総集編とは、土壇場しのぎ、あるいはひとときの休息である。ダイジェスト。まとめ。
総て集めて編む、という言葉のとおり、既存の作品内容の部分部分をつなぎ合わせてひとつに編集した作品を総集編と呼ぶ。一般的に、新規に一から作品を作り上げるよりも、ローコストかつ短時間で作れることから多くの分野で活躍する商法手法である。ある種のリミックス。作品のテーマとしての柱が明確に見える話でもある。
単に既存全てで組むだけでなく、 新規カット挟んだり、振り返りを劇中劇にしたりと、一連の流れに組み込まれる内容である場合もある。
毎週放送される連続番組では、
などの理由から総集編が組まれる。バラエティ番組なら過去の人気企画や芸人のネタ特集など。アニメや特撮作品なら、作中のキャラクターたちが唐突に「今までの旅のことを振り返ってみようか」などど回想シーンの導入とともにダイジェストが入る。通常の番組枠での総集編の場合もあるが、上記の年末進行などの場合、特番枠としての総集編が組まれる場合もある。
通常放送での総集編は、バラエティやお笑い番組ならば、過去の面白かった企画やネタをもう一度見られるのは視聴者にとってうれしい場合がある。しかしながら、アニメや特撮番組の視聴者の大半は毎週の新しいストーリー展開や新規作画を楽しみにしているため、単に既存のシーンの断片的な再放送である総集編はあまり好まれない。「始まったと思ったら総集編でガッカリ」である。視聴率も低下してしまうことが多い。ただし、1週明けで忘れがちな内容をもう一度復習するという整理役も兼ねているので、当時見ても分からなかったけど見直したら理解が深まったということもある。
とりわけ総集編といえど、何をチョイスするかということで、ただの不明瞭な切り貼りとも、一連を振り返る一つのストーリーにも変貌するという、作家の匙加減が試される場でもある。
近年の作品では特に総集編の多さが目立った作品である。本編放送中に、前作である機動戦士ガンダムSeedまでも含めた総集編や回想シーンを乱発してしまったため、 作品やスタッフに対する評価低下を招く一因になってしまった。
それとは別に、前作ともどもスペシャルエディションというDVD用特別総集編が製作されており、こちらは本編のダイジェストに加え新規作画、シナリオの追加などが行われている。(一部は特番で放送)
良くも悪くも総集編に恵まれた作品といえる。
第25話でストーリーそのものは完結したものの、続く最終回26話「ファイナルリミックス バナナをわすれた!」にて既存の25話からシーンをつなぎあわせた映像に、声優のアフレコだけでまったく違う内容の1話を作り上げるという荒業に出た。Bパートのモノマネ大会はファンの間で語り草になっているほど。ほとんど公式MADである。
第3話が口裂け女を題材とした話となるはずであったが、次回予告の段階で口唇口蓋裂症への差別だとしてクレームを入れられ、急遽放送が中止された。そこで2話しか放送されていないのに総集編を作成して穴埋めせざるを得なくなってしまった。
全26話が制作されたが、テレビ東京系列の地上波で放送された際はそのうちの12話分+総集編1話の全13回の放送となった。地上波放映における最終回「よせあつめブルース」はタイトル通りのよせあつめ(総集編)であるとともに、 大人の事情でこのような形となってしまったことを視聴者に明かす内容であった。この「よせあつめブルース」は再放送や映像ソフト化の際にもカットされており、内容が内容だけに今後も陽の目を見ることはないと思われる。
番組開始から1年経過した後、夕方の放送枠に移動することが決定した際にそれまで放送したキーポイントな分のダイジェストを3話分で放送。実質合計1時間の枠で1年以上の内容をまとめた稀有な例とも言える。
1クール作品にもかかわらず、総集編を1度ではなく2度挟んだことでも話題に。シーズン中で放送できなかった部分は後日特番として放送。ただし、単純なトラブルというよりこだわりを持ちすぎてスケジュールを超過した面が強く、面白く作られた内容にファンは好意的に迎え入れた。各スタッフ的にも、納期および枠調整の放送局や資金面でのスポンサー的にもある意味恵まれた作品である。
