公衆無線LANとは (コウシュウムセンランとは) [単語記事]

公衆無線LANとは、外出先にある無線LAN(Wi-Fi)のアクセスポイント、およびそのインターネット接続サービスの総称である。「公衆Wi-Fi」や「Wi-Fiスポット」等とも呼ばれる。

近年設置数が増加している。なぜなら、スマートフォン・タブレット端末の契約数が急増している昨今、モバイルネットワークのトラフィック量（通信回線容量）が不足する危機があり、それを回避するために通信を無線LANに迂回させる措置を講じたためである（この対策を「データオフロード」と呼ぶ）。

有料と無料のものがある。利用条件・登録方法等は各社の説明を参照されたし。

主な設置場所

基本的には人の集まる場所に置かれる。

飲食店：喫茶店・レストラン・ネットカフェ等
各種商店：ショッピングセンター・携帯電話販売店・家電量販店等
宿泊施設：ホテル・旅館・ゲストハウス等
公共施設：公民館・市町村役場・図書館・有料道路のサービスエリア・道の駅等
遊戯施設：遊園地・ゲームセンター・パチンコ店等
公共交通機関：駅・バス停・空港・フェリーターミナル・列車内・バス内・航空機内・フェリー内等

問題点

WEPや暗号化なしの危険性について
- 暗号化なしや今となっては古い暗号化方式(WEP)を使う公衆無線LANでは他者に通信内容を傍受される可能性があり、内容を知られたくないデータをやり取りする場合は、暗号化したVPNやhttps通信を使うべきである。
- 暗号化方式について詳しくはWi-Fiルーターの記事を参照のこと
複数の公衆無線LAN設置による電波の混雑について
- 同じエリアに他社の公衆無線LANが同時に設置されていることが珍しくないこの時代、通信環境の悪化により接続しても速度が出ない、または接続すら出来ないことが多々ある。最近は混雑の少ない5GHz帯に対応するスポットも増加しているが、2.4GHz帯にしか対応しない端末・スポットも沢山あるので、まだ混雑は解消されそうにはない。

