狂人の真似とて大路を走らば即ち狂人なりとは、「狂人の真似だと言って大路を走るのならば、その人は狂人である」という意味の言葉である。
ネット上では「狂人の真似だとしても、周りから見て本当の狂人と区別がつかないなら、その人はすなわち狂人である」という意味と解されることがあるが、これは原典の意味とは少し異なる。詳しくは後述。
この前には、「人の賢いところを見てねたむのは世の常だ」「とても愚かな人は、賢い人に会うと憎んでしまう」「こんな人は賢くなるはずがない」という意味の文章が書かれている。
そして、「即ち悪人なり」のあとは、以下のように続く。
驥は「一日に千里を走る馬」、舜は古代中国の伝説上の聖帝であり、どちらも優れたものを指す。
つまり、「形だけでも賢人に学ぼうとする姿勢がある人も、賢人なのである」というのが第八十五段の本来の主題である。ここで重視されているのは、外面的な振る舞いではなく、むしろ内面的な動機付けであり、「結果としての行動が同じなら、傍から見て区別がつかない」という一般的な使われ方とは重点の置き方が異なっている。あくまで「狂人の真似とて…」はその前置きにすぎない。また、本来の意味に従うなら、真似の内容である「大路を走らば」はそこまで重要ではなく、「狂人の真似」を実行しようという考えこそが狂っているという趣旨になる。
現在は、「ジョークと言いながらも大衆には本物の狂人と受け止められうる行動」を指すときにインターネット上でよく使われる文章となっており、現状「偽りても賢を学ばんを賢といふべし」よりも多く引用されている。
少し細部が異なる「狂人の真似をしたら実際狂人」といった言い回しもインターネット上などでは散見される。これはTwitter連載小説「ニンジャスレイヤー」にて2012年に登場した一節に由来する。
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https://twitter.com/NJSLYR/status/157115596272709632
この小説の作中では「平安時代の剣豪にして哲学者ミヤモトマサシ」が残したコトワザだという設定になっている。
掲示板
367 ななしのよっしん
2025/03/09(日) 12:52:48 ID: BdgjKwhqE+
キャラにおいて「コイツ突拍子もないことするけど実は頭いいから常識人なのでは?」という語られ方をすることがあるが、実際は高い知性を駆使して他人を嬉々としてひっかきまわしているのでこの言葉と同じ状態なのよな。
ただ、こういうタイプは自分の知性の及ばないいわゆる「天然」に対して敗北することがあるだけで
368 ななしのよっしん
2025/03/09(日) 13:39:27 ID: VsY1y1m86f
原典に於いてはあくまでも前振りというのも確かだろうが、関連項目にもある後釣り宣言を始めとした、「思われているのとは違う動機でやったことだ」等の主張で何かを免れようとする連中のせいで広まった言葉という面もあるから、生まれ方はそんなに重要じゃないかもね
正当性という意味でも、自明だからこそ前振りに使われてた訳だし
369 ななしのよっしん
2025/03/09(日) 16:08:27 ID: dS2A2Pwgp1
>偽りても賢を学ばんを、賢といふべし
意識高い系バカにされがちだし、俺自身もかつてはバカにしてたけど
何かしら学ぼうという姿勢はバカにするもんじゃないな
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最終更新:2025/03/11(火) 03:00
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