ン・ダグバ・ゼバとは、特撮テレビドラマ『仮面ライダークウガ』のラスボスである。
演:浦井健治 / 声:夏井貴浩(第1話のみ)
作中の一般市民や警察関係者からは「未確認生命体第0号(もしくは省略して第0号)」と呼ばれる。
グロンギ族の長にして、最強の戦士。神々しさを感じさせる容姿に対し、精神は子供のように無邪気かつ残忍。人間を殺害する獲物としか捉えておらず、自身の笑顔のために殺戮と戦いを求める狂気のラスボス。グロンギ全体に言えることだが、彼はその中でも極めて残忍かつ冷酷な性格をしており、戦う事を心の底から楽しんでいる。
グロンギの行うゲゲルは最終的にダグバへの挑戦権を賭けて行われるため、多くのグロンギ族にとっての目標でもある。最強の象徴である事から、グロンギ語で戦士を表す文字はダグバの顔から取られている。また「戦い」の概念が無いリント族は、グロンギから戦士の文字を借用している。「ン」はグロンギの頂点に立つ最強の存在を意味し、「ゼ」は全能や特別という意味を持つ。
クウガと同じくクワガタをモチーフにした姿をしており、クウガのアルティメットフォームとは対照的に、白と金を基調とした姿をしている。ンの持つベルトのバックルは金色で、他のグロンギとは違う色である。
ラスボスの名にふさわしく最強の力を秘めており、身体スペックはクウガのアルティメットフォームと互角(パンチ力80t,キック力100t)。また、原子操作によるプラズマ発火能力(超自然発火能力とも)をはじめとして、瞬間移動や天候操作をしているとも取れる描写がある。やはりアルティメットフォームと同じく数々の強力な特殊能力を持つ。不完全態でありながらも弱小グロンギ200人を整理と称して粛清する、彼のベルトの破片を取り込んだ下級怪人が通常フォームのクウガを圧倒するまでにパワーアップするなど、その実力はグロンギの中でも圧倒的で、ン族以外では最強のグロンギであると思われたゴ・ガドル・バを圧倒したアメイジングマイティフォームの力をも全く寄せ付けなかった。極めつけに、ペガサスフォームでダグバの存在を感じ取ったクウガを、プレッシャーだけで強制的に変身解除・衰弱させるという凄まじい威圧感を持つ。
ちみなに初期の設定では、「見ただけで死ぬ」という死神じみた能力を持っていたという。しかし地味すぎるとして変更され、現在の超自然発火能力になった。
平成昭和全怪人総選挙で3位(平成では1位)と今なお人気が高い。最強の怪人は誰か?という話題では必ずと言って良いほど名前が挙がる。
ちなみに演じた浦井健治氏はダグバ役で俳優デビューした。当時19歳だった。
古代、魔石ゲブロンの力を得たダグバはグロンギを率いて、リントの国に侵攻。虐殺の限りを尽くした。当時からグロンギの頂点に立つ長であったが、気分で仲間をも殺害する暴君でもあった。戦況はグロンギ有利であったが、リントからクウガが出現した事で一変。封印エネルギーの扱いが上手かったクウガによってグロンギが次々に封印され、ダグバもキックを喰らって封印される。1話冒頭にてその一部が描写されている。意図は不明だが、ダグバは自らバックルを破壊し、不完全体のままクウガに挑んだという。ともあれ全てのグロンギは九郎ヶ岳に封印され、長らく歴史の奥底で眠る事になる。
時は流れて2000年。城南大学の遺跡調査チームが九郎ヶ岳を発見し、内部の調査を開始した。その時、封印していた棺を暴いてしまった事で現代に復活、ともに封印されていたクウガからアークルを剥ぎ取り、床に叩きつけた(これにより先代クウガのリクは息を引き取った)。悲鳴を上げて逃げ回る調査隊にも襲い掛かり、皆殺しにする。変身アイテムであるベルトが損傷していたため不完全な状態での復活だった。この形態は中間体や不完全体と呼ばれ、没になったズ・ゴオマ・グのスーツを流用している。遺跡の外に出たダグバは仲間が封印されている場所へ行き、封印を解く。現代での殺戮ゲームを開始させた。
最初に活動を開始したズ・グムン・バには未確認生命体第1号の名称が付けられたが、調査隊が遺した映像にダグバが映っており、グムンより先に活動していたとして未確認生命体第0号と命名された。
