北条氏

北条氏とは、日本史上有名な2つの氏族があるややこしい存在である。

1. 鎌倉幕府で源頼朝の岳父となった一族で、執権を務めていった（鎌倉北条氏）
2. 1にあやかって室町幕府官僚伊勢氏が東国で名乗った（小田原北条氏）、こちらはややこしいので後北条氏とも呼ばれる

北条（きたじょう）氏、という上杉謙信の越山絡みで有名な武将の家もあるが、ややこしいのでパス！

1の概要

源頼朝の妻・北条政子とその父親・北条時政に始まる一門である。以後の時代のほぼ全員の意識として、源頼義に娘を嫁がせた平直方の子孫だということになっているが、『吾妻鏡』の虚構性だの、いくらなんでも悪魔の証明すぎるだろだの、色々あって、史実性はかなり怪しいという結論になった。とはいえ、野口実などによって桓武平氏の別の一門ではないかとは言われてはいる

この北条時政であるが、ぶっちゃけこれ以前はどんな存在か全くわかっておらず、40歳頃になったところで突然歴史上に登場する。『吾妻鏡』を無批判に受容してきた反動でどこの馬の骨かわからない存在とまで言われるようになったが、今は伊豆守・吉田経房を支える在庁官人ではあり、京都にもある程度パイプのある存在だった、というところに落ち着いた。

とはいえ、とはいえなのだが、この北条時政。庶家らしいのだ。つまり、ほぼほぼ源頼朝に北条政子が嫁ぎ、その後の治承・寿永の乱であれよあれよという間にてっぺん取った結果として、躍り出た存在である。なお、北条時政自体は外交担当者であり、源義経更迭後に京都の治安維持を任されて初めて表舞台に立ったようなものである。

以後、公式史料の『吾妻鏡』どこまで信用できるんだよ問題もあるが、北条氏は分家がネズミ算式に増えて、鎌倉幕府を実質牛耳っていく。

※以後、あまりにもやばいネズミ算なので、主要なところ以外は省く
※以後、名字が何かややこしいので、北条で統一

1の北条氏のほんとにざっくりとした略系図

• ‖：養子　／　下線付き：養子に行った人物

北条時政

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<時房流>

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北条宗時

北条義時

北条政子

北条時房

阿波局

北条政範

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<名越流>

<極楽寺流>

<政村流>

<金沢流>

<伊具流>

北条泰時

北条朝時

北条重時

北条政村

北条実泰

北条有時

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北条時氏

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<阿蘇流>

北条経時

北条時頼

北条時定

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<宗政流>

<桜田流>

北条時輔

北条時宗

北条宗政

北条時厳

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北条貞時

北条師時

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北条高時

北条泰家

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北条邦時

北条時行

名越流北条氏

北条義時の本来の嫡男・北条朝時の子孫。比企氏の母親だったため、嫡男から外れ、次第に冷遇された結果、将軍派に与してさらに解体が進む。以後も反主流派として雌伏の時を過ごした。

名越流北条氏のほんとにざっくりとした略系図

• ‖：養子　／　下線付き：養子に行った人物

北条朝時

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北条光時

北条時章

北条時長

北条時幸

北条時兼

北条教時

北条時基

北条朝賢

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北条公時

北条頼章

北条篤時

北条長頼

北条時相

北条幸継

北条政幸

北条政基

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北条時家

北条公貞

北条秀時

北条公篤

北条宗長

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北条貞家

北条時有

北条時如

北条朝宣

北条夏時

北条家政

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北条周時

北条高家

北条時兼

極楽寺流

北条朝時の同母弟・北条重時の子孫。地方の大豪族と化した兄の家と異なり、鎌倉幕府内で重用された結果、嫡流の得宗家を支える一門となった。足利尊氏の妻がこの家なので、足利家に母系で血が流れている。

極楽寺流北条氏のほんとにざっくりとした略系図

• ‖：養子　／　下線付き：養子に行った人物

北条重時

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<苅田流>

<赤橋流>

<常盤流>

<塩田流>

<普恩寺流>

<坂田流>

北条為時

北条長時

北条時茂

北条義政

北条業時

北条忠時

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北条長重

北条為宗

北条義宗

北条時範

北条貞茂

北条国時

北条時兼

北条親時

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北条時秀

北条久宗

北条久時

北条範貞

北条貞氏

北条俊時

北条基時

北条貞重

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北条為秀

北条秀時

北条守時

北条宗時

北条重高

北条仲時

政村流北条氏

比企氏の乱の後に北条義時の正室になった伊賀氏との嫡男。とはいえ、北条義時死後の伊賀騒動の結果、北条泰時が継承したため嫡流からは外れた。以後、得宗流からは頼りにはなるがいまいち信用できない存在と化していく。

