一国傾城篇とは (イッコクケイセイヘンとは) [単語記事]

一国傾城篇とは、漫画『銀魂』における長編エピソードの名称である。
なお、長編名は「さらば真選組篇」とともに原作者・空知英秋本人がつけたと公言している。

概要

『銀魂』は基本的にギャグメインで1～3話完結の短編が中心の漫画だが、時折シリアスな長編が描かれる。
その長編の1つが、原作の第三百八十六訓から第三百九十九訓までに亘って描かれた、この「一国傾城篇」である。

月詠や日輪の紹介で、伝説の花魁・鈴蘭から吉原の救世主として逆指名された坂田銀時。
銀時は鈴蘭を迎えるべく入念に準備をするが、そこに現れたのは噂とはほど遠いひとりの老婆だった。
鈴蘭から想い人の話を聞かされ、銀時はその人物を探すことになる。
その人物は先代将軍の徳川定々であるという情報を掴み、銀時たちは会わせるために、神楽とそよ姫のコネクションを利用して（？）江戸城へと乗り込むが……。
ことは単純に終わる問題ではなく、とんでもない展開に巻き込まれていく。

将軍家や幕府中央の暗部が一部明かされていたり、吉田松陽の死についても一部明かされていたりと、これまでよりかなり奥深くまで掘り下げられ、全体のストーリーの核心に迫った長編である。
また、「吉原炎上篇」同様、単純な勧善懲悪モノとは一線を画する重厚で奥行きのあるストーリーが展開されている。
なお、普段はギャグ要因な将軍（徳川茂茂）のシリアスな一面も注目である。
その将軍のある行動が「将軍暗殺篇」でとある変革をもたらす。

原作では、この長編以降、しばらく触れられなかった設定や、しばらく登場しなかったキャラクターの掘り下げや伏線（？）の回収などらしきことが行われている。

また、史実における徳川幕府15代将軍徳川慶喜にあたるであろう一橋喜喜（のちの徳川喜喜）の存在にも言及され、のちの長編である「死神篇」、「将軍暗殺篇」、「さらば真選組篇」、「洛陽決戦篇」にも登場している。
喜喜は「天導衆の息の掛かった古い者を廃し、新政権によって『異国に頼るでない異国と渡り合える強国を創り上げる』」という大志を謳っているらしい。
しかし、佐々木異三郎によれば「矮小な法螺」でしかないらしく、本心は別にあるらしい。

さらに、朝廷（天皇）の存在もほのめかされ、「将軍暗殺篇」で存在が明らかになっている。

『銀魂』において節目となったであろう長編である。

テレビアニメにおける「一国傾城篇」

テレビアニメでは2013年 1月～2月初めに放映。
第257話～第261話が「一国傾城篇」にあたり、全5話となった。
放送日は「金魂篇」と離れているが、その間は『よりぬき銀魂さん』としての放送で、話数としては加算されていないため、話数としては「金魂篇」から連続している。
また、その後の「恒道館篇（ビームサーベ流篇）」も話数としては「一国傾城篇」から連続している。