ふたなりシュークリームとは、ふたなりなシュークリームである。
小さなパイ生地の割れ目を押し広げると、その上に鎮座する小ぶりのバナナは不安げにぴくりと震えた。
私はバナナの表面に手を伸ばす。つるりとした皮を剥ぎ、甘い匂いを漂わせる果肉を外界へと曝け出した。
弄ばれた果肉は指の中で熱を持って膨らみ始め、やがて一個の生き物のように屹立していった。
私は覚悟を決めて、自前のカスタードクリームがたっぷり詰まった絞りをあてがうと、
まだ何も受け入れたことの無い、無垢な割れ目の中に挿入していった。
何かを破るような感触と共に、痛々しい赤色の苺ソースが染み出したが、構わず抽送を続行する。
しかし、オーブンの熱気を保った生地の内側は、ざらついた表面で絞りの先端を刺激し、きつく締め付けてくる。
その感触に、私はたまらずカスタードクリームを搾り出した。
力が入りすぎていたのか、自分でも想像していなかった程のクリームが放たれる。
どろどろとしたカスタードは割れ目から漏れ出て調理台に溢れ出す。袋の中身は瞬く間に空になってしまった。
私がカスタードを出した瞬間、天高く反り返ったバナナの先端からも生クリームが噴き出していた。
破裂したかのように放出された生クリームは、バナナの皮に留まらず、なだらかなパイ生地をも汚していった。
やがて互いにクリームを出し尽くしたことを確認すると、私はぐったりとしたバナナの果肉に手を伸ばし、
その表面からどろりとした生クリームを絡めると、指をパイ生地の割れ目へと突っ込んだ。
シューの中でカスタードの黄と、生クリームの白、そして苺ソースの赤が交じり合い、グラデーションを描く。
内側を激しくまさぐられる感覚に反応したのか、バナナは再び屹立を始めつつあった……
ご覧の通り、『ビタナリッシュクリーム』の空耳。チャンドンゴンの台詞ではなく、ナレーションの空耳である。
なお、ビタナリッシュクリームとはオージオ化粧品が販売する『ビタナリッシュシリーズ』の商品の一つ。
ビタナリッシュとは『Vita(栄養)』と『nourish(豊かにする)』 を組み合わせた造語である。
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最終更新:2025/12/23(火) 22:00
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