狂人の真似とて大路を走らば即ち狂人なり 単語

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キョウジンノマネトテオオジヲハシラバスナワチキョウジンナリ

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狂人の真似とて大路を走らば即ち狂人なりとは、「狂人真似だと言って大路を走るのならば、その人は狂人である」という意味の言葉である。

ネット上では「狂人真似だとしても、周りから見て本当の狂人と区別がつかないなら、その人はすなわち狂人である」という意味と解されることがあるが、これは原典の意味とは少し異なる。詳しくは後述。

概要

古典随筆として知られる「徒然」の第八十五段に書かれた文。

狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり。悪人真似とて人を殺さば、即ち悪人なり。

この前には、「人の賢いところを見てねたむのは世の常だ」「とても愚かな人は、賢い人に会うと憎んでしまう」「こんな人は賢くなるはずがない」という意味の文章が書かれている。

そして、「即ち悪人なり」のあとは、以下のように続く。

驥を学ぶは驥の類ひ、を学ぶはの徒なり。偽りても賢を学ばんを、賢といふべし。

驥は「一日に千里を走る」、古代中国伝説上の聖帝であり、どちらも優れたものをす。

つまり、「形だけでも賢人に学ぼうとする姿勢がある人も、賢人なのである」というのが第八十五段の本来のである。ここで重視されているのは、外面的な振る舞いではなく、むしろ内面的な動機付けであり、「結果としての行動が同じなら、傍から見て区別がつかない」という一般的な使われ方とは重点の置き方が異なっている。あくまで「狂人真似とて…」はその前置きにすぎない。また、本来の意味に従うなら、真似の内容である「大路を走らば」はそこまで重要ではなく、「狂人真似」を実行しようという考えこそが狂っているという趣旨になる。

現在は、「ジョークと言いながらも大衆には本物の狂人と受け止められうる行動」をすときにインターネット上でよく使われる文章となっており、現状「偽りても賢を学ばんを賢といふべし」よりも多く引用されている。

「狂人の真似をしたら実際狂人」

少し細部が異なる「狂人の真似をしたら実際狂人」といった言い回しもインターネット上などでは散見される。これはTwitter連載小説ニンジャスレイヤー」にて2012年に登場した一節に由来する。

この小説の作中では「平安時代剣豪にして哲学者ミヤモトマサシ」が残したコトワザだという設定になっている。

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