もののがたりとは、作者オニグンソウの漫画である。
2014年5月号から2016年1月号まで『ミラクルジャンプ』で
2016年2月号から『ウルトラジャンプ』に移籍し、2023年7月号まで連載された。
単行本15巻
2023年1月よりアニメ放送開始。
概要
歳を経た器物は、やがて“心”を宿し、
付喪神となる──
塞神より力を授かり付喪神と対話し、
常世へ還す生業──“塞眼”。
塞眼御三家の一つ・岐家の次期当主、
岐兵馬は大切なヒトを奪われ付喪神を憎悪する。
千年の都、京都で暮らす
長月家の当主、長月ぼたんは”家族”として
愛する六人の付喪神と共棲する。
過去に囚われ、力ずくで付喪神を
封殺し続ける兵馬に、祖父造兵は
「彼らの声を聞き、導くこと」を指し示す。
祖父が出す条件は今一度、
付喪神を見極めるために
居候として長月家で家族と共に過ごすこと。
付喪神へ正反対の想いを抱く兵馬とぼたん。
二人は出逢い、一つ屋根の下で暮らすこととなる。
人と付喪神。縁を紡ぐ付喪ノ語り
(アニメ公式サイトより)
登場人物(人間)
- 岐 兵馬(くなと ひょうま) CV:大塚剛央
塞眼御三家の一つ、岐家の次期当主、21歳。
過去に兄と姉を付喪神に殺され付喪神を憎んでいる。
塞眼は本来付喪神との対話にてその後の対応を決めるものだが、人間の真似をして人の世にいる付喪神を問答無用で封印するきらいがある。
過去の事を除いても性格が堅く真面目すぎるのが玉に瑕。恋愛ごとには初心で、ぼたんの婿候補として迎え入れられた事を知った時は、平静を装いつつ内心とても動揺していた。
- 長月ぼたん(ながつき ぼたん) CV:高田憂希
長月家の当主。20歳、大学生。大学の友達からは「ぼんちゃん」と呼ばれている。
彼女が生まれてからずっと『婚礼調度』と呼ばれる付喪神6人を家族として慕い、共に暮らしている。彼らを危険だと言い張る兵馬に怒りをぶつけるが後に和解。恋愛ごとには兵馬同様初心で、『婚礼調度』たちが兵馬を婿候補として見定めていることを知り真っ赤になって慌てることに。
- 岐 造兵(くなと ぞうへい) CV:家中宏
岐家の現当主で兵馬の祖父。塞眼の一人。
孫で次期当主の兵馬の強引なやり方を見かねて長月家に相談する。
- 岐 隼人(くなと はやと) CV:高橋英則
兵馬の兄で鼓吹とは双子。
16歳で当時の造兵を超える戦闘術の天才。
しかし唐傘の付喪神に殺される。
- 岐 鼓吹(くなと くすい) CV:潘めぐみ
兵馬の姉で隼人とは双子。
優しい性格で、親代わりに兵馬の面倒を見ていた。
唐傘の付喪神に殺される。
- 恵(けい) CV:陶山恵美里
ぼたんの大学の友達。
- 夏希(なつき) CV:柳原かなこ
ぼたんの大学の友達。
登場人物(付喪神)
婚礼調度
- 羽織(はおり) CV:沢城みゆき
『婚礼調度』と呼ばれる付喪神の一人で〔羽織〕の付喪神。
見た目は金髪で眼鏡をかけた大人の女性で、『婚礼調度』達のリーダー的な立場。
ぼたんと兵馬の出会いがぼたんの幸せにつながることを期待している。
- 薙(なぎ) CV:小林親弘
『婚礼調度』と呼ばれる付喪神の一人で〔刀〕の付喪神。
見た目は目つきの鋭い男性。
豪快で喧嘩早く、言葉遣いも荒いが、ぼたんの為ならどんなに汚い仕事も飲み込めると語る。
兵馬とはぼたんの件で一戦交えるが、兵馬の裏表ない言動に一番に居候する事に賛同した。
- 結(ゆう) CV:上田麗奈
『婚礼調度』と呼ばれる付喪神の一人で〔簪(かんざし)〕の付喪神。
見た目は長い髪を括った女性。
冷血な性格だがぼたんの事になると態度が豹変し、ぼたんを傷つける者には容赦ない。
- 硯(すずり) CV:中島ヨシキ
『婚礼調度』と呼ばれる付喪神の一人で〔硯(すずり)〕の付喪神。
見た目は軽そうな若者。
人間の「楽しい」という心を理解したいと女性に声をかけている。
本人はナンパではないと言うが、好みではない男性には声をかけない。
- 鏡(かがみ) CV:田中あいみ
『婚礼調度』と呼ばれる付喪神の一人で〔鏡〕の付喪神。
見た目は可愛らしい幼めの少女。
少女漫画や恋愛に興味がある。
雲外鏡、そしてその元となる照魔境の能力を持ち、付喪神の経歴を見ることができる。
外飲みモードではスタイルの良い女性に変化できる、戻して。
- 匣(くしげ) CV:????
