因幡てゐとは (イナバテヰとは) [単語記事]

因幡てゐとは、上海アリス幻樂団制作による「東方Project」作品群の登場キャラの一人である。
東方永夜抄での英表記は「Tewi Inaba」だったが、花映塚以降、「てゐ」は「Tei」と表記されるようになった。

概要

出演	東方永夜抄（5面中ボス）東方花映塚（自機/対戦相手）東方文花帖（Level4 ターゲット）東方儚月抄　漫画版（1、9、10、19話）　小説版（1、2話）　月のイナバと地上の因幡（主人公）東方三月精　第2部（3、4、18話、1巻特別編、2巻特別編）　第3部（12話、最終話）東方鈴奈庵（3話）東方心綺楼（人間の里ステージ背景モブ） ※斜体の回はモブでの登場
二つ名	地上の兎(永夜抄、儚月抄) 幸運の素兎(花映塚、求聞史紀) 飛び跳ねる兎の大群(文花帖)
種族	妖怪兎
所属	永遠亭

健康に気を遣って長生きした結果、妖怪変化の力を身につけたという妖怪兎。

幸運を授けてくれるという話がある為、珍しく人間からの人気が高い妖怪だが、特別人間に好意的という訳でもないらしく、人間友好度は普通とされている。また、人間を「何でも食べる意地汚い奴」と評した事もあった。

現在は迷いの竹林にある永遠亭で暮らしているが、てゐは永遠亭が出来る前から迷いの竹林に住んでいた。てゐはかつて高草郡と呼ばれていた時代からこの地に生きる最長老であり、迷いの竹林の持ち主なのだという。それだけにてゐは迷いの竹林を熟知しており、妖精さえも迷うと言われるこの地にあっても道に迷う事は無い。竹林の事を全て知っているのはてゐだけだとされている。

永遠亭に住む多数の地上の兎のリーダーであると同時に、月の兎鈴仙と地上の妖怪兎達によって結成された兎の理想郷を考える集団「兎角同盟」の幹部でもあり、同組織においては、妖怪ではない地上の兎を取り仕切る事もしている。この為か、野生の兎のリーダー格とされる事もあるようだ。てゐの知らない妖怪兎は存在しないと言われており、兎達はてゐの命令にしか従わず、その命令は何でも聞くという。

竹林で迷った際にてゐを見かければ抜け出せると言われている為、人間からは迷いの竹林の道案内役と思われている。しかしてゐは妹紅のように仕事や自分の意思として道案内をしている訳ではなく、それどころかチルノから帰り道を尋ねられた際には、にべもなく案内を断っている。とは言え、竹林を彷徨っていた咲夜に出る方法を教えようと持ちかけた事もあるので、どこまで本気か不明だが、全く道案内をしない訳ではないのかも知れない。

作中にてゐが初登場したのは東方永夜抄のStage5である。この時には、スペルカードも、カットインも、テーマ曲も、そして台詞さえ持たない中ボスであった。しかし中ボスでありながら、撃破しても爆発せずにそのまま撤退するという挙動を見せており、既に只者ではないという雰囲気が垣間見える。そして同作スペルプラクティスモードのLast Wordにおいて、スペルカードとカットインを引っ提げ突如として再登場。プレイヤーを大いに驚かせた。

続く東方花映塚においては自機に抜擢された。この作品で初めててゐが会話をする場面が描かれ、永夜抄では詳細不明だった口調や性格が明らかとなった。また本作ではテーマ曲も作成されている。

なお、東方Projectにおいて、台詞を獲得した中ボス出身者は一時期てゐだけであった。東方神霊廟の屠自古の登場により、この特異性は失われたが、自機抜擢、テーマ曲所有にまで到った中ボス出身者は、依然として唯一てゐのみである。

花映塚発売から4ヵ月後の2005年 12月には東方文花帖に出演。残念ながらこの作品を最後に、ゲーム作品での対戦相手、もしくはプレイアブルキャラクターとしてのてゐの出演は現在まで途絶えている。

しかしてゐは、書籍作品に舞台を移して活躍を続行。まず2006年に東方三月精において再登場を果たすと、翌2007年開始の東方儚月抄にも出演。漫画版と小説版では、これまでにない大物ぶりを漂わせ、その存在感を示している。また同作の4コマ漫画版である「月のイナバと地上の因幡」においては、鈴仙と共に遂に主人公へと抜擢された。

現在、儚月抄、三月精とも全シリーズが連載終了済みだが、東方Project 漫画作品の最新作東方鈴奈庵にもモブで姿を見せている。また東方心綺楼の人間の里ステージでは背景モブとして登場し、他の永遠亭の住人達と一緒に試合を観戦している様子が確認出来る。今後の活躍も期待したい。

テーマ曲

てゐの正式なテーマ曲は、東方花映塚で発表された「お宇佐さまの素い幡」である。
「シンデレラケージ　～ Kagome-Kagome」がテーマ曲的に扱われる例もしばしば見られるが、これはまだテーマ曲の無かった永夜抄時代、てゐが登場するStage5において道中曲として使われていた事の影響であろう。

外見

外見的には白い兎耳と尻尾が最大の特徴の、黒髪の幼い少女である。身長はかなり低く描かれている事がほとんどで、胸も妖精と同レベルのようだ。

季節を問わずに薄桃色の涼しげな服を着ており、スカートからは尻尾を出せるようになっている。永夜抄のカットインや求聞史紀の挿絵では裸足であったが、常に裸足という訳ではなく、花映塚のカットインや儚月抄漫画版、儚月抄小説版の挿絵等で靴を履いている姿も確認出来る。

