川尻早人(かわじり はやと)とは、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』のPart4「ダイヤモンドは砕けない」の登場人物である。
CV:佐藤ゆうこ(ASB版) / 佐藤利奈(テレビアニメ版)
川尻浩作とその妻しのぶの間に生まれた実の息子。だがしのぶは本気で浩作を愛していたのではなく「優越感にひたりたかった」という考えの延長で生まれた子供で、しのぶから(子供の面倒を見ないといけなくなり離婚もできなくなってしまったという身勝手な理由で)毛嫌いされていた。
元々の性格は非常に暗く内気で、実母のしのぶからも「何を考えているか分からない」と評される。
しかし子供ではあるが行動力と洞察力は頭一つ、いや頭二つくらい抜けていて「僕(川尻早人)は本当の愛から生まれた子供なのか?」と夫婦の不仲を疑っていた。
しかし実父である浩作が殺人鬼の吉良吉影に殺害され、吉良が浩作に成り代わったことで彼の生活は大きく変わることになる。
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激しい「喜び」はいらない・・・ そのかわり深い「絶望」もない・・・・・・ 「植物の心」のような人生を・・・ そんな「ネタバレの無い記事」こそ私の目標だったのに・・・・・・・・・ |
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吉良吉影は自分を追うスタンド使い達から一旦逃れるべく、自分と体格が似ている川尻浩作の顔と指紋を乗っ取り、吉良は何事もなく川尻家の人間として生活を送るつもりだったが、妻のしのぶがそれまで邪険に扱ってきた夫(中身は吉良)に対して惚れていくことになる。早人はこのとき既に自分の父がおかしいことに気付いており、実の父が自分の名前を紙に大量に書いている(吉良吉影が川尻浩作の筆跡をまねる練習)ことにも、疑問を抱いた。ちなみに、この様子をどうやって知ったのかというと川尻家のいたるところにカメラを設置して、時折録画内容をみるという一種のストーカー捜査的なことをやっていた為である。…まじに小学生かよ…小僧~~!!
母が父に対しての態度の他に、「嫌いなはずの椎茸を平然と食べる」「靴のサイズがおかしい」等、ありとあらゆる矛盾点を見つけた最中、猫草が川尻家にお邪魔することになった。早人はこの猫草が両親を攻撃する所を見てはいなかったのだが、父が何故か大きな植木鉢とキャットフードを持って衣裳部屋に入る所をカメラで捉えており、朝の登校前に衣裳部屋を調べることにした。この時、衣裳部屋の窓を開けた事で寝ていた猫草が目を覚まし、空気の輪で攻撃され身動きが取れなくなってしまう。さらにここで早人の最近の様子がおかしいことに違和感を感じた吉良が家に戻ってきてしまうという二重のピンチが起きる。とっさの機転と迅速な行動で部屋の散乱を猫草の仕業に見せかける事でどうにか難を逃れたが、この時衣裳部屋を去ろうとした吉良が「もしあの小僧がわたしのことに気づいたのなら……殺さなくてはならないところだった……」と呟いたことで、自分の父が「顔と体格が同じ別人」と入れ替わっている事に完全に気付いてしまった。
更に父を装う吉良を尾行して調べるうちに、吉良が禁断症状に耐えきれず電車の中で突っかかってきたDQNカップルを尾行してマンションで爆殺、女性の手だけを残して頬ずりする犯行現場を目撃してしまい、自分の父親を装う男を「人間ではなく化物である」ことと、父の浩作も同じように爆殺されてしまったという確信を得る。(余談だが吉良がこのカップルを殺すシーンは読者から人気が高い)。
その日の夜、風呂に入ってこの証拠映像のビデオをどうするか一人で悩んでいたところ、早人が今朝カップルを爆殺したマンションから走り去るところを見ていた吉良が堂々と風呂に入ってきて早人に尋問まがいのことを行った。覚悟を決めた早人は録画した幾つもの映像を武器に脅しを掛けるが、逆上した吉良によって早人はここで一度殺害されてしまう。
が、絶望した吉良が発現させた第三の爆弾「バイツァ・ダスト」を取り付けられたことで時間の巻き戻しが起こり、早人は翌日何事も無く生存していた。吉良への対処方法を考えながら早人はいつも通り通学するが、そこで早人から情報を得る為にやってきた岸辺露伴がバイツァ・ダストの発動条件に触れて爆殺された事に始まり、同じ『朝』を何度も繰り返す中で空条承太郎、東方仗助、虹村億泰、広瀬康一といった他のスタンド使いの面々も、早人の父親に関する情報を引き出そうとした為に一斉に爆殺されてしまう。
