木村一基 単語


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キムラカズキ

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木村一基(きむら かずき)とは、将棋の強いおじさん将棋棋士である。1973年6月23日生まれ。千葉県四街道市出身。佐瀬勇次名誉九段門下。棋士番号222。

弟子に高野智史(高は正式にははしごだか)。

棋歴

1985年12月に小学6年生で6級で奨励会に入会。三段リーグを突破するのに13期(6年半)かかり、プロ入り(四段昇段)が23歳のとき(1997年)と遅咲きの棋士であるが、プロ入り後の活躍は目覚ましく、1998年に新人賞、1999年に勝率一位賞、2001年に勝率一位賞、最多勝利賞、最多対局賞を受賞。特に2001年の「勝率8割越えと60勝以上を同時達成」という記録は、歴代でも木村と羽生善治(1988年度)、藤井聡太(2017年度)しか成し遂げていない。2002年の新人王戦で優勝。2007年、A級順位戦に昇級し八段に昇段する。2010年度の朝日杯将棋オープン戦で全棋士参加棋戦初優勝。

タイトル戦には2005年の竜王戦を初め6度挑戦したが、いずれも敗れていた。特に2009年の王位戦(対深浦康市)では、第3局まで3連勝してタイトル獲得に王手をかけたものの、そこからまさかの4連敗を喫し、初のタイトル獲得を逃してしまった。タイトル獲得無しでのタイトル戦登場6回は森下卓と並んで史上最多タイ、タイトル戦番勝負10勝はタイトル獲得のない棋士の中では史上最多だった。また、「勝てば初タイトル」となる対局での8連敗も史上最多だった。

2018年度の順位戦はB級1組で8勝4敗の成績で、9期ぶりにA級順位戦に復帰した。

2019年王位戦、7度目のタイトル戦に挑戦。3勝3敗のカド番までもつれ込んだ末の2019年9月26日第7局、110手までで豊島将之王位を破り、悲願の初タイトルを獲得。
46歳3ヵ月での初タイトルは、有吉道夫の37歳6ヵ月を上回る最年長初タイトルである。
プロ入りから22年、「勝てばタイトル」の対局は実に9度目。座右の銘「百折不撓」を体現した瞬間であった。

2020年の第61期王位戦七番勝負は、藤井聡太七段を挑戦者に迎えて初のタイトル防衛戦に臨んだが、4連敗で王位を失冠した。

棋風・人物

居飛車党の棋士であり、相手の攻め駒を攻め返すその強靭な受けの棋風から“千駄ヶ谷の受け師”の異名をもつ(なお、この名前の元ネタは『ハチワンダイバー』)。また粘り強く、諦めない棋風であり、「負けと知りつつ、目を覆うような手を指して頑張ることは結構辛く、抵抗がある。でも、その気持ちをなくしてしまったら、きっと坂道を転げ落ちるかのように、転落していくんだろう」(将棋世界2007年5月号)の言葉にその特徴が表れている。

解説者としても定評があり、懇切丁寧で解りやすく、ボケや毒舌・ぼやき・自嘲を交えた軽妙でサービス精神旺盛な解説は将棋ファンから広く支持されている。ニコニコ動画では“解説名人”の称号を(タグで)与えられることも多く、ニコ生の将棋公式番組にも何度も登場している。一方で雑談やメールコーナーでは聞き手や共演の棋士をいじり倒す攻めの棋風。2019年1月の叡王戦中継では、聞き手の山口恵梨子女流の推奨手を片っ端から王手飛車取りに導くという芸を見せた。また、昔から玉頭の守りの薄さをネタにされることも多く、そのたびにはげましのフォローコメントが流れる。

奥さんは日本将棋連盟の職員である。「家事はしない、いっさいしない」「気が向いて何かしようものならそれが当たり前になっていまい、しなかった場合、不機嫌にさせてしまう、だから家事は一切しない」など、亭主関白的な発言をしているが、実際は家族思いの良いパパのようだ。初タイトルを獲得した対局後、記者から「家族への思い」を質問されると目頭をおさえながら20秒ほど言葉に詰まり、「……帰ってから伝えたいと思います」と答えた姿は全おじおじファンが泣いた名場面である。

成績

昇段履歴

  • 6級(1985年12月)…奨励会入会
  • 初段(1988年)
  • 四段(1997年4月1日)…第20回三段リーグ優勝
  • 五段(1999年4月1日)…順位戦C級1組昇級
  • 六段(2001年12月17日)…勝数規定(五段昇段後120勝)
  • 七段(2003年4月1日)…竜王戦ランキング戦2期連続優勝(14期4組-2001年・15期3組-2002年)
  • 八段(2007年4月1日)…順位戦A級昇級
  • 九段(2017年6月26日)…勝数規定(八段昇段後250勝)

タイトル戦登場履歴

  • タイトル戦登場回数:8回
    • 竜王:1回(第18期-2005年度)
    • 王位:5回(第50期-2009年度・55期-2014年度・57期-2016年度・60期-2019年度・61期-2020年度)
    • 王座:1回(第56期-2008年度)
    • 棋聖:1回(第80期-2009年度)
  • タイトル獲得数:1期
    • 王位:1期(60期-2019年度)

一般棋戦優勝履歴

  • 新人王戦:1回(第33回-2002年度)
  • 朝日杯将棋オープン戦:1回(第4回-2010年度)

優勝回数:2回

将棋大賞受賞履歴

  • 第26回(1998年度) 新人賞
  • 第27回(1999年度) 勝率第一位賞
  • 第29回(2001年度) 勝率一位賞・最多勝利賞・最多対局賞
  • 第37回(2009年度) 敢闘賞

叡王戦戦績

  • 第1期:八段予選Cブロック決勝敗退
  • 第2期:八段予選Bブロック準決勝敗退
  • 第3期:八段予選Aブロック準決勝敗退
  • 第4期:九段予選Dブロック優勝、本戦二回戦敗退

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