父親を失った少年・リクは借金取りの元ボクサー・所沢京介と出会う。
リクドウとは、松原利光によるボクシング漫画である。『週刊ヤングジャンプ』に2014年20号から2019年25号まで掲載された。
とある事情から人を殺めてしまった少年・芥生リクがボクシングと出会い成長していくさまを描く。
芥生リク
主人公。サウスポーのカウンターパンチャー。身長173cm、リーチ176.5cm(高3時点)。幼少期、自分を殺そうとしたジャンキーを撲殺し施設で育つ。適正階級はスーパーフェザー級だが本人の希望と馬場会長の思惑によりアマチュアで経験を積む前に数多の国の選手が鎬を削るライト級でプロ生活をスタートさせる。華奢な見た目からは想像もできないほどの強打者。打たれ強くはないが悲惨な生い立ちから生まれた危機察知能力と闘争心、当て勘を武器に下馬評を覆していく。学校では人殺しと呼ばれ男女から避けられているが容姿は整っているため外ではそこそこモテる。高校卒業後は清掃会社勤務。
所沢京介
かつては馬場ジム所属していた元東洋太平洋王者の暴力団員。左目付近に十字傷がある。現役時代、鬼の拳の異名を誇った。首つり自殺した父親をサンドバック代わりにしていたリクにワンツーの打ち方を教えた人物。“拳は殴り返すためにある”が信条。引退して久しいがハンマーで肉を潰すようなパンチは健在。リクの憧れであり目標。
苗代ユキ
リクと同じ養護施設・こなぎで生活する少女。幼少期からリクのことが好きであり世間から向けられるリクへの厳しい視線を一身に受けていた。夢は看護師。リクがボクシングにのめり込むのと同時に閉鎖的になっていったためボクサーとして生きていくリクに困惑している。体が硬い。
馬場進司
リクが所属する馬場拳闘ジムの会長。風俗店が立ち並ぶ歓楽街の裏通りにジムを構える。ちなみにジムの二階はソープ。セコンドとしての慧眼は素晴らしいものがあるが彼の極端な指導に耐えられる選手は少なく、多くのボクサーを潰してきており大抵の業界関係者からは時代を見据えていない時代遅れの男という評価をされている。ゴミを分別せずに捨てセクハラも日常茶飯事。京介からの呼び名は「ババア」。
兵動楓
元ライト級世界王者の父を持つ褐色のサラブレッド。豹のようにスピードとパワーを兼ね揃え、舞のような変則スタイルで戦うリクのライバル。ジムの先輩の椿曰く何階級制覇も出来る器。父親から暴行を受けて育っており色々歪んでいる。世界ユース8強入りや高校三冠達成などのアマチュア実績からプロ入り前から大きな注目を浴びていた。父親が経営する兵動ジム所属だが後に別のジムに移る。
椿和馬
兵動秋人に憧れてボクシングを始めた、リクから楓より強いという評価を得るライト級日本王者。ジャックナイフの異名を持つ先を読むことに長けたカウンターパンチャー。そのパンチは正に日本刀の切れ味。兵動ジム所属。重度の花粉症。ネコ好き。口癖は「論外」。
兵動秋人
現役時代はWBCライト級を8回防衛した世界王者。現兵動ジムの会長。世界王者陥落後の所沢戦で自分の必勝パターンを見切られてKO負けを喫している。楓の出産と共に妻を亡くし、それ以降楓にはつらく当たってきた。息子よりも飼い猫を可愛がっている。タイなどで噛ませ犬のボクサーを探しつつ現地の性感マッサージを受けるのが趣味。
江原先生
施設こなぎでリクの心のケアを務める女性。リクを守るためヤクザから強姦されてしまいショックで解離性健忘症に。この事件の影響でリクは性に対して後ろ向きになりがち。
デイヴィッド・カーン
6階級制覇を目論む現在三階級制覇中のイギリス人。対戦相手のほとんどを再起不能に追い込むその拳はKO率9割を記録。軍隊時代、爆弾を括り付けて突進してくる子供の大軍を無慈悲に撃ち殺した過去がある。歩兵戦車の異名を持つリクドウ世界のPFP候補。愛称はMK.“D”。
