魔術(とある魔術の禁書目録)とは、鎌池和馬のライトノベル『とある魔術の禁書目録』に登場する特殊な力の事である。
作中では所謂「魔術サイド」と呼ばれる一派の用いている力。
「異世界(神話と宗教観が投影された位相)の法則をこの世界に適用」して超常現象を起こす。これを行使する者を『魔術師』と呼ぶ。
宗教観、国家間、歴史観のスケールで語るならば『科学』以上に世界に浸透しているが、現在大多数の人類は世界の深部にこういった力や勢力が存在している事すら知らない。
その大元は遥か昔、神秘と奇跡としか思えない力をもった極僅かな人物(現在作中では『原石』と呼ばれる)に羨望し、自らもその力を獲得したいと研究を始めた者達が興した流れである。曰く、
「真の奇跡に人の手で追いつこうとすること」
「才能の無い人間がそれでも才能ある人間と対等になる為の技術」
と称される。
自身の「才能」のみで力を発揮する原石や能力者とは違い、いうなれば「技術」なのである。
魔術師は自らの生命力を『魔力』に変換・精製し、その力を発動する為の「コマンド」を実行する。
このコマンドは大抵の場合、古くから伝わる神話・伝説の類からモチーフを引用し、手順が構成されたもの。何故ならメジャーな神話や伝説というのは、現在残っているというそれだけで「長年培われ信頼されてきた最適の手順」である事が証明されているからである。
勿論完全オリジナル魔術も出来なくはないが、それはゼロから方式を探りだすという極めて非効率な手法になってしまうのだ。
因みにこの魔術、能力者が使用した場合には身体への負荷が大きすぎて死亡する恐れがある(能力開発は受けている為、無能力者でも同様)。
メリットとして「一人につき一つの力」といった制限がない。これは魔術が技術である事を考えると解りやすいかもしれない。
デメリットとしては前もって行うセッティングなどには膨大な時間やコストを要する。そのため前述した神話や伝説からの引用で、略式が用いられるのである。それ故に魔術師同士の戦闘では互いの術式などから戦略を探るなどして、魔術の無効化や割り込みをかけるなどしたりする。
タイトルにもなってる『禁書目録(インデックス)』という少女だが、彼女はあらゆる魔術知識を記録する魔道図書館の役割を持っており、やたら魔術知識に詳しかったりするのもこのためである。あの暴食銀髪シスターはかなり凄い魔術師なのだ。
現実に存在する魔術の分類。
学者のフレイザーいわく、この世の魔術は『感染』と『類感』で説明できる。
『類感』は作中でよく使われる魔術であり、『偶像の理論』『偶像崇拝の理論』とも称される。
形・性質の似た物品を魔術的な記号とする道具。いわば見立て的なもの。
普通なら魔術は魔力を通して記号化した行動を実行するだけで発動するのだが、より複雑な記号(コマンド)が求められる場合、形状・性質が似た物品に本物としての意味を持たせる方が確実だし効率が良い。
例えるならフリーハンドで直感的に線を引くのではなく、定規を使って綺麗な線を引くようなもの。
『類感』理論では、神の子が処刑された時に使われた十字架のレプリカに、本物と同じ神性・能力を獲得させることが出来る。インデックスの着ていた『歩く教会』も基本的にはそれと同じ『偶像の理論』で構築された霊装。
あくまで見立てに過ぎないため、形状もしくは性質がある程度似ていればそれだけで良いらしい。
詳細は別記事を参照。
魔族の神や魔界の神ではなく「魔術を極めた末に神様の領域に到達した者」の総称。
自身の行いが多神教の神として語り継がれている者、伝承に名を残さない無名の神仏など、あらゆる宗教あらゆる神話の魔神が存在する。
概ね「世界を自由にできる力を持つ魔術師」と考えても差し支えないだろう。
存在概念は第1巻から触れられていたが、本物が出てきたのは続編の『新約』から。
人間には認識することが出来ない波長のズレた世界、層が異なる重なった世界の総称。
一例では「天国」「地獄」「冥府」「天界」「魔界」「隠世」「ニライカナイ」「オリンポスの山」「アースガルド」「妖精の島」など、宗教・神話で紡がれる異世界。
異なる法則が支配しており、その法則を現世に適用する技術が「魔術」とされている。
世界には宗教・神話の数だけ多様な位相が挟まっている。魔術サイドでは北欧神話など他にも多くの神話や伝承を中軸として、位相にその力を蓄えている。
位相は確かに実体を持って存在し、時に上条たちの住む世界に影響を与える。特に魔術を使う時の偏りで位相同士の衝突が起こる。この軋轢で生じた「火花」こそが人の運命の正体である。
カバラの教義における『四界』の概念は位相に該当する。
『四界』は「生命の樹(セフィロト)」の上位セフィラ、下位セフィラに関係する根源的な世界解釈で、「原形世界(オーラムアツイルト)」「創造世界(オーラムブリアー)」「形成世界(オーラムイエッイラー)」「物質世界(オーラムアツシヤー)」と呼ばれる。
