VRMMOとは、仮想現実大規模多人数オンライン(Virtual Reality Massively Multiplayer Online)の略称。
現在では実現されてなく、VRMMOは主にWeb小説で多用されるジャンルのひとつ。
VRMMOは、近未来のバーチャルリアリティ空間で実行されるネットゲーム(大規模オンラインゲーム)である。もっともVRといっても、視覚聴覚のみのVRゲームではなく、マトリックスのように5感全てで没入するタイプのものを扱ったジャンルを特に指す。
当然、現代の科学技術では実現化されてない。VRMMOは主にWeb小説で多用されるジャンルとして定着している。
まだ実現していない科学技術を前提としているため、必然的に近未来を舞台とするSF作品としての側面を持つが、SFよりも異世界ファンタジーの形式を前面に出した作品が非常に多く存在する。
これは、「バーチャル・リアリティが一般普及された世界」をSFとして描くのではなく、「ゲーム世界(異世界ファンタジー)」に主人公がトリップするという物語展開を円滑に進めるための舞台装置として、VRMMOが利用されているためだろう。
極めて限定的なジャンルに思われるが、意外と作品数は多い。特にWeb小説投稿サイトでは異世界転移モノには及ばないもののメジャージャンルの1つであり、「小説家になろう」では「異世界転移」「異世界転生」と並んでジャンル再編時に隔離措置を受けている。
単語としての初出はおそらくソードアート・オンラインの第二部である(形式は第一部で出てるが、VRMMOという呼称はなかった)。ただし類似の筋書きの作品は以前からも存在する。特にサイバーコネクトツー開発・バンダイ販売の「.hack」(2002年)はSAOのWEB版が連載されていた時期と非常に近い(内容はだいぶ異なるが) なお2002年は名探偵コナンの劇場版「ベイカー街の亡霊」(内容的にはMO)が公開された年でもあり、ある意味特異点とも言えるかもしれない。
それより遡ると高畑京一郎の「クリス・クロス 混沌の魔王」(1994年。どちらかというとMO)、岡嶋二人の「クラインの壺」(1989年。ただしこれはMMOではない)など。
メジャーアニメではドラえもんの劇場版においても類似設定がテーマになったことが何度かあり、「パラレル西遊記(1988年)」ではメインテーマとして採用されている。VRとしての味付けは薄いが、仮想世界の怪物が現実世界に影響を及ぼすという意味では先駆的な作品である。仮想世界という意味では「魔界大冒険(1984年/2007年)」「夢幻三剣士(1994年)」もテーマ的には近似しているが、設定的には仮想世界というより平行世界の方がより近い。
他に有名な作品としてはデジモンシリーズ(1999年~)がある。やってること自体はまさにVR世界の冒険そのものであるが、やはりMMOというよりはMOの方が近く、特に初期の作品はMO風味の傾向が強い。ただし視覚的にTVアニメという形で世間に認知させたことは重要度が高い。
またVR/ARというジャンルでは先駆的なアニメとして天才テレビくんのコンテンツで放送されていたバーチャル三部作「恐竜惑星(1993年)」「ジーンダイバー(1994年)」「救命戦士ナノセイバー(1997年)」も外すことはできないだろう。サブカル分野以外では映画「マトリックス(1999年)」の影響も無視できない。
いずれも形式的にはMOないしナビゲート付きソロプレイという形を取っているが、後のVR作品に与えた影響は小さくない。
現代日本のVRMMO作品において多大な影響を及ぼしているのがソードアート・オンラインである。実質的には異世界転移モノと言えるVR世界の現実化を除き、SAO以降のVRMMO作品におけるVR関連のギミックベースにされているほど影響力が強い。
また同一モチーフで作品数が多いため、量産的なテンプレ展開になりがちである。とくに、起承転結の「起」部分はテンプレ展開を外せないことが多い。そのため「起」以降をどう味付けしていくかが作者の腕の見せ所とも言える。
