稀神サグメ 単語


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キシンサグメ

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稀神サグメ

東方Project>東方Projectの登場キャラクター>稀神サグメ

稀神サグメ(きしん-)とは、サークル「上海アリス幻樂団」制作の弾幕STG「東方Project」の登場キャラクターである。

概要

二つ名:舌禍をもたらす女神
能力:口に出すと事態を逆転させる程度の能力
テーマ曲:逆転するホイールオブフォーチュン

「東方紺珠伝 ~ Legacy of Lunatic Kingdom.」登場のキャラクターであり、同作の4面ボスである。

月の民の一人。その中でも重要なポストについており、普段はあまり表に出てこない。
作中の台詞から、永琳の事も知っている様子(様付けで呼んでいる)。
種族は暫定的には神霊とされているが、性質は神とも鬼とも精霊とも判別が付かないという。

彼女の能力は、何らかの事象に対して(特に関係すると思われる人物に向かって)口にすると、その事象は逆に進み始めてしまう、というもの。
天邪鬼が逆の事を言うだけなのに対し、その上位の神霊である彼女は実際に現実を歪めてしまう。言葉で世界の行く末を変容させ、「運命」すら変えてしまうという概念系の中でも反則級の能力。

運命論に干渉する力だが「操作」と言えるほど繊細な能力ではなく、もっと大雑把な「逆転する力」であり、一度発動してしまえばサグメ自身にも制御はできない。
何かを成そうと口に出せば尽く失敗するし、悪い事が起きているのなら何らかの打破が見られる。つまり、必ずしも自分に対して好転するわけではない。まさに“口は禍の元”を地で行く神霊である。

この能力のせいか無口な性格であり、立ち絵でも口を手で塞いでいるのだが・・・これに見えると専らの評判。
また銀髪+片翼という某RPGのあのお方に似た見た目と相まってあの病気とも取られがちだが、至って常識的なお人です。

あと撃破してもボロらない。データ解析を行えばサグメのボロ絵を発見することが出来るが、ZUN氏が月人の強さを演出する為にボロらないように変更した結果、没になった。ZUN氏曰く、力を試すために手加減した奴がボロ絵になるのも恥ずかしいから、らしい。
この辺りの事情は公式マガジン『東方外來韋編 壱』のインタビューで語られている。

作中での活動

純狐の攻撃に対して、月の賢者達は月の都を凍結。住民達を夢の世界へ避難させた。
これにより純狐も手が出せなくなったが、月の民も外に出る事が出来ない膠着状態となる。この状態が長引く事を危惧した賢者達は、月の都を地上、つまり幻想郷に遷都させる計画を保険として立てる。
そして白羽の矢が立てられたのが彼女であった。

彼女は自らの能力を使い、近くにあるだけで噂話が具現化するという『言葉で世界を変える力』を持ったパワーストーンを作成し、幻想郷に落とした。つまり、東方深秘録にてオカルトボールに混ざっていた月の都のボールの作成者である。

そのパワーストーンの力を用いて「アポロ計画陰謀論(NASAは月で見た文明を隠しているとする都市伝説)」を広め、月の文明、すなわち月の都を幻想郷に具現化させるというのが彼女の計画であった。しかし月の民、そして彼女自身も遷都には否定的であり、どうにかならないものかと思案している所に主人公達が訪れるのが本編での彼女との出会いとなる。

