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『15才の時に東日本大震災で家族を亡くし、天涯孤独の身になり東京でホームレスになった話』とは、自称震災孤児で元ホームレスのあぶくま君によって制作された漫画作品である。
東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)当時、被災し家族・親族を全員亡くしたうえホームレスになった作者の壮絶な過去を描いたノンフィクションとして注目を集めていたが、実際の記録、報道、証言や法制度と比較して矛盾や誤りが多数存在しており、震災当時を知る資料としては全く役に立たない。それどころか、被災者を騙り、虚偽を記した漫画である可能性が著しく高い。
Twitter(現X)上に75回(11話冒頭相当)までが投稿され、それ以降のエピソードはebookjapanにて連載・配信され、20話で打ち切り同然の展開と共に完結した。合冊版は全2巻で各種電子書籍サイトで購読可能。
75回までは現在もTwitter(現X)で閲覧可能なため、自身の目で不可解な点を確認した方がよい。
15才の時に3.11東日本大震災で家族、親戚を全員失い孤児になりました。その後16才で東京でホームレスを経て現在に至ります。震災の記憶を風化させないために当時の事を漫画で発信していきます。みなさんに当時の様子を知っていただけたらと思います。なお、内容は特定を避けるためにフィクションを入れています。
東日本大震災10周年を前にした2021年2月15日より投稿されていた漫画作品。自称当時福島県南相馬市在住で15歳の中学生だった作者あぶくま君が、東日本大震災で被災した際の体験を、シロクマの顔をしたキャラクターを通じて描いた作品……ということになっている作品である。
作中では、震災により家を失い、家族全員が行方不明になるという悲惨な境遇と、劣悪で過酷な避難所生活を描いた被災地の様子、東京に移動後の半年間のホームレス生活、ホームレス脱却後の東京での労働生活等が描かれている。
が、先述の通り、多数の矛盾や誤りが存在し、元被災者のみならず、震災事情に詳しい人や一般常識を身に付けている人であれば違和感を抱くシーンが無数に存在しており、実話である可能性は限りなく低い。
後に、個人情報の特定を避けるために一部フェイクを盛り込んだことは認めたものの、その矛盾や誤りの殆どが、あぶくま本人の個人情報とは無関係かつ、客観的資料で実証可能なものばかりであり、何の釈明にもなっていなかった。そもそも、仮に実話を参考にしたフィクションであったと仮定しても、ニュース等で聞きかじった程度の知識を基に、想像で描かれたような希薄な情報しかなく、また、実際の被災者や教師や市職員他、支援に従事した人々の名誉を毀損するような内容も多く含まれており、どのみち、当時の様子を知る資料としては考証が杜撰すぎて全く役に立たない代物となっている。
しかしながら、Twitter上であたかも実体験であるかのように、投稿・拡散されたために、多くの読者が騙され、一時期6万人超のフォロワーや最大1万以上のいいねを集める大反響を得た。その上、著名なインフルエンサーやWebメディアの朝日新聞Globe+等が拡散に加担する有様となった。
前述の通り、その75までがTwitter(現X)に投稿されており、現在でも閲覧可能。2021年10月3日の逃亡休載を挟んで、2022年5月1日に連載を再開し、その74、75だけ投稿したのを最後にTwitter上での投稿は途絶えていたいた。しかし、同年8月3日にebookjapanで誤植等を修正した書籍版の連載を開始すると、同年12月21日に配信された11話に描き下ろしエピソードを追加し、電子書籍の有料配信限定となった。翌2023年3月29日の20話の配信を以て打ち切り完結した。
2025年現在も各種電子書籍サイトで配信は継続している。一方で現在も真偽に関する正式な見解や報道機関等によるファクトチェックは行われておらず、事実と信じてしまった読者を多数輩出している。そのため、現在でも南相馬市、ひいては日本に「震災孤児をホームレスに陥れた」という風評被害を流布している有様となっている。
話の大まかな内容は以下の通りとなっている。
(編タイトルは記事作成者命名のもの ()内はTwitterの話数、[]はebooks.japan版掲載時の話数)
中学校の卒業式の最中に大地震に遭遇してから、避難所移転で東京に移動するまでの避難所生活を描く。
地震で壊滅した街並み、混乱で麻痺状態の市役所、劣悪な避難所生活、跡形もなく消え去った自宅、連日避難所に運ばれてくる遺体など、公式記録とは大幅に矛盾する極限状態の避難所生活が描かれている。その中であぶくまは、心身を病み、精神的に追い詰められていく。やがて家族の生存を諦め、もうこの世にいないと悟る。そして、関東の避難所へ移転する際、受け入れ先をたらい回しにされ、避難生活に嫌気が差したあぶくまは「親戚を頼る」と嘘を吐いて職員を振り切り、あてもないまま東京の街へと繰り出した。
南相馬市の残した公式記録と大きく矛盾するのみならず、書いた本人は自覚がないのか、ひたすら被災者や避難所に対する不足や不満等を露悪的に描いている。とりわけ遺体安置所の描写は群を抜いて無茶苦茶な描写となっている(後述)。そもそも、いくらでも詳細に描けるこのパートが全387ページ中の40ページ程度という内容の薄さがこの作品のデタラメぶりを物語っている。
行くあてもなくガード下で寝た翌日、ホームレスのおじさんと出会う。区役所や警察に頼ることなく、おじさんについて行き、そのままホームレスへと身を落とした。新宿御苑に段ボールハウスを構え、炊き出しや廃棄弁当で食をつなぎ、日給2000円の「タチ」(看板持ちのこと)の仕事に就くなどしながらホームレスとして生活する。ホームレスの人々の人情に触れたことにより、心の平衡を取り戻して行く様子が描かれている。半年後、おじさんの紹介で、住み込みの仕事を探している知り合い(後述の反社社長)を紹介してもらったことにより、ホームレス生活に終止符を打つ。