主な公衆無線LANプロバイダ

赤背景白文字は暗号化無し。

有料・条件付き無料

au Wi-Fiアクセス・au Wi-Fiスポット
- 提供事業者：KDDI、ワイヤ・アンド・ワイヤレス(※KDDI子会社)等
- SSID名：au_Wi-Fi, au_Wi-Fi2
- 月額料金：
  - au Payユーザー(au Wi-Fiアクセス) ※UQモバイル・povo含む他キャリアユーザーはコチラを利用。機種縛り無し。：無料
  - au契約者で、auで正規販売されている端末から接続する場合(au Wi-Fiスポット)：無料
  - au契約者で、↑以外の端末から接続する場合：330円
- その他特記事項：
  - au Wi-Fiスポットの無料サービス枠は1台のみ接続可能。有料ユーザーのみ1IDで5台まで同時接続可能。
  - au Wi-Fiアクセス利用者はauスマートパスプレミアム(月額499円)に加入することで、VPN機能を利用可能になり、登録した端末以外にもう1台同時接続可能になる。
  - トヨタ自動車のディーラーに設置している電気自動車200V普通充電器「Gステーション」の一部にアクセスポイントが内蔵されている。
  - WiMAX2+ルーターはau_Wi-Fi2のみ接続可能。ただし、WiMAX2+ルーターでも一部MVNO業者提供のものはau Wi-Fi非対応のものもあるので要注意。
    (例として、GMOとくとくBBでは使えるが、楽天ラクーポン(現在新規受付終了済)は使えない。
    なお、W02以降の機種では公衆Wi-Fiブリッジ機能が廃止されている。)
    　
UQ Wi-Fi・プレミアム
- 提供事業者：UQコミュニケーションズ(※KDDIの子会社)
- SSID名：UQ_Wi-Fi
- 月額料金：無料 UQ WiMAX契約者のみが加入可能。
- その他特記事項：
  - プレミアムでは、Wi2 300のベーシック・オプションエリア(SSIDにpremiumの文字が入る)含め全てに無料でローミング可能。オプションエリアも特別料金不要で使えるのはUQ WiMAX"本家"回線ユーザーの特権。
    　
Wi2 300・ギガぞう
- 提供事業者：ワイヤ・アンド・ワイヤレス(※KDDI子会社)
- SSID名：Wi2, Wi2_club, 0000Wi2, Wi2EAP, Wi2_free,wifi_square, Wi2premium, Wi2premium_club
- 月額料金：
  - 月額プラン：362円
  - auユーザー専用プラン：300円
  - 提携ローミングプロバイダ：事業者によって異なる。
  - プリペイドプラン：6時間350円, 24時間800円, 3日間1500円, 一週間2000円
  - ギガぞう：フリーWi-FiへのVPN機能のみは無料、スマホ専用プラン182円(1台のみ)、スタンダード455円(5台まで、Playストアアプリ課金の場合は491円)、ファミリー機器安心パック780円(10台まで、端末保険付き)
- その他特記事項：
  - BBモバイルポイント・UQ Wi-Fiに無料でローミング(乗り入れ)可能。
  - wifi_squareだけは無料ゲスト利用も可能。一部加盟店ではWi2契約外のゲスト利用を受け入れており、メアド登録を行うとその日に限り3時間無料で使えるID・パスワードが発行される。
  - 月額契約者・提携ローミングプロバイダ契約者は、オプションエリア(SSIDにpremiumの文字が入る)を使用する際は1時間100円のオプション料金が別途課金される。
    ただしau回線契約者で指定のパケット定額サービスに加入し、auかんたん決済で支払う場合はオプションエリア課金が免除される。プリペイドプラン利用者はオプション料金は課金されない。
    　
ケーブルテレビWi-Fi
- 提供事業者：全国指定ケーブルテレビ局、ワイヤ・アンド・ワイヤレス(※KDDI子会社)
- SSID名：catv_Wi-Fi
- 月額料金：ケーブルテレビ局ごとに異なる。平均300円前後。
- その他特記事項：
  - Wi2 300ベーシックエリア・UQ Wi-Fiに無料でローミング可能。
    　
ソフトバンクWi-Fiスポット
- 提供事業者：ソフトバンク・ワイモバイル
