ブレーンバスターとは、プロレス技の一種である。別名を脳天砕き(brain buster:「脳を破壊する者」の直訳)とも言う。
現在のブレーンバスターにおいて、技をかける側の選手(以下,「攻め手」と称する)は、技をかけられる側の選手(以下,「受け手」と称する)に立った状態で向かい合う。そして、がぶった状態となったら、片腕で受け手の頭部を抱えるように固定する。もう片腕で受け手のベルトまたはタイツの腰の部分を掴み、体を天地逆に持ち上げる。
基本的な形では、攻め手はそのまま自分ごと後ろに倒れることで、相手の背中を床に打ち付けてダメージを与える。また、バリエーションとして、受け手を持ち上げたそのままの体勢で落下させ、頭部から床に打ち落とす形もある。これは垂直落下式ブレーンバスターと呼ばれ、危険な大技として認識されている。その他、滞空時間や落とし方などでレスラーの個性が出る。
・・・・・・ってそもそも背中から落とす時点でブレーンバスターと呼ぶには違和感があるのだが、技の入り方から途中までが大分似通っているから実況が全部ひっくるめて「ブレーンバスター」と呼んでしまうのも仕方ないかもしれない。ここで細かな違いを覚えてこっそりほくそ笑もう。
1:垂直落下式I
開発者のキラー・カール・コックス、猪木や前田との抗争で評価の高いディック・マードックが使うこの形が「本当の」ブレーンバスター。相手を逆さまに上げた後、「フォールが奪える程度にダメージを与えるスピードで」相手を脳天から真っ逆さまに落とすこの技はコントロールが非常に難しく、持ち上げている時間も長いため攻め手に非常に高度な技術が要求される上に肉体的負荷も大きい。受け手の首などに深刻なダメージを与えないようにするため頭に巻いた腕での支えも必要。
2:垂直落下式II
1に比べると落下スピードが早く、時には雪崩式で仕掛けられるこの形は、よく見てもらえばわかるのだが攻め手が受け手の頭を胸側に折るように固定し、後頭部及び両肩がマットに落ちるようにコントロールされている。よってIよりは受け手も受け身が取りやすく、一見Iのようにも見えるためフィニッシュとしての説得力も充分ある。攻め手側に高度な技術が要求されるのもIと同じ。
皆さんにお馴染みの「いわゆる」ブレーンバスターがこの形。ハーリー・レイスが始めた投げ方であり、表題の呼び方もハーリー・レイスが唱えたもの。入り方が同じだが、持ち上げた後普通に反り投げて背中から落とす技のため、見た目は派手で見栄えもいい。ただしフィニッシュにはなりにくい。
ダイナマイト・キッドの投げ方でお馴染み、いわゆる「高速ブレーンバスター」。技自体が早く、踏み込みや受け身の音も派手に響くためこちらも見栄えが良い。背中から落とすためフィニッシュにはなりにくいのも3と同じ。
かつて日本ではDRAGONGATE、ユニオンプロレス、DDTプロレスリングに参戦していたエル・ジェネリコ(現在のリングネームはサミ・ゼイン)のオリジナル技。技そのものは1の垂直落下式Ⅰであるのだが、コーナートップに座らせた相手の脳天をリング上ではなくターンバックル上に打ち付けるというとんでもない技である。見た目の説得力は十分すぎる程であり、実際この技を受けてから3カウントを受けずに返したのはケビン・スティーンとケニー・オメガの2人だけだという。ちなみに現在彼が契約しているWWEでは垂直落下系の技は使用が禁止されているため、この技はユニオンプロレスでジェネリコと幾度となく名勝負を繰り広げた木髙イサミが時折使用するのみとなっている。
おまけ:全身全霊をかたむけたブレーンバスター
体格で勝る魔雲天のマウンテンドロップ(ボディプレス)を下敷きになりながら受け止め、そのまま立ち上がり垂直落下式に決める逆転のフィニッシュ技。使用者はテリーマン。この一戦での逆転勝利が、テリーマンを人気キャラに押し上げていると言っても過言では無い。
プロレス技とは、どういう形かという点と同じくらい「どういう組み立て方をしているか」が重要である。技の意図まで読めるようになって初めてプロレスが「判る」のである。
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最終更新:2025/03/27(木) 13:00
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