字は仲穎。隴西郡(現在の甘粛省)、いわゆる涼州の出身。若い頃は馬上で左手と右手の両方で弓を弾くなど武芸に秀で、異民族の族長達や部下達に対し大盤振る舞いするなど豪放な性格であり、黄巾賊や異民族との戦いで勝ったり負けたりしているが、敵に包囲された時魚捕りと見せかけて川の水を堰き止め、脱出の際に堰を切って敵の追撃を防ぐなどの知略も持っていた。
并州刺史として駐屯している時に、後漢皇帝の霊帝が崩御し、宦官を掃討しようとした何進に招聘され軍を進めるが、都の洛陽に着いた時は何進も宦官も共倒れになっており、混乱の中で何進の兵を吸収して洛陽での地盤を固める。続いて都から逃げようとした霊帝の子の少帝(劉弁)とその弟陳留王(劉協)の身柄を確保。そこで董卓は少帝を皇帝の座から廃して陳留王(献帝)を皇帝として擁立、自身は相国の座に就き名実ともに王朝の実力者となる。呂布を唆し、呂布の上司である丁原を殺させて養子にしたのもこの時である。
董卓の皇帝擁立などの傍若無人な振る舞いに対し、地方に逃げていた袁紹や曹操らは反董卓連合軍を結成、洛陽に攻め入ろうとするが、董卓は洛陽の皇帝陵を荒らした上で都を焼き払い、劉協を長安に遷都させて洛陽を砦とした。そしてこれに諸国が動揺している隙に各個撃破作戦をとり、王匡・曹操・鮑信などの連合軍を大いに破った。
しかし猛将・華雄が孫堅に討ち取られ、洛陽の要害でもあった陽人が陥落すると、董卓は戦略的拠点としても脆弱になった洛陽を焼き捨て、自らも長安に移住する。
長安に移った後も董卓は反董卓連合軍と相対し、これが瓦解するまでよく防いでいたのだが、信任していた司徒王允と養子の呂布の造反によって暗殺される。その後、90歳になる母親など三族(親・妻子・親族縁戚)に至るまで民衆などから皆殺しにされ、董家は実質消滅した。また、董卓の屍体のへそにロウソクの灯心を挿して火をつけたら、死体から流れ出た脂によって数日間燃え続けたという。
正史及び注に記された董卓の行為はここで述べないが、どれも読んでいて顔をそむけたくなる凄まじさ。
しかし一方で、仲の悪かった皇甫嵩に対しては彼が自分に頭を下げることで許したり、自分の元から逃げようとした司馬朗(司馬懿の兄貴)に「君は去年亡くなった俺の息子と同年齢なのになぜ見放すんだ」となじってみたりするなどの面もあった
正史三国志の筆者・陳寿は「その性残忍・暴虐を極め、その凶行は世にまたとないものである」とまで断じている。
正史には、呂布が養父の董卓を殺した理由の一つとして、呂布が董卓の侍女と密通しており、それが発覚するのを恐れて反乱を起こしたと記されている。
演義ではこれを脚色して、王允が養女の貂蝉を使って「美人計」を用い、董卓と呂布を不和にさせて董卓を殺害させる「離間計」を仕組んだ、ということになっている。
各メディアでの董卓の肖像は、正史での記述や連環画のイメージから、肥満した髭モジャのオヤジとして描かれることが多いが、横山三国志では痩せた悪代官みたいな容姿で描かれている。どうも、やたらな張飛と同じで戦時中故に画像資料が入手できなかったことが原因のようだ。アニメ版の声優は大友龍三郎が担当。原作者の横山光輝は「董卓は『バビル2世』の悪役ヨミをイメージして描いたので、アフレコにはヨミ役の大塚周夫が似合うと思う」という旨のコメントを残している。
スケールのでかい大魔王のイメージで描かれているが、なんといっても二つに分けたエビフライ弁髪である。「涼州人らしさ」を演出するためだろうが、その弁髪・そのもみあげ・その禿頭・その顎髭・その体格・その朝服、どれをとっても十分なインパクトがある。
作者の解釈「董卓の実像は正史以上の悪逆であり、あまりの非道ぶりに“この程度の”描写しかできなかなったのではないか」に基づき、暴虐の限りを尽くす。その理由を作中では「皇帝位は天が任じたわけではなく、今までの皇帝による治世に確たる歴史はない。「皇帝は天意により権威がある」ということはなくなり、俺はただ「董卓がいた」と記されるだけでよい。」と董卓本人に語らせている。
暴虐な性格だがどことなく憎めない小物として描かれる。頭の回転もよく狡賢い。呂布から豚呼ばわりされ、他の武将に散々に呼ばれる。遠呂智の世界でも遠呂智に下らん奴呼ばわりされ、戦国の武将からもボロクソに言われる。4から5にかけてかなり太り顔もかなり変わった。
大層な女好きだが、ロリコンでは無い。
武将としての董卓と軍師としての董卓が存在する。武将としての董卓はいずれも高いコストとハイリスクハイリターンを旨とする計略を持つ。
なんとビックリ、「権力争いのスケープゴートにされたか弱い少女」いう設定。萌えキャラ化している事を考慮しても前代未聞である。あれでも涼州の軍閥として非凡な実力を秘めていたが、むしろいたいけな彼女を守ってあげたい猛者たちが集まっていた、といった方が自然なのかもしれない。
主人公勢に保護された後は従者として行動し、なぜかメイド服を装着する。明らかに主人公が、現地の仕立て屋に情報を流して作らせた趣味の産物である。
掲示板
220 ななしのよっしん
2024/12/31(火) 11:53:12 ID: 5RZouZY5BP
まあ清流派ってのは、他人を濁流呼ばわりするのが三度の飯より大好きな連中が恥ずかしげもなく自称したもので、董卓とはある程度ウマがあるとは思う
221 ななしのよっしん
2025/01/25(土) 00:17:28 ID: gJD97IyFwt
荀彧を守宮令(基本宦官が伝統的に就く仕事)就かせるってのも気に障ったところあったんだろうか(宦官・唐衡の養女を妻にしてたのもあるが後漢書以降の『荀彧=漢の忠臣』を補強する為に?) さっさと出て行っちゃったけど
当時の荀彧がまだ評価されてなかったとか、そんだけ人手が無かったからなりふり構わずだったという見方も無くはないが…
222 ななしのよっしん
2025/01/26(日) 12:07:53 ID: 5pEn9epXyV
>>221
ぶっころされた宦官100人分くらいの仕事ができると思われたんじゃないかな
急上昇ワード改
最終更新:2025/03/23(日) 16:00
最終更新:2025/03/23(日) 15:00
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