レッツゴージャスティーン!とは、逆転フラグである。
元はストリートファイターIIIの日米大会準決勝において、当時から国内最高峰プレイヤーの一人だったウメハラ(梅原大吾)と、米国の格ゲープレイヤーの第一人者であるジャスティン・ウォンの対戦で生まれた。多分実況の人(海外の方)の台詞である。
この対戦においてウメハラ(ケン)はライフが残り1ドットと言う状況に陥り、弱攻撃一発はおろか、「必殺技をガードした時点で削りダメージで死ぬ」と言う状況だった。
そこでジャスティン(春麗)は、トドメとばかりに連続攻撃系のスーパーアーツ鳳翼扇を放ち、一気に削りで勝負を決めようとする。それを見た実況が叫んだのが「レッツゴージャスティーン!」(意味合いとしては「行け、ジャスティン!」くらいか)
しかしこれを読んでいたウメハラ、鳳翼扇を全段ブロッキングして防ぎ切り、さらにスーパーアーツである疾風迅雷脚を絡めたコンボを叩き込み、劇的な逆転勝利を収めたのである。
ブロッキングとはストIIIの根幹を成す攻防一体のシステムであり、相手の打撃が当たる直前にレバーを前か下に一度だけ入力することで打撃を捌き、「自身のSAゲージ増加」「(削り)ダメージを無効化」「相手の技の本来の硬直を無視して即時に行動(反撃)できる」というものである。(空中可)
ブロッキングには成立条件が設定されており、地上ではレバーを前か下に入れてから6~10フレーム(0.1~0.16秒)以内に相手の打撃が自分に当たっていなければ成立しない。
また、基本的に上段・中段属性の打撃に対しては前方向のブロッキング、下段属性の打撃に対しては下方向のブロッキングを行わなければならない。(両方向で対応できる打撃も存在する)
レバーを前か下に入れるという操作上、ガードを解かなければブロッキングをすることはできず、成立条件を満たさなかった場合は無防備となり、一定時間(23フレーム:0.38秒)同一方向にブロッキングも不能になる。
つまり、ブロッキングに失敗すれば逆に隙が生じ、ほぼ確実にダメージを食らうことになってしまうのである。(状況によって失敗時のリスクは変動する)
この背水の逆転劇においては、鳳翼扇の打撃の全17段の内、1~16段目を連続で前ブロッキングし(実際のブロッキング回数は14)、17段目を垂直ジャンプから空中ブロッキングした後、ジャンプ強K→しゃがみ中K→中昇龍拳(1段目SC)→疾風迅雷脚の最大コンボで反撃して勝利を収めている。
熟練プレイヤーであれば、鳳翼扇の初段をブロッキングしてしまえば、残りの攻撃を全てブロッキングで受け流すことはさほど難しくないと言われている……
が、鳳翼扇をブロッキングするためには画面暗転直前に先読みで入力するか、画面暗転直後に1~2Fの猶予で入力する必要があるので、完全に読み勝つか、絶妙のタイミングでブロッキングを入力しなければならない。
(ジャスティンもそれを踏まえ、鳳翼扇を出すまでに「通常技やリープアタックを空振りする」「前後に細かく動いて間合い調節を狙っている(ように見せかける)」などのフェイントを混ぜ、相手を細かく揺さぶっておいてから、ぶっぱなしている)
この最高難度の駆け引きと正確なレバー入力を「世界レベルの大会の準決勝」「異国の地でウメハラにとってはアウェイ」という緊張の中で、しかも「ほぼ負けが確定した」と思われる状況で「的確にブロッキングを決め、かつ最大反撃できっちり倒しきる」、さらに多数の外国人ギャラリーの注目が集まる中という大きなプレッシャーがかかる状況で、一度の失敗も許されないこの難局を打開した。
誰もが逆転など予想しなかっただけに、その1回のプレイでアウェイの観客の大半をも一瞬で魅了させたが、観客が大興奮してる最中、ウメハラとジャスティンだけは何事も無かった様に次の対戦に向けて淡々とキャラクターセレクトしていた。
後日、梅原はこのときの状況を「まぁ、盛り上がってよかったね、という感じかな」と語っている。この事実は、世界レベルで凄まじいインパクトを与え、ウメハラの名前を一躍世界に知らしめたのである。
なお「背水の逆転劇」という名称はあくまで通称であり、メディアアップロードサイト「pya!」において二次配布されたときに投稿者が「背水の逆転劇」と名付けて投稿し、この名が広まった。後の『Xmania7』のDVDインタビューで「背水の逆転劇」に対する質問に梅原は、ジャスティンの止めの「鳳翼扇」を「アレはミスみたいなもんだから」とコメントしている。
なお2011年夏に発売された3rd strike Online Editionでは、ブロッキングのトライアルモードにおいて「あの瞬間をもう一度」というタイトルでこの場面の再現が最後の課題として取り上げられている。
また、2016年には「最も視聴されたビデオゲームの試合」として当該試合がギネス・ワールド・レコーズに登録された。世界でのべ500万回以上閲覧されているという。
その後はジャスティン自身も度々ネタにすることがあり、自身の配信で3rdをプレイしている際に自ら「レッツゴージャスティーン」と言いながらケンに鳳翼扇をぶっ放してみたり(結果はケンが初段のブロッキングを成功させたが途中で失敗)、別の配信で同様にケン相手に鳳翼扇をぶっ放したところ全段ブロッキング→先述の最大コンボで倒しきられてしまい、「Daigoされた!」と発言したり
している。
上記で説明した劇的な逆転劇を思い出させるような「見事なブロッキングで敵の攻撃を防ぐ」シーンにおいて、「レッツゴージャスティーン!」と言うコメントが付けられる事がある。
(特に連続攻撃を全てブロッキングで防いで反撃を叩き込んだりするとポイントが高い)
また、ブロッキングと似たような特殊ガードシステム(ジャストディフェンス。スラッシュバック)を持つゲームであると、この台詞が付けられる事がある。ついでにウメハラwwwといったコメも見る事が出来るだろう。
高画質版
レッツゴージャスティーン!が生まれたシーン。劇的な逆転に会場は大興奮に包まれた。
のだが。
こちらがその試合も含む全試合内容。
試合内容もそうだが、良く見るとウメハラケンはレバーから手離してるっぽい(ケンの動きが停止し、奇妙なタイミングで観客が盛り上がっている)場面があったり……?
こうした事から「実は奇跡の大逆転などではなく、ウメハラが緻密に計算した一種のエンターテイメントだった」という声もある。………アメリカまで行ってやってる日米大会なのに。
なお、一戦目でウメハラが操作するケンが行った「かかって来な!」という挑発っぽい行動はPA(パーソナルアクション)というストIII特有システムのひとつで、主に次の特定行動のパワーアップが行われる効果がある。(ケンの場合は「次に出す技の威力を底上げする」という効果)
しかし、モーションがまんま挑発(実際に挑発目的に使われることもあるが)なのでストIII、特に3rdをよく知らない動画視聴者には「挑発的なプレイ」と誤解されることが非常に多い。
2014.11.23、逆転劇が本人達により見事(?)に再現された時の様子。
アメリカ・カリフォルニア州のゲームイベントで行われたエキシビジョンマッチにて。
掲示板
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最終更新:2025/03/13(木) 19:00
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