007 単語


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ダブルオーセブン

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007は、イアン・フレミングの小説と、それを原作とする人気スパイアクション映画シリーズである。

右の絵は、『ロシアより愛をこめて』のポスターでワルサーを構える初代ボンド、ショーン・コネリーの姿。まだふさふさ。

職業についてであるが、スパイのイメージが先行するが、正確には軍人。階級は海軍中佐(予備役中佐となっている場合もある)。

スパイ活動中は主に「ユニバーサル貿易」という架空会社の名刺を使う。

概要

主人公「ジェームズ・ボンド」はイギリス秘密情報部MI6のメンバー。
殺人許可証(殺しのライセンス)と「007」のコードネームを持つ彼が、優れた能力とハイテクアイテムを駆使して、奇想天外な活躍をするスパイアクションである。
ボンド・ガールと呼ばれる美女との絡みも見所のひとつである。

ただし、過去にテレサ(通称「トレーシー」)という女性と結婚した経験がある(「女王陛下の007」)。しかしハネムーンに行く途中、抹殺したはずであった犯罪組織「スペクター」の首領ブロフェルドによってテレサは殺されてしまう。ボンドは傷心の為にしばらく休職しており、ショックは相当大きかったようだ(※映画では2代目ボンドのジョージ・レーゼンビーを降板させ、ショーン・コネリーをカムバックさせた事を取り繕うために「ボンドの休職」を使った)。3代目ボンドのロジャー・ムーア時代の「私を愛したスパイ」でも妻に関する話題が出ると話をそらそうとし、第12作「ユア・アイズ・オンリー」の冒頭はボンドがテレサの墓参に来るところから始まっている(ちなみに、そこに宿敵ブロフェルドがボンドを襲撃するも、煙突に突き落として返り討ちにする。妻を殺した宿敵の最期はあっけないものであった)。

4代目ボンドのティモシー・ダルトン時代でも結婚を進められると嫌な顔をし、「彼(ボンド)は過去に結婚した事があるんだよ」というセリフがある。

「007」は「ダブルオーセブン」が正しい読み方として現在は定着しているが、日本で公開された折、第7作『ダイヤモンドは永遠に』まで「ゼロゼロセブン」という呼び方であった。

映画

60年代より映画化され、現在までに実に23作が公開されている人気シリーズとなっている。
多くの場合、007といえば、原作小説ではなくこの映画シリーズを指す。

ボンドを演じた俳優はこれまでに6人。ボンドに抜擢された俳優は登板本数ではなく、契約年数、つまり「どれだけの間”ジェームズ・ボンド”だったか」というのが評価の基準となっている(タイアップ商品、スポンサー企業のコマーシャルや宣伝・広告にジェームズ・ボンドとして出演する事なども関係する)。その基準でいえば、3代目ボンドのロジャー・ムーアが歴代最長、次いで初代ボンドのショーン・コネリーとなる。最短は2代目ボンドのジョージ・レーゼンビー。

演じる俳優ごとに、ボンドのキャラクターはもちろん、作風が大きく異なっており、ファンの間でも好みが分かれている。例えば、あくまでもスパイものを追及するならば初代ボンドのショーン・コネリーやジョージ・レーゼンビー、軽妙で社交的でコメディー的なな作品を見るならばロジャー・ムーア、ハードボイルド系で人間臭さが出ている作品はティモシー・ダルトン、ダンディで軽やかなピアース・ブロスナン・・・など、それぞれの個性が出ている事もまたこの作品が長く愛される理由である。上記の通り、ショーン・コネリーとロジャー・ムーアが長い期間ボンド役を務めたので、彼ら以外の歴代ボンドは評価される際、「コネリーと比べて~」「ムーアと比べて~」とファンやマスコミの間で前置きされることもしばしばある。

しかし、作風の違いはあるものの、シリーズを通して恒例の描写は一貫して持たれている。
たとえば、"Bond,James Bond."とボンドが自己紹介するシーンや、自らを狙う銃口に向かって華麗に撃ち返すボンドを狙撃者側から映した「ガンバレル」と呼ばれるオープニングシークエンスなどである(いずれも1作のみ例外)。

