本項では1を説明する。
Advanced Micro DevicesはPC業界ではIntelと共に名を知られた半導体製造会社である。AthlonなどのCPU開発で有名。ビデオカード製造で有名なATi社を買収し、現在はGPU製造メーカー2強の一角でもある。(ATiについての詳細は該当項を参照のこと)
「あむど」ではなく、「エーエムディー」が正しい呼称。
元はIntel社と同じ仕様のCPU(セカンドソース品)を制作する会社であったが、Intelとクロスライセンス訴訟の結果Pentium以降のセカンドソース権がなくなったため、自力で互換CPUを開発し現在に至る。
実際には1985年にi386が独占発売されることになって以降、古いCPUのアップグレードパスとして、80286、i386、i486互換で、より高速な互換CPUを発売していた(当時のライバルはCyrix、NexGen、IDT、ST、TIなど)。
AMDの名を一躍有名にしたのがK6シリーズである。これはMMX Pentium(P55C)とピンと命令互換性を持ったCPUで、一時的にクロック周波数でIntelを上回ったことや、Pentium IIがSlot 1に移行したのに対して引き続きSocket 7対応を謳い続けたことで、PC自作派の間で人気を獲得した。
しかし性能面で大きく水をあけられるようになると、巻き返しを図るために、1999年に独自のスロット/ソケットを採用したAthlonをリリースした。こちらでも安定供給できる1GHz CPUを出したことで再び話題となった。
その後、AMD64(Intel 64と併せてx64とも呼ばれる)というx86命令を64bitに拡張したものを開発。
Intelが当初、x86命令との互換性を一切捨てたIA-64を推し進めるものの、対応CPUの性能が上がらず、AMD64をマイクロソフトが率先して対応するようになったことで、Intelが渋々互換性のあるIntel 64を開発せざるを得ない逆転現象が起きた。
一時期AMDの主力CPU Athlonが、Intelの当時の主力CPU Pentium 4より低発熱性や性能で上回ったため、自作派を中心にIntel社を凌ぐ人気を博したものの、Core iシリーズ登場後は再びIntelの後塵を拝している。
2006年にはカナダのATI Technologiesを買収し、グラフィックチップ分野にも進出、元々製造していたチップセットやCPUに同社の技術を入れたグラフィック機能を搭載するようになり、Athlon向けチップセットで良好関係にあったnVIDIAとは敵対関係に一変した。一方でCPUで敵対関係にあるIntelとは、グラフィックカードの供給などで複雑な関係へと変化した。
ATIの回収に伴い、コンシューマゲーム機向けカスタムチップの提供も行うようになった。大手3社の据え置き機は皆AMDのチップを採用しており、2016年現在独占状態である。(詳細は後述)
AMDが新たに開発した統合型プロセッサー。GPUとノースブリッジをCPUに組み込んでおり、高い内蔵グラフィック性能が売り。ソケットはFM2+であり、FXシリーズCPUとは互換性がない。
最高設定でなければそれなりに3Dゲームを遊ぶことができるので、比較的安価にゲームPCを構築可能である。また外付けのRADEONグラフィックボードと組み合わせるデュアルグラフィックスにより、グラフィックス性能を向上させることができるが、ソフトウェアによって効果に差があるようだ。
一般的にグラフィックボードは専用のビデオメモリを搭載しており、メインメモリよりも新しい世代の高速な規格が採用されている。しかし内蔵グラフィックはその構造上、メインメモリをビデオメモリとして利用するのでメインメモリの動作クロックに影響を受ける上、グラボに比べてメモリ帯域の制約がある。少しでもグラフィック性能を向上させたいならば、高クロックメモリの使用をお勧めする。
現行製品 デスクトップ向け(2016年6月現在)
| モデル |
CPUクロック
(定格/ターボ)
|
コア数
|
内蔵GPU
(Radeon)
|
GPUクロック
|
L2キャッシュ
|
TDP
|
| A10-7850K | 3.7 GHz/4.0 GHz | 4 | R7 | 720 MHz | 4 MB | 95W |
| A10-7800 | 3.5 GHz/3.9 GHz | 4 | R7 | 720 MHz | 4 MB | 65W |
| A10-7700K | 3.4 GHz/3.8 GHz | 4 | R7 | 720 MHz | 4 MB | 95W |
| A8-7650K | 3.3 GHz/3.8 GHz | 4 | R7 | 720 MHz | 4 MB | 95W |
| A8-7600 | 3.1 GHz/3.8 GHz | 4 | R7 | 720 MHz | 4 MB | 65W |
| A6-7400K | 3.5 GHz/3.9 GHz | 2 | R5 | 756 MHz | 1 MB | 65W |
| モデル |
CPUクロック
(定格/ターボ)
|
コア数 |
内蔵GPU
(Radeon)
|
GPUクロック | L2キャッシュ | TDP |
| A10-7890K | 4.1 GHz/4.3 GHz | 4 | R7 | 866 MHz | 4 MB | 95W |
| A10-7870K | 3.9 GHz/4.1 GHz | 4 | R7 | 866 MHz | 4 MB | 95W |