柳涼太郎
スナイパーの異名を持つ冷徹な元東洋太平洋王者。長身痩躯とオールバックが特徴的。菫ジム所属。黒星は世界戦で喫した一つのみで対アジア人戦無敗。かつては馬場ジムに所属していたがタイトルマッチが決まった際に鞍替えし馬場の過激な指導法を協会に報告しジムの経営を半年間ストップさせた。この経緯から会長との仲は最悪。まるでリングを俯瞰で捉えているが如く観察眼が鋭い。サンデーパンチはアッパーとチョッピングライトだがジャバーでもある。
三原雄一
日本ライト級5位の気さくな男。兵動ジム所属。そのボクシングは柳曰くマルコス・マイダナ並みにセオリーが無い。別ジムだが孤独なリクに色々と気を回す兄貴分。会長からはボーシと呼ばれる。
三原ナズナ
婦警をしている三原の妹。22歳。同性愛者。学校で複数人から強姦されかかった過去があり男性恐怖症を患っている。実は大食い。
森本さん
カチューシャをかけたリクが務める清掃業者の先輩。言葉遣いは荒いが面倒見はいい。
芥生春子
リクの母親。物語が始まる段階でリクとリクの父親とは既に別居状態。以前は優しかったが現在は同居する男の影響で麻薬中毒になってしまっている。
葉桜桐也
指定暴力団員。リクの母親を麻薬中毒者にした挙句、連れてきたリクの目の前でフェラチオを強要する鬼畜。部屋には大量の覚醒剤と共にに腐敗した子供の亡骸を隠していた。子供ながら感覚的に急所を把握したリクの右ジャブでダウンした所を灰皿で追撃され撲殺された。享年39歳。
菊池勝也
ウェルター級では通用せずギリギリまで減量してライト級まで下げてきたリクのデビュー戦の相手。30歳。子持ち。得意なパンチはフック。リクとの対戦時の戦績は1勝4敗。
三瀬早翼
リクとユキのクラスメイトでボクシング部。17歳。友達の多い人気者。国体四位。ボクシング以外のスポーツも得意で学業も優秀なエリート。アマチュアから煮え湯を飲まされ続けてきた兵動に勝ってボクシングにささげた時間を取り戻すためプロに転向したが彼からは覚えられてすらいない。馬場会長もすぐ忘れていた。インファイトが得意で右構え+ショートパンチのみという条件を付けたうえでリクをデビュー戦の相手に選ぶ。表向きは優等生だが裏では施設育ちの二人を“詰んでいる”と見下すなどドス黒い自己愛性パーソナリティー障害者。試合後は諸事情で転校。
石蕗幸次
若ハゲが特徴的なリクの東日本新人王トーナメント一回戦の相手。元キックボクシングライト級6位。事故で足を怪我するが親が作った借金とピンサロで働く病気の彼女のため拳しか使わないボクシングなら、と競技を変えたハングリー精神の強い男。キック上がりのため打たれ強いが移ってから日が浅いためボクシングに適応しきっていない。所沢から取り立てと称した指導を受け成長する。
エドガルド・ガーベラ
9戦9KO中のアメリカ人。セオリー無視の暴力で攻めるサウスポーのインファイター。異名はブルドッグ。菫ジム所属。日本ライト級14位。売り出しのため賞金100万円で相手を募っている。日本歴三年で英語交じりの関西弁を話す。そのスタイルは一見大ぶりばかりが目立ち、所沢の舎弟から「テクニックなんてあったもんじゃない」と小馬鹿にされるほど。しかし所沢が内心で「100万ぽっちで戦う相手じゃない」と呟くようにその圧力と鈍器のようなパンチは本物。ウェルター級のスパーリングパートナーを左ボディ一撃で沈めるなど単純な腕力は作中トップクラス。髪フェチ兼匂いフェチ。普段は子供相手の英会話教室で働いている。普段は人懐っこいがスイッチが入ると何をしでかすか分からない。スラム出身で銃を持った相手を殴り殺した過去がある。ユキに一目ぼれ。
伏黒一希