METAL GEAR SOLID3 SNAKE EATERなど、このオープニングにオマージュを捧げている作品もある。

作品ごとに、そのタイトル名を歌詞に含んだテーマ曲があり、公開当時の世界のトップアーティストを豪勢に起用している。タイトルソング(テーマソング)は基本的に毎回違ったアーティストや歌手が担当するが、シャーリー・バッシーが唯一3作品のタイトルソングを歌っている(「ゴールドフィンガー」「ダイアモンドは永遠に」「ムーンレイカー」の3作品。「サンダーボール作戦」のタイトルソングとして「kiss-kiss,bang,bang」という曲も歌ったが、作品タイトルが入っていない事と2作連続でバッシ―が担当する事になるということで劇中歌となり、急きょトム・ジョーンズの「サンダーボール」を収録してタイトルソングにした)。「女王陛下の007」はインストゥルメンタルとなっている。

作品冒頭はガンバレルの後、007が登場して活躍し、オープニングへとつながっていく。オープニング映像は英国ロイヤルバレー団によるものの他、近年になってからはCGやアニメーションを駆使したデザインのオープニングが流れる。第16作「消されたライセンス」までは一貫してモーリス・ビンダーによって映像が作られ、第4作「サンダーボール作戦」ではアカデミー賞を獲得している。

映画概要(映画化までの道のりとその行程)

原作者であるイアン・フレミングは実際に英国海軍情報部で諜報活動を行った経験があり、それを基にして書き始めたのが007シリーズとなる。処女作は「カジノ・ロワイヤル」(映画第21作の原作)。それから1964年に没するまで執筆活動を続けるのであるが、本自体の売れ行きは当初芳しいものではなかった。本格的に注目されるようになったのはアメリカ大統領J.F.ケネディと妻ジャクリーンが愛読書に「ロシアより愛を込めて」(映画第2作原作)をしていた事が知られると、売れ行きが増えていくことになった。

フレミングの死後は未亡人の許可を得て、「フレミング」名義で何人かの作家や脚本家が007シリーズを執筆して行く事となった。ティモシー・ダルトン時代の第16作「消されたライセンス」および、ピアース・ブロスナンが登板した4作品はジョン・ガードナーとレイモンド・ベンソンによって書かれたものである(あくまでも原作者名義はイアン・フレミング)。

いわゆる「007」シリーズの連作映画化前の1954年、アメリカで「カジノ・ロワイヤル」が連続テレビドラマとして放送された。この時のジェームズ・ボンドはバリー・ネルソンが演じている。この事でハリー・サルツマンとアルバート・ブロッコリのイオン・プロダクションが映像化権を手にする事が出来なかった為、すでにショーン・コネリー主演による「007シリーズ」が既に始まっていた1967年にもピーター・セラーズ、デイヴィッド・ニーヴンらが出演する映画「007/カジノ・ロワイヤル」が製作されている(内容は原作とは全く異なるドタバタ劇)。結局「カジノロワイヤル」の映像化権をイオン・プロダクション(バーバラ・ブロッコリ)が手に入れたのは2006年であった。

時代は戻って、1960年ごろ、売れ行きが伸びていたフレミングの007シリーズに目を付けたハリー・サルツマンはいち早くフレミングに映像化の許可を得る。アルバート・ブロッコリも個別にフレミングに映像化の許可を求めたが、サルツマンに委ねた事を放すと、ブロッコリはサルツマンに接触して合同で制作して行く事に決まり、イオン・プロダクションを設立した。

1962年、ショーン・コネリーを主役ジェームズ・ボンドに迎えて第1作「ドクター・ノオ」を制作。低予算で制作されたが大ヒットとなり、主演のコネリーも一躍スターダムに上り詰めた。シリーズ化される事となり、第2作「ロシアより愛を込めて」も続いてヒット。第3作「ゴールドフィンガー」第4作「サンダーボール作戦」(製作開始当初、第1作はこの作品になる予定であった)を経て、1967年に第5作「007は二度死ぬ」では日本が舞台となり、日本の公安庁トップ「タイガー田中」に丹波哲郎、ボンドガールに若林映子・浜美枝を迎えて製作された(この時、ロケ地であった姫路城の一部を壊してしまうという事故が起きた)。この作品でボンド・カーとなった「トヨタ2000GT」は、歴代ボンドカーの中でも特に人気である。ショーン・コネリーはこの作品でボンドを降板する事になった。

