MVSとはSNKが発売したアーケードゲーム基板"Multi_Video_System"(マルチビデオシステム)のことである。
SNK(株式会社エス・エヌ・ケイ)とアルファ電子工業(株式会社ADK)が開発し、SNKにより1990年に販売開始。
ソフトが提供され供給が終了する2004年までの長期間、KOFなどSNK作品や他社作品のゲーム基板として最前線で活躍した基板である。
マザーであるMVSにカセットタイプのROMを差し込むことによって起動する、所謂マルチプラットフォームであることが最大の特徴で、機種によって最大6カセットまで搭載が可能である。デモ画面時にスタートボタンを押すことでゲームを切り替えることができ、一つの筐体で複数のゲームが遊べるという従来のアーケードゲームには無い斬新なスタイルをとった。
また同時期に内蔵基板がほぼ同等である家庭用ゲーム機NEOGEO(別名ネオジオ/AES)を販売した。同機種はMVSとの完全移植を実現、固定ユーザーの獲得に成功した。そのため一般的にはMVSよりもNEOGEOの名前の方が広まっており、アーケード基板であるこのMVSも「NEOGEO」「ネオジオ基盤」などと呼称されることも多い。
専用の筐体も用意された。この筐体は家庭用であるNEOGEOのメモリーカードを挿入してスコアを反映させることができたり、NEOGEOのコントローラーを挿せる端子があったりと家庭用との互換性が強いこともあってNEOGEO筐体とも呼ばれた。そのNEOGEO筐体の初期タイプは非常にサイズが小さく場所を選ばない上に、MVSさえあればROMが安価であったため新作の導入も容易であった。加えて初期には販売ではなくレンタルを行うなどのSNKの販売戦略が功を奏し爆発的に普及した結果、ゲームセンターだけでなくレンタルビデオ店や大型量販店のゲームコーナー、駄菓子屋などの小型店舗にも設置された。
海外でもその取り回しのきき易さから普及率が非常に高く、ユーロ圏や南米、中国、その他途上国などに広くファン層を開拓し、国内以上に現役で稼働している店舗が多い。
残念ながら、現在ではMVS基盤が稼働している筐体もほぼSEGAのアストロシティやバーサスシティなどになっており、MVSを本来のNEOGEO筐体で見る事は少ない。とはいえ、MVSそのものはレトロゲームに強いゲームセンターで現役稼動している店舗もまだまだあり、発売から長い年月たった今でもゲーマーから愛され続ける基板となっている。
・初期型「MV-1」「MV-2」「MV-4」「MV-6」
販売当初より存在したタイプである。1~6の数は、ROMを挿せる数を指している。
カセットの挿入方法は1のみ横挿しで、他3機種はファミコンのような縦挿しタイプ。
所謂複数のソフトを同時に遊べるタイプはこの初期型であり、後期型は全て1本挿しタイプである。
現在でも各所のゲームセンターで稼働していることも少なくなく、複数挿しタイプでは「MV-4」の稼働率が高い。
後の機種ではオミットされた機能も存在する。またSNKプレイモア製のROMの一部が起動できない。
・中期型「MV-1F」「MV-1FZ」
「MV-1」を小型化したもの。「MV-1FZ」ではかなり縮小され、表面の露出した基盤部分がほぼなくなっている。
いずれも横挿し。
・後期型「MV-1A」「MV-1B」「MV-1C」
いずれも1本挿しタイプで、SNKプレイモアが販売したコピーガード搭載のROMを含め、すべてのソフトで遊ぶことができる。各種の特徴はAが横挿し、Bがその小型版、Cが縦挿しであること。
・後継機「ハイパーネオジオ64」
詳細は当該項目を参照。本来は3Dゲーム専用基板ではなく2Dゲームをより高品質に表現する為に開発された基板であった。本基板がMVSほど普及せずヒット作にも恵まれなかったことから、MVSより先に販売を終了している。座席セットの専用筐体が存在し、MVS同様ROMカセット方式である。
長期間にわたって採用され続けた傑作基板であるが、晩年は回路が解析されつくされコピーROMの出回りにより販売形態が崩壊。SNKプレイモアが販売を手掛けた頃は後期型機種をはじめ、最新ROMには互換性を限定させるなどの措置を取ったり、一部の国内向け作品はMVSとROMの機能を一体化した一枚基板として販売するなど、コピー対策を行っていた時期もあった。しかしそれも僅かな期間で、最終作「サムライスピリッツ零SPECIAL」のROMは諦めたのかこれまで同様カセット方式となっている。
生産終了後も海外では無許可のオリジナルROM、コピーROMが販売されている。また、「レイジ・オブ・ザ・ドラゴンズ」の開発と権利を有するエヴォガ・エンターテイメントが、MVSのROMと互換性を持つ次世代機「クリスタルシステム」の構想とそのサンプルをHPに掲載していた事もあったが、同社が2004年に倒産したためお蔵入りとなっている。
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最終更新:2026/01/08(木) 17:00
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