非国民 単語


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ヒコクミン

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その民であるにもかかわらず、その人間ではないかのような言動をしたり思想を持つ人のこと。

概要

日本では戦時中に反戦を強くしたり、軍部に否定的であったり、政府の方針にそぐわない意見をする人に対する蔑称である。当時の日本政府までもが的に使っており、軍国主義日本国内では体制追従が当然とされていた世間の雰囲気に対して疑問を持つ者への脅迫や、反発する者への迫として日常的に使われた。

昭和以前

もともと非国民という言葉は日露戦争あたりから使われ始めた。

日露戦争の開戦前日清戦争日本が清から割譲した半島フランスドイツロシアの三干渉によって返還させられ、後の義和団事件で日本を含む欧列強の連合によって鎮圧した際にロシア軍半島に居座ったことで半島を横取りされたとセンセーショナルに政府導して報道し、当時の日本国民の反ロシア感情に火をつけた。(実際には半島返還の際に清から5000万円支払われており、日本は丸損ではなかったが、このことはせられた)

政府ロシアとの外交政策で満州朝鮮半島における日露協商を試みたが失敗に終わり、一方で日英同盟を成立させて政府方針が反ロシアで固まると日露戦争に突入、大本営が設置されて本格的な戦時体制に入った。

ロシアとの戦争日清戦争較にならない戦となり、戦死、戦病死者は9倍という甚大な損を出していたことから戦争家族を失った人々の悲劇は大きく、次第に戦争そのものに対する否定的な思想が生まれてきた。与謝野晶子の「君死にたもうことなかれ」といった反戦が世間に発表されて反戦ムードが出てきたが、世間一般的には甚大な損を省みずに強気にロシアとの戦争を支持する世論の方が強く、そういった反戦のに対して日本人の言葉ではないとみなして迫する潮が生まれ、そのころから非国民というレッテルって反戦論を弾圧するようになった。

昭和以後

明治末期韓国併合朝鮮半島植民地化し、大正時代に南満州鉄道の権益を拡大、昭和に入ると日本国内では更なる中国への利権拡大を論んで大陸進出を見るようになり、中国中華民国)に対する見下す思考が一般的になっていた。一方の中国では第一次世界大戦日本中華民国に突き付けた対21ヶ条の要などで日本から屈辱的な条約を押し付けられたことに対する怒りから反日感情が強まってきており、満州事変満州国を期に両国民感情が爆発し、日本「生意気な中国底的に懲らしめるべし」という対中懲罰ムードに、中国では日本侵略には断じて屈さない」という対日抵抗ムードが強まった。

かくして日中戦争がはじまって日中は全面戦争に突入、南陥落後は日本軍は抗日で一致した中国の全面的な抵抗に手こずる泥沼にハマっていき、次第に死傷者が増えて戦費は国家予算の70にも達するようになり次第に経済が疲弊して力が衰え始め、欧列強をも敵に回して太平洋戦争へと拡大、第二次世界大戦に本格的に参戦することになる。

太平洋戦争は最初の半年は日本軍の連戦連勝で、真珠湾攻撃アメリカ軍太平洋艦隊に壊滅的な打撃を加え、イギリスマレーアメリカフィリピンオランダインドネシアイギリスビルマを占領し、日中戦争の泥沼で疲弊していた内では再び戦勝ムードに沸き上がり、大きな戦果に酔いしれた。しかしミッドウェー海戦日本軍が大敗、ガダルカナル島の戦いでも日本軍が破れて戦況は逆転、急速に日本軍は敗色を深めていき、アッツ島の戦いで日本軍守備隊が全滅すると当時の新聞で初めて「玉砕」という言葉が使われるようになり、その後は南太平洋々にアメリカ軍の本格的な反撃が行われ、戦力で大きく劣るようになっていた日本軍の守備隊は各地で戦の末に壊滅し、そのたびに新聞では玉砕という言葉が使われた。

当時の大本営体制下の日本では報道は軍の事前検閲が行われており、各地の戦闘での勝敗で日本軍の負けを意味する表現は厳しく規制され、負けた場合は転進(軍の進路を後方に転換、要は撤退であるのを誤魔化した表現)、全滅の場合は玉砕(全滅したが潔く勇敢に戦ったという表現)と報道し、民の戦意が落ちるような表現は底的に削除されて戦勝ムードを維持しようとする大本営の思惑が民に押し付けられた。

