。自分の恩師を傷つけようとしたデストロンを憎み、サイバトロンとなった。恩師から貰った車が彼のトランステクターで、当然F-1に変形。
必殺技は「超魂ロータリーブーストタイフーン」。
プリテンダーヘッドマスター
- 太陽系司令官グランドマキシマス(グランド/グラン)
- フォートレスマキシマス(セレブロス)の兄弟で、プリテンダーでありながらヘッドマスターでもある珍しい存在。
既に一段階ヘッドオンした(フォートレスそっくりの)状態から人間体に変身している。ブラックザラックを倒す為に地球へやってきた。
トランステクターはフォートレスのものと同名同型の戦艦・基地に変形。必殺技は「トリプルビームアタック」。
シックスチェンジャー
- 忍者騎士シックスナイト
- 初のサイバトロンシックスチェンジャー。ロボット形態以外に、ジェット・レーザーガン・ドリルタンク・メカピューマ・マリンボート形態に変形。登場当初は人間を下等な生命体と見下し、デストロンに身を置いていた。
しかしジンライとの戦いで改心。サイバトロンがピンチの時に颯爽と現れ、そして去っていくようになる。
前作のシックスショットとの関係は不明。生粋のTFでありながら、超魂パワーを一部扱える。必殺技は「ローリングトランスフォーメーション」。
その他
- 武装戦士ゴッドボンバー
- スーパージンライを強化するため「ボンバー計画」によって開発された地球製のトランスフォーマー。コンテナつきの装甲車に変形する。(スパークを持たないためか)言葉や感情は発しないが、自律行動や他のサイバトロン戦士の言葉を理解することは可能。
パーツ分離してゴッドジンライの各部追加装甲を構成する。
デストロン
プリテンダー
サイバトロン側とは異なり、常に怪物の状態(スーツオンした状態に相当する)の為、「プリテンダー!」とコールするだけで巨大変身する。
- 破壊指揮官ブラッド
- 爆薬攻撃参謀ダウロス
- 魚雷攻撃参謀ギルマー
ヘッドマスターJr.
力を求めてデストロンに加入した不良少年達。サイバトロンから変身アイテムである「マスターブレス」を奪って、強化スーツに身を包んだ後で、生物をモチーフにしたメカとヘッドオンする。必殺技はキャンサー以外未使用。
- 指揮官ワイルダー
- トランステクターはオオカミ型モンスターに変形。
- 陸上攻撃兵士ブルホーン
- トランステクターはバッファロー型モンスターに変形。
- 深海攻撃兵士キャンサー
- カニ型モンスターからヘッドオンする。所属先のデストロンの人質を取る非情なやり方に嫌気がさし、また分け隔てなく助けようとするミネルバと会い、後に離反する。
ガンマン
拳銃から変形する小型TF。今作中彼のみ玩具とほぼ同じ大きさである。
- ガンマンブローニング
ゴッドマスター
- 破壊大使オーバーロード(ギガ/メガ)
- デビルZが盗みだした原初のトランステクターが「ギガタンク」(モデルはM1エイブラムス)と「メガジェット」(モデルはロッキード SR-71 ブラックバード)で、ギガとメガに与えた。
二人がそれぞれにゴッドオンすることにより、ギガタンクはオーバーロードの脚部に、メガジェットは上半身に変形、合体することでオーバーロードが完成する。他に要塞基地、劇中オリジナルでは宇宙航行モードにも合体変形し、玩具でも再現可能。
武装は左腹に6門の装甲融解ミサイル「超魂ボルトマッシャー」、右腹に2連装のビーム「超魂デーモンブラスト」、左腕部にメガジェットの機首部分を飛ばしてリモートで攻撃する「メガジェット」、大型ライフル「トランステクター破壊砲」を装備。オーバーロード後の人格は基本的にはギガだが、メガの意識が出てくる時もある。
初陣でスーパージンライを完膚なきまでに叩き伏せて、その存在感を見せつけた。
その後はデビルZが宇宙から呼び寄せたブラックザラックと共闘していたが、デビルZがブラックザラックと融合してからは、「人類を抹殺すべき」と考えるデビルZと「人間の潜在能力を信じ、超魂パワーのうち、人超魂が使える人間が最強」と考えるギガ/メガの間に不和が生じ、最終決戦でゴッドジンライに助太刀したことでデビルZの怒りを買い、ギガとメガは破壊され、完全悪のロボット生命体として再生。デビルZ亡き後は、地球を脱出し、宇宙へと戦いの場を変えた。
担当声優はギガ/オーバーロードが野田圭一、メガが吉田理保子。
- 宇宙航空参謀ハイドラー
- 宇宙航空兵士バスター
ダブルゴッドマスター
サイバトロンとデストロン両方のマスターブレスを持ち、どちらの腕を上にするかによって二種類のスーツに変身できる。変身したスーツによりゴッドオン後の姿が変化する。
- 特殊攻撃員ダブルクラウダー(クラウダー)
シーコンズ
タートラーを除く五体はすべて量産型で自我を持たない。設定上はスクランブル合体が可能であり、また残った一体をターゲットマスターとして武器にすることができる。
- シーコンズ指揮官タートラー
- 海中破壊兵オーバーバイト
- 海中爆破兵ロブクロウ
- 海洋工作兵クラーケン
- 深海攻撃兵ガルフ
- 機雷攻撃兵テンタキル
- 深海合体兵士キングポセイドン
スパークダッシュ
自我を持たない量産型TF。変形すらしていない。玩具ではサイバトロン側にも存在する。
- 火炎攻撃兵ガズル
- 火炎航空兵シズル
- 火炎破壊兵シャビル
ヘッドマスター/悪の総統
- デビルZ
- 暗黒大帝ブラックザラック
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