ビデオカードとは、パソコンにおける画面表示を制御する拡張パーツである。
日本、というかニコニコの方では「グラフィックボード」という呼び方のほうが一般的だろうか。
現在のWindowsパソコンのルーツと言える、IBM PCおよびその互換機のデスクトップモデルには、本体側に画面表示用のプロセッサーが搭載されておらず、拡張スロットにビデオカードを装着する形で提供されていた。
そのため、より高性能のビデオカードを装着することで、画面表示の拡張が容易に行えた。
実用的に進化したWindows 3.0の登場とともに、ビデオカードはDOSの画面だけではなく、Windowsのウィンドウ表示機能(GDI)の処理を高速に行える性能も求められるようになった。
特にWindowsでの画面表示の高速化を追求したビデオチップを、ウィンドウアクセラレーターとも呼ぶようになった。
日本国内においても、国民機と言われるほどの普及を誇ったPC-9800シリーズでも、内蔵のグラフィックチップでは対応できず、拡張スロットに装着する形でウィンドウアクセラレーターボードが登場している。
1990年代には、DOS用のゲームとして3DCGに対応したシューティングゲームが登場するが、Windowsでもこうしたゲームに対応すべく、Windows 95からDirectXというゲーム向けのソフトウェアライブラリーが登場し、ビデオカードも3DCGの高速表示にも対応できるものが求められるようになった。
Windows VistaではWindows Aeroの登場によりグラフィックカードの重要性が更に増した。
今日においては、高解像度化された動画の再生および圧縮処理、並列的な科学技術計算、そしてAIイラストの画像生成を始めとした生成AIにも使われるなど、画面表示という領域から特定用途の高速処理用にまで使われるようになっている。近年ではマイニングやAI生成技術などに用いられる事もあり、値段も高騰している。
画像生成AIの技術はゲームにも転用され、フレーム補完によるフレームレート向上に役立っている。今のところはRADEONだとRX6000世代以降のグラボ、NvidiaならRTX2000シリーズ以降のグラボで使用出来る。(RADEONのRX6800の場合最新ゲームだとイマイチ違いは分からなかったがフレームレートが低い状態で固定されているレトロゲーム(電車でGO!等)だとヌルヌルになって驚いた記憶がある。)
1990年代~2000年代は様々なメーカーがグラフィックボードのチップを製造していたが、2000年代以降は概ね
の23社が占めるようになった。(なおELSAや玄人志向等は製造されたチップにメモリやクーラーを取り付けて販売、サポートしている所でチップを製造している所ではない。)
ゲーム性能はNvidiaの方が強いらしいが、AMDもPlayStation4・5のチップを製造していた事もありなかなかの性能である。AI性能は2025年現在Nvidiaがリードしている。グラボによっては性能だけでなくシェーダーがキチンと描写されるかどうかの違いもある。(Nvidia以外だとシェーダーが抜けたり妙な色になる事も)
2020年代のAIブームの到来に伴い「Intel」も「Arc」ブランドでグラフィックボード事業に参入したがゲーム性能はイマイチな模様。
黎明期は文字通りカードみたいな基盤に申し訳程度にヒートシンクが付いてるだけで、ファンが付いていたらハイエンドといった感じだったが、進化とともに排熱も大きくなった為巨大化が進み、2000年代後半では9800GTXで2スロット占有、2011年にハイエンドでは2スロットどころか3スロット分専有するグラフィックカードも見られるようになった。(GPUもこの頃1枚に2機搭載するのがウルトラハイエンド製品で存在した。)その後プロセスの微細化により再び2スロット強のものが主流になったが、2020年代に入ると再び巨大化し、(但しこの頃から1枚のグラボに乗せるGPUはウルトラハイエンドでは巨大化した代わりに1機に)3スロット近く占有し300mm近い大きさのグラボが再び主流になってきた。(マザーボードもこの流れに合わせ、グラボの刺さるx16スロット下にスロットではなくM.2のソケットを付けるケースも出てきた。それはそれで排熱的に問題だが)それに伴い重量も増加し、2kg近く行くグラボも出てきた為、グラボとPCケース底部をサポートステーで支えないとマザボのスロットがもげたりグラボの重さ自体で変形し動作不良を起こしかねない事態になっている。PCケース側にサポートステーがついている場合もある。(なお3スロット厚のグラボの場合、3スロット分のプラケットを装備する場合と2スロット分のプラケットのみを装備する場合がある。どちらのグラボを使っても3スロット分使えないのは変わらないので好みで選ぼう。)