| A8-7670K | 3.6 GHz/3.9 GHz | 4 | R7 | 757 MHz | 4 MB | 95W |
省電力版APU。FM2+のAシリーズとは、ソケット、クーラー共に互換性はない。
| モデル |
CPUクロック
(定格)
|
コア数 |
内蔵GPU
(Radeon)
|
GPUクロック | L2キャッシュ | TDP |
| Athlon 5350 | 2.05 GHz | 4 | R3 | 600 MHZ | 2 MB | 25W |
| Athlon 5150 | 1.6 GHz | 4 | R3 | 600 MHz | 2 MB | 25W |
| Sempron 3850 | 1.3 GHz | 4 | R3 | 450 MHz | 2 MB | 25W |
| Sempron 2650 | 1.45 GHz | 2 | R3 | 400 MHz | 2 MB | 25W |
2016年6月現在FXシリーズとAPUからグラフィック機能を除いたAthlonX4シリーズが市販されている。昨今のCPUにはグラフィック機能が内蔵されているのが一般的であるが、これらの製品には搭載されていない。そのため、AM3+のマザーボードにはディスプレイ類を接続する端子が存在しない。つまりグラフィックカードが必須である。
現行製品 デスクトップ向け(2016年6月現在)
ソケットはAM3+でありFM2+とは互換性がない。Bulldozerの後継であるPiledriverアーキテクチャを採用した、Visheraコアベースの省電版CPU(FX-83××E)が最新であるが、これも2014年に発売されたものであり、現行モデルとしてはかなり古い。全ラインナップでオーバークロックが可能であり、AMDは本シリーズをオーバークロックに向いたCPUと位置づけている 。(ただし保証対象外)
Bulldozer系アーキテクチャは、複数のモジュールを搭載する構造である。モジュールには2基の整数演算コアを有しており、それらが浮動小数点演算コアとL2キャッシュを共通のリソースとして共有し、2スレッドの実行を行う。そのためFX-8000番代、9000番代は8コアプロセッサーとされているが、OSでは4コア8スレッド扱いとなっている。
2015年5月に新設計のZENアーキテクチャを採用した、ハイエンド向けFXが将来投入されることが発表された。ソケットはAM4になる予定で、これまでのFXとの互換性はなくなる。
| モデル | CPUクロック(定格/ターボ) | コア数 | L2キャッシュ | L3キャッシュ | TDP |
| FX-9590 | 4.7 GHz/5.0 GHz | 4モジュール/8コア | 8 MB | 8 MB | 220W |
| FX-9370 | 4.4 GHz/4.7 GHz | 4モジュール/8コア | 8 MB | 8 MB | 220W |
| FX-8370 | 4.0 GHz/4.3 GHz | 4モジュール/8コア | 8 MB | 8 MB | 125W |
| FX-8370E | 3.3 GHz/4.3 GHz | 4モジュール/8コア | 8 MB | 8 MB | 95W |
| FX-8350 | 4.0 GHz/4.2 GHz | 4モジュール/8コア | 8 MB | 8 MB | 125W |
| FX-8320 | 3.5 GHz/4.0 GHz | 4モジュール/8コア | 8 MB | 8 MB | 125W |
| FX-8320E | 3.2 GHz/4.0 GHz | 4モジュール/8コア | 8 MB | 8 MB | 95W |
| FX-8300 | 3.3 GHz/3.8 GHz | 4モジュール/8コア | 8 MB | 8 MB | 95W |
| FX-6350 | 3.9 GHz/4.2 GHz | 3モジュール/6コア | 6 MB | 8 MB | 125W |
| FX-6300 | 3.5 GHz/4.1 GHz | 3モジュール/6コア | 6 MB | 8 MB | 95W |
| FX-4350 | 4.2 GHz/4.3 GHz | 2モジュール/4コア | 4 MB | 4 MB | 125W |
| FX-4300 | 3.8 GHz/4.0 GHz | 2モジュール/4コア | 4 MB | 4 MB | 95W |
GPU非搭載のSocket FM2+用CPU。APUのGPU機能を無効化したもの。
| モデル | 動作クロック(定格/ターボ) | コア数 | L2キャッシュ | TDP |
| 880K | 4.2 GHz/4.0 GHz | 4 | 4MB | 95W |
| 870K | 4.1 GHz/3.9 GHz | 4 | 4MB | 95W |
| 860K | 4.0 GHz/3.7 GHz | 4 | 4MB | 95W |
米AMDに提示されている最新のモデルナンバー表は既に4Core製品群のみとなっている。モデルナンバーの千の位は同時にマザーボード上に乗っけられるCPU数を意味する(8431なら8CPUまで)。百の位は今のところ6コアであるか否かを示す。下二桁にも一応規則性はある。
なおOpteronに関してはTDP(熱設計消費電力)ではなくACP(Average CPU Power 実際に使用した場合の平均的な消費電力)を消費電力の指標としている。
Athlonのリリースとともに、本格的なチップセットの開発を開始した。
当初はVIAなど数社と競合していたが、現在はAMDの独占状態となっている。
