Carezza 単語


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カレッツァ

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Carezzaとは、KONAMIの音楽ゲーム「KEYBOARDMANIA」および「ノスタルジア」に収録された楽曲である。

2001年――その曲は生まれた

本楽曲が初めて登場した作品は、2001年3月15日に稼働した「KEYBOARDMANIA 3rdMIX」。作曲者はピアニストの鬼才であるオサクボこと、久保田修氏である。
全体的に大人の雰囲気を纏ったインストゥルメンタルで、スウィングのリズムを基本にしつつも所々にラテンの激しさが加わる、久保田氏らしい一曲。中盤以降は、ピアノだけでなく情熱的なドラムなども必聴である。
Carezzaはイタリア語で「愛撫」の意味。ピアノを弾く者はまさに愛撫するがごとく、優しくも情熱的に、その指を、音を、鍵盤の上で駆け巡らせる。その激しさは実際に本楽曲をプレイするにあたって、否応にも感じさせられることになる。

KEYBOARDMANIA
ジャンル Swing
アーティスト Osamu Kubota
BPM 128
譜面難易度   LIGHT LIGHT+ REAL ANOTHER
シングル(SP) 6 6 6 6
ダブル(DP) - 6 6 -

2分に満たない短い曲でありながら、流れるように襲ってくる止めどない16分メインのメロディに加え、激しいポジション移動、幾度とある転調、所々に挟まるスウィングを意識した3連8分、黒鍵も交えた16分の和音移動、そして終盤にはオクターブ連打にアルペジオと、最初から最後まで休む暇が全くない。

REAL譜面は、前半こそ8分に間引きした簡易譜面であるものの、後半になると突如一変。16分の旋律が躊躇なく降ってくるようになり、本来のピアノ譜面をそのまま弾かなければならない。
これが最上位のANOTHER譜面になると……最初から妥協なしの本気モード。当時の伝説たる譜面を知りたい方は、ぜひ下記の動画を参照してほしい。こんなプロ並のピアノ譜面を、本物の鍵盤でやらせていたのである
両手で48鍵盤を弾くダブル譜面は、右手譜面こそREAL譜面止まりの構成だが、ハネたリズムのコード和音やオクターブ反復、中盤に至っては16分音符のメロディ進行まで含まれる左手譜面を、右手と同時に弾きこなさなければならない。ノーツ数は、当時としては規格外の1100コンボ越えを誇る。

このように、KEYBOARDMANIAの最高難易度であるレベル6の中でも本楽曲の難易度は圧倒的なクラスであり、最難関クラスの曲ばかりを集めたコース「ドッキリSELECTION」にも当たり前のように登場。3rdMIXのデフォルト曲[1]でありながら、本楽曲は名実ともにKEYBOARDMANIA最強のラスボス曲であった[2]

本楽曲を語る上において、もう一つ欠かすことのできない特徴がある。
なんとこの曲、これだけ激しい展開や転調を繰り返しているにも関わらず、全ての旋律がKEYBOARDMANIAのプレイ領域である2オクターブ(24鍵)内にぴったり収められている
2オクターブ内に収まりきらない音は、通常は一番端の鍵盤に無理やり当てはめたり、一時的に鍵盤全体の音を1オクターブ変更したりするのだが、この特徴こそ本楽曲が「KEYBOARDMANIAのために作られた楽曲」と呼ばれるようになった所以であり、ゲームの仕様に真っ向から挑んだ久保田氏の真の実力がわかる一曲なのである。

しかし、そのあまりの敷居の高さが災いしてか、KEYBOARDMANIAは本楽曲が登場した3rdMIXを最後に新作が登場しなくなり、事実上のシリーズ終焉と共に、本楽曲は長い長い眠りへと就くことになる。

17年の間――忘れられることはなかった

昨今において、ラスボス級の曲や機種を代表する曲がすぐさま他機種に移植される事案は珍しいことではない。しかしながらこの曲は、シリーズ稼働当時からファンによる移植の要望があったにも関わらず、一度も他機種に移植されることはなかった。
なぜ移植されなかったのか。それにはこんなエピソードが存在する。

