タクティクスオウガとは、
1995年10月6日に株式会社クエストから発売されたスーパーファミコン用シミュレーションRPGである。
後にプレイステーションとセガサターンにも移植。 現在ではSFC版がWiiのバーチャルコンソールから配信されている。
2010年7月、15年ぶりにリメイク(再構築)がPSPから発売されることが発表された。
→タクティクスオウガ 運命の輪
概要
「オウガ」の名を冠したシリーズとして、「伝説のオウガバトル」に続く二作目として発売された作品である。
オウガシリーズ全体として第1章~第8章までの構想があり、本作は第7章に位置づけられている。また、前作とのゲームシステムの関連性がほとんどないのだが、ユーザーからの評判は良い。
今作ではヴァレリア島での民族問題と裏から糸を引くような大国の介入による戦乱を扱う。
重厚なテーマを描ききるためか、マルチストーリー・マルチエンディングを採用。選択肢によって主人公の立場が大きく変化し、それぞれの筋道で起こる同一の事件や関わる人物を多角的に描写するという手法は当時としては斬新であった。
またドット絵で描かれた緻密な背景や人物画、ユーザーインターフェイスにまで至る統一感のあるグラフィックや、マップ上を生き生きと動くキャラクター達は、職人芸の極みとして枚挙に暇がない。
戦闘システム的にも立体地形の採用による高低差と共に、ユニットの向きや天候・地形などと合わせてキャラの有利不利が決る細かな要素が盛り込まれている。
多種多様なクラスが存在し細緻に至る複雑なパラメーターが関わる点や深いやり込み要素がある一方、ヘルプ機能・チュートリアル機能が充実していることなどから、熟練者から初心者まで幅広い層に対する配慮が見られ完成度の高い作品と評価されており、コンシューマーではややマイナーであったシミュレーションゲームの道を切り開いた画期的な作品であると言われている。
ニコニコでもそのプレイ動画があがっており、見てもらうと完成度の高さが伺える。
また、週刊ファミ通の読者アンケートにおいてもSFC版でありながら次世代機(PS3・XBOX360・Wii)と並んでいまだにランクインするほどの人気もある。その人気の度合いも凄まじく絶頂期にはタクティクスオウガ本品とガラスのかぼちゃ・ランスロットのオルゴールとのセットでオークションに出品されたが落札価格が10万円を超えるほどのプレミアがついたこともある。
ただし、ゲームバランスにはかなり甘いところがあり、ゲームのはじめから最後まで「一番弱い弓と回復アイテム3個で十分通用し、むしろゲームの流れにしたがって装備を整えるとかえって弱くなる」という事実がある。これはウェイトターンシステム(ざっくりいうと、強い装備をするとすばやさが下がる)および、遠距離攻撃のチート的な強さに起因しており、ゲーム内に登場する鎧や盾は不要であるばかりか、むしろ邪魔な存在となってしまっている。
システム
前作では敵味方が地域マップ上を同時に進行し、敵味方が会敵した場合ターン制戦闘に移行するシステムであった。
今作では島全域マップ上を主人公一行だけが往来し、イベントの発生する地点で戦闘準備に移る(ランダムで会敵する場合もあり)。戦闘部隊である計10名を選抜後、戦闘パートに移行となる。戦闘パートではウェイトターンシステム(以下WTシステム )が採用されている。
このWTシステムは、キャラクターそれぞれにウェイト(待ち時間)が数値として設定されており、同一時間軸上で一斉に消費して手番を待つというもの。ウェイト値が少なければ手番が早く回ってくる。(ウェイト値はキャラクターのクラスやパラメーターのAGI値(アジリティ=素早さ)が関係している。)
手番の回ってきたキャラクターは移動と行動が行え(何も行わないという選択肢も採れる)行動終了後計算に則ったウェイト値が再装填される(何も行動しないで終了した場合、次回ウェイト値は短縮される)。
これらルールにより手番順を見越した複雑な戦略性が産み出だされ、戦闘に一層の深みがもたらされている。
また誰の手番でもない時間は瞬時に終わるため、システム的に手数が増えているにも関わらず戦闘時間の短縮に寄与している。(その割りに大魔法の演出がカットできなかったりするのはご愛嬌。)