てゐのシンプルなファッションにおいて、ニンジン型のネックレスが印象的なアクセントとなっているが、これを身に着けるようになったのは花映塚からである。花映塚以降の作品である求聞史紀の挿絵でもネックレスは確認出来ないが、これは阿求のデータが古いか、あるいは常にネックレスを着けている訳ではないのかも知れない。

永琳によると、本人を見ていると何の威厳も感じられないが、大量の兎を自由に操る姿は仙人を思わせると言う。また、数百年前に初めて会った時には白い服を着ていたとの事だが、詳細は不明。

性格

ある程度の距離感がある時には人気が高いが、親密になればなる程、嫌いになるタイプとされる。

他者の波長を見る事が可能な鈴仙によれば、波長の短い人は気性が荒いとの事だが、てゐの波長は兎の中でも飛び抜けて短いらしい。事実てゐは喜怒哀楽が激しいとされており、その性格は妖怪よりも妖精に近いという。

大変な悪戯好きであり、狡賢く、人を騙す事に抵抗を感じない。詐欺紛いの手口で人を騙しては報復を受けているが、全く懲りていない根っからの詐欺師である。狡賢いと言っても、騙しの手口自体はさして巧妙ではなく、胡散臭い態度から怪しまれる事も多い。また、魔理沙の悪戯で毒草を食べさせられた事もあり、てゐ自身も他者に騙されないという訳ではない。あるいは魔理沙のような顔見知り相手にはあまり警戒心を持たないタイプとも考えられるが、現段階では真相は不明。

臆病な面もあり、映姫との邂逅では、相手が閻魔と判るや否やあからさまな保身に走っていた。その一方でそれなりにプライドも高いようで、兎を侮ったような発言をする者には反論する事も多い。鈴仙の言う事を聞かないのも、地上に住む者を見下す傾向に反発しての事らしい。

通常の兎を捕まえていると妖怪兎から報復を受ける事があるが、てゐは普通の兎が人間に食べられる事については「少しくらい食べられるのは仕方が無いかも知れないけどー」と発言しており、あまり気にしていないようである。鈴仙はその事でてゐを「特別冷たい」と評している。

かなりのニンジン好きのようで、人参ジュースを飲みたがる場面がある他、ニンジン型ネックレスやニンジン柄の布団を愛用する等、単に好物というレベルに止まらない執着が垣間見える。ただ、日常レベルでニンジンについて語っている場面はほとんど無い。

能力

人間を幸運にする程度の能力

てゐの姿を見た者には幸せが訪れるという。しかしその幸運はあまり長持ちしないらしく、迷いの竹林を迷わずに抜け出すといった事でも効果が終了してしまうらしい。授かった幸運をその程度の事に使ってしまうのはもったいないとされているので、潜在的により大きな応用範囲がある事は確実と思われる。

幸運が具体的にどこまでの効果を持つのかを示す例は少ないが、咲夜はてゐの足下が全て四葉のクローバーという現象に驚かされた事がある。この件についててゐは「四つ葉のクローバーも、十万分の一の確率もあるんだから、レアでもなんでもないわね」と語っており、その群生程度の幸運偏差は容易というのが、自身の能力に対する認識なのだろう。

求聞史紀では「四葉のクローバーで喩えると、四十葉のクローバー程度の幸運」が貰えるとされている。これは勿論、四葉のクローバーより10倍凄いというイメージの表現でもあるのだろうが、同書が発売された2006年時点でギネス世界記録に登録されていた最も葉の多いクローバーは、多葉株の交配で生まれた18枚葉^[1] だった為、てゐのもたらす幸運がいかに並外れたものであるかを示したものであるのかも知れない。

能力名には人間を幸運にするとあるが、厳密に人間のみに効果を発揮する能力ではない可能性もある。咲夜の目撃した四葉のクローバーの群生に関しては、人間である咲夜に四葉のクローバーを発見する幸運を授けたと解釈する事も出来るが、実際の発見者はてゐ自身である為、むしろてゐ自身に幸運を発生させているようにも見える。

また、文がてゐを犯人として記事にした賽銭詐欺騒動の際、てゐは自身の能力はアリスや文のような妖怪にも効果を発揮するという趣旨の発言をしている。大結界異変でのミスティアとの対戦時には「雀になんか幸運を分けてやらないからね！」と発言しており、これらの主張が正しいのなら、てゐは妖怪に対しても幸運を付与する事が可能で、更に能力の発動を任意に操作可能という事になる。

花映塚のマッチモード対戦時、てゐが「○○すれば幸せになれるわ」と、幸せについての忠告めいた台詞を口にするのは、人間である霊夢、魔理沙、咲夜、そして一応人間枠の妖夢が相手の時だけなので、人間を幸運にするという能力名は、てゐなりのこだわりを反映したものなのかも知れない。

「月のイナバと地上の因幡」では、能力を使って自らに幸運を呼んだてゐが、埋蔵されていた金銀財宝を発見する場面があり、同作においては明確に人間以外にも効果が及ぶという扱いになっているようだ。

強さ

妖獣はずば抜けて高い身体能力を持ち、精神的な攻撃に強いとされている。

しかしてゐは妖獣に分類される妖怪兎でありながら、鈴蘭の毒にあてられれば体調を崩し、チョウセンアサガオを食べさせられれば吐き戻し、精神的ショックを受ければ寝込んでしまうというありさまで、妖獣らしい強さが全く見られない。妖獣の中で妖怪兎が例外的に弱いのか、てゐが個人的に弱いのかは不明。

敏捷性に関しては流石にかなりのものがあるようで、求聞史紀にもそのすばしっこさが特記されている他、本人も魔理沙に対して「かけっこで兎に敵うはずもないけど」と言っている。