魔術師の中にはセフィロトの裏返しの「邪悪の樹(クリフォト)」を「生命の樹」の一面と見做し、世界を再計算する者もいる。
現実にも存在する魔術師が所属する組織の事。存在理由も形態も宗教も多種多様。
特に世界最大の魔術結社「黄金夜明」は、国際魔術規格とも呼ばれる「近代西洋魔術」の礎を作った事もあり、魔術史に与えた影響は特に大きい。
アレイスター=クロウリーも在籍していたが、「ブライスロードの戦い」が原因で内部崩壊し、現在は既に内紛と分裂を繰り返して衰退しきっている。
レイヴィニア=バードウェイが率いる「明け色の陽射し」は、「黄金」系結社の一つである。
困ったことに他結社との争いは日常茶飯事。
なので大抵の場合、やる気がある結社ほど他との争いが原因で消滅していく。
なお、極少数の魔術素人で構成される集団は「結社予備軍」と呼ばれる。結社がプロ集団なら結社予備軍は同好会・サークルのような扱いで、活動も星占いとか瞑想とか特に害のない平和なものらしい(レッサーが所属する『新たなる光』のように、あえて結社予備軍を装う集団も存在する)。
「学園都市」一強の「科学サイド」とは違い、「魔術サイド」は様々な組織が拮抗し合っており、それぞれが異なる思想、目的を持っている。そのため一枚岩ではなく、寧ろ魔術サイド内でのそれぞれの組織が対立する事さえある。また個人の思想で組織に所属しないで活動している魔術師も存在する。
『十字教』 などメジャーな宗教が大勢を占めている魔術サイドではあるが、決して魔術サイド=特定の宗教というわけではない。
むしろ「人の手で神の奇跡を」「聖書や神の性質を吟味して抜け道や裏技を探す」といった近代西洋魔術の考えは、純粋な宗教観からは反目される事も多い。ただしメジャーな宗教から魔術に引用は勿論、逆に魔術発祥だったものが宗教の元ネタに、といった流れも実際あった様子。
十字教に関しては築き上げられた多くの神話や伝説(神の子、聖母、聖人など)によって、更に体系化が強化され、魔術サイドでも一大勢力となっているが、旧教(カトリック)と新教(プロテスタント)、更に旧教でも派閥が分かれている。魔術サイドの敵は単純に科学サイドではなく、宗教、更にその内部でも分裂しているのだ。
一般に魔術の知名度がないのは、敵対する魔術師への軍事機密で隠匿が行われている為であり、一般人にも存在そのものは知られていても別に構わないらしい(兵器の内部機密を敵軍に知られるとマズいが、兵器の名前とかは一般人に知られてても問題ないようなもの)。インデックスさんもベラベラ喋ってましたしね。
国や民族によっては、自然と土着で魔術を知っている土地もあったりする。
科学サイドや一般サイドとは違い、各組織や独自の思想に基づいた生活を送っている。生活で必要な道具や手段として科学技術は使うものの、規範や思想としての科学や学園都市の高度な科学技術を敬遠や忌避する傾向が強い上に、科学オンチと呼ばれる人も一部存在する。
魔術(とある魔術の禁書目録)に関するニコニコ動画の動画を紹介してください。
掲示板
2 ななしのよっしん
2018/10/23(火) 04:18:13 ID: xugQ8zUNaW
新約21巻のアレイスターによると魔術の根幹は
人を想う気持ちを形とした技術であり祝福と畏怖を表裏合わせにしたものらしい
禁書世界の科学が「順序立てて説明できるもの」らしいけど逆に言うと魔術は「不条理なもの」と言える
この不条理さが何かと言うと結局の所人の気持ちって訳だね
3 ななしのよっしん
2018/10/28(日) 13:41:13 ID: l5BtrOvA7R
「魔力とは、生命力より精製される力なり。魔術とは、その魔力によって表す現象なり。魔術とは全て、生命の奥底から湧き立つ始原の力に支えられるべし」
「すなわち魔術とは人を大切に想う気持ちに形を与えし技術なり。それは時に人を癒し、人を傷つけ、人に寄り添い、人を遠ざけ、祝福と畏怖を表裏合わせた真に力ある術式群とならん」
だから対応は 生命力・魔力:人を大切に想う気持ち だと思う。
技術・術式群:魔術 は今までも「順序立てて説明できるもの」(科学とは違うけど)と言われてきてるはず。
不条理の根幹が人の気持ち、もしかすると魂と呼ばれるものかもしれない、ってのは同意
4 ななしのよっしん
2019/02/21(木) 08:05:44 ID: fXbT21m/lW
禁書目録は魔術つかえないから魔術師ってのとは違うんじゃなかったっけ?強制詠唱は魔力なしでできるからあれだけど
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最終更新:2025/04/16(水) 22:00
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