- SSID名：0001softbank, 0002softbank, SWS1day(ゲスト利用専用)
- 月額料金：
  - ソフトバンクのスマホ・タブレット・ガラホ・ポータブルWi-Fiルーターを契約し、フラット型パケット定額サービスに加入する者：無料
  - ワイモバイルのパケット定額付き回線契約者：無料
  - ↑と異なるパケット定額サービス(2段階定額制等)に加入する者：最初の2年間のみ無料、それ以降467円
  - ソフトバンクショップでiPadのWi-Fi専用モデルを購入した者：2年間無料。ただし契約更新は不可能なのでそれ以降はソフトバンクWi-Fiスポットは利用不可能となる。
  - ゲスト利用：24時間467円
- その他特記事項：
  ソフトバンク・ワイモバイル回線契約者で指定のパケット定額サービスに加入している場合、同グループのBBモバイルポイントに無料でローミング可能。
- ソフトバンク契約者のみFONに無料でローミング可能(ワイモバイル契約者不可。)
- 逆に、BBモバイルポイントのIDでソフトバンクWi-Fiスポットにローミング不可。
  　
BBモバイルポイント
- 提供事業者：ソフトバンクモバイル
- SSID名：mobilepoint, mobilepoint1(東海道新幹線のN700系車内専用), mobilepoint2
- 月額料金：提携プロバイダのローミングの場合はそれに依存する。
- その他特記事項：
  - プリペイドプランは2015年に終了。
    　
フレッツスポット ※2017年5月新規受付終了。
- 提供事業者：NTT東日本・NTT西日本
- SSID名：NTT-SPOT, 0000FLETS-SPOT(東日本エリアのみ), NTTWEST-SPOT(西日本エリアのみ)
- 月額料金：
  - フレッツインターネット・フレッツ系光コラボ回線契約者：200円　非契約者：900円(東日本エリアのみ)
- その他特記事項：
  - 2017年5月に新規受付は終了しているが、スポットのみは現在も存続。
  - 現在契約中の者は今後も継続して利用可能。
  - Wi2 300のベーシックエリアに無料でローミング可能。
  - 7スポットの接続認証がフレッツスポットIDで行える(東日本エリア内のみ)。
    　
ワイヤレスゲート
- 提供事業者：ヨドバシカメラグループ
- SSID名：自社提供無し。
- 月額料金：
  - 通常プラン：400円　FONプレミアムプラン：590円
  - ファミマのFamiポートで販売するプリペイドチケット(通常エリアのみ)：24時間524円、2週間1048円、90日間4191円
- その他特記事項：
  - ワイヤレスゲートのWi-Fiサービスはローミング専用。自社でSSID提供は行わず、提携した回線業者で使用可能なID・パスワードを渡すのみ。
  - BBモバイルポイント・Wi2 300のベーシックエリア・eoモバイルポイントに無料でローミング可能。
  - FONプレミアムプラン契約者は、上記に加えて、FONのネットワークも使用可能。
  - 同社が提供する格安SIM・WiMAXルーターサービス契約者も同様にWi-Fiスポットを使用可能。
    (FON付きは格安SIMのみ。)
    　　
eoモバイルWi-Fiスポット ※2016年新規受付。
- 提供事業者：ケイ・オプティコム(※関西電力子会社)
- SSID名：eo, eo_WPA2/AES
- その他特記事項：
  - 2016年に新規受付は終了しているが、スポットのみは現在も存続。
  - ワイヤレスゲート契約者であればそれを使用可能。
    　
FON
- 提供事業者：フォン・ジャパン
- SSID名：FON_FREE_INTERNET, FON_FREE_EAP
  他にも国によって異なるSSID名が存在する。
- その他特記事項：
  - 自宅にFON Wi-Fiを設置し、メンバー専用の公衆のアクセスポイントとして共有する代わりに、世界中のFONアクセスポイントを無料で利用出来るというのがFONのコンセプト。全世界で約1900万箇所にスポットを構える。
  - 日本ではソフトバンク・ヨドバシカメラ(ワイヤレスゲート)と提携しており、FONメンバーとして登録可能なWi-Fiを販売している。

