ポップとは、漫画『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』に登場する、臆病で弱っちいただの人間である。
ランカークス村出身のアバンの使徒。15歳。お調子者の魔法使いで、本編のギャグパートでは高確率で痛い目にあっている。
物語序盤は臆病者として描かれているが、クロコダイン編後半以降は、強敵に対し果敢に戦う姿が多く描かれるようになる。また精神的にも成長しており、序盤は仲間を見捨てて平然と逃げる様な人物だったが、中盤以降は戦術的撤退以外の目的で逃げる事は無くなっている。
成長するにつれて見せ場も多くなり、最終的には主人公であるダイ以上に見せ場が多い。特に、バラン編と終盤の啖呵きりは必見…いや、むしろ全て必見である。
呪文に関しては、メドローアがあまりにも有名ではあるが、他にも、フレイザードの技であった五指爆炎弾(フィンガー・フレア・ボムズ)を放った事があったり、とっさの判断で杖の魔宝石を砕いて魔方陣を形成しマホカトールを成功させる、という離れ業をやってのけた事もある。
終盤のある一件により賢者として覚醒するが、本人は賢者と名乗る事を嫌い、第二の師であるマトリフに倣って大魔道士と名乗るようになる。
自身が持つ強い劣等感から、「努力の人」というイメージの強いキャラで、アバンの使徒に於いて最も人間臭い一面も持っている。また、アバンの使徒の中で唯一普通の家庭で生まれ育った経歴の持ち主でもあり、その事で悩み苦しんだ事もある。作中に於いて、天才の片鱗を見せた事が何度かあるが、自他共に「天才」と称したのは、36巻の一コマだけである。
なお、ミナカトール発動に際して判明した、ポップの魂の象徴は「勇気」であり、ファンからは「勇気の使徒」と呼ばれる事もある。勇者の象徴とも言える「勇気」は最初はダイのものと作中でも思われていたが、ダイではなく彼の象徴であった理由は作品を見ていけば納得出来るだろうか。
要約すると、お調子者でスケベで逃げ出し野郎でマトリフ自慢の弟子で地上一の切れ者で大魔王を脅かした
臆病で弱い、ただの人間である。連載当初、編集部からはよ殺せなんて言われてたのに…
元々は、「賢者」という言葉面が気に入らない、という理由でマトリフが考案した肩書きである。
本編でポップが初めてこの肩書きを使ったのは、バーンパレスに於けるシグマ戦で、シグマは当初ポップを魔法使いだと思っていたが、回復呪文を使うのを見て「君は賢者なのか」と問いかけた事に対する返答。
以降の単行本に掲載されたキャラクターパラメータの職業欄も「だいまどうし」となっている。
本来は、魔法使いと僧侶両方の呪文を扱うものは本作に於いて一般的には賢者とのみ呼ばれており、大魔道士と言うのはあくまでマトリフが考えた自称であるが、作中に登場する賢者があまり目だった活躍をしていない事もあってか、賢者より格上に見えているというのが現状だろうか。
マトリフ曰く「聞いたら誰もが恐れ入っちまうようなカッコいい肩書き」。
なお魔法職によくある「非力」のイメージだが、ポップは自分の身長以上の岩石を頭上に持ったままスクワットするほどの怪力の持ち主である。ただ、地上で最も硬い金属のオリハルコンを素手で引き裂いたりする他の連中と比べると、劣るのは確かである。
上述の通り、ヘタレな初期状態から徐々に成長するスロースターターで、ダイとは対の「もうひとりの主人公」として生み出されたが、結果とスピード感が命のジャンプ読者アンケートで彼の人気は低迷した。痺れを切らした当時の編集部から、ダイの成長のために「ポップを殺しましょう」と提案された逸話が残っているが、この過激な提案を出した編集部の人物が案の定、マトリフの元ネタ・鳥嶋和彦氏であったことが、「ドラゴンクエスト ダイの大冒険 竜の紋章BOX」内のインタビューで明らかにされた。当時の三条陸氏が、「クリリンがフリーザに一矢報いる展開」の例え話で丁寧に意図を説明することで死は撤回されたが、もし原作者が強く反対していなかったら+アンケートで人気が出なかったら、ポップはvsバラン戦のメガンテで当初予定通り力尽き、ゴメちゃんの涙で死の淵から蘇ることもなく、怒りでダイを覚醒させる役目を終えて退場していたかもしれない…という、キャラ生命上でも二重の意味で死の瀬戸際にいたという事である。そこから一命を取り留めて、最終決戦で大魔王バーンを脅かすまでに成長したという数奇な運命も含め、実にポップらしいと言われるエピソードである。