第一話から既に登場し途中で名前も出ていたものの、本格的に姿を表したのは40話以降で、人間体は白い服をまとった物静かな青年であった。しかし終盤に近づくにつれ次第にその姿を現していった。他のグロンギがゲゲルを行う中、ダグバは自身への挑戦者となりうる存在を求めて待っていた。しかしクウガと警察の活躍によって、ゲゲルはことごとく失敗。ゴ集団でも失敗が相次いだ。ゴ・バダー・バのゲゲル失敗を受け、ダグバは「整理」を開始。各地のアジトを巡り、挑戦権すら無い弱小グロンギの殺戮を行った。長野から福島にかけて広範囲に散在する弱小グロンギを、わずか3週間で162体殺戮。壊滅したアジトの一つを桜子さんが調査しており、壁には「戦士」を表す血文字が書かれていた……。
ダグバの力の源であるベルトは当初バラバラに砕けていた。そこでズ・ゴオマ・グを使い走りにして長野・九郎ヶ岳から破片を回収させ、東京にいるヌ・ザジオ・レが修復。ベルトの修理が終わるとザジオを殺害し、ベルトを手にするが破片の一つをゴオマがくすねていたため不完全だった。ゴオマはベルトの破片を取り込んで究極体となり、ダグバの整理から逃れるためダグバを殺そうとするが、不完全体の実力でもゴオマ究極体をあっさり殺害。破片を取り戻し、ついに最強の力を持った完全体へと覚醒した。
しかし、一見無害そうに見えるその外見とは裏腹に、ファイナルゲーム「究極の闇」にて、ついに人々を虐殺し始める。その方法は原子操作による発火で、次々と人間を火達磨にしていった。これを阻止するべく五代雄介はアメイジングマイティフォームに変身してダグバに挑んだが、発火能力で苦しめられアークルに亀裂を入れられるなど完膚無きにまで叩きのめされる。そして敗北した雄介の目の前でダグバは3万人以上を殺害する。
「どうしたの?もっと強くなって、もっと僕を笑顔にしてよ。」
人々の笑顔を守るために戦ってきた五代にとって、その言葉は最悪の皮肉だった。戦わなければ人々は虐殺される、かといって戦えばダグバを喜ばせるという八方ふさがりであった。しかし強敵との戦いを望んでいたダグバは満身創痍の雄介にトドメを刺さず、彼が「究極の力」を持つまで待った。目の前で3万人以上を殺された雄介は絶対に変身するまいと誓っていたアルティメットフォームへの変身を決意した。ちなみにダグバが3万人を虐殺するシーンは曖昧ながらも描写されており、発火して炎上する車や苦しみにもがく人の姿が見られる。朝の8時とは思えないほどの恐怖である。この後普通におジャ魔女どれみをやっていた。
神出鬼没なダグバを捕捉するため、警視庁合同対策班ではレーダーシステムの開発が始まっていた。しかしその間にもダグバは殺戮を続け、長野県長野市と松本市で人々を燃やした。やがて完成したレーダーシステムにより位置を特定され、荒天の松本市内で五代雄介と遭遇する。ダグバは「来たんだね。今度は僕と同じになれるのかな。だったらあそこで待っているよ。思い出の、あの場所でね。」と語りかけ、姿を消した。
自らと同じ究極の闇に染まり、強大な力を手にしたクウガとの戦いを望んでおり、最終決戦となる48話では吹雪の中、アルティメットフォームに変身したクウガと、悦びを持って戦う。しかし、五代は優しい心をついに失わないままアルティメットフォームへの変身を遂げていた。当初は発火能力を用いて戦うが、互いの超能力が全く拮抗していると判明してからは、ひたすら肉弾戦を繰り広げ、やがて互いのバックルが破損して、人間体同士での戦いになる。
力を奮うことに悲しみを感じ涙を流し続ける五代に対して、喜びを感じ笑みを浮かべるダグバの姿は全く対照的なものだった。しかし、最後には五代に一歩及ばず、殴り合いの末に神経断裂によって昏倒、死亡した。
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最終更新:2025/12/06(土) 05:00
最終更新:2025/12/06(土) 05:00
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