のっけから入場料がいるはずの新宿御苑に住んでいるホームレスという、素人でもツッコまざるを得ない内容がら始まり、「タチ」「戸建て」等の用語、開催日時・場所不明の炊き出しやコンビニから廃棄弁当を貰う等、多くの読者がホームレス生活と縁がないことをいいことに、信憑性がかなり疑わしいホームレス界隈のジャーゴンや生活様式を描いている。どう考えても避難所生活よりも不安定で過酷な生活なはずにもかかわらず、避難所生活と対比して充実した様子を描いている。しかもこちらも30ページ程度と、相変わらず内容が薄い。
ホームレス生活から脱却し、反社社長の下で住み込みで働く生活を描く。
新宿御苑を去ったあぶくまは強面の男の下で24時間住み込みで働くこととなった。窃盗債権の回収や、ホームページ制作、深夜の警備業など、多様な業務を経験していく。一方で、半年経ってようやく知った被災地の全貌や、被災者への差別、慣れない都会の空気や身寄りのいない孤独感に苛まれ、傷心する様子が描かれる。反社社長の下で働くことに一時疑問と不安を抱くものの、結局は現状がいいと納得して働き続けた。
どう見ても闇バイトでしかない違法行為・犯罪を犯している労働内容や闇金業者に搾取されている債務者としか思えない内容でしかないにも関わらず、あぶくまはこの社長のことを好意的に描いている。更に犯罪行為に対する良心の呵責どころか、犯罪を犯した意識すらなく、真偽関係なく、作者本人の無知ぶりが際立つエピソードとなっている。
震災前日の前震や、家族、友人やガールフレンドと過ごした、震災、ホームレス一切関係ない震災前の他愛もない日常を回想する。
震災前日に大きめの前震があったことが語られる他、家族との日常、友人のヒデくんとガールフレンドのカエデちゃんと打ち込んだ卓球部やカエデちゃんとのデートの思い出など、回想が語られる。
かなりのページを消費して大切な友人やガールフレンドのことを回想している割には、安否を深追いせず、あっさりと彼らの無事と再開を諦めており、あぶくまの薄情で人でなしな性格が際立っており、全く同情できないような内容が続く。
唐突に2年経過する。
震災から2年経過しても、反社社長の下で働く日々を続け、結局故郷の南相馬市には一度も帰郷しなかった。震災時に持ってた携帯電話を棄て、川口市の家賃4万8千円、4畳半1LDK風呂トイレ別のアパートの4階402号室に引っ越して心機一転するも、社長から「俺のような生き方は無理だ」と諭され、解雇を言い渡される。再びひとりぼっちになったあぶくまは電気・水道・ガスが使えない中、貯金と退職金が尽きる前に新たな職を探すことを決意する。
企業に就職して働く日々を描く。
無職のあぶくまは、ネットの求人情報で見つけた「赤羽エレキテルサービス」なる町工場の面接を受け、見事採用される。社長にスーツを仕立ててもらい、本格的に社員として働くことになる。だが、業務中に誤って高圧電流の配線を切断して感電して以来、震災の記憶がフラッシュバックするようになる。心と体のバランスがおかしい状態でもなんとか平生を装い、半年働き続けるが、赤羽エレキテルサービスが火災で全焼、そのまま解散となったところで、本作は唐突に終了する。
「回想」の体で1~4話と同じ内容を繰り返したり、弟が異父弟であったことやホームレス時の新エピソードなど、心底どうでもいい新情報を小出ししたり、意味不明なポエムを書き連ねたりと、11話以降、ネタ切れで無理やり引き延ばしていることが顕著に表れている。
本作は大手メディアにこそ紹介はされなかったものの、ひろゆきをはじめとした著名人が引用したことにより、拡散に加担することとなった。
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その後、朝日新聞のウェブ媒体の一部である朝日新聞GLOBE+の関根和弘副編集長(当時)があぶくまを取材し、記事にした。これにより「朝日新聞」を冠するメディアがあぶくまの作品に権威を与えてしまい、この漫画を事実と誤認する人々を多く輩出することとなり、風評被害を加速させることとなった。
詳細は後述するが、この関根和弘記者は悪名高いハフポストに出向した経歴があり、度々偏向記事を執筆しては炎上を招いた過去のある問題の多い新聞記者である。
「学歴不問かつコンピューター系」の仕事を探していたあぶくまが応募、就職した町工場調の小規模企業。社内ネットワークの構築や電気工事を主な業務としている。「赤羽」と関しているものの、東京の赤羽に存在している企業なのかは不明。ただ、赤羽はあぶくまの住む川口市に隣接している。後に火災で全焼し、そのまま解散となった。真っ当な企業かと思いきや、残業代がなく、社会保険に加入していないというブラック企業であることが窺える節がある。
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【南相馬市役所等、関連機関への問い合わせを検討している方へ】 |
先述してきた通り、この漫画、矛盾点や誤りがあまりにも多い。また、あぶくまの存在を客観的に証明する資料は、少なくとも現時点でも一切存在しない。そのため、「東日本大震災で被災した元ホームレスの震災孤児」という作中の「事実」は完全に破綻しており、「震災の記憶を風化させない」「当時の様子を知る」資料としては全く役に立たない。
これまでに有志により検証が行われており、自治体、報道機関等の記録・統計と照合したり、南相馬市や関係団体に問い合わせたり、南相馬市で被災した人々の証言を集めたり、現地に赴いたりと様々な調査が行われたが、いずれも漫画の描写と反する結論が得られている。
フィクションorノンフィクションの説明は一貫しておらず二転三転しており、苦し紛れの言い逃れにしか聞こえない部分が多い。