サグメの能力について

サグメの「口に出すと事態を逆転させる程度の能力」は表現が抽象的であるため、様々な解釈が為されている。

そこでこの項では、作中で判明した情報やomake.txtの記述からサグメの能力を考察する。

能力発動におけるルール

 サグメの能力には幾つかルールがあり、彼女はそれらを踏まえることで能力をある程度コントロールしている。

  • 能力を発動するには、その事態に関係する者に向かって言葉を発する必要がある。
    能力発動に最も重要な条件。逆転したい事態に深い関わりのある者に向かって言葉を発しなければならない。事態が逆転するためには何らかの基点が必要であり、サグメは自身が話しかけた者を事態逆転の基点とする。
    言ってしまえばサグメは会話相手を「フラグ」にすることが出来る。故に『フラグになり得ない者=事態に関係のない者』に話しかけても、能力が発動せず意味を成さない。
  • 能力を自分の意志でコントロールできない
    能力の発動は本人の意志と関係なく、ただ言葉を口にしただけで事態を逆転させてしまう。自身で能力のON・OFFを切り替えることが出来ないため、彼女は普段から言葉を発することはせず、不注意での発言を抑制するために手で口を押さえている。また逆転する事態はサグメが言及したものに限られるため、言葉足らずだったり言葉の解釈が多様だったりした場合は思わぬ方向に事態が逆転してしまう可能性もある。
  • 自身が望む方向に事態を逆転させたい場合、逆転できるだけの要素が必要
    作中において、サグメは主人公達と一戦を交え、力量を見極めた上で異変の真実を話す(能力を発動し、事態を逆転させる)ことを決めている。これはサグメが望んでいる『純狐に圧され気味な状況が逆転する』という事態を引き起こすためには、逆転の基点となる主人公側に『状況を逆転できる要素=純狐の元に辿り着けるだけの力量』が備わっていなければならないということを示している。言い換えれば、起こる可能性のない逆転を引き起こすことは出来ない。
    またこのことを逆手にとり、自分に都合の悪い逆転について原因となるものを排除することで、逆転を未然に防ぐこともできる。
  • どのような形で事態が逆転するのか、サグメ本人にもわからない
    サグメの言及により事態は逆転するが、どのような過程を経て事態が逆転するのかはサグメ本人にもわからない。事態逆転の基点が誰であるのかは明確だが、それ以上のことについては断言することは出来ない。
    ただしある程度推測することは可能で、現状における情報から『起こり得るもの』と『起こり得ないもの』にわけることは出来る。膨大な情報とそれを精査するだけの十分な時間があれば、無限にあるケースからかなりの数にまで絞り込むことができるだろう。無論そのためには、状況から情報を読み取る観察能力情報を迅速に精査する解析能力が必要である。故に作中においての限られた状況で正確な判断を下すことができた彼女は、相当な観察眼と頭脳を持ち合わせていると言える。

能力を解釈する際のよくある誤解

サグメの能力の説明はとても抽象的であるがために、色々な誤解を招きやすい。ここでは特にされるであろう誤解について幾つか例を挙げている。ただし公式見解ではないため、必ずしもここにある情報が絶対に正しいわけではないことに注意。

  • サグメが逆転させるのは『事態』であり、『結果』ではない
    サグメの能力を解釈する上で最もよく見かける誤解が「サグメが口に出したことと逆のことが起こる」というもの。「何でもひっくり返す程度の能力」を持つ鬼人正邪の存在も相まって、「彼女が言葉にしたことは意味が全てひっくり返って実現する」とよく誤解される。
    しかし能力名の通り、彼女が逆転するのはあくまで『事態』である。『事態』とは物事の成り行きやその様、つまり『現在の状況』のことを指し、『未来の結果』を指すのではない。すなわちサグメが言葉にしたからと言って、逆の結末が確定するわけではない。現状が好調ならば不調になり、逆に不調ならば好調に転じる。状況が逆転した結果として未来が変化するのである。
  • 発言の内容と逆転の方向性には相関がない
    上記に関連して「発言の内容を変えることで、事態をどのように逆転するかを指定できる」というもの。これもよくある誤解であるが、そのような事は出来ない。
    例えば霊夢と魔理沙が弾幕ごっこをしていて、現状霊夢が優勢であるとしよう。誤った解釈の場合、サグメが「霊夢が勝ちそう」と発言することで霊夢優勢の流れを逆転できる事になる。実際には勝負に言及する際、サグメの発言内容の如何を問わず、霊夢優勢の状況が逆転してしまう、というのがサグメの能力である。
    つまりサグメが言った台詞が「霊夢が勝ちそう」でも「魔理沙が勝ちそう」でも「勝負が拮抗してるな」でもそれ以外でも、弾幕ごっこの状況についてそれに関わりのある人物に言及した時点で、事態が逆転してしまうのである。

天探女

サグメの元ネタは日本神話に登場する「天探女(アマノサグメ / アメノサグメ)」。
有名な「返し矢」の原因の一端を作った女神であり、『古事記』に謂う葦原中国平定にあたって、天照大神の命(国譲りの交渉)を賜った天若日子命に仕える形で描写されている。