※下記の情報は、KEYBOARDMANIAが現役稼働されていた頃から言われているエピソードだが、当時はSNS等が存在せず、インターネット環境が現在と全く異なっていることから、現在においては確実なソースを取得することが困難になっていることを留意してほしい。

ことの始まりは、Carezzaが登場する一つ前の作品「KEYBOARDMANIA 2ndMIX」において、久保田氏のBEMANIデビュー曲でもある「Presto」が移植されたことにある。
元々IIDXの楽曲だったPrestoは、ピアノアンビエントという当時としては斬新なジャンルで高い人気を獲得しており、本物の鍵盤を実装したKEYBOARDMANIAに移植されること自体は、当然道理にかなうことであった。
しかしそれこそが全ての発端だった。当時のKONAMIスタッフが作曲者である久保田氏に移植することを一切通知しないまま、無断で移植してしまったのである
このことを知った久保田氏は、たちまち大激怒。KONAMIスタッフと激しい衝突を繰り広げた結果、決して他機種に移植してはならないという条件付きで、久保田氏によるKEYBOARDMANIA向け楽曲が新たに書き下ろされることになった[3]。その楽曲こそ、Carezzaであった。

このような経緯により、KEYBOARDMANIAのシリーズ終焉後も久保田氏は(主にIIDX向けの)新曲を次々と書き下ろしたにも関わらず、Carezzaは決して他機種に移植されることがない門外不出の曲となった。

すでに終焉を迎えたKEYBOARDMANIAの筐体数は月日が経つにつれ減少し、今や家庭用でもないアーケードのKEYBOARDMANIAでCarezzaをプレイできる環境はほとんどない。
むろんその間も移植を希望する声はたびたびあったものの、先に挙げた明確な理由に加え、ラスボス曲としての権威、2オクターブ内に収まるという楽曲の特異さなどから、本楽曲はKEYBOARDMANIAの中でも特別な存在感を放つようになり、「Carezzaはもはや移植するべきではない」「他の機種に移植しても埋もれるだけだ」といった声がファンの間からも挙がるほどであった。
「Pink Rose」「Mighty Guy」など他のKEYBOARDMANIAの名曲がぽつぽつと他機種に移植されていき、同じラスボス曲である「The Least 100sec」に至っては、一時期に全機種制覇を成し遂げるほどの移植街道を歩む中、Carezzaにおいてはむしろ、「KEYBOARDMANIAのために作られた、KEYBOARDMANIAならではの曲」というカリスマ的地位を不動のものとしていったのである。

2018年――伝説が蘇る

伝説と呼ばれた曲がある

2001年
その曲は 生まれた

そして
17年の間
その曲が
忘れられることは なかった

The 7th KONAMI Arcade Championship
ノスタルジア部門決勝

伝説が
蘇る

Osamu Kubota

Carezza

伝説に挑め

2018年2月10日の出来事であった。

KONAMI公式のアーケードゲーム大会「The 7th KONAMI Arcade Championship」において、かつてのKEYBOARDMANIAのようにピアノ演奏を模した音楽ゲーム「ノスタルジア FORTE」の、初の公式大会が催された。

決勝戦の3曲目、すなわち最終楽曲を発表する際、ゲーム画面内において、ノスタルジアというゲームの象徴でもある時計の針をプレイヤーが自ら巻き戻すという演出が登場。過ぎ去りし時間がプレイヤー自身の手によって巻き戻されたその瞬間――上記のメッセージと共に、最終楽曲がCarezzaであることが明らかとなる。本楽曲が世に放たれてからじつに17年。初めてKEYBOARDMANIA以外の機種に、本楽曲が登場した瞬間であった

ノスタルジア
譜面難易度 Normal Hard Expert
4 8 12

決勝楽曲として未公開の楽曲が登場するのはKAC恒例の行事であるが、過去作品の移植曲が決勝楽曲として用いられたケースは今回が初であり、この楽曲がスタッフからもいかに特別な存在として認められたかが窺い知れる。
17年間も門外不出となっていた本楽曲であるが、大会直後に作曲者が自ら移植に関する宣伝のツイートをしており、今回はトラブルなく移植が叶ったようだ。