第16話冒頭において「総集編」と語っておきながら今までの内容を番組開始からOPまでのアバンタイトル90秒ですべて纏め、しかも内容を語るだけなら50秒程で済ませてしまっている。もちろんそこまでの映像は既存の映像であるが、元々展開スピードが速い作品でもあるため、これすらも早々にまとめてしまうという趣向が見られる。90秒で1クールの内容を全て纏めるには相当な技量が必要であり、それをやってのけた関俊彦の早口も称賛に値すべき点である。
「ニンジャスレイヤー傑作選」というタイトルで配信された第25話は、最終回を目前にした総集編という体でありながら、その内容はすべて新規製作のアニメーションだった。総集編というよりは「アニメ化されなかった原作小説のエピソードから印象的なシーンを厳選したショートアニメ集」であり、この回のためだけに起用された声優も多いため、ファンにとってはかなり豪華な内容になっている。しかし、公式サイトのあらすじ等ではそれらのシーンがあたかもこれまでこのアニメで放送されたものであるかのように扱われており、「こんなシーン見覚えねーぞ」と多くの視聴者を(普段にも増して)困惑させた。総集編という形態を逆手にとった高度なシュールギャグといえよう。
第12話(第1クール最終話)は、これまでの話を振り返りながらメインキャラの六つ子の中で誰が一番ダメだったかを決める「ダメ松さん(仮)」という企画風の総集編だったが、OA版は副音声で出演声優によるオーディオコメンタリーが聞けるという、この回のみの特別仕様で放送された。各サイトでの配信版も、主音声Verと副音声Verの両方を続けて視聴することができるようになっている。ただ本編を振り返るだけでなく、声優陣による解説や裏話を交えるというのは、総集編の新たな試みといえる。
諸般の事情により放送が一ヶ月遅れてスタートした遊戯王VRAINSだったがその後も約8話に一回のペースで総集編が放送され38話現在で4回という先に述べたガンダムSeed Destinyと並ぶ回数の総集編を行っている(頻度で言えばガンダムSeed Destinyを上回る勢い)
監督からは徐々に現場は改善しているとの発言もあるが今後の動向に注目したい。
アニメ番組の放送終了後、その作品をもとに映画を作る場合、番組で使用した映像、シナリオを再編集した内容となることがある。宇宙戦艦ヤマトの最初の劇場版や、機動戦士ガンダム劇場版三部作など古くからある手法で、映画用にキャスト(声優)を再アテレコや変更したり、作画修正を行うことが多い。
総集編といっても、映画化の手法によっては、内容がTVアニメ版と大きく異なった解釈がくわえられていたり、シナリオは同じだが舞台やら展開やらが大幅にアレンジされていたり、シナリオも描写展開・舞台も同じだがほぼ全編が新規作画による映像となり新作といっても差し支えのない内容となっている場合がある。
サークルによっては今までに頒布した同人作品をまとめて一冊(ゲームやCG集の場合はメディア媒体)にして再頒布することがある。総集編によって既刊を集める必要なく昔の作品を読むことができ、そのサークルの過去作を気軽に楽しめる。(人気サークルの過去作などは同人中古市場で高騰することがあり、逆にマイナー系だと流通がなくどちらにせよ手に入りにくい)
ニコニコ動画においては、特定のキャラクターやシチュエーション別にアニメやゲームの場面をまとめた動画に総集編のタイトルが付けられていることが多い。
あるいは特定のMADシリーズをひとまとめにした動画や、そのシーズンの流行をまとめる「ニコニコメドレーシリーズ」も総集編のカテゴリーといえるかもしれない。
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最終更新:2025/12/06(土) 11:00
最終更新:2025/12/06(土) 11:00
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