前述の立体的なマップはキャラクタークラス毎に登れる高低差が設定されている。段差が大きい場所は直接攻撃が届かない、高いところから低いところへの攻撃は威力が上がる等の設定も含め、地形の高低だけでも非常に戦略性の高いものとなっている。因みに落差の大きい所から落ちると大ダメージを受けたり死亡する。盾によるノックバック攻撃で…(但し敵は回避行動をとるので難しい)
変わった所では大型ユニットは段差+1という設定を持っており、段差の手前に大型ユニットを置けば上れる地形も出てくる。
攻撃された場合反撃可能であれば反撃を行う。この為特定のキャラでトドメを刺したい場合は敵の体力と行動をも予測する必要がある。(逆にイベントを起こす為にトドメを刺してはいけないキャラもいる。)
キャラ毎によるレベル制を採用しているが、トレーニングモードで経験値を稼げる為、本戦闘での経験値の稼ぎ差はあまり気にする必要が無い。
主要な登場人物
- デニム
- 本作の主人公。超機密事項を知る家庭に生まれ、エキセントリックな姉の世話や反骨精神と天邪鬼で構成された友人に苛まれながらも、民族紛争の中心に引き摺り出されるという超の付く苦労人。子供の頃、とある女の子と遊んでいて川に落ちたことがあるが、そのとき女の子の額に傷がついてしまった。十年くらい経った後に本人から責任を取れと迫られるが、結局どうしたのかは不明である。
- カチュア
- デニムの姉。デニムに愚痴ったり無理難題を押し付ける担当。実姉を持つ人はデニムに共感する事も少なくないという。プリンセスであるが、わがままな理由で敵軍に寝返り、あげく捕虜になってしまうという痛さも持ち合わせている。かなり酷い人にも見えるが、一度は物語を最期まで進めないと、彼女の苦悩は解らない…
- ヴァイス
- デニムの友人でデニムの選択の逆を行く、いわば裏主人公。デニムに悪態ばかり吐くが、あるルートでは再び心強い仲間になる。でもやっぱり「絶対に許さないよ!」と言ってくれる。ちなみに、同ルートではほぼ彼が島の情勢を左右している。デニムなんか目じゃないすごい行動力。ちなみに、別のルートでもかなりの行動力を持つが、顔グラフィックが酷いのでどう見ても悪役です本当にありがとうございました。
- ランスロット・ハミルトン(白)
- 騎士キュアの白い方。新生ゼノビア王国聖騎士団の団長だったが故あって少数の帯同者を伴いヴァレリア島を訪れる。名前が同じというだけ(人違い)で訪問早々デニム達に襲撃されるが、冷静に対応した挙句に味方になってくれるという超が付くお人よし。奥さんに先立たれ形見のオルゴールを大事にしているが、ゲーム終盤のイベントではそのオルゴールが彼の身分証の役割も果たした。それにしてもあのイベントのインパクトは強烈だ。
- ランスロット・タルタロス(黒)
- 騎士キュアの黒い方。ローディス教国国主、サルディアン教皇直属である暗黒騎士団の団長。戦隊モノの悪の組織とその幹部と思えばだいたい合ってる。アポカリプスという必殺技を使うが、これがなんと最大HPを削る恐怖の攻撃。万一デニムやカノープスがこれを食らったときにリセットするか、まあいいやと諦めるかはプレイヤー次第。
- ウォーレン
- ウォーレンレポートなどでお馴染みの大魔法使い。ランスロット(白)一行の一人。レポートのお陰で印象は濃いがゲーム中では殆ど出番がない。前作ではリッチになってまで活躍したのに…
- セガサターン版だとなんだか今すぐにでも倒れそうな声である。
- カノープス
- 鳥人間にして頼れるアニキ。ルートに関係なく序盤から終盤までずっと使用できる固有ユニット。ランスロット(白)一行の一人。苦手なものはデネブ。普通のユニットに彼の色を薄くしたやつがいるが、脆くてあまり役に立たない。飛べて割と固いのがアニキの強さ。一応得意武器が変なハンマーみたいなやつだが、わざわざ反撃食らいながら叩くメリットがあまりない。キャラクター性こだわりがあるなら槍。チートでもいいのなら弓といったところか。
- プレザンス
- ゲーム序盤で仲間になるエクソシスト。ピンチの中、含蓄あるご高説を述べた上、イクソシズムをキメるいかしたおっさん。ウォーレンレポートにしてもひいきと思えるほど格好いい記述になっている。しかし、序盤から中盤にかけて、おっさんの出番はほとんどななく、ルートによってはほぼ皆無の有様。またゲーム終盤で若干出番があるが、スターティアラを繰り出すカチュア姉さんのせいでまたもや戦力外。そのためトレーニングのめんどくささから、除名の魔が差したプレイヤーも多いと思われる。ウォーレンがいうとおり悲しき人である。
