ハンモックとは (ハンモックとは) [単語記事]

ハンモック（英: ham mock）、釣床、又は吊床とは、寝床の一種である。

概要

南米の熱帯地方発祥の寝具である。

第二次世界大戦頃迄、艦船の乗組員の寝床として利用された^[1]。軍歌『月月火水木金金』の歌詞の中にも登場する。

どんとぶつかる　怒濤の唄に
ゆれる釣床　今宵の夢は
明日の戦さの　この腕試し
海の男だ　艦隊勤務
月月火水木金金

米国でダニ対策の一環として寝床を地面から離したハンモックが注目され、一般人にも普及し出した^[2]。

ハンモックの種類

ハンモックは形状・地域によって、以下の4種類に分類される。

・コロンビア式

ハンモックとしては最もスタンダードなタイプで、アウトドア用や軍用のハンモックで採用されている型は大体コレ。後述するブラジル式とは寝心地がほぼ変わらない。

・メキシコ（マヤ）式

網目状の布で作られたハンモック。通気性・伸縮性に優れハンモックの中では最も涼しく、寝心地が良い。本場のメキシカンハンモックはロープではなく、無数の糸を丁寧に編み込んで作られている。

・ブラジル式

コロンビア式とほぼ同じ形状だが、ハンモックの下側にフリンジあるいはマクラメといった装飾が付いているのが特徴。正直しまいにくい。

・北アメリカ式

ハンモックの両端に横棒が挿入され、ハンモックの布が広がるように作られている。ハンモックの中で唯一、縦方向に寝る事を想定された作りになっている。各国の海軍のハンモックもコロンビア式から、次第に横棒を入れる形に変遷していったケースもあるようだ。

ハンモックの使い方

・ハンモックの正しい寝方

恐らく大半の人は誤解していると思われるが、ハンモックはベッドのように寝るのではなくハンモックに対して斜めもしくは垂直に寝るのが正しい使い方である。斜めに寝ることで安定性が増すだけでなく体重が分散される為、身体への負担、特に腰への負担がかなり軽減される。

・ハンモックの乗り方

まずハンモックを広げ、腰を乗せて座る形にする。体重がハンモックにある程度乗ったら、足をハンモックに乗せる。足からハンモックに乗せるとほぼ確実に転倒する為注意。

ハンモックのメリット

1．涼しい

ハンモックは通常の寝具と異なり、布と身体の間に熱がこもらず、空冷エンジンの如く身体が常に冷却され続ける状態になる。通常のコロンビア式ハンモックでもそうだが、メキシカンハンモックは通気性が良いために非常に涼しい。具体的には真夏の日本でも冷房なしで快適に眠れるレベル。

２．体重が分散効果

上述したが、正しい寝方をすればリラックス・安眠・腰への負担が軽減する効果がある。

３．ゆりかご効果

微妙に揺れる為、入眠が早まり質の高い睡眠を取ることができる。

ハンモックのデメリット

1.寒い

涼しいという事は裏を返せば、冬場は熱が蓄積しないので非常に寒いという事だ。対策としては、アウトドア用ハンモックのオプションパーツであるアンダーキルト（ハンモックの下側を覆う布）を付けると良い。筆者は宮城県での冬キャンで使った事があるが、防寒具込みなら冬用のシュラフより暖かいかもしれない。

2.設置場所

設置するには木や専用のフック等を使う必要があるので、賃貸などではどうしても使いにくい。こうした場合には専用の自立式スタンドを活用しよう。組み立てが可能なタイプが大半な為、使わないときは収納しておける。スタンドによっては利用できないサイズのハンモックもある為、事前の確認が大事。サイズの目安としては、可能な限り大きいものを選ぶと、寝転がるのが非常に楽になる。