しかしどんなに表現を誤魔化したところで世界地理を知る知識人から見れば戦線が徐々に後退していることは読み取れており、世間一般の戦勝ムードの裏日本軍の敗色が濃くなってきたことを察する人が徐々に出てくるようになった。そういった人々に対して日本政府民の戦意を失うようなを封じるために大政翼賛会を通じて非国民という言葉を然とするようになり、次第に秘密警察を用いて日本が負けるというような底的に弾圧する方針を強めた。この弾圧は次第に範囲が拡大していき、大本営の体制に少しでもそぐわない者には厳しい処罰が待っており、こういった雰囲気は民の間で強な軍ファシズムに変化していき、民一人一人の間で相互に監視し体制に反するものはもはや民ではなく非国民であるとして迫の対になっていき、日本秘密警察である特高警察に密告されて弾圧、処罰され、さらに民の間でファシズムが深まっていった。

このように戦時という非常時の社会において国家体制にそぐわない者をす意味で非国民という言葉が生まれ、それを民を導する政府太平洋戦争の頃には既に軍部独裁であったため正確には大本営)が大々的に使ったためにファシズム体制下の民の間で戦時ムードに追従しない人間を迫脅迫する意味で非国民という言葉が一般的に使われるようになったのである。

近年における非国民

日本終戦を迎えると、それまで戦時ムードに本音ではウンザリしていた民たちは軍隊色を嫌がって平和を望むようになり、その思考の変化のなかで非国民という言葉は戦争用語として使われなくなった。しかし戦後70年を迎え、民が世代交代して実際に戦地に赴いた元軍人や戦火に逃げ惑った戦災被害者が死を迎えて歴史に埋もれて世間から消えていくうちに、戦争を知らない世代の人間の間で非国民という言葉が形を変えて使われるようになった。

な例

これらはネトウヨと言われるネット上で概ね国家主義を標榜するナショナリストの間で使われており、彼らにとっての日本における益にそぐわないをしたり考えを持っているものに対して「普通の日本人なら、そういう考え方はしない」などといった、日本人のものとは思えないという意味合いで使われる。要は「こんなことを言うやつは日本人じゃない」と決めつけて、その次に言葉を変えた非国民と言いがかりをつけ、その対者にや思想の訂正を迫り、従わなければ日本国民ではないとみなすと暗に脅迫する、要するに戦前の非国民と同義語である。

新型コロナウイルス

新型コロナウイルス日本国内で流行し、2020年政府緊急事態宣言を出して不要不急の外出の自粛テレワークの推奨、飲食店をはじめとする人込みが出来やすい商店などでの営業を自粛するよう休業要請、都道府県をまたぐような長距離の移動を避けてもらう移動自粛要請が行われた。その際に政府が頼んでいるわけでもないのに自的に政府の要請に従っているかを監視してまわり、従っていない者に注意して回る人々が現れた。

これだけなら良いのだが次第にこの監視はエスカレートしていき、勝手に営業自粛を強要するったり警察通報するなどと言った脅迫じみた警告、酷いものになると店舗のに石を投げたり県外ナンバー標に体に傷をつけたりする破壊行為を行う者が後を絶たなくなり、行動は過化していった。しかし実際には休業要請と言っても政府市町村自治体の営業ガイドラインを守っていれば営業しても構わない例や、県外ナンバーと言っても引っ越しでナンバーが未変更だったりした例があり、必ずしも自粛要請に当てはまらないものもある。それにもかかわらず自分の勝手な判断で自粛を強要し、従わなければ日本人なら政府の要請に従え』『日本人なら自粛しろ』『従わない者は反日』『コロナウイルスを広めようとしている在日ではないか』、と言った戦前さながらの非国民思考が社会問題となった。こういった過剰な監視や注意をして回る人々はコロナ自警団、自粛警察と言った蔑称を付けられて忌み嫌われるようになり、戦時中の賛体制下で政府が推奨しているわけでもないことから次第に静まって行ったが、一時は新聞テレビなどの大手メディアで過行動が非国民扱いと取り上げられ、戦後70年を過ぎてなお『非国民』という言葉が出たことに日本人戦前から何一つ進歩していないと言う落胆のネット上であふれた。

実はこのテの文句は戦時中も使われており、日中戦争が泥沼化して日本経済が疲弊してきて生活が貧しくなってきたころから政府民に耐乏を強いるようになり、その耐乏で民が不不満を言い出さないように政府が大々的にスローガンを掲げて民を鼓舞した際に次のような戦時標語が掲げられた。

日本人ならぜいたくは出来ないだ!』(by東京府

こんな標語が1940年当時の東京銀座の立て看板で本当に掲示されていたのである。

なんともはや、歴史は繰り返すというべきか。┐(´д`)┌ヤレヤレ

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