この通り、福島県南相馬市で被災したことは事実だと主張しており、記事を書いた関根和弘記者も「公的証明書」を見せてもらって裏付けを取ったと記載している。なお、この「公的証明書」がどういった種類のものであるかは一切明かされていない。
どころがレスバの最中に初めてフィクションを織り交ぜていることを初めて言及した。それまではノンフィクションだと明言もしていなかったが、全て実話だと信じている人々の反応が多数であった。
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https://twitter.com/abukumakum/status/1449217275488210946
そして冒頭に記載通り、連載再開直前の2022年4月ごろに「特定防止のために一部フィクション」であることをプロフィールに書き加えている。
ところが、同年8月開催のウェブ解析士協会主催のオンライン講演に登壇することを発表した際、その告知ページにてあぶくまは次のように発言している。
このキャラクターには、着ぐるみのような中身がありません。
また、直接的な本人はいません。複合的な震災体験を追体験していく物語です。(中略)
被災者であることは本当だと予防線を張りつつも、誰かの震災体験を継ぎ接ぎにした完全なフィクションであると解釈できる釈明をしている。
そして、ebookjapanより出版された電子書籍の奥付では、
ところが合冊版1巻の描き下ろし漫画内では
そしてこのマンガの内容はほぼ実体験です
と講演や奥付とは真逆にして朝日新聞Globe+記事と同じ主張を書き記していた。そもそも漫画内で真逆の見解が衝突するという、かなり無茶苦茶な状態となっている。
これだけ見解を二転三転させている時点で十分怪しいが、一部フィクションでは済まないレベルで、実際の震災描写と大幅に乖離していることをこれ以降で解説していく。
作中の震災当時の様子や避難所の状態は、震災当時の記録は南相馬市の『東日本大震災記録誌』をはじめとする複数の資料や証言と大幅に食い違っている。その上、避難所の環境や教師、自治体職員等の対応等を腐すような露悪な展開に終始している。逆に、原発事故に伴う対応など、確実に経験舌であろう特異な体験が一切描かれていなかったり、地名、経過日時、原因等の詳細な情報など、読者が本当に知りたいような体験談が全く反映されていないことが、虚偽あるいは調査不足であることを物語っている。
とりわけ、南相馬市の震災記録である『東日本大震災記録誌』は、無料でダウンロード可能にもかかわらず、692ページという大ボリュームのため、興味のある人は是非とも閲覧していただきたい。少なくともあぶくまの漫画よりずっと、「当時の様子を知る」ことができるボリュームである。
各矛盾点は以下の通り
黒板に書かれた「第一中」の文字、市役所まで徒歩15分の距離という描写から、描かれているのは南相馬市立原町第一中学校で確定しているのだが、個々の描写がかなりおかしなことになっている。
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https://twitter.com/abukumakum/status/1362691979813875715
南相馬市の公立中学校で3月11日に卒業式があったことは事実であるものの、卒業式は午前で終了し、殆どの生徒が下校していたという証言がある。なお、あぶくまは式終了後、友人らと遊ぶ約束をしており、震災発生時刻の14時46分まで学校に残っていた理由が全く不明である。
更に原町第一中の校舎は3階建であるのに対して4階建の校舎が描かれている。
その後現れた教師は、瓦礫が散乱している町中を生徒を引率して歩くという無茶苦茶な行動を取っている。実際は、大体の学校がそうであるように、原町第一中学校は市指定の避難所として設定されており、実際教職員が防災対策本部と連携して避難所開設を行ったことが記載されている。
教職員であれば、震災時の対応は知っているはずであり、問い合わせた有志も「絶対にありえない」との回答を得ている。
因みに福島県の各中学校の震災対応については福島県中学校長会が作成した『東日本大震災を越えて ふくしまを生きる』に詳しく記載されている。
未曽有の災害の中でも被災者対応に当たった南相馬市役所職員だったが、作中では機能不全のレッテルを張られていた。
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https://twitter.com/abukumakum/status/1363410585526755330
度々機能不全に陥っている状態が描かれている市役所だったが、市は災害対策本部を15時14分には設置しており、充分に機能していた。
実際の南相馬市の活動内容は『東日本大震災記録誌』に詳細に記載されているので、各自無料ダウンロードの上、確認されたし。
因みに作中の校舎の外観が、南相馬市のどの学校とも一致しない特徴なのに対し、何故か南相馬市役所の外観のみ忠実に描かれている。
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https://twitter.com/sounanocv/status/1431534676892553216
また、震災から2,3週間経過した避難所移動の際も、事実に反して市役所が相変わらず機能していないと描写されている。そのせいで避難所移動の際のトラブルを招き、あぶくまがホームレスになったのは半ば市役所のせいとも取れる描き方をしている。
避難所の描写は後のホームレス描写に繋げるためか、徹底して過酷だった描写しか描かれていない。
作中では毛布もないまま床で雑魚寝している様子が描かれているが、毛布は震災発生当日に配布された上に、市民によって多数寄付がなされた。そもそも、あぶくま自身も描写している通り、電気は生きており、震災発生当日夜の写真では、ストーブが炊かれおり、毛布で暖を取る人々の様子が記録されている。
