北浦嗣巳とは、日本の映画監督・演出家・プロデューサーである。
1952年7月8日生まれ、千葉県安房郡出身。東京造形大学造型学部デザイン学科卒。
主に特撮作品の監督、舞台やオペラの演出として活躍。現在は円谷プロダクション作品でプロデューサーを務めている。
大学在学中に実相寺昭雄監督の『あさき夢みし』の現場にアルバイトで参加。
その後は実相寺率いる映像制作集団・コダイに籍を置き、実相寺の監督作品で助監督を務める。実相寺からは「映画を見るより美術や本や別のジャンルを見ろ!」「他人のものを見てもしょうがない。お前にはお前の世界があるだろう。他人の映画を見て技術を盗むのは良いけど、お前の感覚じゃないんだから」とよく言われていたという。
『恐竜大戦争アイゼンボーグ』『恐竜戦隊コセイドン』で関わった大岡新一の紹介により『ウルトラマンティガ』に参加、以降平成ウルトラシリーズでレギュラー監督となる。
特撮監督を務めた『テン・セコンド・アクター』で、モントリオール・エレクトリックシネマ特撮部門グランプリを受賞。
ハードでグロテスク・ホラーテイストながら、どこかユーモアも孕んだ得も言われぬ作風が持ち味。
『ウルトラマンダイナ』のミジー星人の様な個性的なキャラクターや『ウルトラマンガイア』のガンQなどのインパクト大のビジュアルの怪獣、実写の人物の顔がグニャグニャにメタモルしたり、CGによる表情付けで怪獣がニヤッと笑ったりするのが忘れられない人も多いだろう。
また、テレビドラマは一度に2話分の撮影を行うのが常であるが、北浦の場合はシリーズの根幹に関わるシリアスな回とギャグに振り切った回の組み合わせなど、ギャップの大きい話を同時に撮る事が多かった。
『ダイナ』で美人科学者役として片桐はいりを起用したところ、周囲から総スカンを食らったという逸話がある。
原田昌樹は「北浦監督は普通と美意識が違う。グロいガンQをすごい愛してるって言うんだよ」と語っており、川崎郷太からは「変人」と評された。
本人曰く、「<爽やか>だけだと面白くなくなっちゃうんです。台本をもらったときから『ギャップをどう作るか』って考えます。みんなと同じ流れにならないように」との事。
CG合成を得意としており、空中戦に代表されるビビッドな特撮を多数生み出した。
『ガイア』の「XIG壊滅!?」におけるエリアルベースの壊滅など正に合成祭りであり、北浦の存在無くしては成立し得なかったエピソードである。
『ダイナ』の「死闘!ダイナVSダイナ」(原田昌樹監督回)にて、「合成は私の命です」と書かれた張り紙とモズイを背景に、『ティガ』の「少女が消えた町」で登場したゲームをプレイしているというカオスな状況でカメオ出演した事がある。
妥協を求めないスタンス故にスタッフ・キャストの負担も尋常ではなかったらしく、キツかった現場として印象に残っている者も多い。OKを出した後にも更に押さえとなる一本を撮る事が多く、「オッケー、もう一本!」という掛け声で有名だった。
演出回はCG班の担当カットを写真と注釈で纏めた合成カット表が、タウンページほども分厚い上に、グリーンバック(合成素材)の占める割合が大きかったため、『ティガ』『ダイナ』でチーフCGディレクターを務めていた田嶋秀樹からは「グリーンデビル(緑の悪魔)」と呼ばれ恐れられていた。
他の実相寺に師事した助監督同様、その独特なカメラアングルやカメラワークは真似しない事を心掛けていたが、実相寺の追悼作品ともなる『怪奇大作戦 セカンドファイル』では実相寺ライクな演出を行っている。
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最終更新:2025/04/23(水) 00:00
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