警官だが特例でプロボクサーを兼任している警官。全日本新人王。スポーツとしてのボクシングを愛するアウトボクサー。ナズナの後輩。菫ジム所属。リク戦時の戦績は9戦7勝2敗。はじめのうちは一勝もできなかったが柳の指導を受けメキメキと力を付けていった。KO勝ちの経験はないがそこまで非力というわけでもない。
神代晴司
高校中退後ライセンス制限のないタイでプロデビューし17歳でアジア王者になった破天荒な怪物君。A級トーナメントの眼玉。神奈ジム所属。両親は事故死しているため姉以外身寄りがいない。性欲オバケ。実姉に危ない感情を抱いている。
神代ユカリ
筋肉質でベリーショートの晴司の姉。長身。野獣のような弟をナンバリングシステムで手なずける。
劉衛鳳
東洋太平洋ランキング11位の中国人ボクサー。9戦9勝6KO中。豪拳ジム所属。色白で顔立ちから所作まで女性のようだが試合では平気で目を突くなど毒気を帯びている。サディスト。特技は中国武術仕込みの握りから繰り出すフリッカー。兵動会長のお気に入り。
水木隆寛
消費者金融を主体とする水木グループの御曹司。通称水ピー王子。ファッションモデルもこなす麗しい見た目と言動から非常に女性人気が高く試合日は会場がまるでコンサートのようなありさまとなる。ボラードを得意としておりそのクオリティは既に柳をKOしたフレディの前マイボーイ(ライト級世界チャンプ)と同等。
キング・フレディ
カウンターのセンスがあればどんなボクサーでも世界チャンピオンにしてしまう名伯楽。今は水木に雇われている。自分の選手をマイボーイと呼びメキシカン・ボクシングを叩き込む。ドMであり水木グループの女性からペニスバンドで掘られるのが日課。
徳佐公平
20戦16勝のうち7割がカットによるTKOのためカミソリパンチの異名を持つ角刈りの男。愛称は徳さん。元暴走族であり後援会も柄が悪い。A級トーナメント出場者。
ホセ・リナレス
キューバからアメリカに亡命した無敗のオリンピック金メダリスト。獲得したメダルを溶解して歯にしている(恐らくリゴンドーの逸話をモチーフとした設定だがリゴンドー自身も言っているように金メダルは実質金メッキ銀メダルなので溶かしても金歯は作れない)。快楽主義のレイシスト。
アラン
OPBF二位ながらアメリカでの番狂わせなどで爆発的な支持を得ているボクシング大国フィリピンの星。その試合は紛争を止めるほどの影響力を持つ。
掲示板
6 ななしのよっしん
2023/08/11(金) 00:45:05 ID: fLe6YzvRD1
めっちゃ面白いと思うんだけど知名度低いし語る場所もなくて悲しい
7 ななしのよっしん
2024/01/08(月) 21:18:41 ID: BQWljiu0tx
先生の記事がないのでここに書くが、松原利光先生の作品ほんとすき
今連載中のガス灯野良犬探偵団すっげぇ面白いゾ(ダイマ)
8 ななしのよっしん
2024/02/21(水) 21:55:22 ID: uBdqPBoejZ
連載当時はヤンジャンの中で一番好きな漫画だったな。
ダークで重い内容だか、その分迫力があるので見ごたえもあったし、主人公だけでなく登場人物の全員が、心に何かしらの闇を抱えているんだよな。エドガルドはスラム出身でボクシングを暴力を発散させるためって点が、はじめの一歩のブライアン・ホークと似ていたけど、現代版あしたのジョーって感じがした。
最終決戦は今まで主人公と戦ってきた面子が揃ってて「ああもうすぐ物語は終わるんだな」って感無量になった思い出がある。
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最終更新:2025/03/30(日) 16:00
最終更新:2025/03/30(日) 16:00
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