また、携帯の充電を行っていたのはあぶくまのみではないため、本来ならタコ足配線状態になっている場合が殆どだが、一人でコンセントを占有しているというおかしな描写となっている。更に、鳴らなかったという携帯電話だが、実際は緊急地震速報が高頻度で鳴り響いていたとのこと。おまけに教職員らによる安否確認が行われており、あぶくまの携帯電話が鳴らなかったというのはまず考えられない。
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食料事情については、記録誌にも、切迫していた様子や、炊き出しおにぎりが人数の半分しか用意されていないことなどが記録されており、あぶくまの描写と一致したような様子が描かれているが、配給が飴玉3個のみという明らかに誇張した描写も描かれている。また、支援物資や従事者の努力により、市内で食料の配給や炊き出しが継続的に行われていることが描かれている。
こうした体験記にありがちな、過酷な中でも有難かった、助かった事物のエピソード、トラブルが発生した原因やそれに対する対策や提言等、被災を教訓にした内容が描かれていることが多いが、あぶくまの漫画はただ腐す一方である。
被災地の惨状が記録や証言と大幅に異なっており、想像あるいは他の地域や他の震災を混同したような描写ばかり目立つ。
「あたり一面まともに歩けやしない」「町は壊滅状態で道路も寸断」と形容されている被災地の状態であるが、実際のところ、市内の建物倒壊の被害は、大半が津波による被害で、地震による倒壊は比較的軽微だった。少なくとも、翌日には自衛隊車両が車列をつくって走れるレベルには瓦礫の散乱や道路の寸断は発生していない。その上、そんな中迎えに来た親と帰宅する描写も描かれており、二重三重におかしな描写となっている。
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聞き込みや実際の被災者も同様の回答をしている。
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更には自ら家族を探しに外出し、津波によって流された自宅跡を掘り起こしているが、そもそも第一中学校の校区には津波は到達していない。しかも、マンガのような更地ではなく、基礎などが残っている他、水が引いておらず、泥濘も残っており、非常に危険だったため、制服姿の中学生が単独で捜索するのはまず考えられない。なお、実際の捜索は消防、警察、自衛隊の隊員らによって行われており、浸水区域は立ち入り禁止だった。
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https://twitter.com/tochi24yuki/status/1449752407668187144
因みに、当時は福島第一原発の事故に伴い、屋内退避が呼びかけられており、ますます中学生のあぶくまが外出できる描写は不自然なものとなっている。
東京電力福島第一原子力発電所の事故により、市の大半が30km圏内だった南相馬市にも、それに伴う対応が取られ、あぶくまも見聞きしていたはずだが、作中ではごく僅かしか語られていない。
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南相馬市は南部の多くが、事故を引き起こした東京電力福島第一原子力発電所の半径20km以内の避難指示区域、市の大半が30km圏内の屋内退避区域に指定されており、それに伴う対応が行われていた。
しかしながら、あぶくまの描写は「被災者の会話から何か起こったことを悟る」「東京移動後にネットで調べて知る」ぐらいしか描かれておらず、南相馬で被災した割にはあまりにも無知な有様であった。
実際の所、被災者に対しスクリーニングや防災無線等を用いた屋内退避の呼びかけ、警戒区域内の避難所の移動が行われており、作中で原発事故に言及しないことには、かなりの違和感がある。
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https://twitter.com/yukke_666/status/1648686667207933957
また、後述の避難所移動も事故に伴う対応の一つで、被災者にも説明があったはずだが、一切描写されていない。
原発事故に伴い、避難所移動の対応が取られたのは事実だが、事前にアポも取らずに移動したような無計画な移動描写となっている。
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避難所の移動では、役所が機能していないために、連絡と伝達が上手くいかず、受け入れ先の避難所が決まらない様子が描かれている。しかし、役所が機能していたのは前述した通りである。市外への避難所移転も移動先の自治体と連携し、バスを用いた集団避難を実現させている。
また、移動先の自治体や人数もしっかりと把握されていたうえ、避難先自治体にも市職員が派遣されて、被災者のフォローにあたっていたことも記されている。
震災の前日に大きめの前震があったことが語られているが、実際は早朝6時24分に最大深度4の地震が発生した程度で、南相馬市近辺で、回転寿司チェーン店が営業しているような時間帯に体感できる地震は発生していない。
作中で何度も蒸し返されている移転先の避難所兼遺体安置所の惨状であるが、実態はとりわけ群を抜いてめちゃくちゃな描写かつ、従事した人々を激しく侮辱する内容であるため、ここに別途解説する。
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https://twitter.com/abukumakum/status/1366321087663935488
避難所は極限状態でした。次々と遺体が運び込まれ、安置された遺体は私たちの生活スペースからも見えるようになっていきました。警察官だけでなく、民間の避難者が検視を手伝うような状況で...
