ドラえもんのび太のドラビアンナイトとは (ドラエモンノビタノドラビアンナイトとは) [単語記事]

1990年	1991年	1992年
のび太とアニマル惑星	のび太のドラビアンナイト	のび太と雲の王国

『ドラえもんのび太のドラビアンナイト』とは、大長編ドラえもん第11作、映画ドラえもんシリーズ第12作である。

漫画版は1990年連載開始。映画版は1991年3月9日公開。同時上映は『ドラミちゃんアララ♥少年山賊団!』。

エンディングテーマは『夢のゆくえ』。作詞：武田鉄矢、作曲：白鳥澄夫、編曲：渡辺雅二、唄：白鳥英美子。

概要

大長編シリーズ第11作目、映画シリーズ第12作目となる作品。
イスラーム文学の最高傑作といわれる『アラビアンナイト』をモチーフとしている。
絵本の世界に取り残されたしずかを、ドラえもん・のび太・ジャイアン・スネ夫の男チームが助けに行き、冒険を繰り広げるというのが大まかなストーリーである。

前作『のび太とアニマル惑星』と次作『のび太と雲の王国』の環境問題をテーマにした作品に挟まれていることと、次第にテーマや『ドラえもん』という作品自体の深化が進んでいく90年代映画ドラ作品の中では冒険色が強く残っているのも特徴。
また、絵本という空想の世界へ行くために、接点のある現実世界の過去へ向かうという、藤子F氏の提唱していた「SF(すこし・ふしぎ)」な冒険への旅立ちが描かれたり、ひみつ道具封じから更に発展し四次元ポケット封じという展開の初登場など、大長編シリーズのスタイルが変化していく過渡期という点でも注目すべき作品である。

序盤ではジャイアンとスネ夫が大冒険を強く求めているものの、「もうたいていのとこへいっちゃったものな」とあきらめのような台詞があり、すでに藤子F氏自身が大長編シリーズのネタ切れを感じていたことを伺わせる(1996年作『のび太と銀河超特急』のあとがきにいたっては、「ここまで総ざらえしちゃって、次回作は何を書いたら良いんだろ…」と発言していた)。

ちなみに本作の予告編では主題歌の作詞を手がける武田鉄矢氏がナレーションを担当しており、実写映像もある珍しい作風となっている。

また、実在の歴史上の人物が登場してストーリーにも関わる（当時のバグダッドを治めるカリフにドラえもん一行が謁見し、助力を得る）という展開があり、これも他の大長編ドラえもんシリーズにはない珍しい点である。