MOD(モッド)とは、変更・修正・改造を意味する「Modification」の略称であり、PCゲームでのオリジナルのゲームの内容を改造・追加したユーザー製のファイルやプログラムの類、それらを適用したゲームのことである。広義ではカスタムマップやスキンなども同様に呼ばれている。MODを導入する前のオリジナルの状態をバニラ(Vanilla)、MODを製作するユーザーのことをModderという。
ゲーム内のテクスチャー、モデルの差し替えをはじめ、ゲームバランスの調整やバグ修正、マップやアイテムなどの新規追加、ローカライズ・・・などMODの種類は多岐にわたり、ときには元のゲームにはなかったオンライン対戦機能の追加や、オリジナルのゲームのグラフィックエンジン、物理エンジンなどの基本システムを用いて、全く別の新しいゲームが作られることもある。
始まりはいわゆるハックの部類にあるものでイリーガルな面も持っていたが「DOOM」において開発者側が改造専用のライブラリ「WAD」(Where's All the Data、データはどこだ)を公開し、公的に改造データの製作と公開ができるようになったことで現在のようなMODの文化とコミュニティが形成されたと言われている。
ゲームエンジンが柔軟なゲームでは開発者側がMODの製作をサポートしていたり、専用の開発キットが無償で公開されることも多い。「Counter-strike」など優れたMODは独立したタイトルとして製品化されることもあり、また、MODコミュニティ出身のゲーム開発者も数多く存在する。MODはゲームプレイとゲーム開発を結びつけるものであり、海外ではゲーム文化の大きな柱のひとつとも言えるだろう。
一方、据え置きゲーム機(コンソールタイトル)が中心であった日本国内ではそのようなMOD文化はほとんどなく、ときに偏見や誤解をされてしまっているのは決して珍しくはない。(後述:日本での認識)しかし今日ではマインクラフトなどをはじめ、国産のMODも多く作られている。日本のMODはまだ始まったばかりなのかも・・・!
オリジナルのゲームデータに手を加えず追加だけのものをアドオンと呼ぶこともあるが、定義は曖昧のようで、ゲームとコミュニティによって呼び方が異なる程度で、特別区別されているわけではないと思われる。
パッチもMODも元のデータに改変を加えるものであり、MODも広義的にはパッチの一種ではあるが、PCゲームでは開発者以外が改変する為に配布するものを特にMODと呼び分ける。例えば、開発者がバージョンアップで行うような調整や修正などでもユーザーメイドの場合はMODと呼ばれる。しかし、基本的にはコミュニティ間での呼び方なのでかなり曖昧な部分もあり、国内ではバグを修正する程度の物なら「有志パッチ」、ローカライズ行うものなら「日本語化パッチ」等と呼ぶ場合もある。
記事があるもののみ掲載する。
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優れたMODや人気の高いMODは後にオリジナルのゲーム開発会社によって購入され独立した(スタンドアローン)ゲームとして製品化されたり、MOD開発チームが会社を立ち上げ、独立したタイトルとして新たに作り直し販売されることは多い。また、ゲームデータの二次配布の許可を得たり、ゲームエンジンがオープン化された場合にフリーゲームとして公開されることもある。
近年では「Defense of the Ancients」のように新しいゲームジャンルを築き上げたMODも存在する。
| 独立化したタイトル | MOD版のベースとなったゲーム |
|---|---|
| Alien Swarm | Unreal Tournament 2004 |
| Counter-strike | Half-life |
| DAYZ | Arma2 |
| DoTA系、MOBA系タイトル | Warcraft3 |
| Garry'sMod | Half-life2 |
| Killing floor | Unreal Tournament 2004 |
| Natural selection 2 | Half-life |
| Red Orchestra | Unreal Tournament 2004 |
| Sanctum | Unreal Tournament 3 |
他、製品化したもので「Day of defeat」「Dear Esther」「Dino D-Day」「Ricochet」「The Ball」「The Ship」「The Stanley Parable」・・・など、フリーゲームになったものでは「Black mesa」「Cry of fear」「NEOTOKYO°」「No More Room in Hell」「The Dark Mod」「STALKER Lost alpha」・・・などがある。
ゲームエンジンが柔軟でMOD製作をサポートしているデベロッパーからは、ユーザー向けに開発専用のツールやゲームの仕様をまとめたチュートリアルが無償で公開されていることが多い。UDKやSourceEngine、CryEngineのようにゲームエンジンそのものがオープン化されているものもある。ただ、一方で近年ではゲームの複雑化が進みゲームデータの暗号化がされMOD製作が困難なものも珍しくはない。
「面白いと思ってるし,やりたいけど,サポートが大混乱する」 (Si-phon代表取締役 谷村勝一郎)
参考: 「MODへの可能性と,問題点」より
http://www.4gamer.net/games/081/G008143/20100103001/index_2.html
日本製のゲームではPCタイトルであってもMODはほとんど見られない。ゲーム開発者でのインタビュー記事の回答のような状況が対応、許諾に関して二の足を踏ませている要因のようだ。
海外のゲームコミュニティでは「自分の意思で入れたデータなんだから自分で責任をとる」というのがMODの大前提として存在しているが、日本の場合、そもそもMODというものになじみがなく、メーカーサポートに責任を求めるような動きをする人が多いと言われている。 国産タイトルの「信長の野望」シリーズや「大戦略」などでも一部のゲームにしかMOD機能が実装されておらず、それらもあくまで範囲が限定的な物でありことがほとんどである。
また、国内のゲーム関係のコミュニティでは「チート」と混同されてしまっている場面もよく見かけられる。一部にチート機能を持つものやゲームバランスを変える内容のMODがあり、使用するユーザーもいるということだけで、当然MODそのものの定義とは全く別物である。(チートの記事も参照)
日本では据え置きゲーム機が中心であり、そもそものPCゲームの改造という考え方がまだあまり理解されてないためか、国内のゲーム関係のコミュニティでは「MODは違法だ」と言われてしまっていることは決して珍しくはない。ここまで記事を読んでくれた人ならもうお分かりだろう。当然、現在のMODの文化そのものに違法性は全く無い。コンソールゲームにおいても改造を楽しむ文化はあるが(例:改造マリオ、改造ポケモン)それらは「ハック」または単に「改造」と呼ばれており、一般的なPCゲームにおけるMODとは別物である。(ハックロムの記事も参照)
ただし、オリジナルのゲームデータの二次配布は違法性に接触する恐れがある。特に実行ファイル(exe)は改変したものでもグレーなものとして扱われるケースが多い。実行ファイルの改造が必要なもの(バグ修正、日本語化など)では差分を適用するパッチ形式で公開するのが一般的である。無論、無許可で集金を募ったり、他のゲームのデータなど著作権のあるデータを流用している場合は当然違法性のあるものとされ、ModdbやNexusなどの大手MODコミュニティでは削除の対象となっている。
ニコニコ動画における個人レベルでの改造プレイ動画では、作者が「パッチ」または単に「改造」、ときには「チート」とも言っているケースもあり、MODという考え方の普及度が伺えるかもしれない。(なじみのない言葉MODと呼ぶ事での視聴者の混乱や、イリーガル感を出さない為の配慮である場合もある)
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※製品化したタイトル、スタンドアローンタイトルは前述の「MODの独立」の項目を参照
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最終更新:2025/12/30(火) 06:00
最終更新:2025/12/30(火) 06:00
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