天蓋とは、以下の内のいずれかである。
当記事では順を追って説明する。
もともとはインドで貴族にかざされた日傘だった。これが釈迦にかざされる傘に転じ、さらに寺院で天井から吊るされる金色の装飾に変化した。
虚無僧がかぶっている、かごのような形の笠。前側には縦に細長い長方形の穴が多数開いており、ここから外の様子を見ることができる。
この笠の形になったのは江戸時代中期である。室町時代ごろまでの虚無僧は笠をかぶっておらず、素顔のまま尺八を演奏していた。江戸時代になると、虚無僧たちの間で掟が定められ、(天蓋ほど縦長ではない)深編笠をかぶるようになった。さらに、虚無僧は仇討をする人の仮の姿や、罪人の逃避先として使われるようになった(詳しくは虚無僧の記事参照)。
そのような罪人などが身分を知られたくなかったという事情もあり、江戸時代中期ごろからこのような笠に変化したと思われる。
上の画像の左側のベッドについているものが「天蓋」と呼ばれている。
中世ヨーロッパには「寝室」という空間があまり見られなかったため、領主と側近が同じ部屋で寝ていることもあった。そのベッドの仕切りとしてカーテンが使われるようになった。14世紀に入ると、天井からのちり・ほこりを防ぐために上側にも布が張られるようになり、現在の天蓋の形となった。
それ以降は装飾としての役割が強くなった。現在では高貴な人や奥ゆかしい人のヨーロッパ風の部屋に置かれていたり、女子のかわいい部屋のベッドに置かれているイメージが持たれている。
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最終更新:2024/12/27(金) 23:00
最終更新:2024/12/27(金) 22:00
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