コネリーの後継となる俳優を選ぶのと同時に、サルツマンの提案によって第6作が「女王陛下の007」に決定。2代目ボンドとしてジョージ・レーゼンビーを迎える(後にボンドを演じるロジャー・ムーアもオファーを受けていた)。ところが前5作よりも興行収入が芳しくなかった事に加えて、オーストラリア出身であったレーゼンビーの英語発音の悪さ(いわゆる”オージー・イングリッシュ”)や、演技のたどたどしさ(長身ゆえに動きががさつに見えてしまう)などが颯爽としたボンド像に似合わないのではないかという意見が集中した為、レーゼンビーはこの一作だけで降板となってしまった。この事については、レーゼンビーの態度が悪かった等々の噂もあるが、それが直接的な降板原因ではなかったとブロッコリもサルツマンも述懐している。レーゼンビーは「もう1,2作はボンドを演じるつもりでいた」と回顧しており、ブロッコリからは1作のみで降板させた事を詫びる電話がかかってきたという。

この「女王陛下の007」は以後のボンドの歩む歴史において重要なポイントを描いた(結婚と妻との死別)ものである事や、ボンドとテレサが次第に惹かれあっていくというラブストーリー的展開など人間ドラマの重視、また後のティモシー・ダルトンが演じたボンド像に近い、一人の人間としてのボンドの姿が描かれた作品である。アクションシーンは単調ではあるが、敵との対峙が多く終始緊張した雰囲気を出している本作は「スパイものらしさが出ている」としてファンの中では割合人気が高い。代表的な映画評論家も007シリーズの中で「最も好きな作品」として紹介する事も多く、ファン以外の映画ファンの中からも近年再評価されている。

ジョージ・レーゼンビーを1作だけで降板させたことによって次作のボンドを誰にするかが問題となった。この時も、後に3代目ボンドを演じる事になるロジャー・ムーアに再びオファーがいくも、多忙の為に再び契約がかなわなかった。

紆余曲折があった後に、人気もあったショーン・コネリーを「1作品のみ」という条件でカムバックさせる。第7作「ダイアモンドは永遠に」はブロッコリの提案によって製作された。興行収入は再び上がったが、サルツマン主導であった前作の不振に対してブロッコリ主導となったこの作品は大ヒットを記録した事で、二人の間のパワーバランスが変わり、ブロッコリが次第にイオン・プロダクションの実質的主導者になって行く事になった。

コネリーは本作品を撮影後、再びボンドに対する熱意が再燃し、独自に007シリーズ映画を製作したいとの意向を示すがイオン・プロダクションは当然ながらそれを拒否し、両者は決裂する。1982年、コネリーはオリジナルレーベルで「サンダーボール作戦」をリメイクした「ネバーセイ・ネバーアゲイン」を「スターウォーズ」でメガホンを取った経験のあるアーヴィン・カーシュナー監督で制作する。コネリーは以後も続編を制作する意志はあったが、本家の007シリーズには叶わず、1作で終わる事となった。コネリー側とイオンプロダクションは一時対立関係にあったが、後に和解。これによって同作品は007シリーズの「外伝」的な作品と位置づけられた。

これまでオファーを出すも、多忙の為なかなかOKが出なかったロジャー・ムーアとようやく契約が結べた事で、3代目ボンドが決定した。ウェールズ出身のコネリー、オーストラリア出身のレーゼンビーに変わって、イングランド出身であるムーアがボンドになった事で、初めて原作設定通りの「クイーンズ・イングリッシュ」を話すボンドが誕生した。ムーア・ボンドの初作「死ぬのは奴らだ」(シリーズ第8作)では音楽担当に元ザ・ビートルズのポール・マッカートニーと、ビートルズのマネージャーで作曲の才もあったジョージ・マーティンを迎えた。コネリー時代の作品で「ビートルズはイヤフォンをして聞く事」と皮肉を言われていた人物が音楽担当になった事となる。

