ファンタジーゴルフ パンヤ ポータブル(韓国語:판타지 골프 팡야 포터블、英語:Pangya: Fantasy Golf)は、PSP用の韓国産ゴルフゲーム。株式会社エントリーブソフト(Ntreev Soft)が開発した。
後にローカライズされ、日本版と北米版がそれぞれ発売された。
概要
Windows用のオンラインゴルフゲーム「スカッとゴルフ パンヤ」をベースにした、PSP向けの作品。原作のシステムをPSPでの操作に適した形に調整し、原作ではあまり語られない各キャラクター達のバックストーリーに重点が置かれている。また、「パンヤ初心者に向けた入門用のソフト」というコンセプトで製作されている為、原作よりもパンヤショット・特殊ショットの判定が甘めになっている。加えて、プレイヤーが任意で切り替え可能な「ビギナー設定」も搭載されており、ホールの幅が通常より広くなったり、風の影響を受けにくくなる等の効果がある。
一方で、日本語化が不十分、キャディがポンタとその色違いのみ、コースの一部が収録されていない、一部のキャラクターのモーションが不完全もしくは削られている、キャラクターボイスが原作(韓国版)そのまま、風向きの表示が実際の風向きよりもズレて表示される、コースの拡大表示がやや見辛い、ロードが多い・長い・・・等々、多少の粗も見られる。
BGMはESTi、Nikacha、nev、supbabyによる新曲・アレンジ曲が用意され、OP曲「너의 하늘로(君の空へ)」とED曲「Starlight」では、Zero Fill Loveを唄ったSanchが起用されている。
尚、日本版のOP・EDは同上の日本語詞バージョンに差し替えられている。こちらも歌手はSanchである。
日本版はタカラトミーから発売され、北米版はTOMY Corporationより発売された。
日本版の発売が決まった時は、時期が時期だっただけに(クソゲーオブザイヤー2008を参照)入荷を敬遠する小売店も存在していた模様。
もっとも、日本語化自体は韓国版が発売された時点で既に完了していた上、日本語化のチェックを担当した会社もタカラトミーでは無い。あくまでも流通がタカラトミー主体だった、というだけの話である。
韓国では通常パッケージの他、ポンタを模った箱にグッズを詰め合わせた限定版、その限定版にPSP本体を追加したスペシャルパックの3種類が販売された。
限定版にはオリジナルサウンドトラックCD2枚、クー&ドルフフィギュア、ポンタPSPポーチが付属。また、通常版を含めた全てのパッケージに「プレミアム会員カード」が付属している。
購入店によっては、加えてPSP用ステッカーとポンタストラップがおまけされていた模様。
日本では通常パッケージのみが販売されたが、日本向けの初回版限定特典(日本版PSP用ステッカー)や購入店特典等が独自で配布された。
システム
ストーリーモード
大きく「プロローグ」「エピソード1」「エピソード2」「エピローグ」の4つのパートに分かれており、その中で更にキャラクター毎に異なるストーリーが展開される。
最初はケンとエリカしか選べないが、各キャラクターのストーリーをクリアする毎にプレイヤーキャラが解禁される仕組みになっている。
パンヤツアーモード
任意のコースを自由に回る事ができる「フリーラウンド」、各コースで開催されている「トーナメント」、およびそれに出場する為の権利を取得する「ライセンス」、初心者用のガイダンス「チュートリアル」の4つのモードが選択できる。
ネットワークモード
アドホック通信機能を利用した、最大8人での対戦モード。ネットワークモード時は、ビギナー設定は無効となる。
パンヤコレクション
各キャラクター用の装備・衣装の購入、および装備の設定が可能。自分のこれまでの成績を確認したり、BGM・イラスト集・映像を鑑賞する事もできる。
一回につき200PPを支払う事でくじ引きができる「ポンタショップ」へもここから行ける。
オプション
BGMやSEの音量の調節、セーブデータの管理、ビギナー設定のオン/オフ切り替え、各ボタンの機能を確認する事が可能。
登場人物
プレイヤーキャラクター
本作では、原作ではキャディ役のキャラクターもプレイヤーや対戦相手として登場する。
- ケン(누리)
主人公。かつてパンヤ島の危機を救った勇士[1]の子孫の一人。
普通に生活していたある日、突然パンヤの世界に招待される。そこで最初に出会った妖精ピピンと共に、パンヤマスターを目指すべく旅を続ける事になる。
- エリカ(하나)
ヒロイン。ケンの幼なじみ。勇士の子孫の一人。
突然いなくなったケンを探していたところをキューマに招待され、パンヤ島に到着する。キューマに「ケンを探すならパンヤのトーナメントに出るのが一番」と言われ、彼にパンヤのレッスンを受ける事になる。
- ダイスケ(아저)
元警察官の中年男性だが、その言動からは公僕としての威厳が少しも感じられない。
リベラ族の姫ロロによって招待され、パンヤの選手となる。
肉が大好物で、何かある毎に「肉!肉!」と叫んだり、突然無理難題を言い出してはロロをしょっちゅう困らせている。
トーナメントに参加する中で出会ったセシリアに一目惚れし、それ以降はストーカーと化している。
- セシリア(세실리아)
マシュナ族の女性航海士。シルビア号に乗艦しており、父親はその艦長。
種族の特性で計算能力に長けており、本作ではその計算結果に従いタンプーとコンビを組む。
27歳という微妙な年齢の事を気にしている。彼女に「おばさん」はタブーである。
