作画崩壊(さくがほうかい)とは、
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このページでは、本来の意味を逸脱して使われがちな言葉を解説しています。 |
主に放映途中で、突然作画のレベルが落ちた回に対して用いられる。80年代以前の作品、あるいは最初から作画レベルが低く設定され、そのまま終了した作品に使われることは少ない。
作画崩壊はアニメーターの責任ばかりではなく、主に制作会社、あるいは彼等が所属するアニメ制作現場が強いられる劣悪な環境が大きな起因となっている。制作スケジュールの慢性的な過密や破綻を始めとし、人気作品へのスタッフの急な流動や、作画を請け負う会社の倒産により、以降回の作画クオリティが急落した場合もある。また、撮影前のセル画が盗難に遭い、スケジュールに狂いが生じたというケースもいくつか存在する。
限られた予算に悩む制作会社が安い人件費に目をつけ、作画等の部分作業を海外発注したことで問題が発生するケースもある。海外発注自体は60年代から存在していたものだが、監督の目が届きにくいことから日本の製作陣との間でクオリティに大差が生じ、作画に統一感が無くなってしまう、近年では俗に「三文字アニメ」と呼ばれる劣悪な作画が話題にされるようになった。
近年においては日本からの技術指導など、改善に向けての動きが見られる。また、デジタル化による作業効率の上昇から、国内での高品質な作業が再び見直されている。しかし、アニメーターの劣悪な労働環境、人材不足等の根本的な問題が解決されない限り、作画崩壊の可能性は今後も続くだろう。
当たり前のことだがアニメとは「動く絵」であり、その一部分だけを切り取って批評することは出来ない。ストーリーに合った絵の動きや全体的な完成度、技法等によってのみ評価されるべきものである。
そして、アニメーションをつくる技法の中にはキャラクターの動きやスピード感、迫力を重視し、あえて正確性を崩して描くものも存在する。金田伊功による「金田パース」が有名な例である。少ないセル画枚数で描かなくてはならない日本アニメの制作事情から生まれた技法ではあるが、多くのフォロワーを生み、現在でもその技法に惚れ込むファンは多い。
また最近では、スタッフの個性が強く表れた作画を高く評価する視聴者も増えている。『魔法少女リリカルなのはA's』の「ベルカ式作画」や、『ノエイン』でみられた個性の共演、『天元突破グレンラガン』や『創聖のアクエリオン』で行われた「演出としての作画の違い」も、賛否両論を起こしながらも定着しつつあるようだ。
だが、アニメ作品がネット配信され、作品についての雑談がリアルタイムで可能な現代では、たとえ作品を知らなくとも誰もが容易に作品を閲覧し批判出来る。その際に最も話題にしやすいのが「作画」である。キャラクターの絵そのものに違和感があるケースは見た目にわかりやすくインパクトのある話題にもしやすい為、時には「中割り」の一部分をわざとキャプチャし、作画崩壊とネガティヴに騒ぎ立てる輩も存在する。
こういった「悪意・無知からくる誹謗中傷」「それに便乗する意見」が広まる事で上記の技法、ひいてはアニメーションそのものが萎縮してしまう可能性を危惧する声も挙がっている。作画崩壊と称するキャプチャを見かけた時は、面白がって便乗するより先に、その絵がどんなシーンの一部分であるかをまず確認すべきだろう。
ここでは、どのような状態が作画崩壊と呼ばれるかを解説していく。
尚、これらの記述が全てではなく、個人の主観によって左右される面も少なからずあることを留意されたし。
キャラクターの顔や手足のバランスが崩れ、頭や目が異常に大きかったり、手足が異常に細い、長い等。遠近感や動きに不自然な点が見られる等のケースも有る。
作画監督が置かれる以前の古い作品にはごく当たり前に見られる現象(概要にある通り、通常はこれを作画崩壊と呼ぶことは少ない)だが、それ以降の作品においてもしばしば起こっている。また、人物以外にもメカのバランスが崩れるといった現象もこれに相当する(こちらもやはりメカ作監が生まれる以前の70~80年代前半ロボットアニメ等には頻繁に見られる現象である)。
近年の作品であればDVD化の際には修正されている事が多い。
スケジュールや予算の都合で作画枚数が充分でない為、全体的に動きがカクついてしまう現象。紙芝居と揶揄されることも。代表的なのは『超時空要塞マクロス』。さらには動画ではなく、同じ静止画を揺らすだけ、あるいは使い回すといったケースも存在する。『トータル・イクリプス』等。
無論、あえてそのような演出がなされている場合は除く。
背景や小道具、時にはキャラクターの表情等に明らかに描き込みが足りない状態。分かりやすいのは「キャベツ(夜明け前より瑠璃色な)」であろう。原因はやはりアニメ制作現場の劣悪さや予算不足。
