彼方の英雄よ。
私は、長い長い年月、待ち続けていた。
光の加護を持ち、
罪喰いを討ち滅ぼすことのできる……あなたのことを。
水晶公(Crystal Exarch)とは、「ファイナルファンタジー14」に登場するキャラクターである。
拡張ディスク第3弾「漆黒のヴィランズ」でキーパーソンとなるキャラクター。
物語の舞台「原初世界」から分かたれた13の鏡像世界のひとつ「第一世界」にて、巨大な塔「クリスタルタワー」を中心とする都市「クリスタリウム」の指導者。
「紅蓮のリベレーター」終盤、第一世界に「暁の血盟」の賢人、そして主人公である光の戦士を召喚した張本人。フードで顔を隠しており、その正体は謎に包まれている。
体の一部がクリスタルタワーと同化しており、青いクリスタルと化している。
命がクリスタルタワーと繋がっている為か、クリスタルタワーを長期間離れると体調を崩してしまう。その影響で老化も止まっており、青年のような声色だが実年齢はかなり高い。
100年前に起きた「光の氾濫」により世界の9割が「無の大地」と化した第一世界において、クリスタリウムは人類最後の砦となっている。
水晶公は「光の氾濫」の後にこの世界にクリスタルタワーと共に現れ、生き残った人々を導き、クリスタリウムを作るに至った。
今なお世界に蔓延る「光」の脅威を排除し、未来の原初世界で起きる「第八霊災」を回避する為、召喚した光の戦士と共に、「大罪喰い」の討伐を目指す。
光の戦士を召喚するにあたり、近くにいた暁の賢人達を巻き込んでしまい、結果「実体のある魂」という形で第一世界に呼んでしまった。
原初世界と第一世界の時の流れは大きく異なり、サンクレッドは5年前、ウリエンジェとヤ・シュトラは3年前、そしてアルフィノとアリゼーは1年前に第一世界に渡っている。
ようやく召喚が成功した光の戦士には全幅の信頼を置いているが、その理由は物語の後半に明かされる。
誰にも分け隔てなく接し、穏やかさを感じさせる人柄だが、これは指導者として長くを生きる中で後天的に身につけたもの。
光の戦士を前にすると恥ずかしそうにモジモジしだしたり、倒れた光の戦士にお手製のサンドイッチを持参したり、頑張って好意を隠そうとするが全然隠せてなかったりと、FF14キャラクターでも屈指のヒロイン力を誇る。
新システム「フェイス」でのロールは「オールラウンダー」。
漆黒のヴィランズ編でタンク、ヒーラー、DPS、3ロール全ての役割が担えるのは彼だけである。(暁月のフィナーレ編以降は別のオールラウンダーが登場する)
登場人物の中でも人気の高いキャラクターの一人で、アシエン・エメトセルク、アルバートと並び、誰が呼んだか「漆黒三大沼」の異名を取る。
声優を務めた内田雄馬はFF14のガチプレイヤーであることでも有名。
念願のFF出演で役が決まった際、最初からストーリーをやり直して役作りに望んだ。
ちなみに水晶公の声のないシーンは自分でアフレコしながら遊んでいるとのこと。
その正体は「第八霊災」が起きた未来からやってきたグ・ラハ・ティアだった。
彼の初登場は新生編の『クロニクルクエスト:クリスタルタワー』。
クエストのキーキャラクターであり、バルデシオン委員会から派遣されたアラグ文明の専門家。光の戦士と共にアラグの遺構であるクリスタルタワーを巡り、大冒険を繰り広げた。
彼自身も知らないことであったが、彼の一族に代々発現する赤い右目『紅血の魔眼』は、アラグの皇族の血を絶やさない為に作られた『皇血の魔眼』であった。つまりアラグ帝国の頂点たる皇帝の血をその身に宿していることが、ドーガとウネ(アラグの皇族のクローン)によって明かされる。
クリスタルタワーの終盤「闇の世界」にて、ドーガとウネが持つ皇血の力を与えられ、完全な形でアラグの皇族の資格を得た事で、クリスタルタワーの制御権を掌握する。
クエストの終盤、グ・ラハは「古代文明のオーバーテクノロジーであるクリスタルタワーは、現在の人類ではその力を扱いきれないものである」として、やがてエオルゼアの文明がアラグの文明に比肩する時まで、クリスタルタワーを自分と共に封印することを決意する。
光の戦士にそう言い残し、グ・ラハは一人クリスタルタワーと共に眠りについたのだった。
「紅蓮のリベレーター」終盤、エオルゼア軍事同盟とガレマール帝国が国境付近のギムリトダークにて激突。
その後、膠着する戦況を打破する為、ガレマール帝国は致死兵器『黒薔薇』を使用して多数の犠牲者を出し、エオルゼア各国の首脳陣、暁の血盟、そしてエオルゼアの英雄である主人公は死亡した。
同時に「光の氾濫」で滅びつつあった第一世界は光が溢れて破壊され、原初世界へと統合される。これにより「第八霊災」が発生。
環境は一変し、人は死に、地脈は狂い、国は指導者と機能を失い、多くの資源を失った。エオルゼアのみならず世界全土へ広がる災害となり、生き残った数少ない人類は資源を奪い合い、憎悪が憎悪を呼び、終わる事ない戦火が広がり続けた。
こうした絶望的な状況下で、霊災を生き延びたシド・ガーロンドとその仲間達は、戦乱を鎮める為に様々な手段を模索する。そのうちの1つが、かつての冒険から着想を得た「時間の流れを操り、次元を飛び越える方法」だった。
だが、この論理が確立されたのはシドの晩年であり、実践するかどうかは後世に託されることになる。
時空を飛び越える術をもっても、絶望的な状況である現在を変えることは出来ない。
