されど罪人は竜と踊るとは、浅井ラボの手によりEuphractus sexcinctus(亜留間次郎)と共に量子論的な空虚から産まれた幾多の綺談であり、角川スニーカー文庫からは指折り数えてみるとトリボナッチ数の5番目になりメルセンヌ数の2番目だったり。あとリメイクされたガガガ文庫からは指折り数えると安全素数やフェルマー素数が見つかるよ! ……つまりそれぞれ7巻(+過去編)と5巻出版されてます。
主人公のガユス・レヴィナ・ソレルは神による(もちろんここでは神という巫山戯たものが存在するとすれば、と仮定した場合の話だが)被創造物であれば森羅万象にいたるまで、彼の大脳皮質で復号された視覚におけるそれらの3次元情報を極めて有意なものにしてしまう、という先天的不治衒学症候群を患っており、これは極東の島国で一部篤信されているというマトレイーヤがこの此岸に復活する56億7千万年後まで治ることはない。しかし遺憾ながらもその遙か以前の段階でガユスの寿命は尽きてしまうことだろう。もっとも、仕事中に長命竜(アルター)の瞋恚に触れて殉職するほうが早いだろうが。
……まあようするに、本シリーズはかなり文章が濃ゆいです。通称され竜。
竜や狼男がいる世界。
演算装置である魔杖剣を使いプランク定数を変更。電磁気力や重力を操作、あるいは物質を自在に生み出すことができる人種、彼らは咒式士と呼ばれた。
怪物の掃討や人捜しまで依頼を行う『ダメ攻性咒式士』、ガユスと相棒のギギナが出会う、依頼という名の事件たちが語られる。
ファンタジーともSFともつかない世界観が魅力のひとつ。またほとんどの物語が鬱展開で食人や解剖、堕胎など、
エログロもふんだんに取り入れられているため『初の暗黒ファンタジー』という肩書きを持つ。
先に出版されたのは角川スニーカーでのデビュー作から続く一連のシリーズで、ガガガ版はそれらを全体的に改稿し「真説版」と銘打ったもの、ということになっている。読んだ印象も両者で異なり、角川版がまるで難読性を狙ったように文章に癖があるのに対しガガガ版は比較的平易で、ストーリーも恋人ジヴァーニャや新聞記者、店主たちとの関わりが増え主人公の鬱度は低くなったような気がする(当社比)。しかしだからといってガガガ版のほうが優れているというものでもなく、角川版に読み慣れた人にとってガガガ版は薄い、物足りないと感じるかもしれない。
ストーリーは1,2巻まではどちらも粗筋が同じだが、それ以外は短編集である角川版の三巻が、エピソードを足され文章も変わりガガガ版の5巻となっていること以外、それぞれのストーリーは全く独自のものである。なので初めてされ竜を読んでみたいという人は、
……というような読み方がある。
魔法使いが杖をふり奇跡を起こす、そんなファンタジーは本書にはない。
例えば空中から炎を出して敵を倒したければ、
というような手段がある。
ライトノベル
鬱
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最終更新:2025/12/06(土) 05:00
最終更新:2025/12/06(土) 05:00
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