- フォリナー四姉妹
- フォリナーさん家のセリエ・シェリー・システィーナ・オリビアの姉妹。選択ルートによっては全員仲間にできたりできなかったりする。デニムとの関連性が高い。長女が一番肉食系で下にいくほど草食系になる。デニムは末っ子と気が合うらしい。ちなみに、デニムと一緒に溺れたのが末っ子のオリビア。
- ロンウェー公爵
- ウォルスタ人陣営の指導者。ひどい汚れ役。デニムに酷い事する。ところで、公爵に限らずヴァイスにしても、バルマムッサのご老人にしても、彼の右腕にしてもどうにもウォルスタ人には、しちめんどくさい繊細な人が多いようだ。そういう民族なのだろうか。でも、ザパンみたいな人もいるなあ。
- 騎士レオナール
- ロンウェー公爵の腹心にしてウォルスタ陣営の知恵袋。一見ロンウェー公爵の意思のままに動いてるとも見えるが、彼は彼なりの信念を持っている。第1章でいきなりデニムに凄まじい選択を迫り、デニムがどのルートに進もうと物語に重厚に絡んでくる、敵に回すと厄介だが味方にしても厄介な人。ロウルート(Lルート)のLはレオナールのLとまで言う人もいる。
- バルバトス枢機卿
- ガルガスタン人陣営の指導者。ウォルスタ人弾圧を行い同族からも反発があるが粛清も厭わない非情な体制を布いている。いうなれば中ボスだが、残念ながらユニットとして登場することはない。ルートによってはいきなり処刑されるかなり不憫な人。彼をはじめ、ガルガスタン人はよくしゃべる。彼の部下にせよ、ネクロマンサーの爺さんにせよ、敵リーダーの皆さんにせよ。きっと活発な民族性なのだろう。だから人口も・・・(ry
- プランシー神父
- デニム・カチュアの父。オープニングの中で暗黒騎士団により捕らわれ拉致されるヒロイン属性の持ち主。デニム・カチュア・ヴァイスの3人が行動を起こす、ある意味原因となった人。民族紛争よりも解りやすい『目的』として、(少なくともデニムは)ルートに関係なく彼を探し回っているやっぱりヒロイン。物語を決定付けるある重要な情報を知っており、第4章でついにデニムと対面するが…
- ネタバレ→http://www.nicovideo.jp/watch/sm652127
- この対面シーンが無ければカチュアを見殺しにした人は多いだろう。TO屈指の名場面である。
- 司祭ブランタ
- バクラム人陣営を扇動し、ローディス教国と密約を結ぶ。これがヴァレリア動乱の火種となった。デニムの伯父だったりする。ゲーム的には二人目の中ボスで、こちらはユニットとして登場。多くのプレイヤーから狙撃される運命にある。しかし彼の行動は計画通りだったのか、はたまた野心に踊らされた哀れな権力者か。人によってかなり印象が違ってくる。
- ところで、バクラム人は意外と登場人物が少ない上、かなり特殊な立場の人が大きな割合を占めているため、どういう人たちなのかははっきりしない。強いていえば、保守的で社会のしきたりなどを重視する人が多いのであろうか。デニムにしても親父の遺言を守ろうとしてるし、四姉妹の子たちもなんだかんだで実家を気にしている。ゆえに、単細胞なガルガスタンや大人になりきれないウォルスタより、人をまとめる役どころには向いているのかもしれない。(昔の)王様しかり、人が作った組織をがっつり育てていく解放軍の大将しかり、あれだけとりみだしてたのにすぐさっぱりして名演技かます姉さんしかり、平民orzとかいいながらがっちり自分の楽園地位や組織を作っているブランタ叔父さんしかり。いずれにしても、少数派なのにヴァレリア島の国取り合戦二連勝する人たちはあなどれないね。
- ドルガルア王
- かつてヴァレリア島を統一して融和政策を推進した名君。通称平民王。しかし王の死後、島は紛争状態に。殆どゲーム中に絡んでこないせいか重要な人物だが非常に影が薄い。ラスボスで出てくるが、伏線もなくいきなり登場するため、意外とインパクトがない。ちなみに、シナリオが進めば進むほど(真相を知れば知るほど)『ヘタレ』呼ばわりされるため、なんとも言いがたい立ち位置のお方である。ディリータ?何のことかな?
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関連リンク
関連項目
- 伝説のオウガバトル
- オウガバトル64
- タクティクスオウガ外伝 The Knight of Lodis
- タクティクスオウガ 運命の輪
- ゲームのタイトル一覧