クーとは父親の代から続く敵同士。
- マックス(맥스)
イギリス出身のテニスプレイヤー。世界レベルのトッププレイヤーで、その実力と人気はパンヤ島にも及ぶ程。
ある日飛行機事故に遭遇、気がついた時にはパンヤ島に辿り着いていた。
そこで出会ったポンタと共に、元の世界に戻る方法を模索するべく旅を続ける事になる。
ちなみに、ポンタの言葉はセシリア曰く「マシュナ族でも解読不能」との事だが、彼は作中で唯一ポンタの言葉を「理解」できているかのような振る舞いを見せる。
- クー(쿠)
海賊船ルナーテューム号の幼き女船長。先代の船長である父親が行方不明の為、彼女が船長となっている。
ある日、泣いているイルカの様な生き物ドルフと出会う。話を聞くと、「ママを探している」との事。
クーも父親が行方不明の身の上の為、その場でドルフと意気投合し、クーは父親を、ドルフは母親を探す為に一緒に旅をする事になる。
セシリアとは父親の代から続く敵同士。
- アリン(아린)
パンヤ島の魔法使いの女の子。可憐な容姿とは裏腹に、その実力は「天才」と評される程に高い。
邪悪な心の持ち主も一瞬で改心させてしまう程である。
マックスに恋心を抱いており、彼にその想いを伝えるのが夢。
- カズ(카즈)
呪われし種族ルー族の青年。記憶喪失となっており、周囲の事はおろか、本人の過去もハッキリとは覚えていない。
彼の傍らには常に女性の幽霊が寄り添っており、カズにもその姿は見えている。しかしカズ本人は彼女の名前を覚えておらず、彼女の声も聴こえない。
本作における重要人物であり、「もう一人の主人公」とも言うべき存在である。
- シエン(시엔)
漆黒のワンピースを身に纏った謎の女性[2]。
その正体は、瘴土と化したナラカスの地と共に封印された古代竜コンシエンティア(콘시엔티아)。
魔王やカディエとは旧知の仲で、今日に至るまで実に3000年以上生き続けている。
本作初登場の新キャラクター。
- ピピン(피핀)
コロスクロノス族の女の子。時間と空間を自由に行き来する事ができる。
ケンのコーチとして、共にパンヤ島を旅する事になる。
本作ではエリカよりもヒロインっぽい気がする・・・
- タンプー(땅뿌)
巨大な熊みたいな姿をしたティタン族の男性。訛りがかった口調が特徴的。
セシリアに誘われてコンビを組む事になる。
- ロロ(로로)
リベラ族のお姫様・・・なのだが、ダイスケに出会ってからは彼のパシリとしてコキ使われる羽目になる。
ダイスケに無理難題を吹っ掛けられる毎に涙を流しているが、肉と聞くと思わず大喜びするようになる等、本人も気が付かぬ内にダイスケ色に染まりつつある。
尚、最初の内はダイスケの事を「ダイスケさん」と呼んでいるが、後半では「おじさん」と呼んでいる。
- キューマ(큐마)
リベラ族の青年で、ドルフの現在の飼い主。普段は漁師をしている。
エリカにパンヤをレクチャーするだけあって、キューマ自身の実力も相当の物。
トーナメント中に出会ったティッキーに一目惚れする。
- ティッキー(티키)
アリンに憧れ以上の想いを抱いている魔法使い見習い。カディエの妹で、ティッキー自身も見た目よりはずっと長く生きている。
人見知りが激しく、カディエの前以外では吃り気味になって上手く喋れない。
双子の妹にミンティーがいるが、その仲は険悪の一言(ティッキー自身はミンティーと仲良くしたいと思っている)。
トーナメント中に出会ったキューマの事が気になり始めるも、アリンへの気持ちとの間で葛藤が生まれる。
- カディエ(카디에)
「賢者」と呼ばれる、2000年以上の時を生きる魔法使いの女性。
かつて魔王との決戦において、魔力の結晶「アズテック」を生み出し、それを用いてパンヤ島の危機を救った。
パンヤ島のありとあらゆる事を知っている為、彼女に助言を求めるべく足を運ぶ者も多いが、彼女に会う為にはパンヤでの試験に合格する必要がある。
ティッキーとミンティーの姉で、シエンとは旧知の仲。
- ミンティー(밍티)
カディエの妹で、ティッキーの双子の妹。
カディエの事が大好きだが、反面ティッキーの事は一方的に嫌悪している。
- D.タンプー(D.땅뿌)
悪しき力と心を持った「ダークティタン」と呼ばれていた種族。
魔王との決戦において、魔王軍の尖兵として行動するも戦いに敗れ、各地に封印された。
だが今回、何者かの手によってその封が解かれ、再び地上にその姿を現す事になる。
本作初登場のキャラクター。
- キーパー(키퍼)
シエン配下の竜人で、本作中最高のパワーの持ち主。
任務に失敗するとシエンに色んなお菓子にされてしまうらしく[3]、常にその言動に怯えている。
本作初登場のキャラクター。
なお、本作より先に原作に登場したルーシアは、本作では登場しない[4]。
関連動画
関連コミュニティ

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関連項目
関連外部リンク
脚注
- *過去にパンヤ島滅亡の危機を救った者達を呼ぶ際の総称のようなものであり、特定個人を指す言葉ではない。
- *シエン曰く「人間の尺度でこの私を測ろうと思うな」との事で、実際の性別は作中ではハッキリしていない。
- *作中で実際にそうされた様な描写は無いので、単にからかっているだけにも見える。
- *トーナメント時のCPU参加者の中に「LUCIA」という名前が確認できるが、姿が確認できないので本人か否かは分からない。