「ENDLESS EMOTION - 幻戦 -」はRPGツクール作品。
概要
他人ツクールシリーズ第107~117回目に取り上げられたRPGツクール2による作品。通称は「E・E編」。
作者はシナリオ:シー.アイ+AKIRA氏、マップデザイン:(カオス+フィアー)ナイト氏、スペシャルサンクス:きょうふの魔神+しぜんの女神氏、原作:N.アキラwith D・プロジェクト氏、企画:A.J.Hブラザーズ氏。
提供者は いしまる氏。
本作は一言で言えば、様々なゲームやアニメのオマージュ要素を絡めた、王道的ではあるがシリアスかつ非勧善懲悪的で、やや難解な内容の長編RPGである。
画期的なパーティ編成システム、作りこまれたイベントの数々、RPGツクールであることを忘れてしまう程重厚なストーリー展開、そしてなにより未完で終わることが多い他人ツクールシリーズの中でも珍しく完結したという点が、まず評価され、同シリーズの名作のひとつに数えられている。
ただ、一般的なツクール作品としての評価となると賛否両論であり、人によっては「面白かった」だとか「見ていて疲れた」だとか、ようは落差が大きいのが特徴である。
たにツクアンケート「たにツク of BEST 2009」部門で第6位を獲得した(ちなみに5位は「アマガミ」であるため、実質5位である)。
ストーリー
舞台は大陸と海の世界「エクストラ」。
これは、この世界の支配を企む侵略国家「エクストラ国家」と、平和のためにそれに抗う「反乱軍」達との戦いの物語である。
物語は反乱軍のリーダー「デュー」とその仲間達の決起から始まる……。
本作の特徴
- 本作は様々なゲームやアニメの影響を受けて作られているのが最大の特徴である。中でもSFCのRPG「バハムートラグーン」とアニメ「新機動戦記ガンダムW」の影響がとくに強く、いくつかの要素がオマージュされている。
- 「反乱軍のアジト」にてパーティ編成が可能で、メインメンバー7人の中から3人を選ぶことができる。仲間の紹介文及び台詞も個性的。
-
作品内に登場する全ての呪文の消費MPが0に設定されている。
- そのため、呪文による攻撃が充実している都合上、物理攻撃・武器・攻撃力が存在意義を失っている。
-
雑魚敵が一切エンカウントしない。
- そのため、ボス戦でしか経験値を得られないために、事実上、初期選択メンバーからの固定が強要される(後に加入する3兄弟は例外)。
- また、ボス戦で戦闘不能に陥れば経験値はもらえないため、戦闘不能は致命傷(詰み)につながる。
- 上記のルールを理解してさえいれば、ゲームバランスは良好。ただ、メンバーの組み合わせによって落差が大きいことが推察される。
- ストーリーは王道路線を基本としているが、登場人物が多めで、やや説明不足な部分があり、話の進行も比較的速い上に、非勧善懲悪的に展開されるため、少々理解が難しく感情移入もしづらい。
- テキストは読みやすく工夫してある。しかし、作者の言語力・表現力の不足により、(特に終盤の)台詞の内容がわかりづらい。
- エンディング直前に「お疲れ様会」が用意されている。ただ内容は内輪向け。
登場人物・モンスター
名前右の()内は職業名。声の出演は作者の脳内設定である。
反乱軍
エクストラ国家に不満を抱いて結集した、世界から戦いをなくすことを理想とした平和のための反乱軍。
-
デュー・エモーション (パラディン) 脳内CV:緑川光
- 主人公。反乱軍のリーダーを勤める青年。18才。ラディアとは幼馴染の関係である。ゲームの主人公らしく選択肢以外は喋らない。サラマンダーには乗っていない。
- 戦いの後は一人あてもなく世界を旅して周っている。後にラディアと「おもいでの塔」で再会し、彼女と共に再び旅に出ることになるらしい。
- 真エンドでは、ラディアとの約束どおり「おもいでの塔」に2人で入って結ばれ、その後はドラゴンに乗りながら世界中を旅して回る生活をしていることが判明した。仲間たちとも皆再会したらしい。