ただし、どこまでが手抜きでどこまでが手抜きでないかという点については明確な尺度がないため、最もポピュラーであると同時に最も議論が絶えない現象でもある。また、ギャグアニメなどにおいて「あえて部分的に手を抜くことがギャグ演出として成立する」といったケースもあり、作品の性質も併せて考えねばならない現象である。
レベルの高い(低い?)物になると、キャラクターのセリフと作画が一致しない状態が出てくる。DVD化の際には修正されるが、どのラインまで修正されるかは作品によって異なる。
『機動戦士ガンダムSEED』及び『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』で見られた現象。
バンク手法とは、特定のシーンを保存し、他回において流用するというものである。これだけ聞くと作画の手間を省くための使いまわしに思えるが、演出として効果的に用いる(変身バンク・合体バンク等)ことも可能であり、決してバンク自体が悪いものというわけではない。
しかしながら、『機動戦士ガンダムSEED』及び『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』では、「全編を通して数十回にわたって同じバンクを用いる」「同じ回で何度も同じバンクが使われる」「バンクであることを隠す工夫がない」といったように、あまりに過度に、また安易にバンクを用いていたために騒動となった。
メジャーアニメにおける大失態であることが影響したのか、現在ではこの手の現象はほぼ見られない。
このケースの代表作は『ガンドレス』、及び『MUSASHI-GUN道-』。
下請け会社への作画丸投げ、制作管理の破綻により、作品の大部分が未完成の状態のまま上映に踏み切らざるを得なかった逸話を持つ『ガンドレス』。製作委員会が事態を把握したのは上映のわずか2日前。あまりの騒動に新聞記事にすらなった程。中には怖いもの見たさに映画館に足を運んだマニアもいたという。
なお、未完成のアニメが劇場公開された前例としては、2シーン分が未彩色となった『火垂るの墓』が存在する。とはいえ、未完成個所が少ないことに加えて、全体としてはクオリティが高いこともあって、こちらは作画崩壊で取り上げられることはあまりない。
ネタとして語られることの多い『MUSASHI-GUN道-』もこのカテゴリである。制作側が事前に中韓の下請け業者に発注を取り決めており、監督をはじめとする国内スタッフと充分な打ち合わせの出来ない環境となっていた。海外発注の作画にミスがあった場合、通常は国内スタッフの手により修正されるものなのだが、本作では放送ギリギリまで日本に画を送ってこないという劣悪な仕事が横行し、終始手直しの出来ない状況で放映せざるを得なかったという裏話もある。なお、日本側で作画した1話や24話は安定していることからも、決して国内スタッフの腕が悪かったわけではないことがわかるだろう。
準備期間の異常な短さと過密スケジュールに泣かされた『ロスト・ユニバース』もここに入るだろう。「ヤシガニ」として話題に上る事が多いが、当時は監督を始めとするスタッフによる上層部の実態暴露がブログによって行われ(現在は削除されている)、ファンを騒然とさせた。
士郎正宗がキャラクターデザインに関わった『ガンドレス』、チャンバラとガンファイト、ふたつのアクションをテーマとした『MUSASHI-GUN道-』、CGによる宇宙戦闘とアニメーションの融合という試みを掲げた『ロスト・ユニバース』。これらの作品には充分な準備期間と各スタッフが必要だったにもかかわらず、それらが用意すらされないまま製作を余儀なくされたことが共通点となっている。
概要の冒頭にもあるように、全ての回が作画崩壊しているわけではない作品もある。話題にする際には注意しよう。
掲示板
821 ななしのよっしん
2024/04/14(日) 18:54:28 ID: 595jycpk3K
最近は最初から作画が大したことないのがわかって 途中からガクンと作画が落ちる事は無い…か?
822 ななしのよっしん
2025/03/04(火) 22:29:58 ID: Bft52phohL
聖闘士星矢も顔が違うということで未だにネタにされてるけど
メインのターゲットだった小学生男子はそんなこと気にしないで普通に見てたよ
今で言う「腐女子」が騒いでただけで
ボチボチ半世紀経とうというのに当時のアニメーター馬鹿にしてるとか恐ろしいわ・・・
人の心とかないんか?
てか「腐女子」嫌ってる人多い割には一緒になって馬鹿にしてる人が多いのは不思議
823 ななしのよっしん
2025/03/05(水) 00:08:23 ID: 4t8ImHM5Uk
「お前の周囲の小学生男子」というクソ狭い範囲の定義をこの世の全てかのように語るのは滑稽だとは思わんのか
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最終更新:2025/03/26(水) 19:00
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