定員とは、「定められた上限の人数」を指す言葉である。
上限の人数を指し、これ以上の人数は入ることができないとされることが多い。似た言葉には「定数」や「収容人数」があるが、前者は議員、後者は施設などで使用される。
「定員」は主に以下のような場面で使われる。
重量オーバーで操作が利かなくなったり、無理な姿勢で座ったりして事故のリスクが上がるため、乗り物には定員が決められている。
例えば自動車では乗車定員が定められている。定員4名の車なら、5人以上の大人を乗せてはならない。
なお、ここでの「大人」は12歳以上の人間を指し、体重が軽いとみなされる11歳以下の子供は人数を3分の2し、合計した後に端数を切り上げて求める。大人2人と11歳以下の子供が3人いるならば、「2+3×2/3=4」となるため、4名分として扱われる。ただしシートベルトやチャイルドシートがない点からすると、座席数が4つしかない定員4名の車に乗せると危険になるので、法律上の問題がなくても[1]定員5名の車に乗せたほうがいいと思われる。
鉄道の列車の定員は立ち客を含めたものになる。例えば、一般的なローカル線の1両の定員は100名を超える程度である。定員は両数や座席・トイレ等の配置により異なり、東京の山手線11両で1700名程度、東海道・山陽新幹線16両や関西の新快速12両は1300名程度となる。
関東の常磐線15両(E231系)であれば2370名の定員となり、おそらくこれが2025年時点での日本最多の列車の定員となると思われる。
路線バスや観光バスにも定員が設定されている。一般的な路線バスの車両は立ち客を入れて70名ほどが定員となり、大型観光バスの場合は補助席を入れた座席数に応じて60名ほどとなる。
鉄道や路線バスでは定員に対する乗車人数の比率を「混雑率」と呼び、100%であれば理論上は全ての人が座席に座るか、つり革・手すりをつかむことができる。鉄道や路線バスに関しては定員を超えて客が乗車することがあり、特に朝ラッシュでは多くの通勤通学客が乗車し、混雑率が200%を超えることもある。
フェリーでは100~800名程度の客が乗れるものが多い。ちなみに日本で最多かどうかは不明だが、佐渡汽船のフェリー「おけさ丸(3代目)」の旅客定員は1587名。
クルーズ客船まで見ると、2025年時点ではアメリカ合衆国のロイヤル・カリビアン・インターナショナルが運航する「アイコン・オブ・ザ・シーズ」が最大で、乗組員を含めて9950名を乗せられる。
旅客機の場合は離着陸時などで着席が求められるため、立ち客はおらず席に応じた数となる。機種によるが一般的なジェット機であれば150席~400席程度となり、ジャンボジェット機であれば500~800席程度まで定員が上がる。
ただし定員を下回っても重量オーバーとなるケースもごく稀にあり、例えば2023年には奄美大島で国体の相撲競技が行われた際、力士が多数乗車して重量オーバーの可能性が出てきたため、他の航空機に急遽振り替えが行われた(俗に「どすこいパニック」と呼ばれる)。
兵器の場合、戦闘機は1人または2人乗りが基本。爆撃機は機種によるが2名~10名ほど。戦車は3名~4名が基本だが、かつては5名が主流の時代もあった。2名以上の場合、操縦以外に砲撃などの役割が分かれている。
一般的な施設でのエレベーターの定員は6名~10名程度が多め。実際には人数ではなく重量で検知しており、重量オーバーの場合はブザー等が鳴って動かなくなる。
家庭用の場合は定員2名のものもあり、大型施設や観光タワーであれば20名を超える定員のエレベーターもみられる。特に大きいものでは定員124名のエレベーターもある(東京の科学技術館の業務用・人荷用エレベーター)。
ちなみにエスカレーターの場合は、定員ではなく最大負荷という形で定められている。
講演会などのイベントでも、施設の収容人数の都合から定員が設定されることがある。この場合は先着・抽選で参加者が決められることが多い。スポーツの試合、ライブやコンサートなどでは定員があらかじめ示されずに、チケットの売り切れや当選・落選が知らされることもある。
近年ではオンラインでのイベントもあるが、配信に使用するサービスの人数制限などの理由で定員が設けられる場合がある。
入学試験での「定員」は、合格者数の上限の目安を指す。施設・設備や教員に限りがあり、学生数の上限を定めなければならない学校の入試で使われており、資格試験で使われることはあまりない。特に大学や高校の場合、学部・学科・コース・入試方式ごとに定員が定められる場合もある。
だが定員はあくまで目安であり、学校によっては実際の合格者数が定員をオーバーする場合もある。特にいわゆる「滑り止め」の受験者が多い学校であれば、辞退者が出ても学生数が確保できるようにするため、定員よりも大幅に多く合格者数を出す傾向がある。
受験者数を定員で割った値を「受験倍率」(または、単に倍率[2])と呼ぶ。定員より受験者数が少ない状況を「定員割れ」といい、この時の倍率は1を下回る。
近年では少子化により、特に高校や大学で定員割れが増えてきている。定員割れの学校は合格率が高くなる傾向がある。しかし、それでも「あまりにも試験の成績が低い」等の理由で、わずかながら不合格者が出る場合もある。
ちなみに「店員さん」を書こうとして「定員さん」と書いてしまう投稿が散見されるが、これは誤記であり指摘が入ることが多いので注意を要する。
「てんいんさん」を話し言葉で「ていいんさん」と読むのは気にされない場合が多いが、書き言葉で「定員さん」とすると意味が異なってしまう。
ただし「定員」は下記のように人名としても使用されるので、もしかするとその定員さんを指しているのかもしれない。ただし、この場合の読みはほとんどが「さだかず」であり、現代の人名としては多くは見られない。
歴史上の人物で名前が残っている定員さんは下記の通りだが、これらの定員さんと会話して商品を受け取るのはタイムマシンでもない限り無理だろう。
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最終更新:2025/03/13(木) 20:00
最終更新:2025/03/13(木) 19:00
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