軽妙で、時にジョークを交えたテンポ良いセリフ回しを持ち味としながらも、シリアスシーンもラブシーンも無難にこなせるムーアの安定した演技は作品の安定化にもつながり、第9作「黄金銃を持つ男」では原作者イアン・フレミングの従兄弟にあたるクリストファー・リーが悪役スカラマンガとして出演した。第10作「私を愛したスパイ」が大ヒットした事で制作意欲がより高まったことにより、次作予定であった「ユア・アイズ・オンリー」(第12作)の製作を急きょ繰り下げて、ボンドが宇宙で大活躍する第11作「ムーンレイカー」を公開した。本作品はフレミング原作にあるものであるが、同時期アメリカで「2001年宇宙の旅」「未知との遭遇」「スターウォーズ」といった宇宙モノの映画がヒットしていた事に便乗した作品という一面もある。急きょ作られた作品ゆえ、その評価が色々となされる作品でもある。

「ムーンレイカー」にも代表されるように、ムーアのボンド作品はこれまで以上に広い舞台をテーマに活躍したが、第13作「オクトパシー」、そして第14作「美しき獲物たち」を最後としてムーアは降板した。ムーアは1973年から1985年まで、合計7本の作品に登板し、歴代で最長期間ジェームズ・ボンドを演じた。ちなみに、ロジャー・ムーアは初代ボンドのショーン・コネリーの1歳年上で、最終作の時点で57歳であった。ムーアは後に降板理由を「このままだと本当に殺されると思ったからだ」とジョークにしている。なお、ムーアのボンドはロータス・スポーツをボンド・カーとして使用した。

ロジャー・ムーアの後継において、当時若手俳優として人気を集めつつあったピアース・ブロスナンに注目が集まりオファーが行ったが、ブロスナンもまた多忙のためにボンド役を引き受ける事は出来なかった。結果、もう一人の最有力候補として秋波を送っていたティモシー・ダルトンとの間に契約が交わされ、4代目ボンドが決定した。第15作「リビング・デイライツ」においてダルトンはムーアが作ったヒーロー然としたボンド像とは異なる、人間味の強いボンド像を描き人気を博した。つづく第16作「消されたライセンス」は親友であるアメリカCIAエージェントであるフィリックス・ライターと、彼の妻デラの悲劇(フィリックスは大けが、デラは殺される)に接したボンドが怒りに燃え、職務を無視して復讐をする、という作品であった。これまでの作品は任務の遂行がメインであったのに対して、本作は任務を無視して個人的復讐を行うというシリーズでも異色の作品であった。今までのボンドらしからぬダーティーなやり方や残酷な方法で復讐を遂行する本作品は同時に、完全無欠ではない人間としてのジェームズ・ボンドの姿が際立つ作品となった。

「消されたライセンス」の公開後、ダルトンは数作品への出演契約をしていたが、製作者であるアルバート・ブロッコリとハリー・サルツマンとの対立(結果、サルツマンが撤退する)や制作会社であったイオン・プロダクションの経営不振などがあった上に、ハリウッド映画人気の波に押されたこと、そして東西冷戦終局・ソ連崩壊によって”大きな敵(悪役)”が設定しにくくなった事などの影響が重なり、制作が滞っていく。無為に時間だけが過ぎた結果、ダルトンとの契約も切れてしまい(ダルトンは後年「作品が出来ない事でボンドに対する熱意が薄まってしまった」と回想している)、結果的に2作品でボンドを降板する事になった。5代目ボンドとなるピアース・ブロスナンが決定するまでの間に約10年の空白が出来る事となった。

