働かずに食う飯はうまいか?とは、「(働こうと思えば働けるにも関わらず)働かずにタダ飯を食っている者」に対して批判する言葉である。
「無駄飯喰らい」「穀潰し(ごくつぶし)」などという言葉があるように、世の人々のうち少なくない者は(働けるのに)働かずにタダ飯を食う者を嫌い、自らがそうなることを恥じる。
紀元前4世紀に記されたとされる中国の古典哲学・思想書『孟子』にも「公孫丑曰、詩曰不素餐兮、君子之不耕而食、何也」と、「タダ飯(素餐)食うのってどうなのよ?」といった話題が掲載されているので、時代・地域を問わず人類が普遍的に持つ感情なのかもしれない。
そういった「恥ずべき」と考える人も多い状況におかれていると「後ろめたく思って飯がまずくなるだろう」といった理屈が考えうる。そうして「働かずに食う飯はうまいか?」という言葉が登場するわけである。
つまりこの言葉の裏にある真意は「働かずに無駄飯を食らうなんて恥ずかしくて後ろめたいよなあ? そんな後ろめたさを抱えていると美味しく感じないんじゃないかね? んん?」という「皮肉」「嫌み」「批判」「煽り」というわけ。あえて好意的にとれば、「美味しく感じないだろう? だからほら、一念発起して働こうぜ!」という、遠回しな「激励」の意図をもって発言されるケースもあるかもしれない。
もちろん、「心身に何らかの問題がある」などの様々な理由から「働きたいのに、働けない」という状況はいくらでもあるわけで、そういった人々にこの言葉を用いるのはあまりにも不適当である。またそもそも「心の問題」が有るか否かは当人の内面的なものであり他者からは推し量りにくいものでもあるため、使用にはかなり慎重になるべきというか、おいそれとは使用すべきではない言葉とも言える。
実際にリアルで口に出される言葉というよりも、フィクション作品などで登場するケースの方が多い言葉かもしれない。いつ頃に広まった言葉なのかは不明。
フィクション作品での使用例:
ちなみに、「働くことで心身に多大なストレスをかけつつ食う飯と比べれば、働かずに食う飯の方がうまい」といった意見もある。これは、「どれだけのストレスがかかる労働条件なのか」にもよるので一概には言えないと思われるが。
上記のように「働かずにタダ飯を食らう」事に対して「恥じる」気持ちなどが「飯がうまくなくなる」理由である。「現在は働いていないが、過去の労働などに基づく正当な権利に基づく収入があるので何ら恥じる必要などない」状況であれば、「恥じる気持ち」も「働くことによる心身へのストレス」もどちらも無い分、それはそれは飯がうまいであろう。
YouTuberの「ヒカキン」氏に関して話す場で、時折記される謎のフレーズ。
上記の「働かずに食う飯はうまいか?」からの派生だと思われるが、「子供を笑顔にする」という別に責められるべきところのない活動で収入を得ていることから「そりゃうめぇでしょうよ」「うまいやろなぁ」といった反応が添えられることもある。
2016年8月7日にインターネット掲示板群サイト「2ちゃんねる」の「ニュー速VIP」のスレッドに書き込まれた、「ガキを笑顔にして食う飯は上手いか? 」という書き込みが古めの使用例のよう。だが、ヒカキン氏のYouTube動画のコメント欄などでこれに先んじる使用例があった可能性は否定できない。
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最終更新:2025/12/06(土) 08:00
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