口調

てゐの口調には特徴が少なく、癖のある一人称や語尾を使う事もほとんど無かった。しかし儚月抄の漫画版と小説版では、「あたしゃ」という、いささか年配者染みた口調で話す場面が見られる。

お師匠様と呼んでいる永琳や、一応上司という事になっている鈴仙に対しても砕けた話し方をしており、映姫以外の相手に敬語を使っている場面は無い。

二次創作では「～ウサ」という語尾を使う例がしばしば見られ、多くの場合、嘘をついている事を示す合図となっている。

来歴

幻想郷の歴史に登場する以前のてゐに関しては、太古の時代にサメを騙して海を渡った事や、迷いの竹林が高草郡と呼ばれていた頃からそこへ住んでいた事等、断片的な情報があるのみで、詳しい事はほとんど分かっていない。迷いの竹林は大津波で流されて幻想郷に流れ着いたとされるが、てゐがいかなる経緯で幻想郷に現れたかは不明である。

てゐが幻想郷の歴史に最初に登場したのは、幻想郷縁起においての事だった。幻想郷縁起の編纂が始まったのは千年以上前だが、その時点で既にてゐの存在は確認されている。

同じく千年以上前の事とされる月面戦争と、地上の妖怪の敗北についてもてゐは知っていた。てゐ自身の関与の有無については明らかにされていない。

やはり千年以上前に輝夜と永琳が幻想郷に現れ、迷いの竹林に用意した永遠亭に隠れ住むようになったが、竹林の持ち主であるてゐは、その事実を早い段階から察知していたらしい。

輝夜の能力と永琳の智慧による仕掛けで、永遠亭には歴史が進むような変化は発生しない事になっていた。しかし彼女達が隠遁を始めて数百年前後、歴史が動く事件が発生する。永遠亭へのてゐの来訪である。てゐは警戒する永琳に敵意の無い事を示し、兎達に智慧を授けてくれれば、人間を寄せ付けないようにするとの取引を持ちかけた。

結局てゐと永琳の間で何らかの契約は成立したらしく、以降てゐは永遠亭に住み着き、月の使者を寄せ付けないようにしているようだ。なお、てゐが歴史の止まった永遠亭へ何故侵入出来たのかは、永琳も未だに判らないという。

上述した事件との前後関係や正確な時期は不明だが、恐らく鬼が地上で活動していた頃、てゐは鬼が酒虫で造った酒を飲んだ事があるらしい。近年になって再度酒虫の酒を賞味した際には、鬼達によって品質改良が進んだという趣旨の発言をしている。

第二次月面戦争より三十年程前、幻想郷に現れた鈴仙を発見したのもてゐだった。てゐは鈴仙が月からの侵入者である事も見抜いており、その事を永琳に報告している。この事件は鈴仙が永遠亭に拾われるという形で収束。鈴仙は後に相棒的存在としててゐとも因縁浅からぬ事になる。

永夜異変の際にはてゐも永遠亭に侵入した人妖の迎撃に出ているが、目立った活躍は見られなかった。この異変でてゐが何を思って行動していたかは判っていない。

続く六十年周期の大結界異変ではてゐは状況を大いに楽しんでおり、永遠亭の関係者には無断で幻想郷各地を遊び回った。その果てに人を騙し過ぎると映姫に説教され、ショックで寝込む事となったが、それでもやはり懲りてはおらず、後に様子を見に来た映姫は、相変わらず嘘ばかりついているてゐを目撃する事となった。

第二次月面戦争の際には、てゐが現在でも月の使者を永遠亭に寄せ付けないようにしている事が判明した。しかしてゐは第二次月面戦争そのものに対しては距離を置いており、月に攻め込む人妖には勿論、事件の黒幕を捕らえようとしていた永琳にも協力する事は無かったようだ。

その後は現在まで、てゐは大きな事件に関与していない。煙々羅騒動の際、竹林を訪れた霊夢と魔理沙の付近に姿を見せているのが、てゐの活動が確認された時系列的最新例である。

スペルカード

てゐは明らかに因幡の素兎をモデルとしたキャラクターであり、スペルカードにもその神話にまつわるものが多く見られる。因幡の素兎関連についての詳細は後述する。

東方永夜抄

「エンシェントデューパー」(Last Word)

東方花映塚

兎符「開運大紋」
兎符「因幡の素兎」(ボスアタック)

東方文花帖

脱兎「フラスターエスケープ」
借符「大穴牟遅様の薬」

因幡の素兎

てゐのスペルカードである兎符「因幡の素兎」が示す通り、因幡の素兎という概念は作品世界においても存在している。また、映姫、小町、チルノ、メディスンらは、てゐとの会話の中で因幡の素兎の物語を引き合いに出した台詞を口にしており、兎と言えば因幡の素兎という発想が作品世界ではポピュラーなものである事がうかがえる。

この為、てゐは単に因幡の素兎をモデルとしたキャラクターというだけではなく、作品世界における因幡の素兎その人であるとの説もある。また実際にその裏付けとも取れる情報も幾つか存在しており、認知度の高い説である。

本項ではてゐに関する諸要素のモデルとなっている因幡の素兎の物語を紹介すると共に、両者が同一人物であるとの説を検証する。

神話上の因幡の素兎

因幡の素兎とは、古事記には「稻羽之素菟」と記され、俗に「因幡の白兎」とも表記される神話的兎である。

淤岐島という離島に住んでいた兎が本土の因幡に渡る為にワニ（鰐とも鮫の方言とも）を騙して利用しようとした所、最後の最後に詰めを誤り、身の皮を剥がれてしまったという日本神話の有名なエピソードで知られる。