-
ラディア・サーチェリー (プリースト) 脳内CV:矢島晶子
- デューとは最も親しい関係にある女の子で、いわゆる幼馴染のメインヒロイン。18才。回復魔法が得意。雰囲気的にヨヨを彷彿とさせるが、別にさらわれたり寝取られたりとかはしない。
- 戦いの後はルバウトの町に一人残り、旅に出たデューの帰りを待っている。後に「おもいでの塔」で再会し、彼と共に旅に出ることになるらしい。
- 真エンドでは、デューとの約束どおり「おもいでの塔」に2人で入って結ばれ、その後はドラゴンに乗りながら世界中を旅して回る生活をしていることが判明した。仲間たちとも皆再会したらしい。
-
炎竜王 (シーフソルジャー) 脳内CV:矢尾一樹
- 逃げも隠れもするが嘘はいわない男。18才。名前は偽名であり本名は不明。不真面目な性格で、根っからの盗賊のようである。素早さがとても高い。
- 戦いの後は、ラミールからの借金を踏み倒し、追われる身となっている。後にヤミオウジと再会して2人で財宝探しの旅に出た。
- 「逃げも隠れもするが 嘘は言わない男」の元ネタは、アニメ「ガンダムW」のデュオ・マックスウェルの台詞。
-
ヤミオウジ・ジュンヤ (スペクトマスター) 脳内CV:関俊彦
- 女好きでナルシストな男。18才。軟派な性格で、モテたいがために戦っている節がある。
- 戦いの後は自分の国へ戻り、女のところへ押しかける日々を送っている。後に炎竜王と再会して2人で財宝探しの旅に出た。
- 「スペクトマスター」の元ネタは漫画「黒髪のキャプチュード」か。
-
エン・クサナギ (ソードマスター) 脳内CV:飛田展男
- 剣の修行が趣味の真面目な男。17才。クサナギ流剣術の使い手。素早さが高い。
- 戦いの後は、道場主にでもなったのか、ハイネと共にクサナギ流剣術を語り伝える存在になった。
-
ハイネ・リヴァイア (ルーンナイト) 脳内CV:折笠愛
- 法術剣の使い手である女の子。18才。強くなろうとしているらしく、少なくともデューにはその実力を認められている。エンに片思いしており、強くなろうとしているのは彼に認めてもらいたいからである。
- 戦いの後はエンにクサナギ流剣術を習い、共にクサナギ流の発展につとめた。
-
ラミール・エナ (ウィザード) 脳内CV:かないみか
- 噂話が好きな女の子。19才。炎竜王にお金を貸している。攻撃魔法が得意。たまに男っぽい口調になることがある。
- 戦いの後は、炎竜王の作った借金を返済するためにバーで働いている。炎竜王には、金を盗まれた恨みを抜きにしても、再び会いたがっている様子で、しばしば彼を探す旅に出ているらしい。
-
チサト・ファンタジア (マジックアーチャー) 脳内CV:小森まなみ
- 自然を愛する女の子。17才。少々のんきな性格。(劇中では見られなかったが)天然ボケな所があるらしい。反乱軍の中で唯一、シトネ及び3兄弟と面識があり、中でもアキラとは両思いの仲。専用装備は浴衣。
- 戦いの後はアキラと結婚して彼の家に住み、後に転がり込んできたジュンとハルナと共に4人で暮らすようになった。
-
サシャ
- アジト一階にいる男性。話すとパーティがデューひとりになり、パーティ編成を行える。
-
リース
- アジト二階にいる女性。反乱軍メインメンバーの情報を教えてくれる。
3兄弟
女王シトネの子供たち。母の野望を止められなかった自責の念から、自分達の手で母を討とうと画策している。反乱軍と争った後、彼らの仲間に加わる。
-
アキラ・ジェダルーク (クロスナイト) 脳内CV:中原茂
- 3兄弟の長男。18才。二刀流の使い手。チサトとは親しい関係にある。
- 戦いの後は剣を捨ててチサトと結婚し、昔住んでいた家で新婚生活をしていたところをジュンとハルナに押しかけられる。
