探偵とは (タンテイとは) [単語記事]

探偵とは、職業の一種である。

現在では主に民間人である私立探偵（priv ate　invest iga tor）をいうが
広義では司法機関の捜査員やスパイ（軍事探偵）などを指すこともある。

フィクション等では強調されて名探偵、蔑称では迷探偵とも呼ばれる。

※特にフィクション側のイメージの誇張された作品・作風に関しては
名探偵 の百科項目のほうが詳しいため、そちらをご覧いただきたい。

概要

探偵は探す・偵る(たずねる)の文字通り、人に対する調査依頼を主としており
フィクション作品のように実際に刑事事件に携わることはない（少なくとも日本では）。

主な仕事内容は以下の通り。

身元調査 / 素行調査
信用調査
所在調査
浮気調査
人探し / ペット探し
嫌がらせ・迷惑行為・犯罪行為に対する証拠収集^[1]
盗聴器等の捜索

探偵は探偵事務所や興信所などの調査機関に所属している場合がほとんど。

かつては素人が勝手に探偵を名乗り開業することもできたが、平成19年（2007年）6月より
探偵業法が施行され、探偵業を営むには公安委員会への届出が必須となった。

（例）「相手を尾行してカメラで撮るだけなら簡単だし、日曜日は探偵でもやるか…仕事大募集！」
…もちろんダメである。

実際の探偵

推理小説（漫画）、ドラマなどでの影響で、探偵といえば殺人事件をはじめとした難事件を調査し解決する人、警察の捜査に助力を求められる^[2]というイメージも持たれやすいが、まず現場に入れてもらえない。

実際はかなり地味で地道な作業の長期間の積み重ねが必要となる。
尾行・張り込みなどは調査相手の行動に合わせる必要がある。
- 真夏や真冬、悪天候下での長時間・長距離の行動が必要になる場合も。
- 万全を期すため、交代要員を含め車両や機材など大規模な準備が必要となる場合も。
  - 万全を期したくとも、バレては困るため居合わせる人数には限りがある。
  - 目の前に対象者がいて会話ができないなど意思疎通が容易とは限らない。
  - 追跡側の顔が対象者の印象に残ってしまうと尾行と気付かれるため^[3]、場合によっては大勢を隙がなく使い捨てのように使う計画性も必要。
  - 対象者の訪れる場所・施設に合わせたTPO、空気を読んで行動しないと浮いてしまいバレる。
- 対象に存在を気付かれると、調査は一転不利になる。
  - 逃走される、警戒させ慎重に行動されてしまう。（証拠を出さなくなる）
  - 対象がストーカーや倫理観のない人間であれば、容赦のない攻撃を受ける危険もある。
  - 単純に不審者として警察のお世話になる、依頼者の存在がバレる危険性もある。
探偵業者は、探偵業務を適切に実行できるよう必要な教育を行わなければならない。
探偵自体には免許はない。
- 届出は必要で、事務所に使用人・従業者の名簿を見やすく掲げなくてはいけない。
- 一定の知識体力のほか、尾行・張り込み、撮影、PC操作といったスキルは覚える必要がある。
探偵学校を運営している探偵事務所もある。（ただし有料）

地味であっても地道な調査によって得られた貴重な情報・記録は重要であり
浮気や嫌がらせなど、決定的な証拠記録を押さえれば相手を圧倒的窮地に追い込む事が可能である。
依頼者と共に苦労が報われる瞬間かもしれない。

特殊な権限はない

対象を尾行、探偵業務としての撮影などはできるものの
「探偵活動なので」を理由にやりたい放題ではない。以下は例。

私有地に勝手に入り込む。（→不法侵入）
個人の権利を侵害する、平穏な日常生活の妨害など。
- 24時間外から監視するなど、存在を誇示して不安を煽る
差別となるもの、プライベートに大きく踏み込む調査。
- いつも駅で見かける可愛い制服の女の子が気になるので個人情報が知りたい…違法。
- ネットで気になるあの人が今どこに住んでいるか知りたい。知るだけだから…違法。
発信機や盗聴器、隠しカメラを無許可で対象の家や車に仕掛ける。
警察や公共機関等の装う^[4]、なりすましによって情報を聞き出す、意図する行動を取らせる。
麻酔針を撃ち込んで眠らせる。
犯罪を助長するもの。
- ストーカーやDV 加害者に対して、被害者の住所・現在情報などを提供するなど。
調査結果（秘密情報）のいい加減な取り扱い。保管/処理の不備・漏洩や悪用。
捜査相手が危ない奴なので、護身用に拳銃を持ちたい。（→銃刀法違反）
相手やその関係者をしつこく付け回して情報を求める。