『婚礼調度』と呼ばれる付喪神の一人で〔匣(はこ)〕の付喪神。
見た目は長い髭を結んだ巨躯な男性。
殆ど喋らず、喋っても巨体からは想像できないほど声が小さい。
ぼたんのある力を封印している。
京都三大付喪神とその関係
- 挂(かい) CV:楠大典
特例付喪神で〔大具足〕の付喪神。京都三大付喪神の一角。
大具足は弓・矢・刀・鎧(よろい)などの総称で、普通より大きなもの。
江戸時初期から存在し、その時代は戦力として特例認定されたが、現代ではその力を使う所はなく強大ゆえに斎(いつき)の結界に封じられている。
その時の条件が「結界に閉じ込める代わりに、遊び相手をいつ誰を指定しても良い」というものなので、好きに呼び出しては不意打ちを行う趣味がある。
- 斎(いつき) CV:田所あずさ
挂(かい)を封印できる〔玉垣〕の付喪神。金髪の少女の姿をしている。
玉垣は神社・神域の周囲にめぐらされる垣のことである。
本人自身には戦闘能力はない。
叢原火(そうげんび)
全員が処刑・拷問に用いられた道具を器としている。
長月家の『婚礼調度』が人間に従い同族狩りをしているのが気に入らなくて襲おうとしていた。
- 火搔(ひかき) CV:堀井茶渡
火搔棒の付喪神。
見た目はモヒカンの男性。
- 鉤縄(かぎなわ) CV:藤井隼
縄の先に鉤(フック)が付いた付喪神。
見た目は長身の男。
- 紙縒(こより) CV:内野孝聡
紙縒は細く切った紙をひねってひも状にしたもの。
見た目はフードを被った少年の付喪神。
- 鋏(やっとこ) CV:なし
やっとこは、針金や板金などをつかむための鉄製の工具。
元々は挟むだけ能力しかないがハサミのように切れる。
見た目はかなり大柄の男の付喪神。
- 灰均(はいならし) CV:こばたけまさふみ
灰均は火鉢、炉などの灰をかきならす金属製の道具。灰おし。
火搔の兄貴分。
- 挽切(ひききり) CV:三宅健太
挽切は通称キリと呼ばれる、木の繊維に対して直角に挽く横挽き用の鋸(のこぎり)。
叢原火の幹部の一人。見た目はアフロの男性。
- 笞(しもと) CV:松田利冴
笞は昔、罪人を打つのに用いた鞭。
叢原火の幹部の一人。見た目はドレッドヘアーの女性。
- 筵(むしろ) CV:株元英彰
筵は藁(わら)やイグサなどで編んだ簡素な敷物。
広義では藁莚(わらむしろ)、茣蓙(ござ)、畳表、菰(こも、薦)などの総称。
叢原火の幹部の一人。
特例付喪神
- 煽(あおぎ) CV:沖野晃司
〔鉄扇〕の付喪神。細目の男性の姿をしている。
情報屋として内部調査や諜報活動を行っている。人間だけでなく付喪神からも依頼が来る。
- 袿(うちき) CV:浜田賢二/???
〔十二単(じゅうにひとえ)〕の付喪神。
十二単は俗称で正式には五衣唐衣裳(いつつぎぬからぎぬも)。
平安時代後期に成立した公家女子の正装。
見た目は男だが、何層にも身体があり、破損すると脱ぎ捨てていく。残り3枚になると実は……。
煽(あおぎ)とコンビ。
その他
- 薬研(やげん) CV:和優希
薬研は、薬材(生薬など)などを碾いて粉末化したり、磨り潰して汁を作ったりするための伝統的器具。
見た目は妙齢の女性の付喪神。
いつ自分が処分されるのか疑心暗鬼に陥っている。
専門用語
- 塞眼
塞眼神(さえのめのかみ)から力を受け、現世と常世の間を監視する警察のような仕事。
主に付喪神を対話で送り返す。
- 付喪神
長く使われた物に魂が宿ったもの。
大概は現世で目覚めた事情が分からず暴れだす者が多く、それを鎮めるのも塞眼の仕事
- 婚礼調度
基本的には嫁入りする時に持っていく道具の事。
江戸時代では数十〜数百種類からなり文房具、楽器、喫煙具、化粧道具、香道具、茶道具、飲食具、遊戯具、装束類、書画、運搬具、武具など、日常生活や特別な儀式の場において、女性の生活に必要とされたあらゆる調度が婚礼のために誂えられる。
長月家の『婚礼調度』はぼたんの嫁入り道具で6対。塞眼代行として同族狩りをしている。主であるぼたんの旦那様を迎え入れ、良縁を結ぶことを本懐としており、長月家に居候することになった兵馬を婿候補として見定めている。
- 引手
兵馬の持っているのは襖に取り付けられている引手と言われる金具。
現世に現れた付喪神を常世へ送る塞眼の力で付喪神の身体を強引に送り返す。
殺された兄姉から譲り受けた。
- 特例
現世に来た殆どの場合付喪神は常世へ送られるが、審査に合格し条件付きで現世に留まる許可を得た付喪神の事。
『婚礼調度』と呼ばれる付喪神たちは塞眼の仕事を代行するのが条件でぼたんと暮らしている。
関連動画
各話リスト
| 話数 |
サブタイトル |
ニコニコ |
dアニメ |
| 第1話 |
ヒョウマ 兵馬 |
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| 第2話 |
テイセン 汀線 |
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| 第3話 |