-
ジュン・ジェダルーク (カオスナイト) 脳内CV:松本保典
- 3兄弟の次男。18才。母シトネに対して愛憎入り混じった感情を持っており、母討伐を率先した人物。なにかと突っ張った性格で、反乱軍加入後ですら口調が荒い。妹ハルナに対しては普通に妹として接しているが、どのような感情を抱いているのかは不明。
- 戦いの後はハルナと行動を共にし、その2年後に兄夫婦の家に転がり込む。
-
ハルナ・ジェダルーク (フィアーナイト) 脳内CV:林原めぐみ
- 3兄弟の長女で末子。17才。物腰丁寧な口調だが、聞き分けのない者には容赦しない性格。兄のジュンに兄妹愛以上の感情を抱いており、母の打倒に協力しているのも彼のため。いわゆるヤンデレブラコン。
- 戦いの後はジュンと行動を共にし、最終的にアキラ・チサト夫妻の家に居つく。
中立・外部協力者
-
フレデリカ
- ルバウトの町の薬売り。
- 元ネタは「バハムートラグーン」のフレデリカ。というかそのまんまである。
-
イズミ
- 自称「せんたくやのイズミ」。「エクストラ国家」施設の情報にやたらと詳しい謎の女性。「マデラムの町」で初登場し、彼らに「ひみつしせつ」の情報を与えた。のちに「ジェダルーク」の手前で再登場し、デュー達にペットのドラゴンを預け、「竜神のどうくつ」の情報を提供して消えた。その後の消息は不明。
-
ドラゴン
- イズミの飼っているドラゴン。空を飛ぶ乗り物となる。バムーラではない。
- 真エンドでは、飼い主・イズミが行方不明になったため、そのままデューとラディアが飼うことになったことが判明した。
エクストラ国家関係者
女王「シトネ・ジェダルーク」を元首とする国家。登場人物の台詞からすると、シトネが建国して10年に満たない程度の新国家であるが、その軍事力は圧倒的であり、近隣諸国への侵攻をさかんに行っているという。
-
カズク
-
ヴァリス
- 「エクストラ国家」四将軍の1人で、サウザニクス大陸守備部隊指揮官。
- 「ヴァリスの城」の城主。デュー達と戦うも敗れ、逃走。その後「ザハード大陸の施設」にてカゲオウジとともにデュー達と再戦し、倒された。後に「おもいでのとう」にて再戦する。
- ちなみに戦車馬の名前は「ジェネラル」と「ギガース」。
-
カゲオウジ
- 「エクストラ国家」四将軍の1人。ゾベルド大陸総監府長官。
- ヤミオウジと名前が似ているが、お互いに無反応だった(どうやら兄弟などではないらしい)。デュー達と戦うも敗れ、逃走。その後「ザハード大陸の施設」にてヴァリスとともにデュー達と再戦し、倒された。後に「おもいでのとう」にて再戦する。
-
ゼロシン&サジン&シャドウ
- 「エクストラ国」殺戮部隊に属する3人の忍者。「ひみつしせつ」にてデューたちに襲い掛かった。
- ゼロシンとサジンは「バハムートラグーン」に同名のキャラが登場しており、シャドウの出展は「FF6」だと思われる。
-
ペルソナ
- 「エクストラ国家」四将軍の1人。ラグナック大陸施設部隊指揮官。
- 綺麗好きらしく、デュー達が来た際には「ひみつしせつ」の掃除をしていた。交戦後逃亡、後に「おもいでのとう」にて再戦する。
- 言動が「バハムートラグーン」のペルソナそのまんま。
-
ジュエル
- 「エクストラ国家」四将軍の紅一点。防衛部隊指揮官。
- 「おもいでのとう」にてデュー達と戦い、倒される。下半身が蛇のようになっているが、おそらくコスプレ(グラフィックの都合)。
-
ガルズア 脳内CV:置鮎龍太郎
- 「エクストラ国家」特殊部隊指揮官。剣士。
- 「エクストラ城」にてデュー達との戦いに敗れた後、シトネとランマルを「ジェダルーク」へ逃がすために一人捨て駒となった。
-
ランマル 脳内CV:池田秀一
- 「エクストラ国家」女王直属部隊隊長にして、シトネの再婚相手。魔術士。