更に追い討ちに、素兎（素い兎ではなく裸の兎の意）は通りすがりの八十神（八十柱、もしくはそれ以上の大量の兄弟神たち。因幡在住のヤガミヒメという女神に求婚する為にレース中）に「皮を剥がれた傷が痛むなら身体に海水を塗りこんで風に当たっていれば良くなるよ」とデタラメを吹き込まれ、傷を更に悪化させてしまうことになる。

打ちひしがれ素兎が泣いていた所に、オオナムチ（大穴牟遅）という名の、八十神兄弟の内の一柱でヤガミヒメ争奪レースに出遅れていた神が通りすがる。オオナムチは素兎に、「傷を治したければ傷口を川の真水で洗って蒲の花粉を塗りつけておきなさい」と、他の兄弟たちとは違って適切な治療法を教え、素兎の傷は無事に治った。

すっかり感謝した素兎は、「ヤガミヒメは八十神の兄弟たちではなくオオナムチ様を夫に選ぶでしょう」と予言し、実際にその通りとなる。この逸話をきっかけに、因幡の素兎は縁結びの神として祭り上げられることとなるのであった。

ちなみにオオナムチという神は後にオオクニヌシ（大国主）と名を変え、日本神話に様々なエピソードを残す。東方儚月抄漫画版第一話にて地上の妖怪兎たちがキャッキャしているダイコク（大国）様とは彼の事であり、霊夢が呼び出そうかと検討しているのもオオクニヌシである。作中で触れられている通りオオクニヌシは大変なイケメンであり、「因幡の素兎」のエピソードで最初に妻としたヤガミヒメ以外にも多くの女神たちを妻とし180柱もの子を設けたリア充の極みのような神だった。

「因幡の白兎」の記事も参照されたし。

ZUNのコメント

「月のイナバと地上の因幡」下巻限定版の表紙は、フカヒレスープの上にてゐのフィギュアが浮かべられた写真であった。この表紙についてZUNは『「因幡の素兎」と言えばサメだと言ったら本当にフカヒレになりました』とコメントしており、これは原作者が自らてゐと因幡の素兎が同一の存在である事を示したものと見る事も出来る。

しかしてゐのモデルが因幡の素兎である以上、同一の存在でなくとも上記のようなコメントが出る事は考えられるので、確実な証拠とまでは言えない。

「エンシェントデューパー」

因幡の素兎がワニを騙して海を渡ったというエピソードをモチーフにしたスペルカード。「Ancient duper」とは古代の詐欺師程度の意か。

魔理沙はこのスペルカードを「太古の時代、サメを騙して海を渡った時のイメージらしい」と評しているが、文脈的に見て、これはてゐ自身から由来を聞いてのコメントと思われる。それが真実なら、てゐは因幡の素兎と同じ体験をしている事になり、因幡の素兎本人である可能性も高くなる。

兎符「因幡の素兎」

てゐが花映塚で使用したボスアタック用スペルカード。ボスアタックとは、対戦者のフィールドに自分の幻影を送り込む攻撃であり、その名称も使用者そのものを示しているものも多い。素直に受け取るなら、てゐは自身が因幡の素兎である事を高らかに宣言したという事になる。

ただしボスアタックの中には、明らかに使用者自身を指していないものや、使用者を過大に評価したようなものも含まれるので、てゐが著名な兎である因幡の素兎にあやかって命名しただけと解釈出来なくもない。

借符「大穴牟遅様の薬」

偽の治療法で悪化した怪我に苦しむ因幡の素兎が、オオナムチの与えた正しい処方によって救われたという話をモチーフにしたスペルカード。因幡の素兎に取って、オオナムチはまさしく大恩人である。

てゐもオオナムチの後の姿であるダイコク様を大変敬愛しているようで、「お師匠様（永琳）よりも、ずっと良い薬を作るし」とまで言っている。ダイコク様は兎達の憧れの存在なので、彼を敬愛する事がそのまま因幡の素兎である事の証拠にはならないが、単にダイコク様を慕うだけに止まらず、彼の作る薬やその出来にまで言及している辺り、自身が効果を体験済みだからこその発言とも思える。

高草郡

てゐは高草郡と呼ばれていた頃からの迷いの竹林の住人とされているが、高草郡は因幡の素兎とも関係の強い土地であった。旧高草郡にあたる鳥取市は、因幡の素兎の縁の地であり、因幡の素兎を祀る白兎神社もここに存在する。

また「因幡民談記」には、高草郡の竹林に住んでいた老兔が洪水でオキノシマに漂着。帰る為にワニを騙してその背を渡るも、企みが発覚して毛を剥がされ、それを哀れんだオオナムチに救われるという話が掲載されている。

兎神

神話上の因幡の素兎は最終的に神格を得ているので、作品世界の因幡の素兎もやはり神となったと考えられる。

一方諏訪子は鈴仙に「貴方の処に色々神様が居るって聞いたけど」語っており、この台詞をそのまま受け取ると、永遠亭には複数の神がいるという事になる。その場合神として考えられるのはオモイカネ説のある永琳だが、他にもいるとなると、正体不明のてゐが該当する可能性が高い。てゐが神であるなら、それは逆説的に因幡の素兎と同一人物である事を示すと言える。

てゐは只の妖怪兎ではない事は明らかであった。

東方儚月抄　～ Cage in Lunatic Runagate.　第一話「賢者の追憶」より　八意永琳

年齢

てゐは幻想郷の中でも最も長く生きている部類と言われている。てゐの具体的な年齢は不明だが、明らかにされている情報としては以下のものがある。

てゐに関する既知のエピソードの中で最古のものであるサメを騙す話は、太古の時代の出来事とされている。太古というのがどの時代を指すかは不明だが、辞書的な意味で考えるなら有史以前という事になる。

