失われた時を求めてとは、マルセル・プルーストによる超長編小説。
「20世紀を代表する小説」「文学史上最も偉大な小説」として名前が挙げられることも多い大作である。
寒い冬の日、母が淹れてくれた熱い紅茶とマドレーヌを口にした「私」は、幼い日の記憶を思い出し、
幸福で満たされたような気持ちになった。それは、叔母が淹れてくれた紅茶とマドレーヌの記憶だった―――――
・・・という感じで始まる物語であるが、特筆すべきはその長さである。翻訳本にして約5000ページ以上、
登場人物は総勢2000人余りという長大さ。作者のプルーストは38歳で筆をとり、51歳で没するまでこの物語を
書き続け、全7編が出版されるまでにこの世を去ってしまったのである。
死の数日前まで綴られ続けた未定稿を基に、弟のロベールらが第7編を1927年に刊行してようやく完結した。
プルーストの死から5年後のことであった。
文章は複雑かつ多くの比喩を持ち、文中に登場する語句に様々な修飾がなされたり、
登場した事柄から得られた印象や記憶を巡って脱線したりと、曲がりくねった構造をとっている。
これは本作の主要なテーマの一つである「無意志的記憶」を表現したものである。
あらすじで述べた紅茶とマドレーヌのように「ふとした瞬間に甦る鮮明な記憶」をプルーストは「無意志的記憶」と呼び、
小説の要所にそれを散りばめるとともに、小説そのものにそれを呼び起こす役割を与えたのである。
こうした「不意に記憶が呼び覚まされる現象」は、現在「プルースト現象」「プルースト効果」などと呼ばれている。
少なく見積もっても読破には一年かかるので、マドレーヌと紅茶でも楽しみながらゆっくり読み進めるのがよい。
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最終更新:2025/04/17(木) 19:00
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