まず、震災から2週間経過して、避難所と遺体安置所を併設せざるを得ない程ひっ迫した避難所兼遺体安置所は存在しない。そもそも、前項で解説したとおり、その頃には避難所の市外・県外移転などが進んでいる最中であった。そんな状況でわざわざひっ迫した避難所に移動する意味が皆無である。
遺体安置所は遺体を媒介した感染症や死臭・腐臭、遺体に直面することへの心理的ストレス等のリスク、検視・納棺等の安置作業のスペース確保等を鑑みて、単体で設置されるのが基本である。実際に南相馬市は原町高校や相馬農業高校、後にスポーツセンター、隣接する相馬市では旧アルプス電気社屋にて検視および遺体安置所を設置していたことが複数の資料から確認できる。
また、遺体は棺桶に腐敗抑制のドライアイスと共に納棺されるのが普通である。一方、宮城県や岩手県等では遺体の収容数が非常に多く、検視が追い付かなかったことや、物流の遮断等で棺桶やドライアイスが不足したことから、納棺されていない事例も確認できる。(その場合でも遺体をポリ袋に入れて腐敗を防いでいた)しかし、少なくとも南相馬市では棺桶やドライアイスの不足や検視の遅れ、火葬場の機能不全等は確認できず、遺体安置所の写真は棺桶にいれて安置されたもののみ確認できる。あぶくまの描写のように、毛布で包んだ状態で並べただけの安置だったことを示す証拠は一切確認できない。
実際の所、資料の殆どで、震災による混乱の最中でも従事した人々の不断の努力により、遺体の収容から検視、安置の体制が整えられ、身元が判明した遺体から順次火葬されていったことが記録されている。作中のように民間人が検視を手伝うような極限状態は発生していない。
実際に南相馬市・相馬市で検視した後に宮城で検視をした医師の証言からも、宮城と比較して相馬市・南相馬市の検視にゆとりがあったことを証言している。
福島は(遺体が)徐々に上がって来て、待ち時間もありましたが、宮城でそんな暇はなかったです。福島はいっぺんに来ても3体とか。その感覚で行ったら、まさに戦場だった。
こうした一方、隣接する相馬市では、原発事故で避難所を移転した南相馬市民が遺体安置所が設置された旧相馬女子高校に避難するという、あぶくまの描写と類似した事例が確認されている。しかし、南相馬市民が移動してきたのは3月15日から17日にかけて、さらに安置されていた遺体は3月18日までには旧アルプス電気社屋に完全に移動され、避難所と遺体安置所は併設された期間は震災発生から1週間程度、しかも遺体安置所となった体育館とは隔離されており、容易に近づけなかったことが判明している。よって「2週間ほどして」「避難所に遺体が運び込まれた」「生活スペースら見えるところに安置」といったあぶくまの描写とは全くかけ離れている。
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おまけに救助隊員(?)が検視が済んでいない泥だらけの遺体を見せびらかすという死者の尊厳を踏みにじった行為を描いており、あぶくまの良識の無さを垣間見える描写となっている。
また、この論点をピンポイントで議論したTogetterまとめが存在する。コメント欄を見ればわかるが、当時南相馬市で被災した人々が、あぶくまの描写に全否定のコメントを寄せている。
ホームレスの描写は多くの読者が未経験の領域であるため、確証となる資料が少ない。しかしそれでも、明らかに不可解な描写が多数存在する。ひろゆきが紹介した「義務教育よりも役立つホームレスのおっちゃんの知恵と優しさ」は段ボールハウスの作り方と炊き出しの並び方、廃棄弁当の貰い方ぐらいしか描かれていないうえ、どれも怪しい描写である。
第一、あぶくまをホームレスに引き入れる行為が刑法224条(未成年者略取及び誘拐)に抵触している可能性が高い。
ホームレスが新宿御苑に住んでいる描写がなされているが、新宿御苑は入場が有料の公園のため、ホームレスが居住することはまず不可能。入り口付近にもスペースは存在するが、テントや段ボールハウスを無数に並べられる程広くはない。
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炊き出しがランダムと描写されているが、仮にもしランダムにしてしまえば、食料の取り合いでトラブルが発生したり、公共施設を利用する他の利用者にも迷惑をかけることが想定される。そのため、告知がないというのはまずあり得ない。因みに炊き出しの情報はインターネット上でも告知されている。(例①、例②
)
また、NPOや慈善団体による炊き出しは、ホームレス支援や実態把握を兼ねているため、仮にあぶくまのような中高生がいれば、確実に通報・補導されると考えられる。
炊き出しにあぶれた際の居酒屋やコンビニで弁当を貰うという描写があるが、当時の弁当の廃棄は公衆衛生上の問題から、管理が厳格化されており、実際に貰えたかは非常に疑わしい。そもそも、避難所の炊き出しや配給よりも食べ物にありつける確率が低いと推定できる。
段ボールハウス生活について、大雨での苦労話があっさりと描かれている程度で、避難所よりも良い環境のように回想しているが、猛暑や台風など他の要因を考えるとあまりにも無理がある。実際、2011年の9月には平成23年台風15号が首都圏に猛威を振るっており、これについて一切言及がないのはあまりにも不自然である。
あぶくまの従事した「タチ」こと消費者金融の看板持ちの仕事だが、日給2000円と、当時の最低賃金2時間相当を僅かに上回る程度の超低賃金であり、ほぼ確実に違法労働である。
更に、台詞に出てくる「歌舞伎町の銭湯」だが、2011年当時歌舞伎町に銭湯は存在しない。
また「タチ」(看板持ちのバイト)、「戸建て」(テントに住むホームレス)、「あさりちゃん」(駅でゴミ箱の雑誌を漁って生計を立てる移動型のホームレス)、等々、ホームレス間のジャーゴンが登場するが、これらが実際に用いられていたかは不明。
ホームレス脱却後の反社社長の下での住み込みアルバイトだが、仮に事実なら、不法行為・あるいは犯罪でしかない描写が多数存在する。しかもあぶくまはその社長を「ツンデレ社長」と気持ち悪いほどに肯定的に描いているため、不気味さに拍車をかけている。
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https://twitter.com/abukumakum/status/1379718693412765698
更に、給与は社長からの手渡しと警備業者からの受取両方がなされており、雇用形態が全く持って不明である。