なお2010年代以降はLANやサウンド機能等はマザーボード上に搭載されている事が多いので極端な話マザーボードに刺さっている拡張カードはグラフィックカードのみの事が多いのでこういった傾向になっているものと考察される。一方グラフィック機能も古くはマザーボード上、2010年代辺りからCPUに内蔵されるようになってきたが、こちらの性能はCPUと同じ世代のミドルレンジ以上のグラフィックボードに比べると3Dゲームをプレイする場合等で性能が大きく劣る事が多く、現在まで拡張カードという形で残っているものと思われる。
TDPもドンドン大きくなり2000年代後半の9800GTX+で140W程だったのが2025年時点ではRTX4090で450W、RTX5090で575Wとなかなかの消費電力である。(勿論こんな性能が必要な人は限られているがこの記事のこの部分の編集をしている編集者の使用しているRX6800はTDP250Wである)
当然電源も大容量のものが必要になってきており、2023年には電源ユニットでATX3.0という600Wの電気の供給が可能なコネクタを使用出来る規格が制定された。2025年時点ではコネクタに改良を加えたATX3.1が最新である。
一方で1スロット厚で十分なグラボについてはAMD/Intel共に内蔵グラフィック性能が向上している事もあり、ネットブラウジングやエクセルやワードを使う程度であればグラフィックボードは必要ない事が多い、また2画面程度の出力もマザーボードに端子があれば可能な事が多く、場合によっては4画面の出力も可能である。この為
等従前に比べて需要が限定的な物になってきている様で最近の物では製品数も少なくなっており、またミドルレンジ製品に比べて高価格になりがちでコスパが悪くなっている。またハイエンド~ミドルレンジと違い2~3世代事に新製品が出る傾向にある(一番性能の低い最新世代はNvidiaのGT1030・RADEONがRX550)他にミドルロー製品では小さいPCケースに入れる用にハーフサイズのプラケットに対応しつつも2スロットな製品もあるが、こちらもコスパはそんなに良くない。
そういった事情もあり、ゲームをする場合のグラフィックボード選びはフルサイズで2スロット以上の物が主流になっている。
ちなみにパソコンだけでなくパチンコ台のディスプレイやアーケードゲームの画面出力にも使われている模様。パチンコ台はGTX750、アーケードゲームは艦これの場合でGTX650、電車でGO!!だとなんとGTX1080が刺さっている。
実はかなりいろんな呼び方がある。アーキテクチャーによってはグラフィックボード(略してグラボ)、グラフィックカード、ビデオカード、ビデオボード、ウィンドウアクセラレーターとも言われる。
英語圏ではビデオカード、グラフィックスカード、ディスプレイカード、ディスプレイアダプター、グラフィックアダプターという呼び名になっている。
なお、ニコニコ動画ではビデオカード、グラフィックボード、グラボのタグが現在最も多いようだ。
掲示板
45 ななしのよっしん
2024/11/10(日) 21:08:46 ID: wudfXME4Eq
やっぱVRAMガン済みしか勝たんからね(RX6800ユーザー)
46 ななしのよっしん
2024/11/11(月) 18:03:24 ID: WRjAj3t+/5
すまねえラデオンはさっぱりなんだ。Ryzenだからグラボもと思わないでもないが、Gefoceは使い慣れてるからね。
あと4070はVRAMっていうか、省電力でより性能が出るのに10万切ってるモデルがあるあたりが羨ましい。4000番台が出たころはこんなに安くなるとは思わなかった。
47 ななしのよっしん
2025/01/06(月) 19:00:49 ID: dIxUlMxP7g
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最終更新:2025/03/27(木) 12:00
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