完全無料

※ここでは全国規模ないしそれなりに広域で営業を行っている団体のもののみ記載。
また、ここでは取り上げないが店独自で提供されるものもある(詳細は各団体の案内・HP等を参照されたし)。

d Wi-Fi
- 提供事業者：NTTドコモ
- SSID名：0000docomo, 0001docomo
  0000のほうはウェブブラウザでの認証時。0001はNTTドコモ(本家回線)を契約しているSIMカード情報による自動認証時。
  0001に対応する機種では、アクセス時にID・パスワードの入力は不要。
  0001対応機種：iPhoneシリーズ・iPadシリーズ・2013年冬モデル以降のAndroid、2015年春モデル以降のポータブルWi-Fiルーター、2016年冬モデル以降のガラホ
- その他特記事項
  - dアカウントを取得し、dポイントカードの登録さえすれば完全無料で使える。
  - これまでの「docomo Wi-Fi」サービスが2021年度に終了するのに際し、これまでのサービスを受け継ぎ、2020年3月からドコモ契約者でなくても完全に無料開放したのがこのサービスである。
  - 登録するポイントカードはバーチャルカード(スマホの画面上に出す「モバイルdポイントカード」というバーコード)でもOK。でも実物のプラスチックカードのほうが使える店が多いので持っていても損はないだろう。
  - 1つのアカウントで5台まで同時接続可能。
    　
00000JAPAN
- 提供事業者：総務省主催、それに協力する国内93企業
- SSID名：00000JAPAN
- その他特記事項：
  - 大規模災害発生時にのみ使用可能。
  - 発生から72時間以内に通常時は有料であるWi-Fiスポット(au Wi-FiスポットやソフトバンクWi-Fiスポット等)を無料開放する。
  - 2011年の東日本大震災で損壊した通信網の完全復旧に1ヶ月以上を要したのを教訓に、災害時には全ての人が契約事業者の垣根を越えて無料でWi-Fiを使えるようになった。
  - 過去には2016年熊本地震や2017年九州北部豪雨、2018年大阪府北部地震等で開放された事例がある。
    　
Japan Connected-free Wi-Fi
- 提供事業者：NTTブロードバンド・プラットフォーム(NTTBP)
- SSID名：自社提供無し。
- その他特記事項
  - 提携事業者のフリーWi-Fiにいちいち登録することなくワンプッシュでローミングが可能なアプリである。iOS・Androidの2種類に対応。
  - 主な使用可能(全国展開する有名企業に限る)は、7スポット(セブン&アイ・ホールディングスグループ)、三井ショッピングパークグループ、プレミアムアウトレット、ビックカメラ、ファミリーマート、ダイエー等。
  - メアド登録 or Facebookアカウントでのログイン必須。
  - 最終利用日から90日間経過すると再登録必須。
    　
フリースポット
- 提供事業者：フリースポット協議会(※バッファローグループ)
- SSID名：FREESPOT, freespot=SecurityPassword(AES)
- その他特記事項：
  - メアド登録必須。
  - 事前に公式サイトで機器のMACアドレスを登録しておけばメール認証画面を省略可能。
    (有効期限は最終接続日から半年間。)
    　
Doスポット
- 提供事業者：NTTメディアサプライ(NTT西日本グループ傘下)
- SSID名：DoSPOT-FREE
- その他特記事項：
  - メアド登録必須。
  - 接続可能時間は一回15分。
  - 接続可能回数は一日4回迄(24時で回数リセット)。
  - ただしフレッツスポット契約者は時間・回数制限がなくなる(同じスポットからフレッツスポット用のSSIDが出ているので)。
    　
ローソンフリーWi-Fi
- 提供事業者：ローソン(技術提供はNTTBP委託)
- SSID名：LAWSON_Wi-Fi
- その他特記事項：
  - メアド登録必須。有効期限は1年間。登録開始から1年経過で再登録必須。
  - Japan Connected-free Wi-Fiアプリでも認証可能。
  - 接続可能時間は一回1時間。
  - 接続可能回数は一日5回迄(24時で回数リセット)。
  - 以前は専用アプリが必要だったりしたが、2015年に撤廃され現在の形式になった。
    　
ファミマWi-Fi
- 提供事業者：ファミリーマート
- SSID名：Famima_Wi-Fi
- その他特記事項：
  - 会員登録必須。メアド・パスワードを登録する。
  - 接続可能時間は一回20分(ただし簡単ログインアプリからログインした場合は一回1時間に延長される)。
  - 接続可能回数は一日3回迄(24時で回数リセット)。
  - 毎週月曜日の午前1時～午前5時の間はメンテナンスにつき利用できない場合あり。
    　
アットスターバックスWi2
- 提供事業者：スターバックスコーヒー(技術提供はワイヤ・アンド・ワイヤレス)
- SSID名：at_STARBUCKS_Wi2
- その他特記事項：
  - メアド登録等不要。接続後に表示される利用規約に同意さえすればOK。
  - 接続可能時間は一回1時間。一日の利用回数制限は無し。
    　
タリーズWi-Fi
- 提供事業者：タリーズコーヒー(技術提供はワイヤ・アンド・ワイヤレス)
- SSID名：tullys_Wi-Fi
- その他特記事項：
  - メアド登録等不要。接続後に表示される利用規約に同意さえすればOK。
    　
オートバックスWi-Fiスポット
- 提供事業者：オートバックスセブン(技術提供：ワイヤ・アンド・ワイヤレス)
- SSID名：AUTOBACS_Free_Wi-Fi
- その他特記事項：
  - メアド登録等不要。接続後に表示される利用規約に同意さえすればOK。
  - 以前はオートバックスのポイントカード・クレジットカードが必要だったが、新SSIDになった際に撤廃された。
    　
イオンWi-Fi
- 提供事業者：イオンアイビス(イオングループ)
- SSID名：AEON, AEON_MALL
- その他特記事項：
  - メアド登録必須。2回目以降は不要。
  - Yahoo!JAPAN・Google・Facebook・Twitterアカウントでも登録可能。
  - 接続可能時間は一回12時間。
  - フィルタリングあり。有害サイトはアクセス出来ない。はち◯起稿等もアクセス出来ない模様。
    　
フリーモバイル
- 提供事業者：タケショウ・アサヒ飲料グループ
- SSID名：FREEMOBILE
- その他特記事項：
  - メアド登録等不要。接続後に表示される利用規約に同意さえすればOK。
  - アサヒ飲料グループが運営する一部の自販機に搭載。
    　
マクドナルドフリーWi-Fi
- 提供事業者：マクドナルド
- SSID名：00_MCD-FREE-WIFI
- その他特記事項：
  - 会員登録必須。メアド・パスワードを登録する。
  - SNSアカウントでも登録可能。
  - 接続可能時間は一日1時間。
  - 一日あたりの接続可能回数制限は無いが、再接続は切断後10分程度経過しないと不可。