この描写、『闇金ウシジマくん』に描かれていたような闇金業者が借金返済のために面倒を見ている行為と酷似しており、少なくとも美談にできるようなエピソードではない。それどころか2年目に端金払って放り出しているのでかなり悪質である。
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https://twitter.com/takaraishigi/status/1757183459825737945
あぶくまの就職した赤羽エレキテルサービスであるが、ホームレスや反社よりマシとはいえ、かなりのブラック企業である。
社保なしというが、作中描写がどう見ても常時5人以上雇用している電気・ガス事業所であり、社会保険への加入が義務付けられている強制加入事業所である。あぶくまもどう見ても正社員であり、国保から社保への転入もし未加入が事実なら6ヶ月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金の他、追徴金が課される可能性がある。(参考①、②
)
更には残業代がつかない。典型的なブラック企業あるあるである。(みなし残業代ということなら考えられなくもないが……)
しかも碌に研修を積まないまま現場に投入しており、案の定労災を引き起こすが、その際の社長の行動が、あぶくまを殴打するという、負傷したかもしれない相手にする行為とは思えない有様である。
その上、未成年が就労する場合、労働基準法57条にて事業所に年齢を証明する戸籍証明書を備え付ける必要があるはずなのだが、これをどうしたのかは一切描かれていない。
そもそも、未成年の孤児が面接に来たなら、雇う前に何故、最寄りの役所や警察署に相談しなかったのかと問いたくなる内容である。
因みに従業員らの「僕らは幸い被災しなかったけど」というセリフがあるが、東日本大震災はその名の通り、東北・関東の東日本という広範囲に被害をもたらした震災であり、東京都でも震度5強の強震だった上、首都圏でも帰宅難民が発生する被害が発生している。赤羽エレキテルサービスは関東に存在しないとでも言うのだろうか。
自身の境遇を「網から網へ抜けた」と形容しているあぶくまであるが、これまで見てきた場面で、南相馬市やその他公的機関に孤児であることが露見しうる場面は複数存在する。
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https://twitter.com/abukumakum/status/1373572083658100737
そもそも、これだけ多数の行政への手続きや介入があるはずの場面で、避難所移動以降、一切行政組織が登場しないことが明らかに不自然である。その上、ホームレスの男や反社社長のようなアングラな人間はともかく、大家さんや赤羽エレキテル社長など、真っ当な社会人である人々も、あたかも理解のある彼くんよろしく、都合よく手を差し伸べるものの、誰一人行政に繋げないところも不自然である。おそらく、行政手続き等の正しい内容を知らないため、描写した場合エアプであることが確実に当事者や有識者にバレるため、敢えて描写していない可能性が高い。
また、避難生活、ホームレス時の健康保険料等や携帯料金の支払い等があるが、これをどうしてきたのか描かれていない。むしろ、ホームレス生活後に携帯を取り出すという、それまでの契約がどうなってるのか不可解な場面が存在する。
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https://twitter.com/abukumakum/status/1409425096045850630
メディアリテラシーのある読者であれば、孤児になった場合に取った手続きの種類やプロセス、受けた支援の内容といった詳細な情報が知りたかったと思われるが、これらについては遂に語られることはなかった。
特定される恐れがあると逆ギレしてフェイクを盛り込んでいることを明言したあぶくまであるが、もっと必要な体験や情報を差し置いて、その特異な個人情報を開示しているのは他でもないあぶくま自身である。
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https://twitter.com/abukumakum/status/1449217275488210946
作中からわかるあぶくまの特殊な特殊なプロフィールは以下の通りである。なんと川口市のアパートの特徴と部屋番号まで開示している。
この通り、やたら特殊な家庭環境や、地元民からするとレアケースな境遇(後述)、おまけに住んでいる賃貸の情報など、事実ならば簡単に特定できる情報ばかり作中で言及されている。
そもそも、仮にこれらがフェイクだとしても、震災当時の様子を知る上で全く必要のない情報を、何故伏字等にせず、わざわざ細かく設定したのか謎である。その熱量を震災や就職時の描写の考証に充てた方がよっぽど有意義だったはずである。
この他にも、被災者ならまず印象に残ったであろう体験を描写していなかったり、南相馬市や東京にいたにもかかわらず、明らかに土地勘に疎すぎる描写がある。
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一例として、あぶくまは浪江町にあるサンプラザで卒業式後に遊ぶ約束をしていたり、カエデちゃんとデートで、福島市に存在していた中合(総合デパート)で遊んでいた描写があるが、地元民からしたらかなり違和感のある行動とのこと。浪江町は南相馬市の中心である原ノ町駅から電車で20分前後とそれなりに離れているし、マップで見ると一目瞭然だが、福島市と南相馬市は交通の便がとても良いとは言い難く、遠出をするならいわきか仙台の方が眼中に入るとのこと。そして、震災当日も浪江町で遊ぶなら、何故14時46分になっても学校にいたのか疑問に残る。
更に、思い出の地として挙げているリフレ富岡と浪江の大室屋も南相馬市と離れており、違和感がある。
その上、あぶくまの高校進学先だったいわきであるが、やはり地元からしたら違和感があるようで、県唯一の水産高校である小名浜海星高校に進学する以外で、原ノ町から特急でも1時間以上かかるいわきに進学するメリットは特にないそうである。
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https://twitter.com/yukke_666/status/1727243758348144873
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あぶくまは度々「東日本から」や「東日本自体がなくなる」といった表現をしているが、東京も東日本の一部である。
