エドウィン・フィッシャーとは、銀河英雄伝説の登場人物である。
CVは鈴木泰明(石黒監督版)、園江治(Die Neue These)。
自由惑星同盟軍人、最終階級は中将。
乗艦はアガートラムおよびシヴァ(石黒監督版OVA)、マナナン・マクリル(Die Neue These)。
ヤン艦隊の副司令官として、ムライ、パトリチェフらと実質的なスリーアミーゴスになっていた。
宇宙暦796年、自由惑星同盟軍第4艦隊麾下の指揮官(准将)としてアスターテ会戦に参加、第4艦隊では唯一善戦した。その後、第13艦隊の創設にともない副司令官に就任。同艦隊のイゼルローン要塞攻略後、少将に昇進し、イゼルローン駐留艦隊でも副司令官を務める。
799年、中将に昇進。バーラトの和約後も軍に残っていたが、ヤンの同盟脱出後はチュン・ウー・チェンから残存艦隊の一部を預けられ、ムライやパトリチェフと共にハイネセンを脱出し、ヤン・イレギュラーズに合流した。
回廊の戦い本戦にて、黒色槍騎兵艦隊の総攻撃を受けた際にMIAとなり、そのまま戦死とされた。
ヤンからは「艦隊運用の名人」と評されていた。司令官の意図通りに艦隊が行動し、狙ったところに火力を集中する為には、各艦の指揮系統と司令官の命令がきちんと連動していなければならない。これは日本海海戦における、バルチック艦隊と帝国海軍連合艦隊の差を見ても明らかである。フィッシャーは副司令官として、艦隊がヤンの指示通りに動くための管理を引き受けていた。その点ではヤン程の戦略・戦術能力に及ばないとしても、名将と呼ばれるに相応しい能力を有していたといえよう。ヤンという異才がその能力を発揮する上で、会計や需給管理でキャゼルヌという優れた力が下支えをしたように、艦隊運用ではフィッシャーが下支えをしていたといえる。フィッシャーがMIAとなったのを知った時、アッテンボローは「おちおちピクニックにも行けない」と述べた。艦隊が秩序を維持して行動するにあたり、フィッシャーの能力がいかに必要だったかを端的に表わしている。
しかしそれほどの能力を有する人物でありながら、本編での扱いは非常に薄い。なにかとその重要性には言及されるものの、セリフがそれほど多いわけではなく、個人的心情を述べた直後にはMIAである。
最も酷いのは石黒監督版OVA第3期のエンドロール背景である。このエンドロールでは、ユリアンが皆で仲良くピクニック(本来の意味で)をした時の写真を見ながら、ヤンとの思い出に浸るという内容だが、その写真にはフィッシャーだけがいない。写真にはヤン、フレデリカ、カリン、アッテンボロー、 ポプラン、キャゼルヌ一家、ムライ、パトリチェフ、シェーンコップ、マシュンゴ、メルカッツ、シュナイダー、ユリアンが写っており、ユリアンの周囲に居たヤン艦隊の概ね主要人物は揃っているのにも関わらずである。次項において、ここをより詳細に検討した検討委員会の資料を記す。
当委員会はこの問題を検討するに当たり、まずは撮影時期について考察した。
当該人物が揃うとすると、可能性があるのはイゼルローン要塞駐留時のみ。撮影場所は要塞の中の緑地区画と考えるのが妥当といえる。ヤン艦隊がイゼルローンに駐留したのは、帝国領侵攻作戦後からラグナロック作戦発動までの間と、イゼルローン再奪取後の二つなので、この何れかの時期にこの写真が撮られたと考えられる。
それが何れなのかを考えてみると、まず前者の時期であればカリンが写っているのが不自然である。カリンが当初からメルカッツの「動くシャーウッドの森」部隊にいたことを考えれば、上記駐留時にヤン艦隊に所属しいたとしても矛盾はないが、ユリアンやヤンがカリンの存在を知るのはバーラトの和約後である。つまりこの時期に撮影されたとは考えにくい。
後者の時期であればイゼルローンを再奪取し、ムライ、フィッシャー、パトリチェフが合流した後である。この時期において当該メンバーが集合することが可能で、フィッシャーが存在しなかった時期とは、フィッシャーがMIAになってからヤンがレダⅡで会談へ向かうまでの間。しかしこの間は非常に短く、また軍事・政治両面で様々な対応を求められたであろうことを考えると、各員が制服ではなく私服を着用してピクニックに赴いたとは考えにくい。そうであるなら、再奪取後ムライらが合流してから回廊の戦いまでの時期に余暇としてピクニックを実施し、その時に撮影されたものと考えるのが最も妥当である。この時期であればフィッシャーは存命であるので、彼が撮影されていない何らかの理由があったはずである。
当委員会としてはフィッシャーが撮影されなかった理由として、以下の可能性を列挙する。
ヤン艦隊の気質を考え、またフィッシャーが嫌われ者でなかったことを考えると、3の可能性は低い。また撮影者が当該メンバーの誰かであるとして、その者がフィッシャーだけを故意に撮影しない理由はなく、その者がフィッシャーのみを落ち度から写し忘れる可能性も想像し難いので、1の可能性を重視するのも合理性に欠くといわざるを得ない。そうであるならば、不合理でなく筋が通っていて確からしい理由としては2及び4となる。
まず2を検討する。フィッシャーが他のメンバーを避ける「ローンウルフ」気質があるという有用な資料は存在しないので、彼がピクニックへの参加を自身の信条から拒否したとは考えにくい。残る理由としては体調不良、若しくは任務の都合上参加できなかったということである。いずれもそれを証明する資料は存在しないが、艦隊首脳部が揃ってピクニックへ出かけたとするのなら、その間の警戒及び哨戒する業務の責任者が必要であったと考えるのは妥当である。責任感の強いフィッシャーが、自分がその役割を引き受けて他者の余暇の間に働いたと考えることに不合理さはない。あるいはその任をスール少佐やバグダッシュ大佐が担ったとしても、フィッシャーが急な体調不良になり不本意ながら参加を見合わせた可能性は否定できない。
4についての可能性もあるが、疑問点は残る。まずヤン夫妻の中むつまじい様子を写しているが、この写真には写し手の夫妻に対する思い入れが読み取れる。フィッシャーも大事な仲間である夫妻に対し、親しい心情を抱いていたのは間違いないと思われるが、あのような写真を写すとするなら夫妻の子となるユリアンが写したと考える方が、より自然である。但しフィッシャーが微笑ましい夫妻の様子を写した可能性を完全には否定できないので、2と同等程度に可能性を認めるのが適当と考えられる。
現時点で2及び4で示した可能性のうち何れかがより高いかは、更なる調査検討を要する。
以上が当委員会が、現時点での資料や可能性から考察した不在問題の検討内容である。
ピクニック写真フィッシャー不在問題調査検討委員会
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最終更新:2025/12/06(土) 08:00
最終更新:2025/12/06(土) 08:00
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