- 「エクストラ城」にてデュー達と戦うも敗れ、シトネとともに「ジェダルーク」へ逃亡する。
- 後に重要拠点である「おもいでのとう」にて彼らを待ち伏せ、四将軍をけしかけるも敗北、その後「ジェダルーク」にてモンスターを召喚して最後の戦いに挑むも敗北、死亡した。
-
シトネ・ジェダルーク 脳内CV:井上喜久子
- 「エクストラ国家」女王。同国家の建国者にして元首。
- 「世界の再興」という理想の実現のために行動している女性。見た目は女性でも胸がときめくくらいに端正な顔立ちらしい。
- 早くに夫を亡くしており、のちにランマルと再婚している。実子かどうかは不明だが、子にアキラ、ジュン、ハルナがおり、幼い頃から育てていた。元は温厚で優しい性格の人物だったらしいのだが、エクストラ国家を建国してからは人が変わったように冷酷になり、3兄弟はそのことを嘆いている。
- 居城「エクストラ城」にてデュー達と交戦するも敗れ、ランマルとともに真の本拠地・「ジェダルーク」へと逃亡した。戦闘の際は攻撃はガルズア・ランマルに任せ、自身は回復役に徹している。2戦目では1人で回復・状態異状・攻撃呪文を駆使して戦った。「ジェダルーク」天上にて、モンスター召喚で疲弊した隙を突かれて敗北、死亡した。
- 彼女の死後、エクストラ軍と反乱軍は和解し、「エクストラ国家」は一切の軍事侵攻を停止することになる。
召喚モンスター
追い詰められたシトネ、ランマルが召喚した魔物たち。彼らの最後の砦「ジェダルーク」の防衛を担当する。どれも彼らの魔力に比して強大な存在だったらしく、召喚・使役などの際に、身体にかなりの負荷がかかったようである。その割にあまり仕事していなかったのは内緒。
-
ヘルデーモン
-
ヘルブラック
-
ヘルエフェックス
-
アイスキマイラ
-
アイスウォーリア
-
アイスヒドラ
用語
-
ドラッグ
-
マジックジン
- MPを50回復するアイテム。MP消費の無い本作においては存在意義を失った、いわゆる死にアイテム。
-
ばんのう薬
- 戦闘不能を含む全ての状態異常を治せるアイテム。戦闘不能が許されない本作における最重要アイテムである。効果は似ているが「魔薬」ではない。
-
タンスのアレ
- 戦闘中に使うと魔法「ランスボード」の効果があるアイテム。
- 元ネタは例によって「バハムートラグーン」であり、その意味は「タンスにゴン」 …ではなく「コンドーム」のこと。
-
テレポッド
- 一瞬のうちに別の場所へ転送できる装置。ワープ先は調整できるらしい。
-
ルバウトの町
-
おもいでの塔
- ルバウトの町近くにある塔。「男女が2りで入ると永遠に結ばれる」という伝説があり、劇中ではデューとラディア、アキラとチサトがこれにあやかって塔に入る約束をしている他、ランマルもこの塔に思い入れがあるらしく、シトネと2人でこの塔に入ったことが示唆されている。内部にはパルニッテ大陸へのテレポッドが設置されている。
- 元ネタは「バハムートラグーン」の「思い出の教会」。設定はそのまんまであるが破壊はできない。
-
ジェダルーク
- パルニッテ大陸にある「エクストラ国家」の真の本拠地にして移動要塞。「ザベルの城」ではない。
-
幻戦
- 本作のメインストーリーである、「エクストラ国家」と反乱軍との戦いのこと。この戦いは「幻戦」と呼ばれ、後の世に語り継がれることになる。
その他
- チサトと3兄弟は、作者の他作品(『LAW+CHAOS』)からのスターシステム出演のキャラだったらしい。
- 本作の脳内OP曲は「ENDLESS LOVE」(TWO-MIX)である。 もうやめて。
関連動画
関連商品

![ニコニコ市場は2023年11月に終了しました。]()
関連項目
- 他人ツクールシリーズ
- RPGツクール
- バハムートラグーン
- 新機動戦記ガンダムW
- 中二病
- 火事場泥棒
- 「金は命より重い…!」 by利根川幸雄
- 黒歴史