ポップとマトリフの出会い~初めての修行でも、しごきやイジメの域を通り越した理不尽で暴力的な訓練により、ポップが常に殺されそうになっていた光景があった。あれはあながち遠回しな暗喩でもなく「ポップの天敵は編集(マトリフ≒鳥嶋和彦)である」というストレートな事実をそのまま表現した、ダブルミーニングであったのかもしれない…
参考:『ダイの大冒険』ポップついに覚醒! 編集部から「殺しましょう」と言われた危機も -マグミクス-
魔法使いのポップであるが、作中に使用した武器の種類はダイに次いで多かったりする。ここではその武器や防具の数々を列挙・紹介していく。
序盤はメラ系全てとヒャド、ヒャダルコのヒャド系のみという状態だったが、成長するにつれべギラマまでのギラ系とイオラまでのイオ系といった極大呪文を除く魔法使い系の攻撃呪文は一通り使えるようになる。
マトリフに師事した際に魔法使いの呪文に限らず一通りの呪文の契約をやらされていたため、ミナカトール発動を巡る攻防戦で勇気の力に目覚め大魔道士となってからは、べホマをはじめとした回復呪文も使えるようになる。
キャラクターパラメータによれば、他にヒャダインも使えるのだが、彼が作中で使用したことはない。
ここでは、作中の人物の中で関連の深い人物を列挙、紹介する。
なお、本項に於ける台詞はポップに向けられたもの、もしくはポップを対象としたものの中から抜粋したものである。
「生まれた人間はいつかは死ぬ。……だから…だからみんな一生懸命生きるのよ」
ポップの母親で、夫ジャンクと共にランカークス村で武器屋を営んでいる。
作中本人との接点は殆どなかったが、幼少のポップに彼女が言った言葉は後にポップ自身を、そして心が折れていたダイを立ち上がらせた。
「修行で得た力というのは、他人の為に使うものだと私は思います」
厳しさに徹しきれない為か、ポップの成長を促す事が上手く出来ていなかったが、アバンの離脱後ポップの成長には常にアバンの姿があった。
終盤では、ポップを「マトリフが傍らにいるのと同じ存在感を感じる」と評しており、瞳化する際にはポップを「自分以上の切れ者」と認めていた。
「おくびょうだけど一生懸命がんばって正しい事をしようと努力している…それが…それが…こいつだったのに…!!!」
作中に於いて、ダイが挫けそうになったり苦悩した時には必ずポップの存在があり、そういった意味でもポップは最大の理解者でもある。また、アバンの使徒の中でもポップを最も信頼しており、大魔王の「天地魔闘の構え」は彼なしでは破る事は出来なかったであろう。
その一方で、ポップもダイを最も信頼しており、彼の為ならその命を捨てる事さえ厭わなかった程。普段先を争うような状況には参加しないが、大魔王との決着後、地上へと落下するダイを誰よりも早く受け止めに飛び出した事でダイに対するポップの思いが判るであろうか。
「オレのような悪魔のためにこいつを死なせないでくれっ!!!…神よっ!!!!」
魔軍司令時代はそれほど接点がないが、ザボエラと結託して闇討ちを仕掛けた際には、落ちぶれた彼を見て失望したポップに説教された事がある。超魔生物となり、バーンパレスに於けるダイとの一騎討ちの後に、機を窺っていたキルバーンによって発動した「殺しの罠(キル・トラップ)」から、自らを顧みずにダイ達を救出しようとする彼の姿に見とれて脱出を躊躇った為に、取り残されたポップを更に庇っている。
その際に叱咤激励するが、ポップから躊躇った理由を聞かされた事で恐らく生まれて初めて他人の為に涙を流し、そして人間の神にポップの存命を祈った。
