÷2(わるに)とは、以下の事を指す。
1.の概要
ある量を2で割ること。「2等分する(等分除)」「2ずつ分ける(包含除)」「1/2倍する」「半分にする」などの表現があるが、いずれも数学的には等価である。
算数の教科書では、面積の公式に「÷2」がよく出てくるため、算数の公式を使ったパロディでも出てくることがある。
以下に「÷2」が登場するものを列挙するが、通常「×1/2」で表現されるようなものも「÷2」で表現する。
面積の公式
小学校で習う面積公式の多くに「÷2」が出てくる。いずれも、基本的には「合同な図形を2つ組み合わせて既習の形にして、2で割る」という形で導出される。
この「なぜ÷2するのか」を考えないまま式だけ覚えてしまうと、平行四辺形の面積のように必要ないものまで「÷2」してしまうミスにつながる。
三角形の面積
底辺×高さ÷2
まず、平行四辺形の面積は、底辺(ある辺)と高さ(その辺と対辺との距離)が同じ長方形と分割合同(一方の図形を切って並べ替えるともう一方の図形と合同になる)である。したがって「底辺×高さ」で求めることができる。
三角形は、合同な2つを上下逆さに組み合わせると平行四辺形となるため、「平行四辺形の面積÷2」で求められる。
台形の面積
(上底+下底)×高さ÷2
三角形の面積と同様に2つ組み合わせると平行四辺形となる。
このとき、平行四辺形の底辺は、台形の平行な2辺の和となるため、上記公式で求められる。
菱形の面積
菱形の対角線は垂直に交わる。
両対角線が縦横である長方形は、元の菱形の2倍の面積であるから、2で割る。
扇形・円の面積
「え?円の面積に÷2なんて出てこないぞ?」と思った人は高校の数学Ⅱをもう一度確認しよう…と言うと思ったら大間違い、小学校の教科書をもう一度最初から読もう。
扇形を三角形に近似すれば、1行目の式は「底辺×高さ÷2」に相当するとわかる。小学校の教科書でも、「円の面積=円周×半径÷2」を変形させて「半径の2乗×π」を導出している。
高校で弧度法を導入したなら、弧の長さ=角度×半径であるから、2行目の式となる。
円周直径比(いわゆる円周率)πを用いた場合は「半径²×π」だが、円周半径比であるτを用いた場合、円の面積は「半径²×τ÷2」となる。
円は中心角が「一周(=2π=τ)」の扇形に他ならないのだから、「÷2」を内包するはずである。公式に「÷2」が出てこないのは、歴史的経緯から半周を単位とする数学定数が使われているからにすぎない。
τ(数学定数)の記事も参照。
その他「2倍にして(2倍と見なして)2で割る」形式の公式
上記の三角形や台形の面積と類似の手法で、「同じものを2つ組み合わせて計算を簡単にした後、2で割る」という導出をする
等差数列の和
(初項+末項)×項数÷2
ガウスが幼少期に思いついたことで有名な、「1から100までの和」などを求めるのに便利な公式。
等差数列の各項をマルを描いて表せば三角形になるので、逆さまにして2つくっつければ長方形となるという理屈である。
1+2+3+…+100
=[(1+2+3+…+100)+(100+99+98+…・+1)]÷2
=101×100÷2
=10100÷2
=5050
総当たり戦の試合数(2つ取る組み合わせ)
手法は上記と同じ。対戦表を見れば、同チーム同士組み合わせを除く斜線を挟んで直角三角形になっている。これを組み合わせると「チーム数×(チーム数-1)」の長方形ができる。順番違いを除くので2で割る。
チーム数の中から2つ取る組み合わせなので、nC2=[n×(n-1)]÷2としてもいいが、この場合でも「÷2」の意味が「順番違いを除外する」であることに変わりは無い。
2次式の平方完成・2次方程式の解の公式
x²+bx+c=[x+(b÷2)]²-b²/4+c
展開・因数分解の公式(x+y)²=x²+2xy+y²を利用する方法。
上式左辺で、1次の係数を2で割ると係数2を無理矢理ひねり出せるので、あとは定数項の部分を加え、加えた分は引き、「x²+2×(b/2)x+(b/2)²-(b/2)²+c」と表現すれば上式右辺のように「xの1次式の2乗」という形を作ることができる。これを利用することで、2次方程式の解の公式も導出できる。
面積計算では「2倍を作って2で割る」が頻出したが、この場合は「2で割って2倍を作り出す」という形で「÷2」が現れる。
1次関数の積分
f(x)=axにおいて、∫f(x)dx=ax²÷2+C Cは積分定数
グラフで言えば、1次関数の区間で区切られた部分は台形や三角形になるのだから、その面積である定積分は、三角形や台形の公式と同じ理由で「÷2」が現れる。
よって、以下に示すとおり、ある量が1次関数で表せるなら、その積分という形で「÷2」は頻出する。
等加速度運動
x=v0t+at2÷2
2つの相加平均
Avg(a,b)=(a+b)÷2
当然ながら、2つの平均は「足して2で割る」。慣用句でも用いられる。
2点間の中点
点P(xp,yp)とQ(xq,yq)の中点Mは
M((xp+xq)÷2,(yp+yq)÷2)
2点間の中点の座標は、各成分の座標の平均である。
公比3の等比数列の和
a(3n-1)÷2
公比rの等比数列の和は、a(rn-1)/(r-1) で表されるため、公比が3なら分母は2になる。
つまり、3倍を繰り返すような何物かの和を計算するときは、最後に「÷2」をするのだ。
そんなものはとっさに思いつかないが、もしあったら追記してください。
2.の概要
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