天若日子は天照大神の命に背き、葦原中国の支配者になろうと企み長らく高天原に戻らなかった。疑いを持った天照大神は雉の「鳴女」を遣わせるのだが、鳴女の声を聞いた天探女が「この鳴き声は不吉だから射殺せ」と進言し、天若日子は彼女の言葉通りに天津神から賜った矢で鳴女を射抜いた。
このとき鳴女を射抜いた矢は、そのまま高天原の天照大神と高御産巣日神(高木神)まで届いた。 高木神は「天若日子が邪心を持つならばこの矢に当たるように」と矢を投げ(返し矢)、結果として天若日子は死んでしまった。

以上のように、原典だけ見れば中々不吉な女神である。

原典のこの展開からZUNはサグメの能力を思いついたのであろう。仮に、天探女が天若日子に進言した時に「口に出すと事態を逆転させる程度の能力」が発動したと考えると、その後の急な展開も合点がいく。

天探女は妖怪「天邪鬼」のルーツ、東方的には鬼人正邪(天邪鬼)の元ネタの女神でもある。名前の読みが正邪と一部似ているのも、恐らくそれを意識した作りなのだろう。

また、天探女は名に「天」と付いていても例外的に「神」「命」といった尊称を持たず、天津神かそれとも国津神なのかはっきりしないという。この辺りも鬼か神か判別がつかないサグメを連想させる設定かもしれない。

サグメは天津神なのか

元ネタの「天探女」が天津神なのかはっきりと分かっていないが、稀神サグメは天津神と国津神、両方の要素があることは判明している。

───彼女は天津神の部分と国津神=土着神の部分が両方ある、ということなんですか? で、どちらかというと天津神の方に羽が生えてる。

ZUN 「私の天津神としての部分が~」って言いますからね。結局表裏があるから、両方の属性があるということなんですよ。天邪鬼よりも、もう少し純粋な存在で、神様でもある。

~東方外來韋編 壱より~

作中での該当する内容は以下の通り。

  • 鈴仙ルートにおけるサグメの台詞「これはいわば勅命よ。私の天津神部分からの……」。
  • 早苗の完全無欠orノーミスEDにおいて、神奈子はサグメの名と幻想郷遷都計画を聞いて探女=月の民=神々の系譜、天孫降臨の再来ではないかと考察している。

月の民=天津神の可能性については、上記に加えて下記の儚月抄の内容も重要な点となる。

  • 小説版儚月抄によると、月への移住は天照大神の妹「月夜見命」が発案したこと。
  • 漫画版儚月抄において、綿月豊姫がフェムトファイバー(注連縄)を月の民に逆らう者(土着の神など)の動きを封じるのに使用していると発言、さらに八雲紫が出雲大社及び守矢神社の注連縄は天津神が国津神を縛るための物であると発言している。
  • 月の都はZUN氏のイメージ的には「高天原」になるらしい。(『東方外來韋編 壱』より)

サグメの最後のスペルカード「片翼の白鷺」は以下のようなメタファーとも考えられる。

  • 「白鷺」は天津神もしくは国津神のどちらかを表わしている
  • 「片翼」はその要素が半分もしくは一部しかないことを暗示している
  • ZUN氏によると、サグメのイメージは「サギ」、鳥の「鷺」でもあり人を騙す「詐欺」でもある、とのこと

上記の内容とomake.txtの「一応、神霊という部類に入るが、その性質は神とも鬼とも精霊とも付かない」という記述を加味してもやはり同様の解釈に至る事が出来る。

スペルカード

玉符「烏合の呪」 Easy,Normal
玉符「烏合の逆呪」 Hard
玉符「烏合の二重呪」 Lunatic
玉符「穢身探知型機雷」 Easy,Normal
玉符「穢身探知型機雷 改」 Hard,Lunatic
玉符「神々の弾冠」 Easy,Normal
玉符「神々の光り輝く弾冠」 Hard,Lunatic
「片翼の白鷺」 Easy,Normal
Hard,Lunatic

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関連項目

  • 東方Project
  • 東方紺珠伝
  • 月人
    • 八意永琳
    • 蓬莱山輝夜
    • 綿月豊姫
    • 綿月依姫
    • 月夜見(東方Project)
    • 嫦娥(東方Project)
  • 鬼人正邪

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