その祈りが届いたのかアバンにより救出され、彼の腕の中で消滅する。ポップは「最後の瞬間はおれたちの仲間だった」と評している。
アバンの使徒で最も大化けしたのがポップであるなら、魔王軍サイドでは間違いなく彼であろう。また、その過程においてポップと共通する点がいくつもある。
「そろそろ、付き合いも長いからなぁ?」
「獣王」を自称する武人で、ポップが初めて立ち向かった強敵でもある。
出会った当初はポップを「小物」と蔑んでいたが、決して敵わぬ相手と知りながらも必死に立ち向かう彼の姿は、捨て去ったと吐き捨てた武人の心を揺り動かし、最終的には武人としての心と誇りを取り戻している。
ポップの「逃げ出し」について最も理解を示している人物ともいえる。彼自身は勇猛果敢で名高く、キルバーンにも「逃げるなんて事はまずしないであろう」と思われていたほどだったが、ミストバーンとキルバーンに撃墜され海に落下したダイをおいてポップが逃げたのを見た際、それが「敵前逃亡」ではなく「戦術的撤退」である事を即座に見抜き、直後に自分も迷う事無く逃げの一手を打った。上記の台詞はその時のものである。
作中に於いてダイやマァムに次いで彼を理解していた人物と言えなくも無い。
「人の真似なんかしないで…自分らしい所を見せなさい!!」
ギャグパートでポップを痛い目に遭わせているのは大抵この人である。(ポップの自業自得であるが)
彼女に恋愛感情を抱いたのは3巻と早いが、告白に至るまでに紆余曲折あり、結局最終決戦に於いて正面切って告白に至る。彼女自身もまんざらではなかった様でそれなりの返答を返している、がその直後に羽目を外しすぎてフルボッコにされる辺りがいかにもポップである。
「小悪党にゃ、なりたくなかろう・・・?」
ニセ勇者一行の魔法使いであり、実はマトリフの弟弟子でもある。(実の兄弟かどうかは不明。)
百獣魔団がロモス城に総攻撃を仕掛けた際に、ピンチに陥ったダイたちの様子をポップに見せ、勇気を出しかけたポップを師の言葉を以って最後の一押しをしたのも彼である。
以後オーザムで暮らしていたが、世界の破滅が間近に迫った時には、マトリフの一押しもあり初めて「本物」になった。
そして、人知れず地上破壊を阻止した英雄となるもマトリフに絡まれた事もあってか、以後の生活も散々な様である。
ポップはあからさまにライバル意識を燃やしており、彼自身それに気付いていた節がある。
ヒュンケル自身皮肉屋であり、ポップに対しては特に皮肉を言う事が多いが、それはポップの性格を理解しての事でもあったりする。
表には出さないがポップをちゃんと評価していて、単身竜騎衆を足止めしようとした際には「力量に見合わぬ無茶」と言いながらも彼を助けている。また、ポップが気絶した後には「本当によくやった」と初めて彼を労った。そして、ポップをいたぶった竜騎衆に対して激怒した事がある。
大魔道士へと覚醒した時には「オレでも今のポップに勝つのは容易ではない」と評している。最後の戦いに於いてダイに頼り、最後まで共に戦えなかった事を悔いるポップに対して優しく諭す、などしっかり長兄らしい一面を見せることもある。
「よく覚えとけ。魔法使いってのはパーティで一番クールでなけりゃならねぇんだ」
第二の師で呼び方は「師匠」。
フレイザード編に於いて、ポップを見るに見かねた彼が無理矢理鍛えた事が縁で師弟関係となっている。
「横暴が服を着て歩いている」とポップが評しているとおり、かなり横暴な性格で、ポップを鍛える際でもかなり乱暴な方法を用いていた。
呪文のエキスパートでもあり、系列問わずに殆どの呪文はマスターしている、といわれるほどで、作中に登場する人間で唯一ベギラゴンを使用した事もある。また、片手で使用できる呪文なら2つ同時に詠唱できる、という離れ業を披露した事もある。禁呪法まがいの呪文を使い続けた事で、その身体は病に蝕まれているものの、ポップの為に無理を押してメドローアを伝授している。
滅多に人を認めない彼をして、最終的には「オレの自慢の弟子」とポップに最大級の評価を送っている。
「でも…ほめてください…!私…はじめてポップさんの役に立てたんです…!」