また、当時南相馬市には出店していないくら寿司(のパロディ)と今も福島県に出店していないコーナン(と思しき店舗)の外観を描いている。しかも作中のくら寿司とコーナンの配置と酷似した場所は大阪府に存在する。
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その上、確認されているTwitter上での最後の活動が大阪に存在する四條畷学園大学のツイートをRTすることだったため、実は大阪在住ではないのかと疑われている。
以下のツイート作中では、その場にあぶくまがいない時の母と姉の会話、反社社長の心境を描いており、体験記であること忘れた描写がなされている。
▼該当ツイート
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そもそもこの作品、矛盾や誤りが多い以前に、露骨な尺稼ぎばかりで中身がない。
とりわけ、描くネタが尽きたと思われる中盤以降から、エピソードの使い回しや、無駄ゴマや大ゴマの多用や回想の体のエピソード再放送など、ページ数を水増ししているとしか思えない描写が多くなる。
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代表例として、上のツイートが顕著だが、台詞のない虚無コマを入れてタメをつくったり、一コマが無駄に大きい割に台詞も少ないために、かなりテンポが悪く、大したことのない会話や展開に数ページ費やしている有様となっている。
その上、回想の体で避難所描写を何度も使いまわしており、少なくとも劣悪な避難所で寝た描写は5回、デタラメな遺体安置所描写は3回も再放送している。特に酷いものでは15話から16話にかけて、居酒屋の会話という体で1~4話のダイジェストをしている体たらくとなっている。
また、11話以降、何が伝えたいのかよくわからないポエム調のモノローグを多用している。以下はその代表例。
途切れてしまう縁もあれば思わぬところで結びつく縁もある…
…僕はそんなことをぼんやりと考えていた
17話より抜粋
あとがきにてあぶくまは自身のことを「孤児の中にカウントされていない」と主張していたが、これは明確な嘘である。
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https://twitter.com/FukurowOKo/status/1663937672837210113
あぶくまは(恐らく否定派への反論として)あとがきにて以下のように記述している。
それとまだ決心がついていなくて 母・姉・弟・甥の死亡届は出していません
合冊版1巻後書きより抜粋
すなわちあぶくま君は、親族の死亡届を出しておらず、行方不明扱いのため、孤児としてカウントされていない=孤児として統計の数値に反映されていないと述べているのであるが、厚生労働省の資料は次のように定義している。
震災孤児とは、大震災により両親が亡くなった又は行方不明となった児童のこと。(ひとり親家庭であって、震災により、そのひとり親が亡くなった又は行方不明となった児童を含む。)児童の年齢は震災発生時に18歳未満であったものをいう。
すなわち母親が行方不明であっても、あぶくまは孤児として定義される存在である。
因みに東日本大震災含む災害の行方不明者は特別失踪として扱われ、危難が去ってから1年で、失踪宣告が認められ、遺体が存在しなくとも死亡したものとみなされるが、東日本大震災では特例で失踪宣告なしで死亡届の提出が可能となっている。(参考)死亡届を提出した場合、相続の手続きや生命保険の受取が可能になるなど、多数のメリットがある。
そして岩手・宮城・福島の震災孤児は241人確認されているが、少なくとも2015年にはその全員が児童相談所を通じて対応済みであることが確認されている。
朝日新聞という、曲がりなりにも大手メディアの一部門であり、その名を冠していることで、あぶくまに権威を与えてしまった、朝日新聞Globe+副編集長(当時)関根和弘であるが、やはり問題だらけの記者であった。
この記事を執筆した関根和弘だが、朝日新聞の記者というだけでもかなり胡散臭いが、モスクワ大学ジャーナリズム学部留学[1]に、ハフポスト日本版出向という更に胡散臭い経歴がある。
実際、関根はハフポスト時代に望月衣塑子を支援する中学生や、なでしこ寿司を取材、Globe+転属後も「車椅子乗車拒否」の伊是名夏子を取材しているが、いずれの記事もあぶくまの時と同じで「取材対象の疑惑や批判を無視して一方的な被害者と仕立て上げ、ネットからの批判は正当なものも含めて全て誹謗中傷として片づける」という姿勢で一貫しており、激しい批判にさらされていた。
一方の関根記者だが、南相馬市に裏取りをしたか否か質問した人や、あぶくまを否定する被災者を捨て台詞と共に悉くブロックしたり、その際に批判ツイートを晒しあげたり、自作記事を肯定するツイートと片っ端からリツートする中で「こいつらが流されて死ねばよかったのに」という過激なツイートをリツイートする等ツイカスじみた記者としてあるまじき行動を取っている。
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https://twitter.com/usausa_sekine/status/1449349244423262213
『「裏付け」は欠かさない』と豪語していたが、後にあぶくまが「直接的な本人はいない」と公言したことにより、記事内容が全くのデタラメであることが実証されたどころか、意図的にフェイクニュースを執筆した疑惑がかけられることになってしまった。
また、ロシアに関しては、t.A.T.uのMステドタキャンの真相を描いたエンタメ寄りの記事を書く一方、ロシアのプロパガンダを真に受けた記事を書いて、名指しで批判されたこともあり、やはり信用に足らないジャーナリストである。
近年では朝日新聞Globe+はロシアのウクライナ侵攻以降、度々ロシアを擁護する、朝日新聞に掲載できないような過激な主張を垂れ流しており、信頼に値しないメディアであることが窺える。
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https://twitter.com/rockfish31/status/1892785367851389337
2022年6月中旬、事態は急展開を迎えた。なんとあぶくまが講師として登壇するセミナーが開催されることが発表された。その名も「私があぶくまである理由 コロナ禍に始めた無謀な無謀な挑戦 -5万人以上を巻き込んだ震災アンチテーゼの動機-」というもの。アンチテーゼというのがこれまた被災者たちを侮辱しているとしか思えない。
