トロロッソとは、2006年よりF1に参戦しているコンストラクターである。
正式名称はスクーデリア・トロ・ロッソ、チームオーナーはディートリッヒ・マテシッツ。
なお、当初は共同オーナーであったゲルハルト・ベルガーはその職を離れた。
2018年からホンダのPU(パワーユニット)を搭載し、トロロッソ・ホンダとなる。2020年からは新規チーム「スクーデリア・アルファタウリ」となる事が発表された。
2005年末にレッドブルがイタリアの名プライベーター・ミナルディチームを買収して立ち上げたチームである。
トロロッソ(Toro Rosso)の名前がイタリア語で「レッドブル」となる事から、レッドブル・レーシングのセカンドチームと言える。
実際に、レッドブルのスカラシップを受ける若手ドライバーが所属している。また、このチームで高い成績を挙げたセバスチャン・ベッテルは、ファーストチームであるレッドブル・レーシングに昇格移籍している。
ドライバー | ビタントニオ・リウッツィ / スコット・スピード |
前年のミナルディが使用したコスワースの3リッターV10エンジンをリストリクターおよびリミッターを装着し使用。
シャシーはレッドブルRB1をほぼそのまま使用したSTR1(この問題については後述)。
ドライバー | ビタントニオ・リウッツィ / スコット・スピード / セバスチャン・ベッテル |
レッドブルがエンジンをルノーにスイッチした為、フェラーリエンジン供給を譲り受ける。
シャシーはレッドブル・テクノロジーがデザインしたSTR2(基本外形はRB3とほぼ同じ)。
ハンガリーGPで、スコット・スピードからセバスチャン・ベッテルにドライバーが交代した。
ドライバー | セバスチャン・ベッテル / セバスチャン・ブルデー |
エンジンに変更無く、序盤STR2Bを経てSTR3を投入。ドライバーとして、チャンプカーで5年連続チャンピオンを獲得したセバスチャン・ブルデーを起用した。
イタリアGPにおいてセバスチャン・ベッテルが初PPと初優勝を達成する。
コンストラクターズ選手権では、兄貴分のレッドブルを追い抜き総合6位を獲得。
ドライバー | セバスチャン・ブエミ / セバスチャン・ブルデー / ハイメ・アルグエルスアリ |
前年の優勝により、ベッテルがレッドブル・レーシングに移籍。後釜としてリザーブドライバーだったセバスチャン・ブエミが起用された。
もう一つのシートについて、ブルデーと佐藤琢磨がオフシーズンテストで競い合ったものの、スポンサーマネーなどの理由でブルデーが残留することとなった。
しかしチームとのトラブルがあってか、ハンガリーGPでハイメ・アルグエルスアリに交代させられた。
マシンはRB5と同じコンセプトを持つSTR4だが、RB5に開発の優先権を持たれたため、昨年程の成績を挙げられなかった。
ドライバー | セバスチャン・ブエミ / ハイメ・アルグエルスアリ |
トロ・ロッソに適用されていたカスタマーシャーシの特例が終わったため、チームは独自にマシン開発を行った。
しかし、できあがったSTR5は、前年のSTR4を焼き直したのに近いもので、小改良にとどまっている。
そのため、エイドリアン・ニューウェイが手がけたRB6に比べて大幅に水をあけられるかたちとなった。
ドライバー | セバスチャン・ブエミ / ハイメ・アルグエルスアリ |
体制を維持して迎えたこの年のマシン、STR6は、レッドブルとは異なったダブルフロア構造を持つ独自の
サイドポンツーンを採用。本当の意味での独自マシンとなった。
ドライバー | ダニエル・リチャルド / ジャン・エリック・ベルニュ |
前年のドライバーを降ろし、ヒスパニア(HRT)にレンタルされていたダニエル・リチャルド及び新人のジャン・エリック・ベルニュを起用。
STR7はRB5の血統に属するが、昨年に引き続きダブルフロア等の採用により独自性の強いマシンとなっている。2012年のマシンに目立つ段差ノーズを本マシンも採用しているが、レッドブル・RB8とは異なり段差部分の開口はない。
ドライバー | ダニエル・リチャルド / ジャン・エリック・ベルニュ |
前年とほぼ同じ体制での戦いとなり、STR8もそれなりのマシンとして仕上がった。
コンストラクターズランキングも一つ向上する。リチャルドはマーク・ウェーバーの引退により、翌年のレッドブルへの昇格が決まった。
ドライバー | ダニール・クビアト / ジャン・エリック・ベルニュ |
F1マシンのエンジンが複雑なエネルギー回生システムをもつPU(パワーユニット)と呼ばれるようになり、このチームのPUはルノーとなった。当然マシンは一新されてSTR9となる。
リチャルドに代わってロシア人のダニール・クビアトが加入。
コンストラクターズランキングは更に一つ上がり7位。だがベルニュはこの年限りでシートを喪い、フォーミュラEに舞台を移すことになる。
ドライバー | カルロス・サインツJr. / マックス・フェルスタッペン |