またてゐは、天石門別命を「懐かしい神様」と語っているが、これはてゐが神代から存在し、神と交流を持っていた可能性を示している。事実てゐは妖夢に対し、「昔はあまたの神々と交流もあったもんよ」とまるで見てきた事のように語っている。

数値的に年代が示されている範囲でてゐの存在が最初に語られているのは、千年以上前に稗田阿一が幻想郷縁起の編纂を始めた時である。千歳＋αが、確実と証明されているてゐの年齢という事になる。

180万歳以上説

てゐの年齢は、しばしば179万乃至180万歳以上であるとされる。この具体的な数値は、てゐが因幡の素兎である事を前提に、日本神話の記述を根拠としたものである。

後の神武天皇である神日本磐余彦尊が東征を開始したのは、天孫降臨から179万2470余年後の事とされている。因幡の素兎とオオナムチのエピソードは、天孫降臨より更に古い時代の出来事であり、これが180万歳以上という数値の出所となっている。

勿論、神話と作品は別のものであり、神話の記述が作品世界でもそのまま適用されているとは限らないのだが、傍証らしきものは作中にも存在している。

慧音のスペルカード、始符「エフェメラリティ 137」は、神武天皇をモチーフとしたものなのだが、永夜抄スペルプラクティスモードのコメントには「親は何十万年と生きていたのにね」とある。神武天皇は天孫降臨したニニギの曾孫にあたるので、親が何十万年と生きたという記述は、天孫降臨から179万年という話に基づいていると思われる。このコメントから天孫降臨関係の設定は、作品世界において神話の記述通りであると解釈する事が出来る。

しかしスペルプラクティスモードのコメントは、作品世界の設定らしきものがある一方で、明らかな冗談や関連性の低そうな呟きのようなものもあり、その記述がすなわち設定であると断言出来る性質のものではない事にも注意。

なお、神奈子の元ネタのひとつであるタケミナカタ（建御名方神）もオオクニヌシの子の一柱である。てゐが因幡の素兎であるなら、神奈子が生まれる前から生きていると見る事も出来る。

対人関係

鈴仙・優曇華院・イナバ

鈴仙は兎角同盟におけるてゐの上司であり、永遠亭の日常でも上司のように振舞っている。しかしてゐが鈴仙の命令に従う事は無い為、上司部下の関係は形骸化しているに等しい。

地上の者を見下す鈴仙をてゐは快く思っておらず、また鈴仙の方でもてゐのとばっちりで自分が永琳に叱られる事に不満を持っていたりと、両者の関係はあまり上手く行っていないとされている。

とは言え、鈴仙とてゐは2人で兎角同盟結成を決めていたり、花映塚ではお揃いのニンジンアクセサリーを着けていたり、てゐが寝込んだ際には鈴仙が心配そうに様子を見ていたりと、険悪な関係という訳でもない。また、永遠亭住人の意識は永夜異変を契機に変わりつつあるので、将来的には両者の関係も改善されるのかも知れない。

八意永琳

鈴仙はてゐを永遠亭のペットと勘違いしているらしく、その為、永琳のてゐへの態度を甘過ぎると考えているが、実際には両者の関係は同盟に近い。

てゐは永琳の言う事もあまり聞かないとの事だが、それでも作業兎に雑務を行わせる等、最低限の命令には従っているようだ。

例月祭を盛り上げる為、永琳が兎の食べる団子に薬を盛っている事を見抜きながらも、糾弾する事も無く、皮肉めいた台詞を口にするだけのてゐと、てゐの皮肉とその理由を察しながらも特に何も言わない永琳という、妙な緊張感が垣間見える場面もあるものの、両者の関係は概ね良好なようで、表立った反目は見られない。

永琳はてゐに一目置いているのか、「気が付いたら居て、気が付いたら居なくなっている。それでも、重要な時には必ずいるのだ」、「ここは見つかりません。てゐが月の使者を寄せ付けない様にしてくれているのですから」等、その実力を評価しているらしい様子が見られ、また「あの娘は昔から自由奔放だったわ」、「てゐの神出鬼没さは今に始まった事ではない」と、てゐのフリーダムな行動も容認している節がある。

てゐは永琳をお師匠様と呼んでいるが、実際に師事しているかどうかは不明。「私の知り合いにも薬の達人が居るの。毒薬だけと言わず、ありとあらゆる薬の」とメディスンに語った事があるので、永琳の実力は認めているようだ。

しかし第二次月面戦争の際、「わたしゃ賢い月の御仁についてよかったよ」と言って永遠亭の住人達と談笑する一方、永琳達がいない場所では、ダイコク様はお師匠様の薬よりずっと良い薬を作ると言って妖怪兎達と一緒になって笑っていたりもするので、永琳に完全に心服して師匠扱いしている訳ではないと思われる。

蓬莱山輝夜

実は「月のイナバと地上の因幡」を除く公式作品で、この両者が会話をかわしている場面は存在しない。強いて挙げるなら、儚月抄漫画版で、てゐの言葉に輝夜が吹き出す場面がある程度である。

しかし全くの没交渉という訳ではなく、輝夜視点の話である儚月抄小説版第二話では、会話こそ無いものの、輝夜がてゐの存在をきちんと認識している事が分かる。また永夜抄のキャラ設定.txtには、兎なら何でもイナバ扱いで鈴仙とてゐの区別をしないというような説明があるが、この話のモノローグではてゐと呼んでいる。

なお、「月のイナバと地上の因幡」では普通に会話シーンもあり、一緒に行動している姿もしばしば見られた。

その他

永遠亭関係者を除く人妖とてゐの関係については、描写が少ない事もあってほとんど分かっていない。

永夜異変の際に覚えたのか、六十年周期の大結界異変の際には霊夢、魔理沙、咲夜、妖夢の名前を知っていたてゐだが、その4人とも特に親しくしている描写は無い。魔理沙や咲夜はてゐの能力を意識している場面も見られ、特に魔理沙はてゐに幸運をねだった事もあった。しかし強く執着しているという訳ではないようで、後に魔理沙はてゐに毒草を食べさせるような悪戯も行っている。