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https://twitter.com/abukumakum/status/1551144652266508290
前述の通り、あぶくまはこの告知で初めて「東日本大震災で孤児、ホームレスを経験したあぶくま君」なる存在が実在しないことを認めたのだが、それ以上にこのセミナー、あぶくま本人に違わず怪しい動きを見せている。
このセミナーにはSpread From Fukushima、Fukushimafrogs、ウェブ解析士協会といった団体が絡んでいるものの、いずれの団体のTwitterアカウントもあぶくまと相互フォローになっておらず、どうやって連絡を取ったか不明[2]。
セミナーページは開催日の7月16日に非公開のまま開催時刻を経過したことから、結局この日にセミナーは開催されなかったとみられる。その後、当該ページは再公開され、開催日が8月13日に変更となったことが発表された。あぶくま含め、関係者が誰も告知していない不自然な状態が続いていたが、7月24日、ついに本人から告知された。「なんか」、「なんとなく」といった舐め腐ったような言葉が鼻につく。
また、この時追加された画像には3DCGと思しき姿のあぶくまがインタビューを受けている様子が写っている。「Vtuber」として紹介されているが2025年現在もVtuberデビューしていない。
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https://twitter.com/ejtter/status/1551200814664138753
ちなみにこのウェブ解析士協会、ウェブ広告やSNS運用などのデジタルマーケティングを扱う民間資格であるが、前述した通りの典型的な士商法で、最もスタンダードなウェブ解析士の資格でも、公式テキスト4400円、受験費用は17600円、年会費6600円と取得前と取得後両方でかなり費用がかかる割に、全く役に立たないと定評のある資格となっている。(参考サイト)
正直、あぶくま以外の講演も胡散臭そうなものが多すぎる気がする。
講演や電子書籍化の際、売り上げを寄付することを宣言したあぶくまだったが、その寄付額、寄付先等の内訳を現在に至るまで一切明かしていない。
またebookjapan販売サイトの売上の一部を、ebookjapan様を通じて寄付いたします。
PRTIMES 『15才の時に東日本大震災で被災し天涯孤独の身に…それからの体験をもとに描かれた漫画を「ebookjapanコミックス」で連載開始
』より抜粋
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https://twitter.com/abukumakum/status/1554826356680445952
連載から現在に至るまで、多数の豪雨があった他、最近では令和6年能登半島地震が発生しており、真っ当な寄付先は無数に存在するはずである。その中で寄付先を一切公開しない理由が全く見当たらない。あぶくま曰く、ebookjapanに問い合わせるといいらしいが、2025年現在、そのebookjapanから一切声明がない。
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https://twitter.com/ebookjapan/status/1640911660410912771
2023年3月29日の20話にて、「あぶくまが勤めていた会社が火災で全焼しそのまま解散」という超展開を以て、多くの疑問を残したまま、完結となったあぶくま君であったが、合冊版に描きおろしの漫画計9ページを書き記して以降、インターネット上では一切活動をしていない。
しかし、あぶくまの漫画はebookjapan以外にも数多くの電子書籍サイトで今尚配信され続けている。
レビューを見ると内容に騙された書き込みやフィクションであることを擁護する書き込みが多数あり、実話であることの撤回声明または配信停止がない限り、風評被害の拡散はこの先も続いていくとみられる。
あぶくまの作品は、デマを多く含み、東日本大震災を語り継ぐには全く相応しくない作品だった。にもかかわらず、漫画という取っ付きやすい表現だったことに加え、孤児、ホームレスという衝撃的な文言で注目を集め、Twitter上に投稿されたことにより、碌に検証されないまま、拡散されてしまった。その結果、現在でも南相馬市を始め、多くの人々に風評被害をもたらしている。
本記事を読んだ人々は、是非配信サイトのレビューに低評価をつけてコメントを書き込んだり、騙されている知人がいた場合は、虚偽に塗れていることを教授したりして、少しでも風評被害拡散に歯止めをかけていただきたい。
なお、あぶくまは合冊版1巻の後書きで「数字や字だけで被災地を判断しないでください」と悪びれず開き直っている。が、反証に使用したものを含め、東日本大震災を記録する資料は正規の行政機関や報道機関[3]、その他組織や団体が、実際に被災地や避難者を対象に調査して裏付けを取ったものであり、どちらの方が信頼できるかは自明である。
本件に限らず、デマ・偽情報に騙されないためにも、信用できる情報筋から調査・吟味し、情報の真偽を見極める能力である、メディアリテラシーを身につけることが重要である。
一、戦争や災害の犠牲者をからかうようなこと。
一、特定の職業を見下すようなこと。
一、民族や、国民、そして大衆をばかにするようなこと。この三つだけは、どんな場合にどんな漫画を描こうと、必ず守ってもらいたい。
これはプロとアマチュアとはじめて漫画を描く人とを問わずである。
これを犯すような漫画がもしあったときは、描き手側からも読者からも注意し合うようにしたいものです。
そしてこれを踏まえて、今も尚、デマに塗れた漫画を釈明も訂正もしないで発行し、デマの拡散と金儲けを止めない作者のあぶくま君および、電子書籍版を発行してデマの拡散に加担しているebookjapan、そしてその漫画を無邪気に肯定して、両者に加担し続けている全ての読者には今一度自らの所業を省みていただきたいものである。
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最終更新:2025/03/21(金) 18:00
最終更新:2025/03/21(金) 18:00
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