最も古典的なパターンがこれである。何らかの理由で没入型VRマシンから未帰還になる事件に主人公たちが巻き込まれていくパターンで、極端な例だと直接的なデスゲームにまで発展する。また何らかの形でログアウトはできるが、選択肢のやり直しがきかない上に場合によっては現実世界に影響を及ぼすというパターンも多い。亜種としてデスゲームだと読者や主人公たちに錯覚させるパターンも存在する。
代表的な例に.hackやソードアート・オンラインなどがある。
ただし近年は主流から完全に外れており、このパターンを主題として見るケースは稀である。原作掲載時期が古い作品に当てはまるケースが多いのもあるが、SAOが有名になりすぎて後続が出しにくい事情もあると思われる。
こちらも比較的古くからあるパターンで、プレイヤーがVRMMOの設定通りの異世界に飛ばされるパターンである。ログイン中の全プレイヤーが巻き込まれる場合と主人公を含む一部だけが転移する場合の2通りがある。ただしジャンルとしては異世界転移の一種でもあるため、VRMMOのジャンルとして見た場合は非常に微妙な立ち位置である。
前者の代表例としてログ・ホライズン、後者の代表例としてオーバーロードがある。
上述のVR問題化が主流から外れた後も、こちらのパターンは一定の勢力を保っており、比較的人気のジャンルではあるが最主流ではなく、小説家になろうにおける連載作品でも黎明期よりの作品が多めである。
理由としてはVRMMOに限らず、ゲームなどの創作世界に転移するというジャンルは二次創作を中心にオリジナル作品でも古くから多くある上に、現代においても創作では人気ジャンルであることから、VRMMOである必要性をしっかり考えないとほとんど意味をなさないため、主流から後退したのも致し方ないとも言える。
ただし創作の最主流からは外れているが、アニメ化される比率は成功例があるためか割と多い。2022年にはリアデイルの大地にて、賢者の弟子を名乗る賢者といった小説家になろうでも黎明期よりである作品が相次いでアニメ化された。
一番健全なパターン、かつ近年のVRMMO創作における最主流。亜種としてARやミニロボットを用いている場合もある。ただし有名作品に習ってか、アバターにおいて性別の偽りが出来なかったり、場合によってはほとんど手を加えられないパターンが多いほか、主人公はゲームに不慣れだが友人(または主人公の親族)は廃人ゲーマーであるという流れも半ばテンプレ化しつつある。
ただし作品によっては悪質な運営やプレイヤー、妙な方向に成長してしまった管理者側のAIなどと主人公一行が何らかの形で対決するという話が挿入される場合もある。ただしこの場合も主題になることはまずなく、あくまで遊ぶことがメインとなっている。
近年にアニメ化された作品として痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。、究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったらなどがある。
上記3つを複合させたパターン。基本的にはロー・ファンタジーに属し、VRMMOで起きた出来事によって現実世界が改変されていくジャンル。亜種、または複合要素としてVRMMO(ハイ・ファンタジー)で獲得した能力を現実世界(ロー・ファンタジー)でも使えるようになるというパターンもある。
基本的には善悪かは別として運営サイドの意図によって起こされており、現実世界の無関係な人々はもちろん、大半のプレイヤーにすら気付かれないまま現実世界が改変されていくことが多い。
近年に書籍化された作品の例としては、美少女になったけど、ネトゲ廃人やってます。(※ただしコミカライズでは現実改変に触れる前に連載終了)などがある。
未だに現実世界では創作ほど高いクオリティを実現するには至っていないが、個人向けのゲーム機でもモーションキャプチャが既にPS2のEyeToyを先駆けに、XBOXのKinectなどで実現している。
またVR向けのサービスでも360°見渡せる動画や配信サービスは既に実用化されており、高速通信の5Gや6G以降の通信の高速化なども相まって、2020年代には完全没入型のVRゲームは難しくとも、限りなく現代の創作に近い再現度を誇るゲームは現実的なものになる可能性が高い。
