007は、イアン・フレミングの小説と、それを原作とする人気スパイアクション映画シリーズである。
右の絵は、『ロシアより愛をこめて』のポスターでワルサーを構える初代ボンド、ショーン・コネリーの姿。まだふさふさ。
職業についてであるが、スパイのイメージが先行するが、正確には軍人。階級は海軍中佐(初期作品では中尉になっている場合もあり、統一されてなかったが、いつごろか「中佐」で固定された)。
主人公「ジェームズ・ボンド」はイギリス秘密情報部MI6のメンバー。
殺人許可証(殺しのライセンス)と「007」のコードネームを持つ彼が、優れた能力とハイテクアイテムを駆使して、奇想天外な活躍をするスパイアクションである。
ボンド・ガールと呼ばれる美女との絡みも見所のひとつである。
ただし、過去にマリアという女性と結婚した経験がある(「女王陛下の007」)。しかしハネムーンに行く途中、抹殺したはずであった犯罪組織「スペクター」の首領ブロフェルドによってマリアは殺されてしまう。ボンドは傷心の為にしばらく休職しており、ショックは相当大きかったようだ(※映画では2代目ボンドのジョージ・レーゼンビーを降板させ、ショーン・コネリーをカムバックさせた事を取り繕うために「ボンドの休職」を使った)。3代目ボンドのロジャー・ムーア時代の「私を愛したスパイ」でも妻に関する話題が出ると話をそらそうとし、4代目ボンドのティモシー・ダルトン時代でも結婚を進められると嫌な顔をし、「彼(ボンド)は過去に結婚した事があるんだよ」というセリフがある。
「007」は「ダブルオーセブン」が正しい読み方として
現在は定着しているが、日本で公開された折、
第7作『ダイヤモンドは永遠に』まで「ゼロゼロセブン」という呼び方であった。
60年代より映画化され、現在までに実に23作が公開されている人気シリーズとなっている。
多くの場合、007といえば、原作小説ではなくこの映画シリーズを指す。
ボンドを演じた俳優はこれまでに6人おり、ショーン・コネリーやピアーズ・プロスナンなどが名を連ねる。
演じる俳優ごとに、ボンドのキャラクターはもちろん、作風が大きく異なっており、ファンの間でも好みが分かれている。
007といえば、ハイテク装備品をスパイが駆使するコメディ風味の作品、という印象を持っている者もいれば、ハイテク装備やコメディ描写が鳴りを潜めたハードアクション作品としての印象を持っている者もいる。
しかし、作風の違いはあるものの、シリーズを通して恒例の描写は一貫して持たれている。
たとえば、"Bond,James Bond."とボンドが自己紹介するシーンや、自らを狙う銃口に向かって華麗に撃ち返すボンドを狙撃者側から映した「ガンバレル」と呼ばれるオープニングシークエンスなどである(いずれも1作のみ例外)。
また、作品ごとに、多くの場合そのタイトル名を歌詞に含んだテーマ曲があり、公開当時の世界のトップアーティストを豪勢に起用している。作品冒頭で007の活躍が描かれ、その直後に、CGやアニメーションを駆使した凝ったデザインのオープニングムービーと共に流される。第16作「消されたライセンス」までは一貫してモーリス・ビンダーによってオープニング映像が作られた。第4作「サンダーボール作戦」ではアカデミー賞を獲得している。
METAL GEAR SOLID3 SNAKE EATERなど、このオープニングにオマージュを捧げている作品もある。
4代目ボンドを務めたティモシー・ダルトンは当初、さらに「消されたライセンス」の後数作品への出演契約をしていたが、製作者であるアルバート・ブロッコリとハリー・サルツマンとの対立や制作会社であったイオン・プロダクションの経営不振などがあり、89年以後公開スパンが広がるとともに、ダルトンとの契約も切れてしまい(ダルトンは後年「作品が出来ない事でボンドに対する熱意が薄まってしまった」と回顧している)、結果的に2作品でボンドを降板する事になった。5代目ボンドとなるピアース・ブロスナンが決定するまでの間に約10年の空白が出来る事となった。
1997年、アルバート・ブロッコリと娘のバーバラによってようやく製作が再開され、ピアース・ブロスナンを新しいボンドとして迎えた。実は、ブロスナンは既に何度もボンドのオファーが来ていたが、他のドラマ出演の関係上なかなか契約を結ぶことが出来なかった。ロジャー・ムーアが降板時すでに後継候補にも挙がっており、ティモシー・ダルトンがオファーを断り、ブロスナンが承諾していたら「リビング・デイライツ」「消されたライセンス」はブロスナンのボンドになっていた(逆を言えば、トラブルが無ければ「ゴールデンアイ」「トゥモロー・ネバー・ダイ」までダルトンがボンドを演じた可能性もあったという事になる)。