人は道を間違え、世界はもう駄目だと絶望が人々の心を染めていった。
だが、自分達が今生きている現在を無意味にしたくないと叫ぶ声があった。
霊災が起きなければ、あの英雄が死ぬこともないだろう。
だとしたら、まあ、いろいろな問題は起きるだろうが、今ほど世界は酷くならないはずだ。
英雄を知る誰かがそう言った。そして英雄を知る誰かが、それに賛同した。
それはいつかどこかで、かの英雄に助けられてきた人々だった。
全ての人がそうだった訳ではない。離反するもの、協力を拒むものが大半を締めた。
だが、それでもと願う人々は、第八霊災が起こらない別の未来への可能性を作るためにシド達の理論を実現させていった。
第八霊災からおおよそ200年後、計画に必要だったクリスタルタワーの再起動に成功。グ・ラハは目覚めた。
事態を把握したグ・ラハはガーロンド・アイアンワークスと協力し、クリスタルタワーを改造。
エドモン・ド・フォルタン伯の回顧録『蒼天のイシュガルド』を読み、約束を果たした英雄を救うため、第八霊災が起こる前の時代へと飛びたつ。
目的地は『光の氾濫』によって滅亡しつつある第一世界。第八霊災の大きな起因となったのは原初世界に統合された第一世界にある事は、200年間の研究で明らかになっていた。
『光の氾濫』を解決するべく第一世界に飛んだグ・ラハ・ティアは「水晶公」を名乗り、フードとローブで己の姿を隠し、クリスタルタワーの根本にクリスタリウムを作り上げた。
そして事態の解決の為に「大罪喰い」を倒すことが出来る、光の加護を持つ光の戦士を召喚したのである。
彼が己の姿を偽り名前を隠したのは、光の戦士が第一世界全ての大罪喰いの光を受け止め切れず暴走することを知っていた為だった。
その解決方法として自身が汚名を被り、膨大な光を全て自身が引き受けて次元の狭間へと自身ごと転移するという計画を立てた。それは新たな世界へ向かう為ではなく、次元の狭間で引き受けた光を抱えたまま死ぬ為だった。その真意を聞かされていたのはウリエンジェだけであり、彼は壮絶な苦悩を覚えながらも、水晶公に協力していた。
自分が死ぬことを負担に感じて欲しくなかったため、あえて悪党を演じようとしたグ・ラハだったが、アシエンですら成しえなかった転移術に目をつけたエメトセルクにより転移は失敗。連れ去られてしまう。
深海テンペストのさらに奥、再現された古代都市アーモロートで、古代に起きた「終末の災厄」を体験した光の戦士だったが、古代人の復活を悲願とするエメトセルクによって暁の賢人達は倒され、遂に光の暴走が始まってしまう。
しかし分断された同じ魂を持つアルバートにより、魂を「補われた」光の戦士は再起。死にかけながらも牢獄から脱出した水晶公は杖を掲げ、最後の決戦の為に異世界の光の戦士──「稀なるつわもの」を召喚した。
決着がつき、柔らかな光に包まれたアーモロートで、ようやく水晶公は光の戦士と相対する。
沢山の迷惑をかけた事、謝っても謝り切れない事……ボロボロの姿で、彼は必死に言葉を探す。
これに対し、「クリスタルタワー」をクリアしている場合に出る選択肢の台詞「おはよう、グ・ラハ・ティア」を聞くと、彼は目を見開いて大粒の涙を流し、それでも笑顔で応じるのだった。
ああ……おはよう!
かくして第一世界は「光の氾濫」の脅威を退け、100年ぶりに夜の闇が訪れた。
召喚された暁の賢人達は、本来は水晶公が死ぬ事によって召喚術から解放されて原初世界へと帰還する筈だったが、一同はその選択肢を拒否。
原初世界への帰還の方法を模索し、物語は続いていく……。
水晶公が時空を飛び越えるために使った技術の多くは、光の戦士が繰り広げてきた冒険によって発見されたものである。
メインクエストクリア後に解放される80ID『異界機構 シルクスツイニング』では、その中でも重要なファクターを締めていた「クリスタルタワー」「機工城アレキサンダー」「次元の狭間オメガ」が取り上げられている。ここで流れるBGM「ロングフォール」はこれらの要素を集めた構成となっており、非常に人気が高い。
光の戦士に救われた人たちが、光の戦士の冒険によって見つかった様々なものを使って、光の戦士を救うために立ち上がった。
これまでの冒険に無駄なことなど一つもなかったのだと、「ありがとう」と世界の人々の願いを背にし、それを光の戦士に届けるため、水晶公は時間を超えたのである。
こうした事から、ゲームをこれまでプレイしてくれてきたプレイヤーに対して感謝を告げる、メタ的なキャラクターとも言える。
なお「漆黒のヴィランズ」サービス開始時は「クリスタルタワー」は必須クエストではなかった。そのため、水晶公の正体発覚の際に「誰!?」となったプレイヤーも居たとか……。
その後、パッチ5.3「クリスタルの残光」において「クリスタルタワー」が必須クエストになった。
ちなみに正体が発覚する時に彼の名前を呼ぶのと呼ばないとのでは、内田氏の声の演技が変わる。
それ以外の場面でも、「水晶公」と「グ・ラハ・ティア」の演じ分けが細かくなされている。
掲示板
提供: TDMRM
提供: カセットコンロ
提供: かず
提供: R-F
提供: ななななおっさん
急上昇ワード改
最終更新:2025/03/29(土) 01:00
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