1997年、ファンや映画関係者の強い期待やイオンプロダクションの経営が再び順調になり始めた事を期に、アルバート・ブロッコリと娘のバーバラによってようやく製作が再開され、ピアース・ブロスナンを新しいボンドとして迎え第17作「ゴールデンアイ」を制作した。実は、ブロスナンは既に何度もボンドのオファーが来ていたが、他のドラマ出演の関係上なかなか契約を結ぶことが出来なかった。ロジャー・ムーアが降板時すでに後継候補にも挙がっており、ティモシー・ダルトンがオファーを断り、ブロスナンが承諾していたら「リビング・デイライツ」「消されたライセンス」はブロスナンのボンドになっていた(逆を言えば、トラブルが無ければ「ゴールデンアイ」「トゥモロー・ネバー・ダイ」までダルトンがボンドを演じた可能性もあったという事になる)。まさに”意中の相手”であったブロスナンがボンドに抜擢されることで演者・製作陣ともに意欲的に動くことになった。

約7年ぶりに帰ってきた007シリーズは予想通り大ヒットを記録した。また、様々な媒体ともタイアップ。当時新発売のゲーム機NINTENDO64でスパイアクションゲーム「007 ゴールデンアイ」を発売した。このゲームについては別に項目があるのでここでの詳細な言及はしないが、ニコニコ動画でもおなじみの作品である事は間違いない。(2014年、トークショーに出演したブロスナンがついにこのゲームをプレイする事となった。だが、ゲームは慣れていないという事で敵に見つかり”即死”する)

前作に続いて第18作「トゥモロー・ネバー・ダイ」ではボンドガールにミシェール・ヨーを迎えた。ボンドガールがアジア人に選ばれるのは「007は2度死ぬ」以来。続く第19作「ワールド・イズ・ノット・イナフ」ではソフィー・マルソーが妖艶な演技を見せた。

2002年、シリーズ20作品目にしてシリーズ40周年記念の作品となった「ダイ・アナザー・デイ」公開後、製作側においてピアース・ブロスナンの後継者選定が始まる(実際は「ワールド・イズ・ノット・イナフ」公開後から製作陣のなかで話題には上がっていた)。当初ブロスナン側は契約継続を求め、次作以降の登板に意欲的であったが、時を同じくしてアメリカで過去にTVドラマ化されて以降版権がイオン・プロダクション側になかった、007シリーズの第1作(イアン・フレミングの処女作)「カジノ・ロワイヤル」の版権を獲得した事で、これまでのボンド像を一新し、「新たなジェームズ・ボンド」を作って行く事に方針が決まる。この事をブロスナン側に伝え、ブロスナンは了承し、降板した。

ブロスナン降板の話題がスタッフや常連キャストの中で表面化すると、ボンドを支えてきた「Q」(実は「ブースフェルド」という名前がある)を長年演じていたデズモンド・リュウェリンも第19作「ワールド・イズ・ノット・イナフ」をもって降板。「逃げ道は最後まで残しておく事だ」という最後のセリフを呟き、長年にわたってボンドを支えてきた「Q」は一線を退いた。降板して間もなく、リュウェリンは自叙伝を発表するが、その発表会後に自家用車を運転中、交通事故死する。皮肉なことに、劇中で歴代ボンドに「車は無傷で返すように」と注意していた本人が自動車事故で世を去ってしまう事になってしまった。

なお「ダイ・アナザー・デイ」には後継のQとしてジョン・クリースが1作のみ登板した(前作で初登場した際ボンドから”R”と呼ばれていた)。

2006年、6代目ジェームズ・ボンドにダニエル・クレイグを抜擢。クレイグ抜擢の経緯については、数人ほど候補を挙げてカメラテストなどをおこなって水面下でオーディションを行った結果「最も理想とするジェームズ・ボンドだった」からであったという(なお、この時ユアン・マクレガーにも秋波を送っていた事をバーバラ・ブロッコリが話している)これまでボンドは「ダークブロンド(栗毛色)の髪を後ろになでつける」というヘア・スタイルであったが、クレイグはブロンドで短髪というスタイルを選んだ。新しいボンドによる第21作「カジノ・ロワイヤル」は、これまでのボンド像(特にロジャー・ムーアやピアース・ブロスナンが作ったボンド像)から一転し、口数が少なくウィット性の少ないハードボイルドな人物となった。

