ニューヨーク・フィルハーモニック(New York Philharmonic)は、アメリカのニューヨークが本拠地のオーケストラ。「アメリカ5大オーケストラ(Big Five)」の一角を占める。
意外に思われるかもしれないが、創立はウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と同じ1842年であり、1882年創立のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団より40年も早い。
とはいえ当然ながらクラシック音楽はヨーロッパで成立した文化であり、ニューヨーク・フィルが設立されて50年程、国の独立から100年以上経過した19世紀末においても、アメリカのオーケストラの技術はヨーロッパのそれらの後塵を拝していた。
このような状況をドラスティックに変えたのが、1909年からこのオーケストラの常任指揮者となったグスタフ・マーラーである。ヨーロッパではウィーン・フィルの指揮者を務めていたマーラーは、ニューヨーク・フィルの楽団員に徹底した指導を行い、このオーケストラの技術を現在に至る世界有数というレベルにまで育て上げた。また演奏会などのプログラムの改革も行い、これは他のアメリカのオーケストラにも多大な影響を与えた。その後も戦争をまたいでアルトゥーロ・トスカニーニ、ブルーノ・ワルターなどの伝説的な指揮者や、ナチス・ドイツの迫害から逃れてきたユダヤ系演奏家を迎え入れることにより、その演奏技術はさらに進歩していくこととなった。
もっとも、ここまでの変化は、あくまでヨーロッパに出自を持つ人々がアメリカ大陸へ来訪することによりもたらされたものである。しかし戦争から10年以上が経過した1958年、アメリカ・マサチューセッツ州出身のレナード・バーンスタインが音楽監督に就任することで、このオーケストラは単なるヨーロッパのオーケストラの追従者ではなくなった。アメリカ人ならではの既存の解釈にとらわれない自由な、それでありながら強い意志を持った演奏は、世界の多くのクラシックファンに衝撃を与えた。特にマーラーの交響曲全集の録音は、現在でもこれらの曲のスタンダードの一つに数えられる。
バーンスタインが音楽監督を退いた後は、シカゴ交響楽団などとの比較で評価を下げることもあったものの(他にアメリカではロサンゼルス・フィルの伸長、フィラデルフィア管の低迷などもあったが)、ジョージ・セル、ズービン・メータ、ロリン・マゼールといった名指揮者がタクトをとることで、現在でも世界最高水準のオーケストラという地位を守り続けている。
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最終更新:2025/04/25(金) 07:00
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