チルノとは大結界異変が初対面だったようだが、後の博麗神社の縁日では談笑しているらしき場面が見られたので、それなりに親しくなったのかも知れない。

ミスティアとは比較的辛辣な言い合いをしていたが、実は彼女の代名詞とも言うべきヤツメウナギの屋台の開業には、てゐの影響があったのかも知れない。ミスティアの屋台は文々。新聞第百二十季神無月の号で「最近、夜雀が始めた新商売」として紹介されているのだが、それに先立つ第百二十季春の大結界異変の際、てゐはミスティアに新しい商売を始めるように勧めているのである。

文とは文々。新聞の取材で何度か会っているようだが、私的な交友があるかどうかは判っていない。てゐは「真実だけを記事にする」、「嘘自体が悪いこと」と表向きには主張している文とは反りが合わないらしい様子が見られ、「事件が起こる事が幸せな事だと思っているあんたには、私の嘘に難癖をつける事は出来ない」と皮肉めいた台詞も口にしている。しかしてゐの口ぶりから見て、それらは全て嘘だった可能性もあり、真相は不明。また、文が文々。新聞の号外を乱発するようになったのはごく最近、「風の号外」以降の事なのだが、その直前にあたる大結界異変の際、てゐが「貴方の新聞の購読者を増やしたくない？　私に良い考えがあるんだけれど……」と持ちかける場面も見られた。号外乱発という文の新しい編集方針は、てゐの提案に基づいている可能性も考えられる。

大結界異変を自分のものにするよう幽香に提案しているので、幽香とその能力については以前から知っていたと思われるが、交友関係があったかどうかは不明。プリズムリバー楽団についても知っていたようだが、こちらは知識として知っているだけで、個人的なつきあいは無かったようだ。

大結界異変で知り合ったメディスンとは、それなりに友好的な関係を築いており、詐欺を疑われつつも、最終的には彼女の鈴蘭畑の一部を借り受けている。しかしその後、メディスン自体がほとんど作中に登場していないので、メディスンとの関係や鈴蘭畑がどうなったかは不明である。

映姫はてゐが唯一敬語を使って話す相手だが、大結界異変までは面識が無かったらしく、出会った当初は彼女が閻魔だと気がついていなかった。彼女に対して下手に出ているのも、映姫個人というより、閻魔という地位にある者に対する阿諛と思われる。

てゐの悪戯

悪戯好きだけあって、てゐは作中で様々な悪戯を行っている。しかし映姫に「妖精の悪戯とは異なり、貴方の場合は程度の低い詐欺なのです」と指摘された通り、悪戯というより詐欺に近いものも多い。
二次創作では落とし穴を掘るのが定番の悪戯だが、「月のイナバと地上の因幡」を除く公式作品において、てゐがその類の物理的トラップを仕掛けた事は無い。

作中におけるてゐの主な悪戯/詐欺的な発言・行動は以下の通り。　※ネタバレ注意

東方花映塚

迷いの竹林についての嘘発言で妖夢を煙に巻く。
鈴蘭畑の一角を預けるだけで、その毒を何倍にもして返すとメディスンに持ちかける。
借りるだけとしつつ、契約後は「あの辺の一角は私のもの」と言っている。
てゐ「鈴蘭の解毒は要らんかね」　メディスン「またピンポイントな詐欺商売ね」
「まあいいや。うちの兎を騙して毒を集めさせれば」
「詐欺の証拠さえ掴めば、記事に書けるのですけれど……」（文）
「もっとお賽銭にお金が入る方法を知りたくない？」（霊夢に）
「もっと高級な蛙を手に入れてみない？　いい方法があるんだけど……」（チルノに）
「私に考えがあるから、新しい商売を始めると良いと思うわ」（ミスティアに）
「貴方の新聞の購読者を増やしたくない？　私に良い考えがあるんだけれど……」（文に）
「どう？　私に管理を任せてみない？」（毒の管理についてメディスンに）
「この異変を自分の物にしてみない？　貴方ならそれができると思うわ」（幽香に）

東方文花帖～Bohemian Archive in Japanese Red

人や妖怪の家を訪れ、「お賽銭の集金に参りました」と金を騙し取る。
てゐは効果があるからと詐欺性を否定。（文々。新聞）
嘘つきのパラドックス的発言で文を煙に巻く。

東方三月精　～ Strange and Bright Nature Duity

永琳の命令でてゐを捜しに来た鈴仙から逃げ回る。（第3話　高草の兎）
永琳に対する鈴仙の愚痴を密告しようとする。（第3話　高草の兎）

東方儚月抄～月のイナバと地上の因幡

薬を売りに行く鈴仙の荷物に隠れる。
餅搗きで鈴仙の手を狙って巻き込む。
団子に激辛物を仕込む露西亜んルーレット。
輝夜の氷菓子を鈴仙に食べさせる。
鈴仙の声色で永琳をもう若くない扱い。
睡眠中の鈴仙の写真を文に売る。
紅魔館のパーティの招待状を偽造。
フランドールに追われて鈴仙を囮に。
兎を使って妹紅を永遠亭に誘導する。
蔵に生えていた茸を輝夜に食べさせる。
雨漏りに乗じて鈴仙の水をかける。
鈴仙を天井に突き刺す。
鈴仙を諏訪子にけしかける。
永琳のお面を着けて鈴仙を脅かす。

刺された者までイチコロの除虫薬を鈴仙に使わせる。
操られたふりをして鈴仙のケーキを食べようとする。
どこかからくすねた胡散臭い運動器具を多数所持。
輝夜にバナナヨーグルト納豆ドリンクを飲ませる。
輝夜は光翼型近接支援残酷戦闘姫。
掃除をサボろうとする。
鈴仙が張り直した先から障子を破く。
雪合戦の際、雪玉に釘や氷柱を仕込む。
落とし穴。
鈴仙に怪しい耐寒訓練をさせる。
輝夜に月都万象展を開かせるように誘導。
鈴仙が人間大砲に挑戦するというデマをばら撒く。
etc...