小道具やボンド・カーなども一新。オマージュも含めて、愛用銃を「ワルサーPPK」(もしくはPPK/s)、愛車をアストンマーチンに戻した。(ブロスナン時代は「トゥモロー・ネバー・ダイ」以降、主な愛用銃が「ワルサーP99」になり、ボンド・カーもBMWが採用されることが多かった)。

また、一新にともなって映画の定番であった「ガンバレル」のオープニングも一新された(第22作「慰めの報酬」以後、映画の終わりにガンバレル・シークエンスが出されるようになる)。また、ボンドを支えてきたミス・マニーペニー(ボンドの上司である「M」の秘書)やメカニック担当の「Q」も後継を登板させなかった。ただし、ボンドの親友であるアメリカ・CIAのエージェントであるフィリックス・ライターは登場する。また一新後もジュディ・デンチは「M」として出演した。(「M」については一新にあたって、ブロスナン時代からの「M」であるジュディ・デンチを継続出演させるか否かで議論が起きたが、結論が得られず「スカイ・フォール」までペンディングされた)。

また2012年夏季オリンピック・ロンドン大会の開会式に際して、ボンドがイギリス女王エリザベス2世の護衛として共にスタジアムに向かい、ヘリコプターからダイブする・・・という映像が制作された。宮殿および女王の居室は本物を使用し、エリザベス2世にもセリフが用意され、ボンドに「こんばんは、ミスター・ボンド("Good evening,Mr.Bond”)」と声をかけている。実際に会場ではそれに連動してヘリコプターが上空に現れ、”エリザベス2世”と”ジェームズ・ボンド”の二人がユニオンジャックのパラシュートでダイブする、というアトラクションが展開された。無論、会場上空でダイブした二人はスタントによるものであるが、国家元首の登場という大きな場面がこういった演出でなされることは前代未聞であった。なお、この映像によって、エリザベス2世は歴代”最高齢”のボンドガールとなった。

第22作「慰めの報酬」公開の後、配給会社のMCMが破産したことで存続の危機に陥ったが、ソニー・ピクチャーズ、20世紀フォックス社など数社が請け負う事で無事に第23作「スカイフォール」の公開にこぎつけ、シリーズ最高の興行収入を達成した(厳密に言えば「慰めの報酬」もソニー・ピクチャーズの支援が無ければ制作・公開が出来なかった)。

「スカイ・フォール」ではジュディ・デンチ演じる「M」がシリーズで初めての殉職を遂げる(実質的に降板となった。デンチはインタビューで「夫から、おばあさんにもなってもスパイを使って世界を救う必要があるのかいと言われた」と降板の意図についてジョークを言っている)。

また、メカニック担当の「Q」が青年として再登場。Mも後継者を迎え、秘書のミス・マニーペニー(名前が「リサ・マニーペニー」)も復活した。



ニコニコにおける007

ニコニコではNINTENDO64で発売されたゲーム・ゴールデンアイ007の人気が高い。
プレイ動画の人気が高いニコニコでは『007』『ゴールデンアイ』という言葉が使われた場合、本来の作品ではなくこのゲームをさす場合が多い。

これは元々のゲーム自体の人気が高い、お楽しみモードやバグによる変な遊び方が出来る、ニコニコを利用している世代がNINTENDO64をプレイしていた世代が多い、などが理由として挙げられる。
詳細は該当記事ゴールデンアイ007を参照。

シリーズ一覧 (ボンドを演じた俳優)