ただしVR機器のハードルがいまだに高く、スマホの拡張機能を補助するだけのなんちゃってVRゴーグルはともかく、本格的なVRゴーグルは値段が非常に高く、エントリーモデルでも3~5万、ミドルレンジなら8万前後、ハイエンドともなればPC同様に上限が見えない額になってしまうのが問題な上、パソコンやスマホ同様に代替わりが早く2年もたてば当時のハイエンドがミドルレンジ並みに型落ちしてしまう。
また本格的なVRゴーグルは単独でもサービスを楽しめる機種もあるが、真価を発揮するには子機として親機(PCやゲーム機)に接続する必要があり、このPCにも相応のメモリとビデオカードを積まないとまともに扱えない。PSVRを例にとると、最低でもPS4 Proの性能が無いと動かないことがその証拠である。また最低ラインのスペックでもBTOショップで13万前後のPCが推奨されており、妥協すれば9万前後まで下げられないこともないが、処理落ちやVR酔いなどを覚悟する必要が出てしまう。
特に2021年以降、新型コロナの影響からくる半導体供給不足による相場の高騰や円安などにより、ゲーミングPCの関連商品も大きな影響を受けて相場が高止まりしているため、新規で買うにはかなり割高になるのもマイナスとなっている。
更に致命的なことにVRゴーグルそのものが高いにもかかわらず、転売で稼げる商品として認識されてしまっており、定価で買えないこともあった。実際にPSVRは転売の餌食となって売り時を逃してしまい、現在はキラーソフトが出ないこともあるが空気ハードと化してしまっている。現在のVRゴーグルは欲しい人に行きわたったためか転売熱はある程度落ち着いているが、創作で見るような画期的なVRゴーグルが出た場合、転売熱が再燃する可能性が高い。
なおマトリックスやSAOなどに代表される完全没入型のVR機器に関しては現実世界においても一応構想や研究・開発テーマとしてはしっかりと存在しており、VR業界においても最終目標の到達点の一つらしいのだが、2021年時点では今のところ技術的には目途が立っていない状況とのこと。実現すればアミューズメント分野だけでなく、医療分野などでも多岐に活用可能であるため、研究の進展を望みたいところである。
これらの問題はあるが、夢物語ではなくなってきているので、いつか実現して一般人にも体験できるハードルに下がってほしいことを願うばかりである。
掲示板
227 削除しました
削除しました ID: jlFbMtRYnt
削除しました
228 ななしのよっしん
2024/04/28(日) 06:54:52 ID: Q2TCugzu6y
>>>>215
気持ちは分かるが、剣を振るならリアルの運動神経が必要になってくるぞ
大体の人は運動神経がないからゲームやってるだろうに
だからSAOみたいなVRゲームはたぶん流行らないだろうなぁって思う
SAOが求めるスキルとゲーマーの持ってるスキルが違いすぎるもん
まぁ、世界が望んだのは
ゼルダの伝説 スカイウォードソードではなく
ブレワイだったってこったな
世界に没入したいならVRゴーグルで十分だし
229 ななしのよっしん
2024/04/28(日) 07:00:26 ID: Q2TCugzu6y
>>225
結局、他人とコミュニケーションとるならテキスト形式が一番楽だからね
電話でさえしたくないのが現代人なのに
わざわざアバター作って対面するとかしたくない
気楽に楽しめないと流行らない。だからソシャゲが流行ってるわけで
むしろ、今は不登校児向けのメタバーススクールができたりしてるから
ソッチ方面でVRが流行る可能性があるかもね
提供: GES#0571
提供: 大好き!模造アイドル
提供: よしお
提供: 試製ガーリバス
提供: ゆうきち
急上昇ワード改
最終更新:2025/03/26(水) 03:00
最終更新:2025/03/26(水) 03:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。