巨乳長とは、東方Projectのキャラクターである十六夜咲夜に付けられるタグです。
本タグを説明する前に、「PAD長」という言葉についてご存知でしょうか。
東方Projectにおいて十六夜咲夜の絵は胸が目立たないよう描かれています。特に咲夜ばかりが貧乳というわけではなく、作者のZUN(神主)のキャラ絵全体に言えることです。
ところが、東方萃夢想に限り、神主とは別のイラストレーターが咲夜の胸を大きめに描いたため、他の作品とのギャップが激しいことからネットの掲示板等で「胸にパッドを入れている」というネタが広がり、やがてメイド長とパッドをかけ合わせて「PAD長」という造語が広く流布しました。
明治時代の文豪、夏目漱石は
「表面を作る者を世人は偽善者という。偽善者でも何でもよい。表面をつくるということは、内部を改良する一種の方法である」(『文学論』)
と申しました。その言葉には確かに一理あるかも知れませんが、賢明なる皆様には、それを根拠に事実でないことを事実として主張しないで欲しいのです。
あまりに広くPAD長という言葉が人口に膾炙した結果、咲夜=貧乳、偽乳という図式が東方の知名度と関係なく普遍的となってしまい、キャラクターのイメージさえも揺るがす苛虐的な言葉として捉えられるようになってしまいました。
もちろん私を始めとする多くの方は、この言葉に嫌悪感を示します。貴方が咲夜のことをどう思おうが自由ですが、公式はもちろん、二次創作内でも、この言葉を使う時は最低限のTPOをわきまえ、まず場の空気を読むようにお願いします。
pixiv、pixpedia(ピクシブ百科辞典)等では、先のPAD長の対義語的な意味として「巨乳長」という言葉が少しずつではありますが使われるようになりました。あまりに使い尽くされたネタに対しては、それを180度真っ向から覆すようなネタが作られることもありますが、この言葉もその最もたる例と思います。
別の作品に例を取ると、The Idolm@sterにおいて、天海春香というキャラクターは二次創作で「黒春香」「春閣下」というネタが広く使われておりますが、その真逆の意味をなす「白春香」という言葉も使われております。私は天海春香といえば、本来あるべき姿である白春香の一面しかないと思うのですが…それはさておき。
巨乳長をタグに含む絵や動画は、やはりというべきかエロチシズムの濃い作品が多い傾向にあります。これは致し方ない事かもしれません。
夏目漱石は
「色を見るものは形を見ず、形を見るものは質を見ず」(『虞美人草』)
という言葉も残しております。先の言葉とも矛盾しているかも知れませんが、咲夜の完全で瀟洒な従者という本質はその言葉にあるのです。
キャラクターの本質というのは顔でも体格でもなく、ましてや胸でもありません。巨乳長という言葉があるから咲夜は巨乳が一番だ!と貴方が思うのは勝手ですが、PAD長が蔑称として捉えられているように、巨乳長という言葉もまたその人のフェティシズムを如実に表しただけに過ぎない、二次創作のスラングであると思うのです。
いずれにせよ、言葉を使う前によく頭の中で考えていただきたいのです。全ての無駄な固定観念を取り払い、わた、十六夜咲夜はレミリア様に忠実に使える従者に過ぎないとだけまず記憶に留めて欲しいのです。その上で言葉を選んで、十分熟慮した上ではじめて使って欲しいのです。
あら、もうこんな時間…お嬢様にお茶をいれねば。
あらためて、咲夜とはこういうキャラクターである証左を示しましょう。
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最終更新:2025/12/23(火) 16:00
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