ポップに好意を抱いていたが、彼がマァムに好意を寄せている事を知っていた事もあって、告げられないままでいた。ポップの為に、と最終決戦にまで同行した頑なさの持ち主でもあり、ザボエラの「毒牙の鎖」から文字通り「捨て身」で彼を庇って瀕死の重傷を負ってしまう。この際の出来事が、ポップを大魔道士へと覚醒させた。
「人間をナメちゃあいけません。成長度だけで言ったらポップはダイ以上ですよ」
常に飄々とした態度で掴み所のない人物であるが、暗殺を特技としている為か、知力が高く策謀能力に長けている。ポップの人間性から来る危険性を最も早く察知しており、彼がパーティのムードメーカーになりうる事を見抜いていた。
死の大地付近に於ける戦闘で、ポップを仕留め損なった事がきっかけとなりポップを警戒し続けていた。バーンパレス内に仕掛けられていた「殺しの罠」を破る可能性が唯一ポップにあった事もあってなのか、「◆の9」の罠からポップが脱出不能になった際には安堵していたようである。
恐らく、魔王軍内で最もポップを評価、警戒していた人物と言える。彼の誤算はアバンが生存・加入したことによりポップより先にアバンに手を回さざるを得なかったことだろう
「大魔道士…ポップか!フッ…あながちハッタリにも聞こえないから不思議だ…」
呪文を跳ね返す力を持つ「シャハルの鏡」の所持者で、非常に慎重且つ思慮深い性格の持ち主。誰を相手取っても見下す事をしない、敵の強さを尊ぶ「騎士」である。それ故にポップの強さと危険性を正しく判別し、ポップがよく使っていた「臆病な自分を逆手に取る」戦法も通用せず、苦戦を強いられていた。
バーンパレスの決戦では、お互いを真っ向から認め合っての騙し合い決戦を受けて立つ。シグマが勝ったかに見えたが、自分の台詞と呪文(メドローア)の矛盾点に気が付くものの、直後に放たれたメドローアの直撃を受けて倒され、後の結末を「シャハルの鏡」に見届ける事に託し、満足したように爆散した。
作中数々の名言を残したポップであるが、ここではその一部を抜粋、列挙する。
本記事初版の頃(2009年11月)は、「ポップ」タグで検索するとポップスの動画が殆どであり、ポップ(ダイの大冒険)の動画数は決して多いとは言えなかった。大百科でもポップの記事より先にメドローアの記事が作成されている。
しかし、彼をコンテンツとした動画が各所で紹介された結果、連載終了から十数年が経過しているにも関わらず、当時の世代から今の世代に対して広範囲に影響が与えられている。
単行本の他に現在は文庫版も発売されているので、これらの動画を見て彼に興味を持たれた人が居たら是非本編を読み、彼の魅力に触れてもらいたい。
なお、「ポップが主人公」という声もあるが、最後にもう一度だけ言おう。
彼は主人公ではなく、臆病で弱っちい、ただの人間であると。
掲示板
756 ななしのよっしん
2024/09/24(火) 02:06:20 ID: mOaK454MnD
分からんからいいんじゃないかい。
名前を入力してください。****
これと同じ。
757 ななしのよっしん
2024/10/11(金) 20:35:08 ID: Np15twArlc
編集の「こいついらないから殺して」って意見に作者が必死に止めなかったらどうなってたんだろ?
もちろんその後の展開は変わってたんだろうけど、人気駄々下がりして早々と打ち切りになってた可能性もあるかも
758 ななしのよっしん
2024/10/17(木) 11:25:27 ID: A5vNt5ZbMv
どこかにチャチャを入れる担当がいないと単なる単調な冒険物になって飽きられるからな
ポップがいなかったら物語を適度にふらつかせる役はレオナが(ベンガーナに勝手に買い物に行った頃のキャラで)担当することになったと思う
急上昇ワード改
最終更新:2024/12/02(月) 13:00
最終更新:2024/12/02(月) 13:00
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