取り付いたキラー・クイーンの自己防衛機能によって自殺する事も出来ず、吉良を追う者が時間経過で爆死する「運命」だけが残ってしまい、早人はこの自らの呪いに絶望した。しかし早人は「吉良が死ねばこの呪いは解ける」と信じ、猫草を用いて十一歳にして皆を守るべく殺人を犯すことを決意。ランドセルの中に猫草を忍ばせ、帽子を届けにやってくる吉良を不意打ちで殺す作戦に出るが、吉良が今朝壊してしまった腕時計が胸ポケットに入っており、それによって致命傷には至らず失敗してしまう。
しかし。早人はもう一つ罠を張っていた。一度体験した朝に仗助が「寝坊した」と言っていたので、早人は数十分前にかかってきた間違い電話を利用し、東方家に電話を入れていた。これが功を成し、吉良が自ら自分の正体を明かすその場面に仗助が居合わせるという状況に持っていくことに見事成功する。結果吉良は自分の身を守るべくバイツァ・ダストを解除、早人の「呪い」は解けて仗助一行が爆死する運命も消え去り、ここから第4部の最終決戦へと突入する。
この仗助と吉良の闘いを間近で見て早人は初めて「スタンド」という能力を認識する。あと、バトルの解説役を務める。だが、それで終わらないのが早人の凄いところ。バトルの途中で億泰がダメージを負って動けなくなった状況で、億泰自身が爆弾に変えられている可能性から仗助が救助できない時だった。なんと、自ら億泰の体に触れ、爆破されたのである。その意図に気づいた仗助はクレイジー・ダイヤモンドの能力で一瞬にして早人を「治した」。そして、仗助は感嘆してこうつぶやく「マジに小学生かよ・・・小僧~~!!」。その後も早人は仗助をアシストしつづけるのである。
やがて、じわりじわりと追い詰められていく吉良に対し「おまえに味方する運命なんて…おまえが乗れるかどうかのチャンスなんて…今!ここにある正義の心に比べればちっぽけな力なんだ!」と言うシーンは圧巻である。この闘いの決着は、吉良が救急車に轢かれる『事故死』という形で終結するのだが、その際「あいつをだれかが裁いてほしかった」と悔しそうに呟いた。奇しくも、その願いは本人が知らない所である人物によって果たされる事となる。
その日の夕食の席で、浩作の帰りを待つしのぶを傍目に「本物の父はもう二度と帰ってこない」という現実を改めて実感したのか、早人は「先に食べてて」と促すしのぶに「ぼくも……パパが帰ってから…一緒に……食べるよ………」と背を向けて涙ながらに答えた。それまでの生活はどうであれ、早人は紛れも無く両親を大切に想っていたのだった。
彼は母親と町を守るという決意の下に、自分の父に成り代わった化物を倒すべく、たった一人で命懸けの行動を起こした勇気ある少年である。彼もまた、スタンド使いではないが「黄金の精神」の持ち主なのだ。
覚悟とは……犠牲の心ではないッ! 覚悟とは!暗闇の荒野に!進むべき道を切り開くことだッ!
しかし、黄金の風においては「運命というものはすでに決定されているものであり、全ての生命は運命を変えることはできない」という「運命の奴隷」というテーマが仕組まれている(現に5部のラスボスであるキング・クリムゾンの能力は未来が変わるということがあり得ないということが成立しているからこそ成り立つ能力である)。
こちらの場合(バイツァ・ダスト)も「一度起こった事は絶対に行われる」力があるのだが、「早人の意志により運命を少しだけ動かすことができた」ので、5部でいう「運命」とは別物だといえるだろう。
あるいは、「早人の意志で運命を少しだけ動かす」所までが本当の運命なのかもしれない。
掲示板
207 ななしのよっしん
2024/03/27(水) 14:52:53 ID: RzC3cilHO7
仗助もお前本当に小学生かと驚いてたほどだからなあ・・
仗助の能力を知らなければできなかったとは言ってるけど普通ならいくら即座に直してもらえるから痛みは一瞬とはいえ爆弾で吹き飛ばされるの躊躇なくできないし普通の小学生は下手したら注射ですら怖いからな・・・w
208 ななしのよっしん
2024/10/07(月) 23:52:54 ID: 0e4yH04R5f
潜伏先にたまたまこういう子がいたわけじゃあないんだよ
吉良という非日常の脅威が、一般人の中に眠っている黄金の精神を目覚めさせたんだよ
吉良がやってこなければ、もしかしたら早人は一生ああいう勇気には目覚めなかったかもしれない
ディオという侵略者がジョナサンという英雄を作ったのと一緒
209 ななしのよっしん
2024/10/08(火) 00:15:11 ID: hCY/9Lgwen
テーマの一つが日常の中の脅威だもんな
日常の代名詞として無能力者をキーマンにするというのは王道と言っていい
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最終更新:2025/03/25(火) 17:00
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