てゐ専用年表

てゐの行動や幻想郷の大きな事件に限定した年表ウサ。

推測でしかない部分や解決出来ない矛盾も含まれ、「月のイナバと地上の因幡」での出来事、因幡の素兎説や180万歳説も取り入れてあり、その一方で全ての出来事を記載している訳でもないので、あくまで参考程度に。

神代
	てゐが高草郡に住む。（三月精第2部第3話「高草の兎」）
	高草郡が大津波で流される。（三月精第2部第3話「高草の兎」）
	洪水の被害で竹林の老兎はオキノシマに流される。（因幡民談記）
	てゐがサメを騙して海を渡る。（The Grimoire of Marisa）
	負傷した稻羽之素菟が大穴牟遲に救われる。（古事記）
	稻羽之素菟が兎神になる。（古事記）
179万年以上前	天孫降臨。邇邇芸命に随伴し、思兼神、天石門別神らが地上へ。（古事記）
	てゐが天石門別神と出会う？（儚月抄小説版第一話「賢者の追憶」）
有史時代
	妖怪の住む人里離れた山の中が幻想郷と呼ばれるようになる。（紅魔郷/妖々夢バックストーリー）
	高草郡が幻想郷に流れ着き、迷いの竹林と呼ばれるようになる。*（三月精第2部第3話「高草の兎」）
1000年以上前	稗田阿一が幻想郷縁起の編纂を開始。幻想郷にてゐの存在を確認する。（求聞史紀「因幡てゐ」）
1000年以上前	輝夜と永琳が迷いの竹林に永遠亭を建てて隠れ住む。（儚月抄小説版第一話「賢者の追憶」）
1000年以上前	幻想月面戦争騒動。紫が妖怪達と月へ攻め込むも惨敗する。（求聞史紀「八雲紫」）
1000年以上前？	てゐが酒虫で造った酒を味わう。（三月精第2部第18話「壺中の虫酒中の壺後編」）
500年以上前	妖怪拡張計画。紫が幻想郷の周囲に幻と実体の境界を創る。（求聞史紀「八雲紫」）
数百年前	てゐが永遠亭に入り込み、永琳と取引する。（儚月抄小説版第一話「賢者の追憶」）
130年近く前	大結界騒動。紫ら妖怪の賢者達が博麗大結界を創る。（求聞史紀「八雲紫」）
30年程前	てゐが幻想郷に侵入した鈴仙を発見する。（儚月抄小説版第一話「賢者の追憶」）
2003年
第百十八季夏	紅霧異変。（紅魔郷）
2004年
第百十九季 5月	春雪異変。（妖々夢）
第百十九季	博麗神社で宴会が繰り返される。（萃夢想）
第百十九季秋	永夜異変。てゐも永遠亭への侵入者を迎え撃つ。（永夜抄）
2005年
第百十九季睦月	文々。新聞でてゐの賽銭詐欺が報じられる。被害者は咲夜、魔理沙、アリス等。（文花帖）
第百二十季春	六十年周期の大結界異変。てゐは映姫に説教される。（花映塚）
第百二十季霜月	文々。新聞で兎角同盟と博麗神社の対立が報じられ、てゐへのインタビューも掲載される。（文花帖）
2006年
	光の三妖精が鈴仙からてゐの過去について聞く。（三月精第2部第3話「高草の兎」）
秋	てゐが魔理沙にチョウセンアサガオを食べさせられる。（三月精第2部第4話「異変の向こう」）
2007年
例月祭	てゐは永琳や鈴仙から黒いと見做されている事が判明。（月のイナバと地上の因幡第1話）
永夜異変から三～四年後の夏例月祭	例月祭でダイコク様の為に餅を搗く妖怪兎達を咎め、躾けるようてゐに命じる鈴仙。相手にしないてゐ。レイセンが幻想郷へ侵入し、博麗神社付近へ降下。神社で修行中の霊夢が天石門別命を呼ぶ。霊夢が意識を失ったレイセンを発見する。紫が第二次月面戦争開戦を宣言。（儚月抄漫画版第一話「賢者の計画」）
同日	月の侵入者を察知したてゐが神社を偵察、天石門別命を目撃。（儚月抄小説版第一話「賢者の追憶」）
夏例月祭翌日	てゐが氷柱を調達してくる。（月のイナバと地上の因幡第2話）
夏	てゐと鈴仙が香霖堂で雨宿り。（月のイナバと地上の因幡第3話）
中秋例月際	てゐが鈴仙や他の兎達と一緒に餅を搗く。（儚月抄小説版第二話「三千年の玉」）
同日	てゐが鈴仙を泣かせてしまい焦る。（月のイナバと地上の因幡第4話）
秋	守矢神社が妖怪の山に引っ越す。（風神録）
	輝夜の社会見学に付き合うてゐと鈴仙。（月のイナバと地上の因幡第5話）
	永琳の怒るラインを見極める為に鈴仙と輝夜で実験するてゐ。（月のイナバと地上の因幡第6話）
雪の降る日	紅魔館でのロケット完成記念パーティにてゐも出席。（儚月抄漫画版第九話「住吉・イン・ブルー」）
同日	てゐと鈴仙が紅魔館の地下でフランドールに遭遇する。（月のイナバと地上の因幡第8話）
	ロケット発射。輝夜達に月側について良かったと語るてゐ。（儚月抄漫画版第十話「幻想ケープカナベラル」）