なお、ロジャー・ムーアもショーン・コネリー降板時にオファーを受けているが、多忙の為拒否する事となり、結果的にジョージ・レーゼンビーにオファーが行った経緯がある。
2002年、シリーズ20作品目にしてシリーズ40周年記念の作品となった「ダイ・アナザー・デイ」公開後、製作側においてピアース・ブロスナンの後継者選定を始める(実際は第19作「ワールド・イズ・ノット・イナフ」公開後から製作陣のなかで話題には上がっていた)。当初ブロスナン側は契約継続を求め、次作以降の登板に意欲的であったが、時を同じくしてアメリカで過去にTVドラマ化されて以降版権がイオン・プロダクション側になかった、007シリーズの第1作(イアン・フレミングの処女作)「カジノ・ロワイヤル」の版権を獲得した事で、これまでのボンド像を一新し、「新たなジェームズ・ボンド」を作って行く事に方針が決まる。この事をブロスナン側に伝え、ブロスナンは了承し、降板した。
ブロスナン降板に合わせて、ボンドを支えてきた「Q」を長年演じていたデズモンド・リュウェリンも降板を表明した。リュウェリンは降板後に自叙伝を発売するが、その発表会後に自家用車を運転中、交通事故死。劇中、歴代ボンドに「車は無傷で返すように」と注意していた本人が自動車事故で世を去ってしまう事になってしまった。
2006年、6代目ジェームズ・ボンドにダニエル・クレイグを抜擢。クレイグ抜擢の経緯については、数人ほど候補を挙げてカメラテストなどをおこなって水面下でオーディションを行った結果「最も理想とするジェームズ・ボンドだった」からであったという。これまでボンドは「ダークブロンド(栗毛色)の髪を後ろになでつける」というヘア・スタイルであったが、クレイグはブロンドで短髪というスタイルを選んだ。新しいボンドのデビュー作「カジノ・ロワイヤル」は、これまでのボンド像(特にロジャー・ムーアやピアース・ブロスナンが作ったボンド像)から一転し、口数が少なくウィット性の少ないハードボイルドな人物となった。
小道具やボンド・カーなども一新。オマージュも含めて、愛用銃を「ワルサーPPK」(もしくはPPK/s)、愛車をアストンマーチンに戻した。(ブロスナン時代は「トゥモロー・ネバー・ダイ」以降、主な愛用銃が「ワルサーP99」になり、ボンド・カーもBMWが採用されることが多かった)。
また、一新にともなって映画の定番であった「ガンバレル」のオープニングも一新された(第22作「慰めの報酬」以後、映画の終わりにガンバレル・シークエンスが出されるようになる)。また、ボンドを支えてきたミス・マニーペニー(ボンドの上司である「M」の秘書)やメカニック担当の「Q」も後継を登板させなかった。ただし、ボンドの親友であるアメリカ・CIAのエージェントであるフィリックス・ライターは登場する。また一新後もジュディ・デンチは「M」として出演した。(「M」については一新にあたって、ブロスナン時代からの「M」であるジュディ・デンチを継続出演させるか否かで議論が起きたが、結論が得られず「スカイ・フォール」までペンディングされた)。
第22作「慰めの報酬」公開の後、配給会社のMCMが破産したことで、存続の危機に陥ったが20世紀フォックス社など数社が請け負う事で無事に第23作『スカイフォール』の公開にこぎつけ、シリーズ最高の興行収入を達成した。
「スカイ・フォール」ではジュディ・デンチ演じる「M」がシリーズで初めての殉職を遂げる(実質的に降板となった。デンチはインタビューで「夫から、おばあさんにもなってもスパイを使って世界を救う必要があるのかいと言われた」と降板の意図についてジョークを言っている)。
また、メカニック担当の「Q」が青年として再登場。Mも後継者を迎え、秘書のミス・マニーペニー(名前が「リサ・マニーペニー」)も復活した。
ニコニコではNINTENDO64で発売されたゲーム・ゴールデンアイ007の人気が高い。
プレイ動画の人気が高いニコニコでは『007』『ゴールデンアイ』という言葉が使われた場合、本来の作品ではなくこのゲームをさす場合が多い。
これは元々のゲーム自体の人気が高い、お楽しみモードやバグによる変な遊び方が出来る、ニコニコを利用している世代がNINTENDO64をプレイしていた世代が多い、などが理由として挙げられる。
詳細は該当記事ゴールデンアイ007を参照。
| タイトル | 製作年 | ジェームズ・ボンド役 | |
|---|---|---|---|
| 第1作 | 『007 ドクター・ノオ(007は殺しの番号)』 | 1962年 | ショーン・コネリー |
| 第2作 | 『007 ロシアより愛をこめて(危機一発)』 | 1963年 | ショーン・コネリー |