ATIを買収後は、グラフィック機能としてRADEONを統合したチップセットを発売している。
元々は独自のチップにより映像処理を行っていたが、ATIの買収以降はグラフィックチップにRADEONを採用するようになる。また、2010年8月にATIブランドの廃止を宣言。10月よりAMDブランドとしてRADEONの新作「HD6000」シリーズが発売されたことによりATIブランドはなくなった。
AMDのグラフィックボードの一大特徴としては、ライバルメーカーの製品と比べて、3D性能は甲乙付け難いが、伝統的に動画再生能力に力を入れており、その鮮やかな高画質には定評がある。そのためホームシアターPCに向き、映像鑑賞中心のユーザーたちからの支持も高い。万能型のGPUと知られている。
特筆に値する動画再生機能としてはAMD Fluid Motion Video(フルイド・モーション・ビデオ)という動画再生支援機能がある(掲示板等では通称「古井戸」とも呼ばれている)。これはHD7xxxシリーズ以降のGCN世代のコアを採用した製品に搭載された動画のフレーム補間技術で、通常再生させるとカクつきがちな秒間24フレームのフィルムモードの映像を、GPUの演算力で中間フレームを生成することにより、秒間60フレームの映像に変換し、動画をカクつきの無い滑らかな映像とする技術である。
公式的には対応グラフィックボードかAPUと、対応ソフトのCyberLink PowerDVD 14以降の製品を用い、Blu-ray ビデオの24pの映像で利用可能という旨のアナウンスがされているが、2014年12月に実施されたドライバーのアップデートにより、DXVA経由からも利用出来るように改良され、有志の手により、MPC-BEなどの一般的なプレイヤーでこれを用いるためのDirectshowフィルター、Bluesky Frame Converterという便利なフリーソフト(募金歓迎)が作られた。
このソフトにより、OSがWindows8.1以降の環境下で、GCN世代のコアを搭載した様々なグラフィックボードで、DVDの映像やmp4、flvなどの殆どの形式の動画ファイル、30pのビデオモードの映像をもフレーム補完させての再生が可能となった。
Fluid Motionはテレビの倍速液晶や同種の機能を実現するフリーソフトに比べ、超高解像度の動画をも破綻が少なく美麗に再生させてくれるため、動画視聴の快適性において絶大な効果を発揮する。
しかし12年中に出ることはなく、実際に製品化され発売されたのは13年4月下旬である。
リファレンスのビデオカードでファンを三機搭載したというのは世界初であると思われる。
ハイエンドであるHD 7970 GHz Editionを二機搭載し、ライバルであるGeForce GTX 690をほぼ同等のパフォーマンスを実現している。
また、何らかの省エネ技術が採用されたのかTDP 250wのRADEON HD 7970 Ghz Editionを二機搭載しながらRADEON HD 6990と同じ8ピンX2の375wの範囲に収まっている。
それと地味な点だがゲームが八本も付属し(それもバイオショックインフィニットなど新作)、これらのタイトルを所有していないならGTX 690と同価格とした場合お買い得感があると思われる。
http://www.4gamer.net/games/135/G013536/20130423086/SS/022.jpg
AMD FirePRO
ATI(当時)のチップが最初に採用されたのは任天堂のゲームキューブである。Flipperという名のチップで、グラフィック機能とあらゆるシステム機能を統合したシステムLSIであった。これは元々、当時任天堂と関係があったとされるArtXというビデオチップメーカーが開発を担当しており、そのままATIがArtXを買収したという経緯がある。その後、WiiのGPUにはHollywood、そしてMicrosoftのXBOX360にXenosが採用された。
次の世代のゲーム機のGPUは全てAMD製である。これには対抗のNVIDIAの失態により、プラットフォームを提供する側(任天堂/ソニー/マイクロソフト)側のNVIDIAに対する信頼が崩れて自滅した、という理由がある。
Wii U向けにRV770系のGPUを設計し、IBM・ルネサスエレクトロニクス・任天堂共同開発のMCMとしてパッケージ化したものがWii Uに搭載されている。
PS4にはJaguarコアのCPUとGCN (Graphics Core Next) 系アーキテクチャのRADEON GPUを採用し、PS4専用にカスタマイズしたAPUが搭載されている他、Xbox OneにもPS4と同様のアーキテクチャを採用したカスタムAPUが搭載されている。
※一部省略
(旧製品について)Phenom II X3及びPhenom II X2・Athlon II X3の一部でマザーボードのBIOS設定を変えると4つのコア全てが動作するようになるものがある。しかし元々無効化されていたコアは欠陥があったために無効化されていた訳であり、有効化されたコアは正常動作しない可能性がある。
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最終更新:2025/12/27(土) 07:00
最終更新:2025/12/27(土) 07:00
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