そんな本楽曲はノスタルジアのゲームイベント「白熱のKAC演奏会」をこなすことで解禁することができる。KACの準々決勝~決勝で使用された楽曲を順々に追っていくイベントであり、本楽曲が出現するのはもちろん最後。初出時には、KACの会場を一気に盛り上がらせた上述の演出をそのまま観賞することができる。
曲紹介コメントにはただ一言。「伝説に 挑め」。

その伝説は、かつてのラスボス曲の名に恥じず、Expert譜面はノスタルジア最高レベルのLv12。ゲームのインターフェースこそ移植元と大きく異なるものの、右手パートの休みない構成は相変わらず。グリッサンドの代用などによる誤魔化しも一切なく、全てのメロディを自力で弾ききらなければならない。
左手パートはKEYBOARDMANIAに比べると三和音がやや簡略化された代わりに、スウィングの跳躍が追加されている。左右に激しく揺さぶられるオクターブ往復なども健在のため、右手パートの忙しさにかまけて、リズムが疎かとなった稚拙な演奏とならないようにしよう。

Hard譜面はLv8だが、所々に16分音符の階段が残っている他、右手パートと左手パートで全く違う展開を弾かされるなど、全体を通して忙しない構成であり、詐称レベルという声が強い。プレイの際は心して取り組んでいただきたい。

最後に

本楽曲は、作曲者である久保田氏の手によって楽譜が作られており、同氏の楽曲「Presto」「Vienna」とともにピアノ楽譜「finger strokes」に収められている。
現在は絶版で容易に手に入る代物ではないが、興味があれば調べてみてもいいだろう。もっともCarezzaのピアノ演奏は作曲者本人さえも「ソロで弾くのは難しい」と認めているほどのものであり、いざ挑むとなればゲームをプレイする以上の覚悟が必要となる。

20年以上の歴史を持つBEMANIシリーズの中でも、KEYBOARDMANIAは黎明期ともいえる時期に誕生し、消えていった作品である。この曲は正式には移植曲であるものの、遠い昔に過ぎ去った「伝説」として初めてこの曲に挑まんとするプレイヤーは多いはず。
鍵盤楽器に特化したゲーム性やその演奏性の高さが、シリーズ終焉後もなお多くのファンやスタッフを魅了させたからこそ、その思いは未来にわたって紡がれ、やがてノスタルジアという新たな音楽ゲームに生命を変えることに成功した。17年もの間封印され続けていた本楽曲が移植されたことは、それを決定づける出来事であったといえよう。
昔のこの曲を知る方も、今初めてこの曲を知った方も、かつてBEMANIの世界に君臨していた「伝説」を、ぜひご自身の手で体験していただきたい。

関連動画

楽曲 & 専用ムービー (KEYBOARDMANIA)

譜面観賞動画 (KEYBOARDMANIA) SP ANOTHER & DP REAL

プレイ動画 (ノスタルジア) Hard & Expert ※初解禁時の演出付き

本物のピアノで実際に演奏してしまった方

関連項目

  • BEMANI
  • KEYBOARDMANIA
  • ノスタルジア(BEMANI)
  • 久保田修
  • BEMANIシリーズの楽曲一覧
  • BEMANIシリーズのボス曲一覧

脚注

  1. *ただし最上位のANOTHER譜面をプレイするためには隠しコマンドが必要。
  2. *プレイヤーによってはThe Least 100secの方が難しいという意見もある。BPM264という高速の中で黒鍵だらけの指移動が要求されるなど、こちらもCarezzaに劣らないレベルのラスボス級の曲である。
  3. *久保田氏を怒らせた理由の一つとして、「移植されたPrestoの完成度があまりにも低いことに腹を立てた」という話も一説に存在する。いざ実際にこの曲をプレイしてみると、「採譜ミスをしている箇所や、ゲーム化のために鍵盤配置が苦し紛れな箇所が複数存在する」「IIDX版やサントラ版に存在しない楽器音などが足されている」「KEYBOARDMANIAの楽曲の中で唯一ダブル譜面が存在しない」など、いくつか問題点を抱えていることがわかる。先述の通り、移植は久保田氏の関与なく行われたものであり、後述するピアノ楽譜「finger strokes」の中においても「KEYBOARDMANIAのPrestoはKONAMIの方が編曲したもので自分は関わっていない」という作曲者のコメントが記述されている。

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