イツリュウ 溢流 |
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| 第4話 |
ミッケイ 密契 |
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| 第5話 |
ギワク 疑惑 |
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| 第6話 |
ボタン 牡丹 |
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| 第7話 |
タイドウ 胎動 |
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| 第8話 |
キョウガイ 境涯
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| 第9話 |
カイカ 怪火
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| 第10話 |
ゲンヨウ 眩耀
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| 第11話 |
アンセン 暗箭
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| 第12話 |
カメイ 花明
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原作サブタイトル
太字はアニメに採用された物
第1話 塞目(サエノメ)―常世と現世を隔てる神とその力を受けた者たちの事。
第2話 兵馬(ヒョウマ)―この作品の主人公、岐 兵馬(くなと ひょうま)の事。
第3話 汀線(ていせん)―海面と陸地とが接する線。なぎさの線。浸食などにより、絶えず変動する。
第4話 残夢(ザンム)―見残した夢。目がさめても、なお、心に残る夢。
また、明け方近くなってうとうとしながら見つづける夢。
第5話 溢流(いつりゅう)―あふれ流れること。
第6話 密契(ミッケイ)―内々のちぎり。秘密の約束。密約。
第7話 融融(ユウユウ)―とけ合ってなごやかなさま。のどかなさま。
第8話 挂甲(ケイコウ)―小札(こざね)をつづり合わせてつくった防御具。
第9話 疑惑(ギワク)―本当かどうか、不正があるのではないかなどと疑いをもつこと。
第10話 牡丹(ボタン)―ボタン科ボタン属の落葉小低木
第11話 爛漫(ランマン)―花が咲き乱れているさま。
光り輝くさま。明らかにあらわれるさま。
第12話 胎動(タイドウ)―母の胎内にある子が動くこと。
比喩的に、ある情勢のもとで動きが表面に現れようとしていること。芽ばえ。
第13話 門守(カドモリ)―塞眼の家の一つ。京都守護。
第14話 修羅(シュラ)―嫉妬、猜疑(さいぎ)から起こる争い。
また、長い闘争、戦争、激しい怒り、情念などのたとえ。
第15話 哀婉(アイエン)―あわれで美しく、しとやかなさま。
第16話 境涯(キョウガイ)―人がこの世に生きていく上で置かれている立場、地位など。心境。境地。
第17話 怪火(カイカ)―ふしぎな火。なぜ出るのかわからない、気味の悪い火
第18話 呻吟(シンギン)―苦しんでうめくこと。
第19話 牛鬼(ギュウキ)―西日本に伝わる妖怪。主に海岸に現れ、浜辺を歩く人間を襲うとされている。
第20話 眩耀(ゲンヨウ)―まばゆいばかりに光りかがやくこと。まぶしくて目がくらむこと。
第21話 同志(ドウシ)―こころざしや主義・主張を同じくすること。また、その人。
第22話 暗箭(アンセン)―ひそかに放たれた矢。陰で人を中傷したり陥れたりする行為・計略。
第23話 涓滴(ケンテキ)― 水のしずく。したたり。点滴。
わずかなこと、些細(ささい)なことをたとえていう。
第24話 幽闇(ユウアン)―暗く明らかでないこと。暗くてひっそりしたところ。また、そのさま。
第25話 花明(カメイ)―花が咲き乱れて夜でもそのあたりが明るく感じられること。
特に、一面に咲く桜が闇の中でもほのかに明るく見えること。
第26話 休日(キュウジツ)―「休みの日」のことであり、業務・授業などを休む日。
第27話 出手(ズルテ)―舞楽の登・退場楽において、舞台に登ったとき,降りるときの所作の一つ。
第28話 番舞(ツガイマイ)―雅楽、舞楽作法上の用語。
左右の舞から舞姿の様式、装束の形式が同数のものを一曲ずつ組み合わせて
ひと番(つがい)にしたもの。番の舞。つがい。
第29話 暗鬼(アンキ)―くらがりに見える鬼。妄想からひきおこされる恐怖心。
実際にはないことを、あると思ってこわがる気持。
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