政村流北条氏のほんとにざっくりとした略系図

• ‖：養子　／　下線付き：養子に行った人物

北条政村

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北条通時

北条時通

北条時村

北条宗房

北条政長

北条政頼

北条政方

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北条為時

北条義村

北条貞宗

北条師村

北条重村

北条時敦

北条貞政

北条政公

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北条熈時

北条時益

北条師政

北条顕政

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北条茂時

金沢流北条氏

北条政村の同母弟・北条実泰の子孫。伊賀騒動の後謎の発狂をするが、以後も学問の家として北条氏を支えた（というかぶっちゃけいいように使われていた）。

金沢流北条氏のほんとにざっくりとした略系図

• ‖：養子　／　下線付き：養子に行った人物

北条実泰

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北条実時

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北条実村

北条篤時

北条顕時

北条実政

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北条時直

北条顕実

北条時雄

北条顕景

北条貞顕

北条政顕

北条政盛

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北条宗顕

北条貞将

北条種時

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北条茂時

北条時顕

伊具流北条氏

北条義時の庶子・北条有時の子孫。傍流もいいところなので、ほとんどよくわからない。

伊具流北条氏のほんとにざっくりとした略系図

• ‖：養子　／　下線付き：養子に行った人物

北条有時

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北条時基

北条兼時

北条通時

北条有義

北条兼義

北条時盛

北条政有

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北条有基

北条時澄

北条斉時

北条時景

北条貞有

北条宗有

北条有隆

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北条有政

北条貞澄

北条時邦

北条信時

北条高有

北条有政

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北条宗顕

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北条光時

北条時顕

時房流北条氏

北条義時ではなくその弟・北条時房の子孫。佐介流、大仏流のどちらも傍流もいいところなのだが、家格が徐々に上がっていった結果、ほぼ有力一門と化していた。

時房流北条氏のほんとにざっくりとした略系図

• ‖：養子　／　下線付き：養子に行った人物

北条時房

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<佐介流>

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<大仏流>

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北条時盛

北条時村

北条資時

北条朝直

北条政有

北条時直

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北条時景

北条時員

北条政氏

北条時隆

北条時広

北条朝房

北条時遠

北条宣時

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北条時顕

北条時元

北条盛房

北条時員

北条政房

北条頼房

北条宗宣

北条宗泰

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北条政忠

北条宣房

北条維貞

北条貞直

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北条家宣

北条家時

北条貞宗

北条高直

2の概要

要するに北条早雲こと伊勢宗瑞に始まるあの戦国大名の家である。関東を拠点にするにあたって、権威付けのために1の北条氏にあやかったといわれている。

こちらは北条早雲、北条氏綱、北条氏康、北条氏政、北条氏直の5代続くが、豊臣秀吉に滅ぼされ、北条氏直の復権運動もあったが早世によって嫡流は途絶えた。ただし、傍流が多数生き残っている。特に北条氏規（氏政の弟）の家系は江戸時代に河内狭山藩主の大名（1万石）として幕末まで生き延びた。

2の北条氏のほんとにざっくりとした略系図

宗家

• ‖：養子　／　下線付き：養子に行った人物

伊勢盛貞

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伊勢盛興

北河殿

伊勢盛時

伊勢弥次郎

（北条早雲）

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北条氏綱

北条氏時

葛山氏広

宗哲

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（北条幻庵）

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葛山氏元

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北条氏信

融信

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北条氏康

北条為昌

北条氏尭

大頂院

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北条綱成

崎姫

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<玉縄北条氏>

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北条氏朝

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北条氏忠

北条氏光

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北条氏広

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北条新九郎

北条氏政

北条氏照

北条氏邦

北条氏規

上杉景虎

早川殿

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<大石氏>

<藤田氏>

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北条氏盛

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某

北条氏直

北条直重

北条直定

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北条氏信

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北条氏時

玉縄北条氏

• ‖：養子　／　下線付き：養子に行った人物

北条綱成

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北条氏繁

北条氏秀

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北条氏舜

北条氏勝

北条直重

千葉直胤

北条繁広

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北条氏長

北条氏明

北条氏重

関連項目

• 北条
• 日本史
• 桓武平氏（1、2のどちらもこれに属する……らしい……）