クビアトがレッドブルへ昇格したため、ドライバーの布陣は一新。カルロス・サインツJr.とマックス・フェルスタッペンの新人2人となった。
STR10はこの年のノーズ先端部の規制によって、奇妙な造形のノーズとなったが他のチームも大同小異の状況だった。若き2人は大いに暴れ回り、シーズンの話題を集めたが結局コンストラクターズランキングは7位のままだった。
ドライバー | カルロス・サインツJr. / マックス・フェルスタッペン / ダニール・クビアト |
親チームのレッドブルがルノーPUの性能に不満を募らせたことに端を発したゴタゴタにより、危うく積むPUが無くなるところであったが、フェラーリ製PUを載せることで解決。
マシンはSTR11。PUに合わせてホイールベースが伸びたが、基本的には昨年の発展型であった。
ドライバーは昨年と同じ体制となったが、シーズン途中でフェルスタッペンがレッドブルに電撃移籍。トレードのような形でクビアトが戻ってきた。このシーズンも7位で終わる。
ドライバー | カルロス・サインツJr. / ダニール・クビアト / ピエール・ガスリー / ブレンドン・ハートレー |
PUは再びルノーに戻ったが、なぜかエントリー名には反映されていない。
ニューマシンSTR12は、当代最強マシンのメルセデスに酷似したものとなった。デザイナーのジェームズ・キーは「よく似ていると言われるが、偶然だ」と言っている。
ドライバーは昨年と同じ体勢でスタートしたが、シーズン後半になって両ドライバーのパフォーマンスにレッドブルが満足しなかったのか、サインツはルノーに途中で移籍、クビアトは解雇されてしまった。
2人の代わりに、スーパーフォーミュラ経験者のフランス人、ピエール・ガスリーとポルシェワークスでWECに参戦し、同年のル・マン24時間レース優勝メンバーの一人のニュージーランド人、ブレンドン・ハートレーがシートを得た。
ドライバー | ピエール・ガスリー / ブレンドン・ハートレー |
PUを信頼性に難のあったルノー製からホンダ製に変更し、エントリー名も「レッドブル・トロ・ロッソ・ホンダ」に改めた。また、ミナルディ時代を通じて初となるワークス待遇となった。
2018年マシンであるSTR13は当初ルノー製PU搭載で設計が進んでいたが、この変更に伴って大幅な設計変更が行われている。最も、毎年のようにPU変更を行っていたため設計変更は順調に進んだそうな。
ドライバーは前年後半戦に引き続き、ピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレーが務める。
第2戦でガスリーが4位入賞を果たすが、これ以降は時折予選Q3進出や入賞を見せるものの、戦略ミスやセッティングミス、マシンの熟成の失敗などによりシーズンを通じて低迷。コンストラクターズ9位でシーズンを終えた。
そんなマシンでありながら、時折光る物を見せていたガスリーが2018年シーズン限りでルノーへの移籍が決まったダニエル・リカルドの後任としてレッドブルに昇格することがシーズン中盤に発表され、その後任としてフェラーリの開発ドライバーとなっていたダニール・クビアトが2019年シーズンからトロ・ロッソに復帰することが発表された。更に2018年シーズン終了後、低迷していたハートレーの後任としてアレクサンダー・アルボンの2019年シーズン起用が発表された。
ドライバー | ダニール・クビアト / アレクサンダー・アルボン(Rd.1~Rd.12) / ピエール・ガスリー(Rd.13~Rd.21) |
(要加筆)
2006年、トロ・ロッソが使ったマシン、STR1は、前年にレッドブルが使ったマシン(RB1)とエンジン(コスワース 3L V10)だった。
これに対して、製造して2年未満のマシンを使うことを禁止したレギュレーション規定に違反するとして、いくつかのチームが抗議したものの、FIAが「使用しているマシンは、すでに撤退したジャガーレーシングの開発マシンであり、2004年のものであるから問題ない」という裁定を下した。
翌年に投入したSTR2は、レッドブル・レーシングのRB3とほぼ同型であったために再び抗議するチームが出た。
それに対してFIAは「トロ・ロッソのマシン開発はレッドブル・レーシングではなく、別会社のレッドブル・テクノロジーがデザインしたものを自社開発したものであるため、 規定には抵触しない」という裁定を下した(同時に、スーパーアグリF1のマシンにおいても、ホンダF1から供与された別会社の開発によるものとして認めた)。
その後、チーム側からの抗議でカスタマーシャーシ自体を撤廃するかたちでレギュレーション改正が行われたものの、トロ・ロッソ、スーパーアグリについては2009年まで猶予が認められた。
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最終更新:2025/03/30(日) 12:00
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