鱧(ハモ)とは、ウナギの仲間の魚である。日本では紀伊水道から播磨灘、また豊後水道、早崎瀬戸(長崎と熊本の間の海域)で多く獲れる(また、山でも獲れる)。名の由来は何でも食む(はむ)ことから。京料理などで使われる食材として有名。
調理法に関して最大の特徴は多数存在する小骨を処理するための骨切りという下準備が必要になること。
この技法は鱧の小骨を何度も何度も包丁を入れることによって硬い小骨を処理するというもの。骨切りをマスターするには相当の期間の訓練が必要であるといわれている。
鱧の国内消費の4割以上が京都市である。祇園祭にも鱧料理は欠かせなくなっており、代表的なものに鱧のおすましや鱧の湯引き、鱧の天ぷらなどが挙げられる。
そもそも、京で鱧が持て囃された理由は、その鱧の凄まじい生命力である。京の都は内陸の盆地にあり、高速な移動手段も冷蔵、冷凍技術もなかった昔、夏場にいくら都に新鮮な魚介を運ばせても他の魚介はすぐ腐ってしまうのに対し、鱧だけは腐ることなく、活きの良さを見せていたという。
そのため、京の人々にとって鱧は、夏場におけるただ一つの新鮮な海の幸だったのである。俚諺に京都の鱧は山で獲れるというのがある。近くの村人が、山道で行商人の籠から落ちた鱧を見てみると、まだびちびちと動いていたという話だそうだ(真偽の程は不明)。
ただ、鱧は小骨が多く食べづらいという難点があった。それを克服したのが骨切りであり、この骨切りの発明によって鱧の食文化は一気に花開いたといえるだろう。湯引きなどが生まれたのもこの骨切りのためで、また夏場を乗り切る食材として持て囃された(梅肉を添えたりするのはそのため)。今日、京都は交通網の整備や冷蔵、冷凍技術の発達により、丹後、北陸方面から新鮮な魚介類が入ってくるが、それでもなお、鱧は京都に住む人々にとって、初夏を告げる食材として欠かせない存在となっている。
なお、大阪も鱧の消費量は多い方で、大阪最大の祭りの一つである天神祭には欠かせない食材となっている。そして京都より相場が安いので、鱧を食べてみたいなら大阪の方がオススメかも知れない。
一方の関東では骨切り技術が伝わらなかったことと、にぎり寿司や天ぷらが江戸から生まれたように、他に新鮮な魚介が豊富であったことから、鱧の消費量は関西の1割と高くない。今まで鱧を食べたことないという人も少なくないなど、関西とはまるで対照的な扱いである。この辺りはベラや鯛と同じで、流れの速い海域でないと身が締まらず、水っぽくなって美味しくないという理由もある。
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最終更新:2025/03/30(日) 14:00
最終更新:2025/03/30(日) 13:00
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