タイトル 製作年 ジェームズ・ボンド役
第1作 『007 ドクター・ノオ(007は殺しの番号)』 1962年 ショーン・コネリー
第2作 『007 ロシアより愛をこめて(危機一発)』 1963年 ショーン・コネリー
第3作 『007 ゴールドフィンガー』 1964年 ショーン・コネリー
第4作 『007 サンダーボール作戦』 1965年 ショーン・コネリー
第5作 『007は二度死ぬ』 1967年 ショーン・コネリー
第6作 『女王陛下の007』 1969年 ジョージ・レーゼンビー
第7作 『007 ダイヤモンドは永遠に』 1971年 ショーン・コネリー
第8作 『007 死ぬのは奴らだ』 1973年 ロジャー・ムーア
第9作 『007 黄金銃を持つ男』 1974年 ロジャー・ムーア
第10作 『007 私を愛したスパイ』 1977年 ロジャー・ムーア
第11作 『007 ムーンレイカー』 1979年 ロジャー・ムーア
第12作 『007 ユア・アイズ・オンリー』 1981年 ロジャー・ムーア
第13作 『007 オクトパシー』 1983年 ロジャー・ムーア
第14作 『007 美しき獲物たち』 1985年 ロジャー・ムーア
第15作 『007 リビング・デイライツ』 1987年 ティモシー・ダルトン
第16作 『007 消されたライセンス』 1989年 ティモシー・ダルトン
第17作 『007 ゴールデンアイ』 1995年 ピアース・ブロスナン
第18作 『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』 1997年 ピアース・ブロスナン
第19作 『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』 1999年 ピアース・ブロスナン
第20作 『007 ダイ・アナザー・デイ』 2002年 ピアース・ブロスナン
第21作 『007 カジノ・ロワイヤル』 2006年 ダニエル・クレイグ
第22作 『007 慰めの報酬』 2008年 ダニエル・クレイグ
第23作 『007 スカイフォール』 2012年 ダニエル・クレイグ
第24作 『Bond 24(仮)』
第25作と同時に脚本執筆中
製作中 ダニエル・クレイグ

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吹替え(声の出演)について

ジェームズ・ボンドのキャラクター設定については5代目ボンドのピアース・ブロスナンまではそれまでのボンドの”記憶”を引き継いでいる事になっている。ダニエル・クレイグが6代目ボンドとして選ばれた際、そのデビュー作が007シリーズ自体の処女作である「カジノ・ロワイヤル」であった事から、心機一転して新しいボンド像を描くことになった。

ただし、「相手を選ばずジョーク(ロイヤル・ジョーク)や皮肉を飛ばす事」「女性を見ると口説こうとする」という部分だけは変わっていない。吹き替え翻訳においても翻訳家がこれらのジョークや皮肉も日本人にも分かりやすいものに変えているのであるが、吹替を担当する声優がそこへ(ストーリー展開上問題のない程度の)アドリブを入れる事によって、さらに皮肉屋としてのボンド像が浮かび上がる。加えて代が変わるごとにイメージも変わる為に、ボンドを担当する声優はその力量が試される。

その点では初代ボンド、ショーン・コネリーを担当した若山弦蔵と3代目ボンド、ロジャー・ムーアを担当した広川太一郎、5代目ボンド、ピアース・ブロスナンの担当(特に田中秀幸)は登板作品数も多かった事もあって、熟練したテクニックを吹替で披露している。

ティモシー・ダルトンの初回吹き替えを担当した小川真司は、その後「007は2度死ぬ」(DVD版)で丹波哲郎演じるタイガー田中、「トゥモロー・ネバー・ダイ」の悪役であるエリオット・カーヴァー(ジョナサン・プライズ)の吹替を担当した他、自らが過去にボンドの吹き替えをした「リビング・デイライツ」のTV放送版では悪役のコスコフ将軍も担当したこともあり、007シリーズ吹き替えの常連でもある。

以下、歴代ボンドの吹替担当。

ショーン・コネリー:日高晤郎、若山弦蔵(「ネバーセイ・ネバーアゲイン」も含む)、内海賢二

ジョージ・レーゼンビー:広川太一郎、小杉十郎太

ロジャー・ムーア:広川太一郎

ティモシー・ダルトン:小川真司、大塚芳忠、鈴置洋孝、田中秀幸、山寺宏一

ピアース・ブロスナン:神谷明、横島亘、江原正士、田中秀幸

ダニエル・クレイグ:小杉十郎太、藤真秀

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