| 第3作 | 『007 ゴールドフィンガー』 | 1964年 | ショーン・コネリー |
| 第4作 | 『007 サンダーボール作戦』 | 1965年 | ショーン・コネリー |
| 第5作 | 『007は二度死ぬ』 | 1967年 | ショーン・コネリー |
| 第6作 | 『女王陛下の007』 | 1969年 | ジョージ・レーゼンビー |
| 第7作 | 『007 ダイヤモンドは永遠に』 | 1971年 | ショーン・コネリー |
| 第8作 | 『007 死ぬのは奴らだ』 | 1973年 | ロジャー・ムーア |
| 第9作 | 『007 黄金銃を持つ男』 | 1974年 | ロジャー・ムーア |
| 第10作 | 『007 私を愛したスパイ』 | 1977年 | ロジャー・ムーア |
| 第11作 | 『007 ムーンレイカー』 | 1979年 | ロジャー・ムーア |
| 第12作 | 『007 ユア・アイズ・オンリー』 | 1981年 | ロジャー・ムーア |
| 第13作 | 『007 オクトパシー』 | 1983年 | ロジャー・ムーア |
| 第14作 | 『007 美しき獲物たち』 | 1985年 | ロジャー・ムーア |
| 第15作 | 『007 リビング・デイライツ』 | 1987年 | ティモシー・ダルトン |
| 第16作 | 『007 消されたライセンス』 | 1989年 | ティモシー・ダルトン |
| 第17作 | 『007 ゴールデンアイ』 | 1995年 | ピアース・ブロスナン |
| 第18作 | 『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』 | 1997年 | ピアース・ブロスナン |
| 第19作 | 『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』 | 1999年 | ピアース・ブロスナン |
| 第20作 | 『007 ダイ・アナザー・デイ』 | 2002年 | ピアース・ブロスナン |
| 第21作 | 『007 カジノ・ロワイヤル』 | 2006年 | ダニエル・クレイグ |
| 第22作 | 『007 慰めの報酬』 | 2008年 | ダニエル・クレイグ |
| 第23作 | 『007 スカイフォール』 | 2012年 | ダニエル・クレイグ |
| 第24作 | 『Bond 24(仮)』 第25作と同時に脚本執筆中 |
製作中 | ダニエル・クレイグ |
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ジェームズ・ボンドのキャラクター設定については5代目ボンドのピアース・ブロスナンまではそれまでのボンドの”記憶”を引き継いでいる事になっている。ダニエル・クレイグが6代目ボンドとして選ばれた際、そのデビュー作が007シリーズ自体の処女作である「カジノ・ロワイヤル」であった事から、心機一転して新しいボンド像を描くことになった。
ただし、「相手を選ばずジョーク(ロイヤル・ジョーク)や皮肉を飛ばす事」「女性を見ると口説こうとする」という部分だけは変わっていない。吹き替え翻訳においても翻訳家がこれらのジョークや皮肉も日本人にも分かりやすいものに変えているのであるが、吹替を担当する声優がそこへ(ストーリー展開上問題のない程度の)アドリブを入れる事によって、さらに皮肉屋としてのボンド像が浮かび上がる。加えて代が変わるごとにイメージも変わる為に、ボンドを担当する声優はその力量が試される。
その点では初代ボンド、ショーン・コネリーを担当した若山弦蔵と3代目ボンド、ロジャー・ムーアを担当した広川太一郎、5代目ボンド、ピアース・ブロスナンの担当(特に田中秀幸)は登板作品数も多かった事もあって、熟練したテクニックを吹替で披露している。
以下、歴代ボンドの吹替担当。
ショーン・コネリー:日高晤郎、若山弦蔵、内海賢二
ジョージ・レーゼンビー:広川太一郎、小杉十郎太
ロジャー・ムーア:広川太一郎
ティモシー・ダルトン:小川真司、大塚芳忠、鈴置洋孝、田中秀幸、山寺宏一
ピアース・ブロスナン:神谷明、横島亘、江原正士、田中秀幸
ダニエル・クレイグ:小杉十郎太、藤真秀
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最終更新:2026/01/11(日) 01:00
最終更新:2026/01/11(日) 01:00
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