	てゐが妹紅の作った干し柿を大量に盗み食いしていた事が判明。（月のイナバと地上の因幡第11話）
	てゐと鈴仙が永琳の指示で紅魔館に本を借りに行く。（月のイナバと地上の因幡第22話）
	月の使者レイセンの頼りなさに呆れるてゐ。（儚月抄漫画版第十九話「縛られた大地の神」）
	第二次月面戦争の終結。（儚月抄小説版最終話「二つの望郷」）
	風邪で寝込む永琳を輝夜が看病するも、てゐの入れ知恵で被害拡大。（月のイナバと地上の因幡第7話）
2008年
1月7日	鈴仙をからかいつつ七草粥を食べるてゐ。（月のイナバと地上の因幡第9話）
	妖怪兎相手に学校の真似事を始める輝夜と付き合うてゐ。（月のイナバと地上の因幡第10話）
もうじき春	輝夜の希望で人造の海を造るてゐと鈴仙。（月のイナバと地上の因幡第23話）
桜が咲く頃	チルノが光の三妖精を撃破する。（妖精大戦争）
春	博麗神社で宴会。永遠亭一同の姿も確認出来る。（三月精第2部特別編「妖精大戦争」）
	酒虫の酒の昔と比べた品質向上を語るてゐ。（三月精第2部第18話「壺中の虫酒中の壺後編」）
	釣りをしたがる輝夜に付き合い、霧の湖へ出向く永遠亭一同。（月のイナバと地上の因幡第12話）
	永遠亭に諏訪子来訪。相手を神と知りつつ鈴仙をけしかけるてゐ。（月のイナバと地上の因幡第13話）
	てゐが中有の道でM&Aを繰り返し、出店の51％を傘下に。（月のイナバと地上の因幡第14話）
夏	博麗神社が倒壊。（緋想天）
	輝夜考案の虫捕獲罠に引っかかるてゐとリグル。（月のイナバと地上の因幡第15話）
	永琳が毒物を入れたという箱を開けるてゐ。（月のイナバと地上の因幡上巻おまけ）
	てゐと鈴仙が永琳の指示で魔法の森に茸を採りに行く。（月のイナバと地上の因幡第16話）
	ダイエットに挑む輝夜に協力するてゐ。（月のイナバと地上の因幡第17話）
	てゐは輝夜と妹紅の確執についても事情を知っている模様。（月のイナバと地上の因幡第18話）
	大掃除をサボろうとするてゐ。（月のイナバと地上の因幡第19話）
2009年
冬	間欠泉から怨霊が湧き出る。（地霊殿）
	てゐの入れ知恵で妖怪兎達がストライキ。（月のイナバと地上の因幡第20話）
	てゐに騙された鈴仙が無茶な耐寒訓練に挑む。（月のイナバと地上の因幡第21話）
春	命蓮寺建立。（星蓮船）
	いなくなった輝夜を探すてゐと鈴仙。（月のイナバと地上の因幡第24話）
	永遠亭の様子を伺いに来たレイセンを永遠亭に案内するてゐ。（月のイナバと地上の因幡第25話）
	てゐの落とし穴で鈴仙や依姫が犠牲に。（月のイナバと地上の因幡第26話）
	妖怪兎を連れ帰りたがる豊姫とてゐの化かしあい。（月のイナバと地上の因幡第27話）
夏	未来水妖バザー開催。（非想天則）
秋	はたてと文が勝負する。（ダブルスポイラー）
	てゐの誘導で輝夜は月都万象展開催を決定。（月のイナバと地上の因幡第28話）
	鈴仙が人間大砲に挑むと各方面に宣伝するてゐ。（月のイナバと地上の因幡第29話）
	月都万象展当日や後夜祭で鈴仙を酔い潰すてゐ。（月のイナバと地上の因幡第30話）
	輝夜に日記を売るよう唆すてゐ。（月のイナバと地上の因幡下巻おまけ）
2010年
大晦日	博麗神社の縁日でカラーうさぎの露店を営業するてゐ。（三月精第3部第12話「紅白信仰合戦」）
2012年
冬	竹林を訪れた霊夢らを兎と一緒に見ているてゐ。（鈴奈庵第3話「妖怪退治の師走（後編）」）

*妖怪拡張計画以前の幻想郷に、高草郡がどういう理屈で流れ着いたかは不明。持ち主のてゐが何かしたのだろうか？

てゐ専用呼称表

	てゐに対する呼称	てゐからの呼称
因幡てゐ	私
鈴仙・優曇華院・イナバ	てゐ、あの子、（アンタ）	（鈴仙）
八意永琳	てゐ、あの娘	お師匠様
蓬莱山輝夜	てゐ	（姫様）
博麗霊夢	兎	霊夢、巫女
霧雨魔理沙	ラッキーアイテム、レアアイテム	魔理沙
十六夜咲夜	貴方	咲夜
魂魄妖夢	貴方	妖夢
チルノ	兎、うさぎ	あんた
リリカ・プリズムリバー	地上の兎	貴方
ミスティア・ローレライ	兎	化け鳥、雀
射命丸文		貴方、あんた
風見幽香	貴方	貴方
メディスン・メランコリー		貴方
小野塚小町	お前、兎	貴方
四季映姫・ヤマザナドゥ	貴方	貴方、閻魔様
アリス・マーガトロイド		（魔法使い）
レイセン	（てゐさん）	（あんた）、アレ
大国主		大国様、ダイコク様